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マッチョな先輩と恋人同士になった件(サルファールート)
★ もう、身体が覚えてしまっているんだろう
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弾力のある体躯から伝わってくる温もりが、頭を背中を撫でてくれる手つきが心地いい。
しばらくして俺の呼吸が落ち着いてきた頃、先輩はベッドから降りていった。頬を優しく撫でてくれて、額にキスを送ってくれてから。
「……少し待っていてくれ」
「……はい」
今回は、理由が分かっているからだろう。何だか落ち着かない。先輩がゴソゴソとバッグの中を探る音にすら反応してしまう。心音が高鳴ってしまう。
「……待たせたな」
「……いえ」
先輩が戻ってきた。ゆったりとした動作で俺を跨いで、膝立ちになった彼の手にはあのキャップボトルが握られている。
……やってもらいやすいように……体勢変えた方がいいかな……
先輩にしてもらうより早く、自分から足を持ち上げかけて気づく。どうやら完全に脱がされていなかったみたい。ボクサータイプのパンツとゆったりめのズボンが、スネの近くで引っかかったままになっている。
なんだろう……なんだか、裸よりも恥ずかしいんだけど……
さっさと脱いでしまおうと、慌てて上体を起こそうとして先を越された。大きな手によってすぽんっと引き抜かれたそれらが、ベッドの端へと雑に放られる。
「ありがとう、ございます……」
「いや……それで……その……」
さっきまでは、淡々と冷静にことを進めているように見えた先輩。けれども俺と同じだったらしい。緊張していたみたいだ。
言葉を濁している彼の頬は真っ赤に染まっている。目尻がスッとしていてカッコいい瞳は、どこか落ち着きなく左右に泳いでいた。
何かで、自分より緊張している人を見ると落ち着くと聞いたことがあるが、本当だったらしい。
「……俺、持ってますね……足……」
「ああ……す、すまない……助かる……」
本来ならば声が震えるどころか、言う勇気すら出来ない提案も出来た。更には有言実行することが出来たんだ。
俺が膝を抱えている間、先輩は俺に目をくれることもなく黙々と準備を進めていた。
手のひらに出したローションを、両手で練るようにぐちゃぐちゃと音を立てたり。そうして温まったらしい粘性のある液体を、俺の尻の穴に塗り込んだり。
その慎重さは初めての時と変わりない。何度もローションを足しながら、シワの一本一本をなぞるように生温い液体を馴染ませていく。
熱心な彼の姿勢に、余計に鼓動がはしゃいでしまう。
だって伝わってくるんだ。傷つけないようにしてくれているんだなって、大切にしてくれているんだなって。
固く閉じていた穴とその周囲がたっぷり濡れた頃、感触を確かめるように触れていた指先が、俺の穴にあてがわれた。
「……いくぞ?」
「……はい……お願いします……」
やはり抵抗感はなかった。滑りを伴った指先は、あっさりと俺の穴に入り込んでいく。
まだ、あそこには届いていない。まだ、触れてもらっていないのに。
「ん、ふ……あ、あっ……」
先輩の指が差し込まれている感覚だけで、内壁を撫でられている感覚だけで、俺は感じてしまっていた。
もう、身体が覚えてしまっているのだろう。お尻の穴で気持ちよくなれるんだって、先輩の指が気持ちよくしてくれるんだって。
しばらくして俺の呼吸が落ち着いてきた頃、先輩はベッドから降りていった。頬を優しく撫でてくれて、額にキスを送ってくれてから。
「……少し待っていてくれ」
「……はい」
今回は、理由が分かっているからだろう。何だか落ち着かない。先輩がゴソゴソとバッグの中を探る音にすら反応してしまう。心音が高鳴ってしまう。
「……待たせたな」
「……いえ」
先輩が戻ってきた。ゆったりとした動作で俺を跨いで、膝立ちになった彼の手にはあのキャップボトルが握られている。
……やってもらいやすいように……体勢変えた方がいいかな……
先輩にしてもらうより早く、自分から足を持ち上げかけて気づく。どうやら完全に脱がされていなかったみたい。ボクサータイプのパンツとゆったりめのズボンが、スネの近くで引っかかったままになっている。
なんだろう……なんだか、裸よりも恥ずかしいんだけど……
さっさと脱いでしまおうと、慌てて上体を起こそうとして先を越された。大きな手によってすぽんっと引き抜かれたそれらが、ベッドの端へと雑に放られる。
「ありがとう、ございます……」
「いや……それで……その……」
さっきまでは、淡々と冷静にことを進めているように見えた先輩。けれども俺と同じだったらしい。緊張していたみたいだ。
言葉を濁している彼の頬は真っ赤に染まっている。目尻がスッとしていてカッコいい瞳は、どこか落ち着きなく左右に泳いでいた。
何かで、自分より緊張している人を見ると落ち着くと聞いたことがあるが、本当だったらしい。
「……俺、持ってますね……足……」
「ああ……す、すまない……助かる……」
本来ならば声が震えるどころか、言う勇気すら出来ない提案も出来た。更には有言実行することが出来たんだ。
俺が膝を抱えている間、先輩は俺に目をくれることもなく黙々と準備を進めていた。
手のひらに出したローションを、両手で練るようにぐちゃぐちゃと音を立てたり。そうして温まったらしい粘性のある液体を、俺の尻の穴に塗り込んだり。
その慎重さは初めての時と変わりない。何度もローションを足しながら、シワの一本一本をなぞるように生温い液体を馴染ませていく。
熱心な彼の姿勢に、余計に鼓動がはしゃいでしまう。
だって伝わってくるんだ。傷つけないようにしてくれているんだなって、大切にしてくれているんだなって。
固く閉じていた穴とその周囲がたっぷり濡れた頃、感触を確かめるように触れていた指先が、俺の穴にあてがわれた。
「……いくぞ?」
「……はい……お願いします……」
やはり抵抗感はなかった。滑りを伴った指先は、あっさりと俺の穴に入り込んでいく。
まだ、あそこには届いていない。まだ、触れてもらっていないのに。
「ん、ふ……あ、あっ……」
先輩の指が差し込まれている感覚だけで、内壁を撫でられている感覚だけで、俺は感じてしまっていた。
もう、身体が覚えてしまっているのだろう。お尻の穴で気持ちよくなれるんだって、先輩の指が気持ちよくしてくれるんだって。
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