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細マッチョな先輩と恋人同士になった件(ソレイユルート)
あふれそうな好きを伝える第一歩
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すっかり外が真っ暗になるまで。それも出すものがなくなるくらい、たっぷりと致してもらったのだ。当然俺は確信していた。これ以上の進展はなくとも、少なくともこのまま初めてのお泊りはしてもらえるんだろうと。なのに。
「ソレイユ先輩……ホントに帰っちゃうんですか?」
困っている時のクセなのだろうか。先輩の手は、ずっと自分の髪をワシャワシャかき混ぜている。キレイにかかっているウェーブが乱れてしまうのも構わずに。
表情はもっと分かりやすい。眉はしょんぼり八の字に、いつも人の良さそうな笑みを浮かべている唇はへの字に歪んでしまっている。大好きな彼を困らせてしまっている原因が自分だとは分かっている。けれども、どうしてもまだ離れ難くて、くびれた腰に回している腕に力を込めた。
申し訳無さそうに左右に泳いでいた眼差しが、縋るように抱きついている俺をそっと見下ろしてきた。最初は言葉を探すように言い淀んでいたが、いい理由を見つけたのだろう。先輩の声が少しだけ明るさを取り戻した。
「あー……ほらっ、今日は何も準備してなかったし、ね?」
「また、我慢してます?」
食い気味に尋ねると、またオレンジ色の瞳が一瞬だけ泳いだ。これは、明らかに。
「やっぱり」
「こーゆーのにはさ、順序があると思うんだよね、うん! 今日はシュンちゃんも疲れちゃったでしょ? オレが居たらさ、ゆっくり休めないじゃん?」
今度は先輩が食い気味に俺の言葉を遮って、怒濤のごとく思いやりという名の言い訳を並べていく。
多分また、何かしらの理由で不安になっちゃってるんだろうな。俺に嫌われちゃうって。どうやらこれから、しっかりと伝えていく必要がありそうだ。俺がどれだけ先輩のことが好きかって。ちょっとやそっとじゃ嫌いにならないくらいには。
その一歩として、俺は勇気を出して約束を取り付けた。
「じゃあ、準備が出来ていたら泊まってくれるんですよね? たとえば、明日とか」
「え、う、うん……そうだね……ただ、明日は部活、遅くなっちゃうから……それに泊まらせてもらうんだったら、一旦、部屋に荷物取りに行かないとだし……」
「じゃあ、俺、先に帰って待ってますね。一緒に帰れないのは残念ですけど、大丈夫ですよ。大好きな先輩に会えるんだったら、俺、いくらでも待てますから」
「そっか……そうだったね……」
何かを思い出すように瞳を伏せた先輩が、どこか嬉しそうに口元を綻ばせる。満更でもなさそうだ。押せばいける。いや、いくしかない。
「……明日、俺、楽しみに待ってますから。約束ですよ?」
俺はもう一度先輩を抱き締めてから、一歩後ろへと離れた。念押しをしながら小指を差し出した。
「……うん」
頬を赤く染めた先輩は、まだ少しだけ困ったように眉を下げていたけれど、頷いてから指切りをしてくれた。
「えっ……それじゃあ、僕のところに来てる場合じゃないんじゃない? 約束しているんでしょう? 先輩が帰って来る前に準備しないとっ」
ところどころぼかしながらも、あらかた昨日の成果を話し終えたところで、テーブルを挟んで向かい側にいたライが慌てた声を上げた。飛び上がるように立ち上がり「お、お泊りって何を用意したらいいんだっけ?」と細い腕をわたわた振りながら我が事のように真剣に考えてくれている。
「ありがとう、ライ。大丈夫だよ、片付けとかはもう済んでるからさ……ただライに大事な相談があって」
途端にライの顔つきが変わった。再び座り直して背筋を伸ばすと、真剣な眼差しで俺の次の言葉を待ってくれている。
さっきから心臓が煩くて仕方がない。けれども、一人でうんうん悩むよりは、口の堅い彼の知恵を借りた方がいいだろう。震える手を強く握って俺は口を開いた。
「ふぇ、フェラって……どう、練習したら、いいのかな?」
途中声が裏返りつつも何とか言い終えると、ライが茶色の目をぱちくりさせながら固まってしまった。
「ソレイユ先輩……ホントに帰っちゃうんですか?」
困っている時のクセなのだろうか。先輩の手は、ずっと自分の髪をワシャワシャかき混ぜている。キレイにかかっているウェーブが乱れてしまうのも構わずに。
表情はもっと分かりやすい。眉はしょんぼり八の字に、いつも人の良さそうな笑みを浮かべている唇はへの字に歪んでしまっている。大好きな彼を困らせてしまっている原因が自分だとは分かっている。けれども、どうしてもまだ離れ難くて、くびれた腰に回している腕に力を込めた。
申し訳無さそうに左右に泳いでいた眼差しが、縋るように抱きついている俺をそっと見下ろしてきた。最初は言葉を探すように言い淀んでいたが、いい理由を見つけたのだろう。先輩の声が少しだけ明るさを取り戻した。
「あー……ほらっ、今日は何も準備してなかったし、ね?」
「また、我慢してます?」
食い気味に尋ねると、またオレンジ色の瞳が一瞬だけ泳いだ。これは、明らかに。
「やっぱり」
「こーゆーのにはさ、順序があると思うんだよね、うん! 今日はシュンちゃんも疲れちゃったでしょ? オレが居たらさ、ゆっくり休めないじゃん?」
今度は先輩が食い気味に俺の言葉を遮って、怒濤のごとく思いやりという名の言い訳を並べていく。
多分また、何かしらの理由で不安になっちゃってるんだろうな。俺に嫌われちゃうって。どうやらこれから、しっかりと伝えていく必要がありそうだ。俺がどれだけ先輩のことが好きかって。ちょっとやそっとじゃ嫌いにならないくらいには。
その一歩として、俺は勇気を出して約束を取り付けた。
「じゃあ、準備が出来ていたら泊まってくれるんですよね? たとえば、明日とか」
「え、う、うん……そうだね……ただ、明日は部活、遅くなっちゃうから……それに泊まらせてもらうんだったら、一旦、部屋に荷物取りに行かないとだし……」
「じゃあ、俺、先に帰って待ってますね。一緒に帰れないのは残念ですけど、大丈夫ですよ。大好きな先輩に会えるんだったら、俺、いくらでも待てますから」
「そっか……そうだったね……」
何かを思い出すように瞳を伏せた先輩が、どこか嬉しそうに口元を綻ばせる。満更でもなさそうだ。押せばいける。いや、いくしかない。
「……明日、俺、楽しみに待ってますから。約束ですよ?」
俺はもう一度先輩を抱き締めてから、一歩後ろへと離れた。念押しをしながら小指を差し出した。
「……うん」
頬を赤く染めた先輩は、まだ少しだけ困ったように眉を下げていたけれど、頷いてから指切りをしてくれた。
「えっ……それじゃあ、僕のところに来てる場合じゃないんじゃない? 約束しているんでしょう? 先輩が帰って来る前に準備しないとっ」
ところどころぼかしながらも、あらかた昨日の成果を話し終えたところで、テーブルを挟んで向かい側にいたライが慌てた声を上げた。飛び上がるように立ち上がり「お、お泊りって何を用意したらいいんだっけ?」と細い腕をわたわた振りながら我が事のように真剣に考えてくれている。
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途端にライの顔つきが変わった。再び座り直して背筋を伸ばすと、真剣な眼差しで俺の次の言葉を待ってくれている。
さっきから心臓が煩くて仕方がない。けれども、一人でうんうん悩むよりは、口の堅い彼の知恵を借りた方がいいだろう。震える手を強く握って俺は口を開いた。
「ふぇ、フェラって……どう、練習したら、いいのかな?」
途中声が裏返りつつも何とか言い終えると、ライが茶色の目をぱちくりさせながら固まってしまった。
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