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マッチョな先輩と恋人同士になった件(サルファールート)

★ 怖いどころか

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 乱れた吐息を感じたかと思えば、口づけてもらえていた。ただひたすらに優しい触れ合いの最中に、先輩が微笑む。

「……もう少し……ん、慣らしてから動かすからな……」

 感覚的には大丈夫だと思うんだけどな。

 思ったけれども口にはしなかった。ただでさえ俺の我儘で、先輩にくっついていたいってだけで、挿れづらい体勢でしてもらっているのだ。従った方がいいだろう。

 万が一にも俺の中が傷つくようなことがあれば、先輩、目茶苦茶自分のこと責めちゃいそうだしなぁ……

 優しくすると、初めての時に宣言した通り、先輩は徹底的にその約束を守ろうとしてくれている。そのこと自体はスゴく嬉しい。大切にしてもらえているんだなって、伝わってくるから。

 ただ、今みたく時々もどかしくなるというか。思いっきり先輩の好きなように俺のことを……っていう願望が滲み出てきちゃったりするのだけれど。

 まぁ、焦らなくてもいいか。俺が完全に慣れてからでも。

 頷いた俺を見て、先輩は安心したように笑みを深めた。そうして、しばらくはいつものお時間。お互いに唇を寄せ合いながら、のんびり好きって気持ちを確かめ合う時間。

 何度目かも分からなくなるくらいに交わし合って、気持ちも身体もふわふわに緩んできた頃、先輩が尋ねてきた。

「……いいか?」

 俺的には、はいかイエスしかない確認にキスで応えて、先輩の太く引き締まった首に腕を絡めた。分かってくれたらしい。先輩は瞳を細めて、指を動かし始めたんだ。

 十分な時間をとって慣らしてもらったからだろう。挿入の際、あんなに感じていた圧迫感は何処へやら。そのことに関しては喜ばしい限りだったんだけどさ。

 さっきみたく抜き差しされることはなかった。俺の期待に反して、三本の指は自由気ままに俺の内壁を撫でてきた。ローション特有の粘つく音を立てながら俺の中をかき回し始めたんだ。

「ん、んん……ふぅ、ん……」

 規則性がないもんだから、いつあそこに当たるかも分からない。抜き差しされている時は、もう少しでイイところを突いてもらえるって分かっていたのに。

「はぁ……ん、あ、あっ……」

 不意の刺激に喜んで、腰を高く上げるように跳ねさせるばかり、先輩にしがみついてばかり。

 しかし、そのドキドキ感が逆に良かったんだと気づけたのは、見覚えのある感覚が込み上げてきてからだった。

「はっ、先輩……先輩……」

「……イけそうか?」

 切羽詰まった呼びかけに、すぐに先輩は察してくれて。嬉しそうに額に、頬にとキスを送ってくれた。

 けれども、はたと気づいたように目を見開いた。指の動きを緩やかにしながら、どこか心配そうに眉を下げた。

「大丈夫か、シュン……怖くは、ないのか?」

 乳首だけでイけたからだろう。今度は怖くも、恥ずかしくも。それどころか。

「お願い……っ……サルファー……イかせて、欲し……サルファーの指で……イきたい……」

 強請ってからは、あっという間。噛みつくように口づけられて、三本でピンポイントに前立腺を突かれて、あっけなく俺は放っていた。

 くびれた先輩の首に抱きつきながら、立てた膝をガクガク震わせながら、声にならない喜びの声を上げていたんだ。
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