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細マッチョな先輩と恋人同士になった件(ソレイユルート)
頭の中を占めるのは、可愛い可愛い恋人のことばかり
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昨日は本当に夢のようなひと時だった。今でも正直、夢だったんじゃ? って思いそうになってしまう。
『今日は会えて嬉しかったです。明日のお泊り楽しみにしてますね』
帰宅後に端末へと届いた恋人からのメッセージ。何度読み返しても頬が緩んでしまうそれを、定期的に確認しないと不安になってしまうくらいには。
なんせ、あんまりにもオレにとって都合が良すぎたから。シュンちゃんから、抱いて欲しいと強請ってもらえたんだから。
あの時はホントに危なかった。よくもったなって思う。いや、結局その後そこそこな無体を働いてはしまったんだけれども。
っていうか、我慢するなんてムリだったって、絶対!
『もう、してくれないの……?』
切なそうに甘える声と共にぶわりと思い出されたのは、鮮烈なほどに目に焼き付いている寂しそうな顔。トロリと細められた瞳は涙で滲み、頬も首筋も湯上がりのように色づいていて。それだけでも堪らないのに、続きを求めるように自分からか細い腰まで揺らして。
無意識なお強請りだったんだろう。オレが見惚れてしまっている内に我に返った彼は慌てた様子で、今のはナシでと、聞かなかったことにと、お願いしてきた。そんなの出来るハズがなかったし、何が何でもしたくはなかった。
あれはズルいでしょ。こっちは必死に踏み止まろうとしていたってのにさ。もっとして欲しかっただなんて。
ずっと恋い焦がれていた彼に、男冥利に尽きることを言われてしまえば、そこから先は転がり落ちるように。待ってと言われても止まれなかった。彼の黒い瞳が期待で揺れているのをいいことに、自分の欲のままに彼に触れてしまっていた。
それにしても、シュンちゃん……ホントに全然イヤそうじゃなかったな。聞いてみても、嬉しかったって言ってもらえたし。なにより……
『触って……欲しい、です……また、先輩の手で、俺のこと……気持ちよくして欲し……』
素直な気持ちを教えて欲しいと強請ってみたら、恥ずかしそうにますます顔を染めながらも、そう答えてくれたのだ。
……オレじゃないとダメだって、もっとオレじゃないとダメになるって言ってもくれてたっけ。
ホントにそうしてしまいたい。四六時中オレのことしか考えられないように。オレが居ないと生きていけないように……
っとダメだ、ダメ。そんなの重すぎる。万が一にでもバレてしまえば、今度こそ嫌われてしまいかねない。
……とにかく、今日はとことん優しくしよう。シュンちゃんが求めてくれることだけを、いっぱいしてあげよう。
可愛い彼との初めてのお泊り。やらかしてしまわないかという不安はあれど、期待ばかりが胸の内で膨らんでしまう。勝手に顔がだらしなく緩んでしまう。
「もらった!!」
オレの頭の中を占めていた、可愛らしくて色っぽい恋人。愛おしくて仕方がない彼の声と姿をかき消したのは、突然の雄々しい雄叫び。勝ちを確信したような宣言だった。
途端に瞼の裏に浮かんでいた甘ったるい思い出から、暑い日差しが照り返す演習場という現実に引き戻される。
「あ、マズ……」
身に迫っていた剣筋に気がついた時にはもう遅かった。寸前まで頭がお花畑だったオレが、真っ直ぐな打ち込みに咄嗟に対応出来るハズもなく、がら空きだった脇腹に鋭い一撃をもらってしまった。
『今日は会えて嬉しかったです。明日のお泊り楽しみにしてますね』
帰宅後に端末へと届いた恋人からのメッセージ。何度読み返しても頬が緩んでしまうそれを、定期的に確認しないと不安になってしまうくらいには。
なんせ、あんまりにもオレにとって都合が良すぎたから。シュンちゃんから、抱いて欲しいと強請ってもらえたんだから。
あの時はホントに危なかった。よくもったなって思う。いや、結局その後そこそこな無体を働いてはしまったんだけれども。
っていうか、我慢するなんてムリだったって、絶対!
『もう、してくれないの……?』
切なそうに甘える声と共にぶわりと思い出されたのは、鮮烈なほどに目に焼き付いている寂しそうな顔。トロリと細められた瞳は涙で滲み、頬も首筋も湯上がりのように色づいていて。それだけでも堪らないのに、続きを求めるように自分からか細い腰まで揺らして。
無意識なお強請りだったんだろう。オレが見惚れてしまっている内に我に返った彼は慌てた様子で、今のはナシでと、聞かなかったことにと、お願いしてきた。そんなの出来るハズがなかったし、何が何でもしたくはなかった。
あれはズルいでしょ。こっちは必死に踏み止まろうとしていたってのにさ。もっとして欲しかっただなんて。
ずっと恋い焦がれていた彼に、男冥利に尽きることを言われてしまえば、そこから先は転がり落ちるように。待ってと言われても止まれなかった。彼の黒い瞳が期待で揺れているのをいいことに、自分の欲のままに彼に触れてしまっていた。
それにしても、シュンちゃん……ホントに全然イヤそうじゃなかったな。聞いてみても、嬉しかったって言ってもらえたし。なにより……
『触って……欲しい、です……また、先輩の手で、俺のこと……気持ちよくして欲し……』
素直な気持ちを教えて欲しいと強請ってみたら、恥ずかしそうにますます顔を染めながらも、そう答えてくれたのだ。
……オレじゃないとダメだって、もっとオレじゃないとダメになるって言ってもくれてたっけ。
ホントにそうしてしまいたい。四六時中オレのことしか考えられないように。オレが居ないと生きていけないように……
っとダメだ、ダメ。そんなの重すぎる。万が一にでもバレてしまえば、今度こそ嫌われてしまいかねない。
……とにかく、今日はとことん優しくしよう。シュンちゃんが求めてくれることだけを、いっぱいしてあげよう。
可愛い彼との初めてのお泊り。やらかしてしまわないかという不安はあれど、期待ばかりが胸の内で膨らんでしまう。勝手に顔がだらしなく緩んでしまう。
「もらった!!」
オレの頭の中を占めていた、可愛らしくて色っぽい恋人。愛おしくて仕方がない彼の声と姿をかき消したのは、突然の雄々しい雄叫び。勝ちを確信したような宣言だった。
途端に瞼の裏に浮かんでいた甘ったるい思い出から、暑い日差しが照り返す演習場という現実に引き戻される。
「あ、マズ……」
身に迫っていた剣筋に気がついた時にはもう遅かった。寸前まで頭がお花畑だったオレが、真っ直ぐな打ち込みに咄嗟に対応出来るハズもなく、がら空きだった脇腹に鋭い一撃をもらってしまった。
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