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マッチョな先輩と恋人同士になった件(サルファールート)
★ 尽きることのない欲
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断る理由なんてなかった。先輩にしてもらえるのだ。どんなことだって大抵は嬉しい。してもらいたいに決まっている。
「ん、っ……はい……お願い、します……」
俺が頷くと先輩は、持ってくれていた俺の片足を更に上へと持ち上げた。鍛え上げられ、盛り上がった肩に足首をのせてから、シーツを掴んでいる俺の手を握ってくれた。
「……何か、少しでも問題があれば……すぐに言ってくれ……」
「……はい」
真っ直ぐに俺を見つめる先輩の眼差しは、心配だと言わんばかり。繋いでくれている俺の手の甲を、指先で撫でてくれている。
そんなに心構えが必要なのだろうか? 挿れてもらう時ならば、まだ分かるけれど。
すでに受け入れられているものを、抜き差しするだけだろうに。大したことはないだろうに。
しかし、すぐに俺は自分の認識が甘かったと知ることになる。
「じゃあ、動かすぞ……?」
「はい……」
それが訪れたのは、すぐだった。
「……あ?」
先輩が、挿れてくれた時と同じように、慎重に慎重を重ねて指を引き抜いていく。少し固い指先が、俺よりも一回り太い指が、俺の内側をなぞりながら出ていく。
内壁を撫でられる度に、埋まっていた熱が穴の縁へと近づいていくにつれて、ぞくぞくとした感覚が背筋に走る。
まさか……気持ちいいのか? 気持ちよく、なれているのか? ただ抜かれているだけなのに?
「ひ、ぁ……や、あっ……」
「大丈夫か? シュン……」
抜かれる寸前で指が止まった。優しい声には焦りと心配が混ざっていた。
困惑した俺は、重ねていた先輩の手をキツく握り締めてしまっていたらしい。血管が浮き出た手の甲に、俺の爪が食い込んでしまっていた。
ごめんなさいと謝る暇もなかった。先輩は眉一つしかめずに微笑みかけてくれる。咄嗟に離そうとしていた手を、しっかり繋いでくれたまま。
「よく頑張ったな……今日はここまでにして、このまま抜こうな」
このままじゃ終わってしまう。そう思ったら、居ても立っても居られないかった。
「あと少しだから、もう少しだけ頑張って」
「続けて下さい……」
「大丈夫だ……焦らなくていいんだぞ? ゆっくり俺達のペースで」
「き、気持ちよかったですから……っ」
俺を見つめていた瞳が大きく見開く。緩やかなアーチを描いていた凛々しい眉が、片方だけ持ち上がった。
「気持ちよくて、びっくりしただけなんで……続けて欲しい、です……」
勢いがよかったのは最初だけ。徐々に萎んでいってしまう。
静まり返った室内に俺の鼓動だけが響いているような。そんな錯覚を覚えかけた時だった。
「……分かった……だが、無理はするなよ? 約束だ」
「はい……」
先輩は微笑んで、繋いでいる俺の指先にキスを送ってくれた。
指が動き出す。今度は奥へと、あのしこりがあるところまで入ってくる。やっぱり背筋に、いや全身に、あの感覚が走っていく。
それだけじゃない。あそこが疼いて仕方がない。触ってもらっていないのに、先っぽを先輩に甘やかしてもらえているような。
とにかく気持ちがよくて仕方がない。
「ん、ぁ……ひ、あっ、あ……」
「……どうだ? 大丈夫か? シュン」
「は、ひ……気持ち……です……う、ぁっ……いい……っ……」
「そうか……良かった……」
安心したんだろう。俺が強請らなくとも先輩は、繰り返し俺の中を撫で続けてくれた。
ゆったりとした動きで先輩の指が俺の中を行き来する。俺の穴からはしたない音が漏れ聞こえる。粘ついて、湿り気を帯びた音が鳴り続けている。
「く……少し……早くしても、いいか?」
尋ねる先輩の瞳は欲に濡れていて、息遣いは荒かった。
「はぃ……やってみて、くだ……ひ、ゃっ……」
了承した途端に、指の動きが激しくなる。俺の中を穿つように、前立腺を目がけて突くように。
けれども俺は怖さを感じなかったし、びっくりもしなかった。すでにトリコになっていたのだ。
眼の前が明滅するような、脳みそに直接叩き込まれているような暴力的な快感に。
「あっ、あっ、い……さるふぁ……きもち……ひ、ぁっ……あっ、あ、あぁっ……」
……おかしくなりそうだ。
イく寸前で止められているような、もうすでに何度も軽くイきっぱなしのような。
「は、っ……辛そうだな……こっちも気持ちよくしてやろうな……」
どうやら、イけていなかったらしい。
手を離されたかと思えば、どこか楽しそうに先輩が俺のものを握り込んだ。
俺の中を、あのしこりを繰り返し突く指の動きはそのままに、手のひらで包んだ俺の竿を上下に扱き始める。いやらしい音が、ますます煩くなった。
「や、ぁ……いっひょ、だめ……あ、あっ、きちゃ……も、ひ、んっ、あ……」
「大丈夫、大丈夫だぞ……我慢しないでくれ……」
「ひ、ぃっ……あ、あ、あぁっ…………う、ぁっ……あ、ぁ……」
訳が分からなくなった。
眼の前が白く弾けて。下腹部が、手のひらが、足の裏が、燃えるように熱くなって。
笑っちゃうくらいに身体が震えて。無意識の内に痛いくらいに伸ばしていた足も、暴れるみたいに跳ねていて。
……でも、スゴく気持ちがよくて。
俺は、また新たに知ってしまった。気持ちよくなれるってこともだけど。
気怠い幸福感に満たされながら思い浮かべてしまったのだ。早くも期待してしまったのだ。
指でこんなに気持ちよくなれるのなら、先輩のものを挿れてもらえるようになったら、どんなに気持ちがいいんだろうって。
「ん、っ……はい……お願い、します……」
俺が頷くと先輩は、持ってくれていた俺の片足を更に上へと持ち上げた。鍛え上げられ、盛り上がった肩に足首をのせてから、シーツを掴んでいる俺の手を握ってくれた。
「……何か、少しでも問題があれば……すぐに言ってくれ……」
「……はい」
真っ直ぐに俺を見つめる先輩の眼差しは、心配だと言わんばかり。繋いでくれている俺の手の甲を、指先で撫でてくれている。
そんなに心構えが必要なのだろうか? 挿れてもらう時ならば、まだ分かるけれど。
すでに受け入れられているものを、抜き差しするだけだろうに。大したことはないだろうに。
しかし、すぐに俺は自分の認識が甘かったと知ることになる。
「じゃあ、動かすぞ……?」
「はい……」
それが訪れたのは、すぐだった。
「……あ?」
先輩が、挿れてくれた時と同じように、慎重に慎重を重ねて指を引き抜いていく。少し固い指先が、俺よりも一回り太い指が、俺の内側をなぞりながら出ていく。
内壁を撫でられる度に、埋まっていた熱が穴の縁へと近づいていくにつれて、ぞくぞくとした感覚が背筋に走る。
まさか……気持ちいいのか? 気持ちよく、なれているのか? ただ抜かれているだけなのに?
「ひ、ぁ……や、あっ……」
「大丈夫か? シュン……」
抜かれる寸前で指が止まった。優しい声には焦りと心配が混ざっていた。
困惑した俺は、重ねていた先輩の手をキツく握り締めてしまっていたらしい。血管が浮き出た手の甲に、俺の爪が食い込んでしまっていた。
ごめんなさいと謝る暇もなかった。先輩は眉一つしかめずに微笑みかけてくれる。咄嗟に離そうとしていた手を、しっかり繋いでくれたまま。
「よく頑張ったな……今日はここまでにして、このまま抜こうな」
このままじゃ終わってしまう。そう思ったら、居ても立っても居られないかった。
「あと少しだから、もう少しだけ頑張って」
「続けて下さい……」
「大丈夫だ……焦らなくていいんだぞ? ゆっくり俺達のペースで」
「き、気持ちよかったですから……っ」
俺を見つめていた瞳が大きく見開く。緩やかなアーチを描いていた凛々しい眉が、片方だけ持ち上がった。
「気持ちよくて、びっくりしただけなんで……続けて欲しい、です……」
勢いがよかったのは最初だけ。徐々に萎んでいってしまう。
静まり返った室内に俺の鼓動だけが響いているような。そんな錯覚を覚えかけた時だった。
「……分かった……だが、無理はするなよ? 約束だ」
「はい……」
先輩は微笑んで、繋いでいる俺の指先にキスを送ってくれた。
指が動き出す。今度は奥へと、あのしこりがあるところまで入ってくる。やっぱり背筋に、いや全身に、あの感覚が走っていく。
それだけじゃない。あそこが疼いて仕方がない。触ってもらっていないのに、先っぽを先輩に甘やかしてもらえているような。
とにかく気持ちがよくて仕方がない。
「ん、ぁ……ひ、あっ、あ……」
「……どうだ? 大丈夫か? シュン」
「は、ひ……気持ち……です……う、ぁっ……いい……っ……」
「そうか……良かった……」
安心したんだろう。俺が強請らなくとも先輩は、繰り返し俺の中を撫で続けてくれた。
ゆったりとした動きで先輩の指が俺の中を行き来する。俺の穴からはしたない音が漏れ聞こえる。粘ついて、湿り気を帯びた音が鳴り続けている。
「く……少し……早くしても、いいか?」
尋ねる先輩の瞳は欲に濡れていて、息遣いは荒かった。
「はぃ……やってみて、くだ……ひ、ゃっ……」
了承した途端に、指の動きが激しくなる。俺の中を穿つように、前立腺を目がけて突くように。
けれども俺は怖さを感じなかったし、びっくりもしなかった。すでにトリコになっていたのだ。
眼の前が明滅するような、脳みそに直接叩き込まれているような暴力的な快感に。
「あっ、あっ、い……さるふぁ……きもち……ひ、ぁっ……あっ、あ、あぁっ……」
……おかしくなりそうだ。
イく寸前で止められているような、もうすでに何度も軽くイきっぱなしのような。
「は、っ……辛そうだな……こっちも気持ちよくしてやろうな……」
どうやら、イけていなかったらしい。
手を離されたかと思えば、どこか楽しそうに先輩が俺のものを握り込んだ。
俺の中を、あのしこりを繰り返し突く指の動きはそのままに、手のひらで包んだ俺の竿を上下に扱き始める。いやらしい音が、ますます煩くなった。
「や、ぁ……いっひょ、だめ……あ、あっ、きちゃ……も、ひ、んっ、あ……」
「大丈夫、大丈夫だぞ……我慢しないでくれ……」
「ひ、ぃっ……あ、あ、あぁっ…………う、ぁっ……あ、ぁ……」
訳が分からなくなった。
眼の前が白く弾けて。下腹部が、手のひらが、足の裏が、燃えるように熱くなって。
笑っちゃうくらいに身体が震えて。無意識の内に痛いくらいに伸ばしていた足も、暴れるみたいに跳ねていて。
……でも、スゴく気持ちがよくて。
俺は、また新たに知ってしまった。気持ちよくなれるってこともだけど。
気怠い幸福感に満たされながら思い浮かべてしまったのだ。早くも期待してしまったのだ。
指でこんなに気持ちよくなれるのなら、先輩のものを挿れてもらえるようになったら、どんなに気持ちがいいんだろうって。
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