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マッチョな先輩と恋人同士になった件(サルファールート)
★ 幸せって……こんな感じなのかな
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……全身がふわふわしている。
いっこうに引く気配がない熱、指先すら動かす気がしない脱力感。それから。
「……幸せって……こんな感じなのかな……」
胸がいっぱいになっている。少しでも気を抜けば、だらしなくニヤけてしまいそうな多幸感と嬉しさで。
すっかり夢見心地でいると頭を撫でられた。甘やかしてくれるような優しい手つきに、ますます口元が緩んでしまいそう。
いや、もう手遅れだった。浮かれている熱で頭の中がぽやぽやしていても分かってしまった。自分の口角が上がっていたことに。ふへへ、と笑みがこぼれてしまっていたことに。
でも、もっと手遅れなことには気がつけなかった。
「本当に君は可愛いな……男冥利に尽きることばかりを言ってくれて……」
うっとりとした柔らかい声で囁かれるまで、全然。
「あ、え……」
顔を上げれば、すぐに目が合った。
「サルファー、先輩……」
そりゃあそうだ。ずっと彼の弾力のある雄っぱいに顔を寄せさせてもらっていたんだから。ずっと抱き締めてもらっていたんだからさ。
頭を撫でてくれる手を止めずに、先輩は俺を見つめている。言葉にしてもらわなくても伝わってきそう。花が咲くように綻んでいる精悍な顔からも、細められた蜂蜜色の瞳からも、好きだって。
実際には、もっととびきりなことを言ってもらえてしまったんだけどさ。
「俺も幸せだ……愛してるよ、シュン……身体の方は大丈夫なのか?」
「は、はひ……す、すごく、気持ちよかった、ですから……先輩に、いっぱい愛してもらえて……俺の中で……気持ちよくなってもらえて……」
答えになっているようで、いないような。俺は、素直な気持ちを口にしていた。喜びの過剰供給で、すっかり口が緩んでしまっていたんだろう。でなけりゃ、こんなにすんなりとは。
返ってきた答えに先輩も驚いたのか、目を丸くしていた。そして、すぐに赤くなった。スッキリとした頬も、引き締まった太い首も、一気にポポポと染まっていく。
「そ、そうか……俺も……君の中はとても心地よくて」
「ん……? あっ……」
「……シュン? どうし、あ……」
まだ先輩が言い終えていないのに、感じてしまった違和感に思わず声を上げていた。先輩も気がついたのか、ますます赤くなった顔は申し訳無さそうに歪んでいる。
それもそのハズ、違和感の正体は俺の穴から引き抜かれていた先輩のもの。俺と共に熱を解放したそれが、再び硬く昂っていたのだ。俺の太ももあたりに擦り寄るように押し当てられていたんだから。
……もう一回、してもらえるのかな? また、いっぱい俺のこと求めてもらえるのかな?
期待が込み上げてくる最中、先輩が俺の肩を掴んだ。でも、彼が口にした言葉は、俺の望んでいたものではなくて。
「……だ、大丈夫だ……一人でなんとか収め」
俺の視線に、寂しさに、気がついてくれたんだろう。先輩が言葉を止めて言い直す。俺に強請ってくれる。
「……いや、もう少しだけ、付き合ってもらえないか?」
いっこうに引く気配がない熱、指先すら動かす気がしない脱力感。それから。
「……幸せって……こんな感じなのかな……」
胸がいっぱいになっている。少しでも気を抜けば、だらしなくニヤけてしまいそうな多幸感と嬉しさで。
すっかり夢見心地でいると頭を撫でられた。甘やかしてくれるような優しい手つきに、ますます口元が緩んでしまいそう。
いや、もう手遅れだった。浮かれている熱で頭の中がぽやぽやしていても分かってしまった。自分の口角が上がっていたことに。ふへへ、と笑みがこぼれてしまっていたことに。
でも、もっと手遅れなことには気がつけなかった。
「本当に君は可愛いな……男冥利に尽きることばかりを言ってくれて……」
うっとりとした柔らかい声で囁かれるまで、全然。
「あ、え……」
顔を上げれば、すぐに目が合った。
「サルファー、先輩……」
そりゃあそうだ。ずっと彼の弾力のある雄っぱいに顔を寄せさせてもらっていたんだから。ずっと抱き締めてもらっていたんだからさ。
頭を撫でてくれる手を止めずに、先輩は俺を見つめている。言葉にしてもらわなくても伝わってきそう。花が咲くように綻んでいる精悍な顔からも、細められた蜂蜜色の瞳からも、好きだって。
実際には、もっととびきりなことを言ってもらえてしまったんだけどさ。
「俺も幸せだ……愛してるよ、シュン……身体の方は大丈夫なのか?」
「は、はひ……す、すごく、気持ちよかった、ですから……先輩に、いっぱい愛してもらえて……俺の中で……気持ちよくなってもらえて……」
答えになっているようで、いないような。俺は、素直な気持ちを口にしていた。喜びの過剰供給で、すっかり口が緩んでしまっていたんだろう。でなけりゃ、こんなにすんなりとは。
返ってきた答えに先輩も驚いたのか、目を丸くしていた。そして、すぐに赤くなった。スッキリとした頬も、引き締まった太い首も、一気にポポポと染まっていく。
「そ、そうか……俺も……君の中はとても心地よくて」
「ん……? あっ……」
「……シュン? どうし、あ……」
まだ先輩が言い終えていないのに、感じてしまった違和感に思わず声を上げていた。先輩も気がついたのか、ますます赤くなった顔は申し訳無さそうに歪んでいる。
それもそのハズ、違和感の正体は俺の穴から引き抜かれていた先輩のもの。俺と共に熱を解放したそれが、再び硬く昂っていたのだ。俺の太ももあたりに擦り寄るように押し当てられていたんだから。
……もう一回、してもらえるのかな? また、いっぱい俺のこと求めてもらえるのかな?
期待が込み上げてくる最中、先輩が俺の肩を掴んだ。でも、彼が口にした言葉は、俺の望んでいたものではなくて。
「……だ、大丈夫だ……一人でなんとか収め」
俺の視線に、寂しさに、気がついてくれたんだろう。先輩が言葉を止めて言い直す。俺に強請ってくれる。
「……いや、もう少しだけ、付き合ってもらえないか?」
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