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細マッチョな先輩と恋人同士になった件(ソレイユルート)

★ 自分勝手な気持ちすら、先輩にはお見通しらしい

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 ……なんだかソレイユ先輩って、前々から思わせぶりっていうか、子悪魔っぽいところがあるよな。今だって、俺がして欲しいことわかってるのに……寸止めみたいなことしてきたりしてさ。

 都合がいいことに、気が付かない内に俺は手のひらを返していた。ついさっきまで安堵していたハズなのに、何で最後まで気持ちよくしてくれなかったのか、と先輩に対して無自覚に不満を抱いてしまっていた。焦らされている気分になってしまっていたのだ。

 そんな自分勝手な気持ちすら、先輩にはお見通しなのだろうか。

「……大丈夫だよ、今からちゃんと気持ちよくしてあげるからね」

「え……あっ……」

 いまだに重たい熱を持ち、燻り続けている下腹部。俺の股の間に先輩の手が伸びてきたかと思えば、ズボンのホックに指がかかっていた。

 今回は許可を求められることもなかった。いともたやすく外されて、素早くジッパーを下ろされて。男らしくゴツゴツしているけれどもキレイな手が、するりとボクサーパンツの中に入ってきてしまう。すでに先走りで濡らしてしまっている俺のものを、硬くなったままの竿を躊躇なく握ってきた。

 吐息を漏らす間もなく動き始めた。俺のものを包み込むように握ってくれている手のひらが、根元からカリ首に、そしてまた根元へと。繰り返し上下に撫でていく手つきは酷く優しい。ますます先端を濡らしてしまう。はしたなくトロトロとこぼしてしまう。

 ようやくもたらされた、ずっと欲しかった確かな刺激。腰の辺りから頭の天辺に向かってぞくぞくと這い上がってきた感覚に、思わず俺は逞しい腕にしがみついてしまっていた。

「は、ぁ……あっ、あんっ……先輩……先輩っ……」

「よしよし、気持ちいいね? ……シュンちゃん、好きだもんね?」

 頭を撫でてくれながら、涙に濡れた頬や、汗ばむ首にキスを送ってくれながら、先輩が俺のものを慰めてくれる。時々親指で先端を、尿道口の周りを撫で回されると身体の奥の方が堪らなく疼いてしまう。

 元々、すんでのところだったのだ。そこへ強烈な快感を叩き込まれているのだから、瞬く間に陥落してしまうのもムリもない……ハズだ。そう思いたい。決して俺が、こういう方面の快楽に弱い訳じゃ。

 気持ちは複雑でも、身体は素直だ。頼まれてもいないのに股を大きく広げ、さらなる刺激を強請るように腰をヘコヘコ振ってしまっている。目の前の鍛え抜かれた体躯に縋りついて、鼻にかかった高い声ばかり上げてしまっている。

 止めどなく与えてもらっている甘ったるい刺激によって徐々に思考も霞んできているらしい。だから、素直に答えられたんだろう。楽しげな声から問われた、気恥ずかしい質問にも。

「こんな風に優しく扱かれるのも、先っぽ撫で撫でされるのも……大好きだもんね? オレに触ってもらうの」

「あっ、ふ……うん、大好き……ソレイユに、触ってもらえるの、あ、あっ、も、気持ちくて……あっ、ひぁっ……」

 そっと顎を持ち上げられて、艷やかに微笑む瞳とかち合った。それだけで、なんでか胸の奥が切なくなってしまったのに。

「イっちゃいそう? いいよ……いっぱい気持ちよくなってね……」

 とびきり優しい声から許可をもらえて、そっと口づけてもらえてしまったから、もう我慢出来なかった。

「は、ん、ふっ……うぁ……うんっ、イっちゃ……」

 下腹部で渦巻いていた熱は、すでにせり上がってきていた。もう何もしてもらえなくても、自然と俺は放ってしまっていただろう。

 だというのに、先輩は俺にトドメを刺そうとしてくる。濡れそぼった先端を、大きな手のひらで覆ってきた。

 包みこんでくれている温もりが気持ちいい。この体温が先輩の手だという事実に、余計に感じてしまう。そのまま円を描くようにぐりゅぐりゅと刺激されて、全身が暴力的な心地よさに侵されていく。頭の芯が痺れていく。

 どんどん鼓動が暴れて、息も上がってきて、まるで俺だけが世界から切り離されてしまったみたい。囁く先輩の優しい声も、俺が鳴らしてしまっているいやらしく濡れた音も、全部が遠のいていってしまう。気持ちいい以外の感覚が、曖昧になってきて。

「は、あ……それ、ダメ……いいっ、きちゃ…………イくっ……ソレイユっ……んぁっ、ふぁ……あ、あッッ……」

 微笑む先輩の頬に擦り寄りながら、俺は腰を何度も跳ねさせていた。長く手引き締まった腕の中で、電流が流されたかのように小刻みに震えながら、また先輩の手を汚してしまっていたんだ。
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