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細マッチョな先輩と恋人同士になった件(ソレイユルート)

★ 終わりは呆気なく

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 もう何度イってしまったんだろうか? 分からない。甘くイってしまった時なんか、もっと。

 最初の方は気持ちよさに波があったから、下腹部の辺りから込み上げてくる感覚があったから、分かった。でも、いつからか、戻ってこれなくなってしまっていたんだ。

 ずっと続いてしまっているんだ。徐々に上り詰めていっている感覚もなく、ただひたすらに絶頂に至っているような。ああ、また目の前で星が舞って。

「んぅ……ふ、ん、んんっ、んっ……」

 震えっぱなしの腰をさらに大きくビクつかせてしまっても、先輩の手は止まらない。互いの境が曖昧になっているようなキスも。気持ちいいことだけしようね、そう言ってくれた通りに俺を甘やかしてくれている。

 全く終わりの見えなかったひと時が終わるのは、意外にも呆気なかった。

 ゆったりと撫でてもらっていた竿を急に激しく扱かれて、一際大きく腰を跳ねさせてしまった後……だった訳ではない。絡め合っていた舌先を強く吸われたり、甘く食まれたりして、目の前が真っ白に染まった後……でもなかった。

 突然、何の切っ掛けもなく先輩は離れていってしまったのだ。

 室内に響き続けていた、粘り気のある水音が止まる。息も絶え絶えな俺の弱々しい声だけが妙に大きく聞こえた。

「ふぁ……は、はぁ……それ、いゆ……?」

 涙で滲んだ視界に映っている彼は、なんでか心ここにあらずといった様子。ぼんやりと俺を見つめたまま、何も答えてはくれない。

 久々の外気に触れた唇が寂しく疼く。あそこもだ。中途半端な状態で手放されてしまったもんだから落ち着かない。もう包みこんでくれていた温もりはないのに、情けなく腰を揺らしてしまう。

「……もう、終わり? して、くれないの……?」

 勝手にこぼれてしまっていたお願い。口にした俺ですら気がついていなかった浅ましい欲に、少し気怠げな瞳が大きく見開いた。

 ……何を言っちゃってんだ、俺は? 散々してもらっていたってのに、まだ物足りなかったってのか?

 驚きに満ちた視線を受けて、蕩けまくっていた頭が少しだけ冷静さを取り戻したが、もう遅い。

「ご、ごめんなさっ、今のナシで! 聞かなかったことにして下さ、あっ」

 抱き締めてくれていた温もりが離れていったかと思えば、背中に当たった固い感触。どうやら、また俺はカーペットの上へと押し倒されていたらしい。でも、そこから先の展開は全く異なっていた。

 見下ろしていた先輩が俺の片足を、膝裏を掴んで軽く持ち上げる。まだ勃ったままのあそこを見せつけるような体勢で固定されてしまう。

「へ、あ……ソレイユ、先輩?」

 恥ずかしさはあれど、俺は期待してしまっていた。また先輩に見つめられながら、気持ちよくしてもらえるんじゃないかって。

 その期待は叶えられはした。ただ、俺が思っていたのとは、何段もステップを飛ばしたものだったけど。
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