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細マッチョな先輩と恋人同士になった件(ソレイユルート)

★ 先に……俺が、したいです……先輩に

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 飽きることなく何度も何度も繰り返し。柔らかな温もりが、ついばむように口づけてくれている。

 始まりはどちらともなく。抱き締めてくれている引き締まった腕の頼もしさを、大好きな人の重みを堪能していると思い出したかのように先輩が身体を浮かせたのだ。

 再び俺の顔を挟むように手を置いて、見下ろしてきたオレンジの瞳。熱を宿したその眼差しに見惚れている内に気がつけば互いに距離を詰めていた。

 それからは、この通り。俺も先輩も、お互い競い合うように口と口とを押し付け合っている。絶え間なく触れ合ってくれる温もりで唇は熱を持ち、堪え性のない俺の身体はすでに淡い疼きを覚え始めている。けれども止められない。止めたいとは思えなかった。

 ホントに、ずっとキスだけしてもらえてるな……

 ぼんやりと思い浮かべただけ。にも関わらず、触れ合っていただけの唇から下唇を甘く食まれてしまった。まるで、こっちに集中しろと言わんばかりに。

「ふ、ん、んっ……あっ」

 慌てて返したけれども、不満は拭えなかったらしい。不意に耳の下辺りに口づけてきたかと思えば、すぐに離れていってしまった。

「ソレイユ、先輩……」

 乱れた吐息まじりに出た声は、俺のものとは思えないほど上擦っていて、酷く物欲しげに聞こえた。

 一気に頬が熱を持つ。黙って見下ろしているだけだった先輩が片方の口端だけを持ち上げて微笑んだ。カッコよくて、色っぽい。

 見惚れている内にまた距離を詰められていた。今度は首元に淡い感覚が走った。また、俺の口は勝手に意味のない音を発していた。身体も勝手に震えていた。

「あっ……んぁ……」

 機嫌を直してくれたのか、俺の反応に気を良くしたのか、それともその両方か。先輩はクスクスと小さな笑みをこぼしながら、また俺に口づけてくれた。

 何度か唇を食んでくれてから、また首元へ。その柔らかな唇で、鎖骨周りを重点的に触れてくれている。

 首の周りが熱を持ち始めたところで服の裾を掴まれた。肌着もろとも手早く胸元までたくし上げられて、あらわにされた薄い胸板へと鼻筋の通った顔が迫ってくる。

「は、ぁ……あ、んっ」

 最初はあんなに戸惑っていたハズなのに。先輩から与えてもらう心地よさを知ってしまったからだろう。今や乳首に唇を寄せてもらうだけでは満足出来やしない。

 それより先を期待してしまっている。さっきみたいに、いっぱい触って欲しいって。気持ちはいいんだけれど。

「んぁ……先輩……」

 ……ホントにキスしかしてくれないんだろうか。

 心の中にだけ、それも隅っこの方にちょびっと浮かべただけのつもりだった。しかし、勘の良い先輩が察するには十分だったらしかった。

 急に顔を上げ、嬉しそうに瞳を細めたかと思えば、ズボンをずり下ろされてしまったのだ。部屋着用のストレッチパンツはウェストゴムの為、あっさりと引き抜かれてしまう。当たり前のようにボクサーパンツも一緒に。

 瞬く間に心許なくなった下半身が、外気に触れたことで改めて思い知らされた。もどかしい刺激でも感じ入ってしまっていたことに。すでに自分のものが濡れそぼり、確かな反応を示してしまっていたことに。

「……可愛い」

「……っ」

 どこか満足気な笑みを浮かべながら呟いて、先輩は俺の太ももを軽々と持ち上げた。全部が見えてしまうように開かされてから、躊躇なく股の間へと顔を埋めようとしてくる。

「ま、待って下さい……っ」

「ん? ……期待してくれてたんじゃないの?」

 先輩は俺のものを咥えこもうとしていた口を不満そうに歪めたものの、止まってくれた。寸前まで近づいている唇から漏れる吐息に、俺の意思に反して腰がもじもじと揺れてしまう。

 への字を描いていたラインが、少しだけ綻んだ。ほら、やっぱり期待してるじゃん、とでも言いたげだ。

 確かにその通りだ。だけど、今回は譲れない。

「……期待して、ました……今もしてます……でも」

「でも?」

「先に……俺が、したいです……先輩に……」

「は……?」
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