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マッチョな先輩と恋人同士になった件(サルファールート)

★ 我慢しなくて良いよな? 俺のこと受け入れてくれるよな?

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 太い首を小さく傾げてから先輩は、シワの寄った服へと手をかけた。豪快にシャツごとまくり上げて、微かな明かりのもとへと晒されていく。隆起した腹筋が、分厚い胸板が。

 煩わしそうに脱いだ、有名なブランドの服。出掛ける前に「頑張ってみたんだ……君とのデートだからな……」と、はにかむ笑顔と共に見せてくれた服が、無惨にも丸められて投げ捨てられた。

 ベッドの端になんとか引っかかったかに思えたが、自重に耐えきれなかったのか、密かな衣擦れの音と共にカーペットへと滑り落ちていく。

「熱烈な言葉で、君の方から誘ってくれただけでも、こっちは限界だったんだぞ? なのに、あんなに蕩けるような笑顔を見せてくれて、急に撫でてくれて……」

 ぶつぶつとボヤく声に混じって、忙しなく金属のかち合う音がした。視線を戻さなくとも、音の正体は分かった。分かっていたけれども、つい見てしまっていた。

 くびれた腰に吸いつくように張り付いていたボクサータイプのパンツが、骨ばった指によってズラされていく。途端に飛び出すように出てきた彼のもの。俺のものとは比べ物にならない逞しさのそれを見ただけで、背筋に淡い感覚が走ってしまった。

 だって、明らかに興奮してくれている。まだ触らせてもらっていないのに、ヘソを隠すようにそそり立っているだけじゃない。大きく張り出した先端が、真っ赤に染まっている亀頭が、ローションなんていらないくらいにテラテラと艶めいているんだから。

 さっきまでの表情や言動からでも分かってはいた。けれども、こうして直に突きつけられてしまうと堪らなくなってしまう。

「だから、もう……良いよな?」

 俺が釘づけになってしまっている間も、先輩は入念に準備を進めていた。シーツにシミをつけてしまうのも構わずに、たっぷりとローションを自分の陰茎へと塗りつけて。しっかりと馴染ませるように数回、根元から先端まで上下にゆったり扱いて。

「我慢しなくて、良いよな? ……俺のこと、受け入れてくれるよな?」

 大きな手のひらが俺の足を軽々と持ち上げた。幅広の肩へと、かかとを乗せてから俺に覆い被さってきた。

 柔らかく解され濡れたままの穴の縁に、そっとあてがわれた硬い熱。後少しでも先輩が逞しい腰を動かせば、簡単にぬるりと押し込まれてしまいそう。

 けれども、先輩は待ってくれている。フーッ、フーッ……と荒い吐息を漏らしながらも、押しつけている雄を震わせながらも、俺の答えを待ってくれている。そんなの、決まってるってのに。

「はい……好きです……」

 鋭く細められた眼差しが、瞬いてから微笑んだ。

「俺も好きだ……愛しているよ……」

 柔らかい笑顔が俺の側にきてくれる。温かい手のひらを重ねて繋いでくれる。

 擦り寄ってくれるように額がくっついて、鼻先が触れ合って、吐息が混じった。俺の中に先輩が入ってきてくれた。
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