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細マッチョな先輩と恋人同士になった件(ソレイユルート)
オレばっかり見られるの不公平じゃない?
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ほんの少しの沈黙の後、聞こえてきたのは大げさなくらいに大きな溜め息だった。求めていた答えではなかったんだろうか。
「シュンちゃんさぁ……オレのことどうしたいワケ?」
「ど、どうしたいって」
「ことあるごとに、オレの自己肯定感バク上げするようなことばっか言ってくれちゃってさ」
「へ……?」
過った不安は杞憂だったらしい。先輩は拗ねたような声でぶつくさ言いながらも、ぐいぐい頬をくっつけてきてくれる。柔らかな髪が時々頬を掠めてきて擽ったい。
「乗っちゃうよ? イイの? オレ、目茶苦茶調子に乗っちゃうよ?」
「えっと……いいんじゃ、ないですか? 今の先輩、可愛い、しっ」
最後の最後で声がひっくり返ってしまった。急に抱き締めてもらえたもんだから、目の前が逞しい雄っぱいでいっぱいになったもんだから。
ただでさえ喜びを噛み締めていたところでの強烈なときめきの追撃。ますます踊り狂い始めた鼓動が伝わってしまいそうだ。
あれ? でも、バクバクはしゃいでしまっている音が、何だか二重に聞こえているような?
「もー……可愛いのはシュンちゃんの方でしょ……」
先輩に褒めてもらえるのは嬉しい。けれども、それはそれとして反論したいところだ。まぁ、今はしないけれど。頬に触れちゃってる魅惑的な筋肉の谷間の方が大事だし。
ちゃっかりかこつけて、しっとりとした弾力を堪能してしまっていると肩を掴まれた。ひょいっと距離を離されて、顎を持ち上げられて、ご対面した先輩の口はちょんと尖ってしまっていた。調子に乗り過ぎてしまったかもしれない。
「……なんか、シュンちゃんだけズルい」
「え?」
「という訳で、隙ありっ!」
「ひゃっ!?」
どういう訳なんだと、心の中でツッコんでいる内にウェストゴムを掴まれて、ズボンをずり下ろされてしまっていた。しかもパンツごと。
お陰様で心もとなくなった下を隠せているのはパーカーのみ。大して丈も長くはないもんだから太ももの上部分しか、股の付け根に近い方しか隠せてはいない。
しかし反射的に俺の手は、往生際悪くパーカーの裾を引き下げていた。そんな悪足掻きをしたところで、どうせこれから脱ぐんだけどさ。そもそも、すでに先輩には色々と見られちゃってるんだけどさ。
俺が恥ずかしがってしまっているのは火を見るよりも明らかだろうに、今の先輩は少し意地悪だ。わざわざ俺の恥ずかしさを上昇させるようなことを言ってきたのだ。楽しそうに口笛を吹いてから、おちゃらけたような調子で。
「ひゅうっ、シュンちゃん、その格好大胆だねー……目茶苦茶唆る」
「そ……っ」
ますます顔が熱くなっただけでは済まなかった。背筋に淡い感覚まで走ってしまっていた。
それもこれも、急に声のトーンを変えてくるからだ。うっかり本気っぽく聞こえたじゃないか。絶対にからかわれているだけだろうに。
「ぬ、脱がせたのは先輩でしょうっ」
「そりゃまぁそうだけどさ、オレばっかり見られるの不公平じゃない?」
「うっ……」
「でも、シュンちゃんの熱ーい眼差しを独り占めに出来てたのは、最高に嬉しかったんだけどね」
「うぅ……」
何も言えなくなってしまった。正論で返されて、も一つおまけに嬉しいことを言われてしまえば。
「それでさ、シュンちゃんはオレと流し合いっこしてくれるの? ……それとも今日はバスタオル巻いて、一緒にお風呂に浸かるだけにしておく?」
「シュンちゃんさぁ……オレのことどうしたいワケ?」
「ど、どうしたいって」
「ことあるごとに、オレの自己肯定感バク上げするようなことばっか言ってくれちゃってさ」
「へ……?」
過った不安は杞憂だったらしい。先輩は拗ねたような声でぶつくさ言いながらも、ぐいぐい頬をくっつけてきてくれる。柔らかな髪が時々頬を掠めてきて擽ったい。
「乗っちゃうよ? イイの? オレ、目茶苦茶調子に乗っちゃうよ?」
「えっと……いいんじゃ、ないですか? 今の先輩、可愛い、しっ」
最後の最後で声がひっくり返ってしまった。急に抱き締めてもらえたもんだから、目の前が逞しい雄っぱいでいっぱいになったもんだから。
ただでさえ喜びを噛み締めていたところでの強烈なときめきの追撃。ますます踊り狂い始めた鼓動が伝わってしまいそうだ。
あれ? でも、バクバクはしゃいでしまっている音が、何だか二重に聞こえているような?
「もー……可愛いのはシュンちゃんの方でしょ……」
先輩に褒めてもらえるのは嬉しい。けれども、それはそれとして反論したいところだ。まぁ、今はしないけれど。頬に触れちゃってる魅惑的な筋肉の谷間の方が大事だし。
ちゃっかりかこつけて、しっとりとした弾力を堪能してしまっていると肩を掴まれた。ひょいっと距離を離されて、顎を持ち上げられて、ご対面した先輩の口はちょんと尖ってしまっていた。調子に乗り過ぎてしまったかもしれない。
「……なんか、シュンちゃんだけズルい」
「え?」
「という訳で、隙ありっ!」
「ひゃっ!?」
どういう訳なんだと、心の中でツッコんでいる内にウェストゴムを掴まれて、ズボンをずり下ろされてしまっていた。しかもパンツごと。
お陰様で心もとなくなった下を隠せているのはパーカーのみ。大して丈も長くはないもんだから太ももの上部分しか、股の付け根に近い方しか隠せてはいない。
しかし反射的に俺の手は、往生際悪くパーカーの裾を引き下げていた。そんな悪足掻きをしたところで、どうせこれから脱ぐんだけどさ。そもそも、すでに先輩には色々と見られちゃってるんだけどさ。
俺が恥ずかしがってしまっているのは火を見るよりも明らかだろうに、今の先輩は少し意地悪だ。わざわざ俺の恥ずかしさを上昇させるようなことを言ってきたのだ。楽しそうに口笛を吹いてから、おちゃらけたような調子で。
「ひゅうっ、シュンちゃん、その格好大胆だねー……目茶苦茶唆る」
「そ……っ」
ますます顔が熱くなっただけでは済まなかった。背筋に淡い感覚まで走ってしまっていた。
それもこれも、急に声のトーンを変えてくるからだ。うっかり本気っぽく聞こえたじゃないか。絶対にからかわれているだけだろうに。
「ぬ、脱がせたのは先輩でしょうっ」
「そりゃまぁそうだけどさ、オレばっかり見られるの不公平じゃない?」
「うっ……」
「でも、シュンちゃんの熱ーい眼差しを独り占めに出来てたのは、最高に嬉しかったんだけどね」
「うぅ……」
何も言えなくなってしまった。正論で返されて、も一つおまけに嬉しいことを言われてしまえば。
「それでさ、シュンちゃんはオレと流し合いっこしてくれるの? ……それとも今日はバスタオル巻いて、一緒にお風呂に浸かるだけにしておく?」
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