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細マッチョな先輩と恋人同士になった件(ソレイユルート)
★ ハメられた、まさか泣き落としだったとは
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咄嗟に握っていたらしい足の指が、まだ小刻みに震えてしまっている。
息を整えたんだろうか。先輩がこぼした吐息が、より敏感になっている先端にふうっとかかった。だらしなく開いたままの俺の口からも息が漏れていた。感じ入った声と一緒に。
「……我慢しなくていいのに……遠慮しないで出しちゃっていいんだよ? その方が、オレ……嬉しいんだからさ……」
意味が分からない。だって、俺は先輩に放ってしまったハズで。
「んぅ……え……?」
拗ねたような声に釣られて確認すると、いかにも不満そうに眉を下げた先輩と目が合った。形の良い唇はしっとりと濡れてはいるものの、モデル顔負けな鼻筋の通った顔は汚れてはいない。
俺のものもだ。先輩の巧みな舌使いによって、どこもかしこもテラテラと濡れてはいるものの、やらかした後はどこにも。
念の為にとカーペットや服にも視線を巡らせたが、飛び散った痕跡もシミのような跡も見受けられなかった。どうやら、俺が危惧していた事態は免れたらしい。
感覚的に完全にアウトな気がしたんだが、堪えきることが出来たんだろうか? それとも、また出すことなくイっちゃったのかな?
どちらにせよセーフであることには、先輩を汚してしまわなかったことには、変わりはない。スゴく嬉しかったけれど、ここらで止めてもらわなければ。
「先輩……もう、俺」
「遠慮しないでっていったよね?」
食い気味に遮られてしまった。片眉を釣り上げている先輩の表情は、まさに不機嫌一歩手前。まだ微笑みかけてはくれているものの、目が笑っていない。そんでもって圧が強い。
察したんだろう。俺が断ろうとしているって。それから、本心ではイヤだと思っていないことも。
分かっているからこそ、先輩は止めようとはしなかった。俺が黙ったことをいいことに、竿の根元に添えているだけだった指をゆるゆると上下に滑らせ始める。再び先端へと口を寄せようとしている。このままじゃあ、また流されて。
「ふぁっ、や、ちがっ、遠慮じゃないんです、そういうのじゃ、なくて……」
気持ちよさやら、気恥ずかしさやらが邪魔をしてくる。伝えなければならない気持ちを遠ざけていってしまう。
曖昧な言い方になってしまったせいだ。今度こそ先輩の顔を曇らせてしまった。見上げるオレンジの瞳が、寂しそうに揺れている。
「……やっぱり、オレじゃあダメってこと? 甘えられないの?」
尋ねてきた声はか細く、声色は胸が締め付けられるほどに切ない響きを有していた。
何を言わせているんだ。何でちゃんと伝えないんだ。大好きな人に。
「……甘えたいですっ」
ヘタれていた自分を叱咤して想いを口にする。少しでも彼の寂しさを拭えるように、また微笑んでもらえるように。
「先輩じゃないと、ダメなんです……先輩だから、俺……」
見上げる眼差しから逃げることなく真っ直ぐに見つめていた最中、今にも泣かせてしまいそうだった眼差しがころりと変わった。
「じゃあ、いいよね?」
「え」
……ハメられた。まさか泣き落としだったとは。
息を整えたんだろうか。先輩がこぼした吐息が、より敏感になっている先端にふうっとかかった。だらしなく開いたままの俺の口からも息が漏れていた。感じ入った声と一緒に。
「……我慢しなくていいのに……遠慮しないで出しちゃっていいんだよ? その方が、オレ……嬉しいんだからさ……」
意味が分からない。だって、俺は先輩に放ってしまったハズで。
「んぅ……え……?」
拗ねたような声に釣られて確認すると、いかにも不満そうに眉を下げた先輩と目が合った。形の良い唇はしっとりと濡れてはいるものの、モデル顔負けな鼻筋の通った顔は汚れてはいない。
俺のものもだ。先輩の巧みな舌使いによって、どこもかしこもテラテラと濡れてはいるものの、やらかした後はどこにも。
念の為にとカーペットや服にも視線を巡らせたが、飛び散った痕跡もシミのような跡も見受けられなかった。どうやら、俺が危惧していた事態は免れたらしい。
感覚的に完全にアウトな気がしたんだが、堪えきることが出来たんだろうか? それとも、また出すことなくイっちゃったのかな?
どちらにせよセーフであることには、先輩を汚してしまわなかったことには、変わりはない。スゴく嬉しかったけれど、ここらで止めてもらわなければ。
「先輩……もう、俺」
「遠慮しないでっていったよね?」
食い気味に遮られてしまった。片眉を釣り上げている先輩の表情は、まさに不機嫌一歩手前。まだ微笑みかけてはくれているものの、目が笑っていない。そんでもって圧が強い。
察したんだろう。俺が断ろうとしているって。それから、本心ではイヤだと思っていないことも。
分かっているからこそ、先輩は止めようとはしなかった。俺が黙ったことをいいことに、竿の根元に添えているだけだった指をゆるゆると上下に滑らせ始める。再び先端へと口を寄せようとしている。このままじゃあ、また流されて。
「ふぁっ、や、ちがっ、遠慮じゃないんです、そういうのじゃ、なくて……」
気持ちよさやら、気恥ずかしさやらが邪魔をしてくる。伝えなければならない気持ちを遠ざけていってしまう。
曖昧な言い方になってしまったせいだ。今度こそ先輩の顔を曇らせてしまった。見上げるオレンジの瞳が、寂しそうに揺れている。
「……やっぱり、オレじゃあダメってこと? 甘えられないの?」
尋ねてきた声はか細く、声色は胸が締め付けられるほどに切ない響きを有していた。
何を言わせているんだ。何でちゃんと伝えないんだ。大好きな人に。
「……甘えたいですっ」
ヘタれていた自分を叱咤して想いを口にする。少しでも彼の寂しさを拭えるように、また微笑んでもらえるように。
「先輩じゃないと、ダメなんです……先輩だから、俺……」
見上げる眼差しから逃げることなく真っ直ぐに見つめていた最中、今にも泣かせてしまいそうだった眼差しがころりと変わった。
「じゃあ、いいよね?」
「え」
……ハメられた。まさか泣き落としだったとは。
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