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細マッチョな先輩と恋人同士になった件(ソレイユルート)
俺は見たことのない、俺では見ることが出来ない先輩
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ゆっくり離れていくソレイユ先輩の顔をただただ見つめてしまっていると形の良い唇が緩やかな笑みを形作った。
「他には何かないの? 遠慮しちゃ、ヤだよ?」
「……先輩のこと、もっと知りたいです」
「オレのこと?」
優しい眼差しに見つめられて、するりと出てきていたのは純粋な想い。どんな些細なことで構わないから、彼のことを知りたいという気持ちだった。
「好きな物とか、嫌いな物とか……俺に……して欲しいこと、とか……何でもいいんです。ダメ、ですか?」
先輩は不思議そうに首を傾げていた。けれども俺が具体的な例を上げていくと、頬をゆるりと綻ばせて納得したかのように頷いた。
大きな手のひらが俺の頭を撫でてくれる。甘やかしてくれているような優しい手つきだった。
「フフ、ダメじゃないよ、嬉しいな。オレのこと、知りたいだなんてさ」
「じゃあっ」
「ん、えっとねぇ……好きなものは、バイクと甘いものかな。あと剣術も、何だかんだ続けてるしね」
バイク……先輩と初めてモールへ出掛けた時、服を選んでもらった時に乗せてもらったっけ。ピッカピカに磨かれていて、カッコよかったのを覚えている。その帰りにクレープを奢ってもらって……そっか、ジュースも好きなんだもんな。
言われてみれば、どれもこれもが腑に落ちる。剣術の方は、分かってはいたけれど。サルファー先輩との練習試合を見学させてもらった時に、俺が見たことのない表情をしていたから。
剣を交わす彼は、無邪気なくらいにキラキラしていたけれど、俺までワクワクするくらいにギラギラもしていて。楽しいんだなって、見ているだけで伝わってきた。それから、ちょっぴり悔しかった。だって、俺じゃあ絶対に引き出せない。
きっと、サルファー先輩には色々見せていたんだろうな。俺が知らないソレイユ先輩。これからだって……
「今度、二人で何処かに出掛けよう?」
何かを察したかのようなタイミングの良さだった。手のひらが重ねられて、指を絡めてぎゅっと握られた。
大きく跳ねた鼓動と一緒に喉がきゅっと締まってしまう。振り絞った言葉は、恥ずかしくなるくらい震えていた。
「はぇ……そ、それって、で、ででで……」
「うん、デートのお誘い。どう? 前みたいに俺のバイクでさ」
「はい! 行きたいです!」
降って湧いたお誘いに気分が舞い上がる。胸の内を覆いかけていたモヤモヤなんて。つい前のめりで即答してしまっていた。堪えきれないといった様子で先輩がクスクスと笑い出す。
一気に頬に集まってしまった熱が、小躍りしている鼓動が、重なっている手のひらから伝わってしまいそう。せめて顔だけでもと、先輩の逞しい雄っぱいに額を押しつけた。ますます擽ったそうに笑う先輩から、頭をわしゃわしゃ撫でられた。
「オレも楽しみだよ? シュンちゃんとの初デート。だから、恥ずかしがらないで……可愛い顔、見せて欲しいな」
可愛い、なんて……
お世辞だってのは重々承知だ。とはいえ、好きな人から褒められて悪い気はしない。いや、ウソだ。目茶苦茶嬉しい。
釣られた俺は、そろそろと胸元から顔を離していた。待っていたのは満面の笑み。楽しそうに口端を持ち上げた先輩が、距離を詰めてきて。
「ひゃっ」
柔らかな感触が頬を掠めていった。思わせぶりに頬に口づけただけで離れていった先輩。ますます楽しそうに生き生きしている彼の眼差しに、余計に顔が熱くなってしまう。
思わず肩を跳ねさせていた俺の反応に満足したのか、先輩は何事も無かったかのように俺のお願いの続きを答えてくれた。
「他には何かないの? 遠慮しちゃ、ヤだよ?」
「……先輩のこと、もっと知りたいです」
「オレのこと?」
優しい眼差しに見つめられて、するりと出てきていたのは純粋な想い。どんな些細なことで構わないから、彼のことを知りたいという気持ちだった。
「好きな物とか、嫌いな物とか……俺に……して欲しいこと、とか……何でもいいんです。ダメ、ですか?」
先輩は不思議そうに首を傾げていた。けれども俺が具体的な例を上げていくと、頬をゆるりと綻ばせて納得したかのように頷いた。
大きな手のひらが俺の頭を撫でてくれる。甘やかしてくれているような優しい手つきだった。
「フフ、ダメじゃないよ、嬉しいな。オレのこと、知りたいだなんてさ」
「じゃあっ」
「ん、えっとねぇ……好きなものは、バイクと甘いものかな。あと剣術も、何だかんだ続けてるしね」
バイク……先輩と初めてモールへ出掛けた時、服を選んでもらった時に乗せてもらったっけ。ピッカピカに磨かれていて、カッコよかったのを覚えている。その帰りにクレープを奢ってもらって……そっか、ジュースも好きなんだもんな。
言われてみれば、どれもこれもが腑に落ちる。剣術の方は、分かってはいたけれど。サルファー先輩との練習試合を見学させてもらった時に、俺が見たことのない表情をしていたから。
剣を交わす彼は、無邪気なくらいにキラキラしていたけれど、俺までワクワクするくらいにギラギラもしていて。楽しいんだなって、見ているだけで伝わってきた。それから、ちょっぴり悔しかった。だって、俺じゃあ絶対に引き出せない。
きっと、サルファー先輩には色々見せていたんだろうな。俺が知らないソレイユ先輩。これからだって……
「今度、二人で何処かに出掛けよう?」
何かを察したかのようなタイミングの良さだった。手のひらが重ねられて、指を絡めてぎゅっと握られた。
大きく跳ねた鼓動と一緒に喉がきゅっと締まってしまう。振り絞った言葉は、恥ずかしくなるくらい震えていた。
「はぇ……そ、それって、で、ででで……」
「うん、デートのお誘い。どう? 前みたいに俺のバイクでさ」
「はい! 行きたいです!」
降って湧いたお誘いに気分が舞い上がる。胸の内を覆いかけていたモヤモヤなんて。つい前のめりで即答してしまっていた。堪えきれないといった様子で先輩がクスクスと笑い出す。
一気に頬に集まってしまった熱が、小躍りしている鼓動が、重なっている手のひらから伝わってしまいそう。せめて顔だけでもと、先輩の逞しい雄っぱいに額を押しつけた。ますます擽ったそうに笑う先輩から、頭をわしゃわしゃ撫でられた。
「オレも楽しみだよ? シュンちゃんとの初デート。だから、恥ずかしがらないで……可愛い顔、見せて欲しいな」
可愛い、なんて……
お世辞だってのは重々承知だ。とはいえ、好きな人から褒められて悪い気はしない。いや、ウソだ。目茶苦茶嬉しい。
釣られた俺は、そろそろと胸元から顔を離していた。待っていたのは満面の笑み。楽しそうに口端を持ち上げた先輩が、距離を詰めてきて。
「ひゃっ」
柔らかな感触が頬を掠めていった。思わせぶりに頬に口づけただけで離れていった先輩。ますます楽しそうに生き生きしている彼の眼差しに、余計に顔が熱くなってしまう。
思わず肩を跳ねさせていた俺の反応に満足したのか、先輩は何事も無かったかのように俺のお願いの続きを答えてくれた。
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