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マッチョな先輩と恋人同士になった件(サルファールート)

★ 気持ちがいいのに逃れたい

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 一度受け入れられたからだろう。二度目の挿入はスムーズに、サルファーとのキスに夢中になっている内に、終わっていた。

 特に抵抗感もなく俺の内側を押し広げていき、最奥へと到達していた彼の熱。先端から根元まで、しっかりと収まっている雄の形が、最初よりもハッキリと感じる。

 ……なんだか、彼のものに合わせて広がっているみたい。そんなことはないって、分かってはいるんだどさ。

 俺の中で脈打っているものと同じくらいに高鳴っている心音が、繋いだ手を通して伝わってくる。

 競い合うように絡め合わせていた舌先が、不意に離れていってしまう。いつの間にやら濡れてしまっていた口元を、拭うように何度も口づけてくれながら、サルファーが俺の背を撫でた。

「……大丈夫か? シュン」

「ん、大丈夫……は、ぁ……いい、よ……動いて……」

 強がって誘ったものの、早くも限界が近い。サルファーとの深い口づけだけでも、下腹部に熱がつのっていたから。

 いや、それどころか、何度か軽く……

 白状しなくとも、サルファーにはバレていたらしい。それもそのハズ。なんせ彼は、俺を膝の上で抱き締めてくれているのだ。俺の中に挿れてくれているのだ。小刻みな身体の震えを、内壁の収縮を、直に感じ取ってしまっているのだから。

「……了解した。だが、先ずはゆっくりしよう……軽くとはいえ、最初からイきっぱなしではもたないだろう?」

「うっ……分かった……サルファーに任せるよ……」

「ありがとう……沢山、一緒に気持ちよくなろうな……」

 汗ばむ額にキスを送ってくれてから、サルファーが俺を優しく揺するように動き始める。

 覆い被さってしてくれていた時のように、俺の中を繰り返し行き交うような動きではない。ただひたすらに、硬い先端を押し当てられている。

 大きな亀頭に小突かれる度、腰の辺りからじわじわと広がっていく熱い疼き。淡いそれは確かに気持ちがいい。なのに、何でか逃れたくて、幅の広い彼の肩を縋るように掴んでいた。情けなく上擦った声で訴えていた。自分の身体に起きている、不可思議な感覚を。

「あ、あっ、サルファー……奥、当たって……んぅ……」

 大して説明出来ぬまま、俺は頬を擦り寄せていた。鍛え抜かれた筋肉に覆われた、程よい弾力のある肩口へと。

 背中を撫でてくれていた手が、宥めるように俺の髪を梳いていく。少し硬い指先が頭の形をなぞるように撫でていく。けれども、奥へと押し当ててくるのは止まらない。止める気がないみたいだ。

「はは、ああ……当てているからな……良くはないか? 浅いところの方が、好きか?」

 良いか、悪いかで言えば、そんなの決まって。

「ふ、んぁ……あ、気持ちい……いいよ……多分、どっちも……好き……サルファーに挿れてもらってから、俺、ずっと気持ちいいから……」

 優しい手つきが止まったかと思えば、俺の中の熱が大きさを増した。断続的に締めつけてしまっているにも関わらず、俺の中を力づくで押し広げようとしてくる。その感覚が、ますます俺に淡い感覚をもたらしていく。

 このままじゃ、俺だけ先にイって……

「は、ぁ……サルファー……」

 伝えようとしたけれども、無理だった。さらなる刺激が追加されてしまったのだ。

「そうか……じゃあ、もっと気持ちよくしてあげるからな……」

 俺を甘やかしてくれていた大きな手のひら。ただ触れてもらえるだけで安心できる温もりが、平らな俺の胸板を揉むように撫で回し始めた。
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