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マッチョな先輩と恋人同士になった件(サルファールート)
たまたまなのか、勘がいいのか
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頭の中では、まだ先輩の言葉が木霊し続けている。
『君しか見えていないからな』
まさか、そんなに俺のこと。
でも、言われてみれば、すぐ目が合ってたような。でもでも、俺がなにかにつけて先輩ばっかりを見てしまってたからってのも。
「シュン」
「ひゃいっ」
情けないくらいに声がひっくり返ってしまっていた。
歩みを止めたサルファー先輩が、心配そうに俺を見つめている。腰に回されていた手が離れて、代わりに頭を撫でてくれる。
「大丈夫か? もしかして……」
「あ、いや……その……」
「お腹がいっぱいで、眠くなったのか?」
「へ? あ、はい……その、少しだけ……」
ビックリした。てっきりバレたのかと。
先輩がくれた言葉を噛み締める度に滲み出てきていた欲。もっと先輩とくっついていたい。あわよくばキスして欲しい。そんな考えを見透かされたのかと。
……たまたまなのか、勘がいいのか。時々先輩って、俺の考えてることが聞こえたようなタイミングで俺の気持ちに応えてくれるんだもんなぁ。
今回は、そういう訳ではなかったらしい。どこか座れそうな場所を探してくれているのだろう。俺を撫でてくれつつもキョロキョロと周囲を見回している。
「ああ」
何か、いい休憩場所を見つけてくれたんだろうか。
「あれなんかどうだ? ゆっくり座って休めるぞ」
明るい笑顔で先輩が指差したのは観覧車。こちらもジェットコースターと一緒で、目玉のアトラクションの一つだ。
ゆっくりと回っている大きな円は、ぱっと見高層ビル並か、それ以上の高さを有していそう。確か、先輩と一緒に見たホームページの説明によると、一周するのに二十分はかかるんだっけ。
……二十分、か。
「いいですねっ、早速並びましょうっ!」
「ああ」
安心したように笑う先輩は知る由もないだろう。俺が企んでいることなんて。
ホームページの紹介でも夕方や夜がオススメだと書いてあったからだろうか。行列は短く、すぐに俺達の番がやって来た。
ドアを開けてくれたスタッフさんに促され、先に乗り込んだ先輩が、俺の手を取ってくれる。
「足元に気をつけるんだぞ」
「は、はい……ありがとうございます」
無事に乗り込めた俺達は、自然と同じ席に掛けていた。ここでも先輩は俺の肩を抱き寄せてくれた。まだスタッフさんから見えているのに。嬉しいけれど。
少しずつ俺達が乗るゴンドラが真っ青な空へと近づいていく。先程のスタッフさんが見えなくなるほど、地面から離れた頃だった。
「……そろそろいいだろう。シュン、おいで」
「……っ」
ゴツゴツとした手が、招くようにぽんっ、ぽんっと叩いているのは逞しいお膝。この魅力的なお誘いの意味が分からないほど、俺は鈍感ではない。
良いんですか? と尋ねるよりも先に、俺は太ももの上へと跨ってしまっていた。
『君しか見えていないからな』
まさか、そんなに俺のこと。
でも、言われてみれば、すぐ目が合ってたような。でもでも、俺がなにかにつけて先輩ばっかりを見てしまってたからってのも。
「シュン」
「ひゃいっ」
情けないくらいに声がひっくり返ってしまっていた。
歩みを止めたサルファー先輩が、心配そうに俺を見つめている。腰に回されていた手が離れて、代わりに頭を撫でてくれる。
「大丈夫か? もしかして……」
「あ、いや……その……」
「お腹がいっぱいで、眠くなったのか?」
「へ? あ、はい……その、少しだけ……」
ビックリした。てっきりバレたのかと。
先輩がくれた言葉を噛み締める度に滲み出てきていた欲。もっと先輩とくっついていたい。あわよくばキスして欲しい。そんな考えを見透かされたのかと。
……たまたまなのか、勘がいいのか。時々先輩って、俺の考えてることが聞こえたようなタイミングで俺の気持ちに応えてくれるんだもんなぁ。
今回は、そういう訳ではなかったらしい。どこか座れそうな場所を探してくれているのだろう。俺を撫でてくれつつもキョロキョロと周囲を見回している。
「ああ」
何か、いい休憩場所を見つけてくれたんだろうか。
「あれなんかどうだ? ゆっくり座って休めるぞ」
明るい笑顔で先輩が指差したのは観覧車。こちらもジェットコースターと一緒で、目玉のアトラクションの一つだ。
ゆっくりと回っている大きな円は、ぱっと見高層ビル並か、それ以上の高さを有していそう。確か、先輩と一緒に見たホームページの説明によると、一周するのに二十分はかかるんだっけ。
……二十分、か。
「いいですねっ、早速並びましょうっ!」
「ああ」
安心したように笑う先輩は知る由もないだろう。俺が企んでいることなんて。
ホームページの紹介でも夕方や夜がオススメだと書いてあったからだろうか。行列は短く、すぐに俺達の番がやって来た。
ドアを開けてくれたスタッフさんに促され、先に乗り込んだ先輩が、俺の手を取ってくれる。
「足元に気をつけるんだぞ」
「は、はい……ありがとうございます」
無事に乗り込めた俺達は、自然と同じ席に掛けていた。ここでも先輩は俺の肩を抱き寄せてくれた。まだスタッフさんから見えているのに。嬉しいけれど。
少しずつ俺達が乗るゴンドラが真っ青な空へと近づいていく。先程のスタッフさんが見えなくなるほど、地面から離れた頃だった。
「……そろそろいいだろう。シュン、おいで」
「……っ」
ゴツゴツとした手が、招くようにぽんっ、ぽんっと叩いているのは逞しいお膝。この魅力的なお誘いの意味が分からないほど、俺は鈍感ではない。
良いんですか? と尋ねるよりも先に、俺は太ももの上へと跨ってしまっていた。
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