気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件~恋人ルート~

白井のわ

文字の大きさ
上 下
197 / 511
マッチョな先輩と恋人同士になった件(サルファールート)

★ 一回だけじゃ、足りなくて

しおりを挟む
 見惚れてしまっていたせいだ。答えられなかったせいだ。

 止まっていた先輩の指が動き出す。以前のように、俺の身体に尋ねるつもりなんだろう。

 少し固い指の腹が、触れるか触れないかの絶妙な加減で撫で始める。つんと勃ち上がっている乳首の先端を、先ほど漏らしたばかりで赤く潤んだままの亀頭を。

「あ、あ……ん、ふ、ぁ……あぅ……」

 一方は、突くように、硬さを確かめているようにつんつんと触られる。もう一方は、尿道口の周りを円を描くようにくるくると。かと思えば先端を包み込むように手のひらで覆われて、そのまま優しく撫で回された。

 同時にもたらされた快感に、俺はあっさり溺れてしまっていた。

 先輩から尋ねられたことも忘れて、はしたなく股を広げてしまっていた。もっとして欲しいと強請るように、腰を揺らしてしまっていたんだ。

 欲に忠実過ぎる自分に嫌気が差す。けれども、止めることが出来ない。

「あっ、あ……もっと……もっと、俺に……触って下さ……気持ちいの、下さい……」

 それどころか言葉でも……流石に優しい先輩でも、引いてしまったんじゃ……

 固く閉じてしまっていた瞼を開いた途端、映ったのは蕩けるような微笑み。嬉しそうに細められた眼差しが、食い入るように俺を見つめていた。

 ゆるりと口端だけを持ち上げて、笑う仕草が艶っぽい。

「ああ……任せてくれ……」

 低い声で受け入れてもらえてすぐだった。

「ふぁっ……あ、ひ、んんっ……」

 乳首を軽く摘まれて、指の腹同士で優しくすりすり擦られて。緩く握られた竿を、根元からカリ首に向かって何度も上下に扱かれて。

「あ、あっ、あッ…………は……ぁ……ぅ……」

 すぐさま俺は、高みへと引っ張られてしまっていた。先輩に見せつけるように腰を浮かせて、放ってしまっていたんだ。

 ……まだ、眼の前がチカチカしている。心臓が暴れているみたいだ。

 先程の軽いものとは比べ物にならない深い絶頂。達したことによる幸福感と満足感。頭の天辺から指先まで広がっている、甘く気怠いそれらを俺は存分に享受しているってのに。

「……必死に腰を揺らして……可愛いな……」

 そう。貪欲な俺の身体は、早くも次を強請ってしまっていたのだ。さらなる心地よさを貪っていたのだ。先輩の手のひらに擦りつけるように、みっともなく腰を振って。

「は、は……ぁ……ごめ、なさ……ごめ……んむ……」

 塞がれたかと思えば、熱い舌が口内に入り込んできた。

 肉厚な先輩のものに触れ合えただけ、宥めるように優しく絡めてもらえただけ。なのに、胸の中を占めていた罪悪感が、どうしようもない情けなさが、跡形もなく消えていく。

 残っているのは、あふれてしまいそうな温かさだけ。先輩のことが好きだっていう強い想いだけだった。

 分厚い胸板にしがみつきながら深く求め合っていると、不意に先輩が離れていった。

 名残惜しそうに、俺達の間で糸を引いていたものも、口端からこぼして顎まで伝っていたものも、先輩は丹念に舐め取ってくれた。

 おまけに触れ合うだけのキスを繰り返し送ってくれたのだ。

「……大丈夫だ……言っただろう? いっぱい甘やかしてあげるって……」

 まだ息の整っていない俺は、頷くことしか出来なかった。

 それでも先輩は、俺のして欲しいことが分かっているみたい。深いキスによって、すっかり硬さを取り戻していた俺のものを、弱い裏筋を、優しく撫で始めたんだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

飼われる側って案外良いらしい。

なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。 なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。 「まあ何も変わらない、はず…」 ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。 ほんとに。ほんとうに。 紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22) ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。 変化を嫌い、現状維持を好む。 タルア=ミース(347) 職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。 最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?

楽な片恋

藍川 東
BL
 蓮見早良(はすみ さわら)は恋をしていた。  ひとつ下の幼馴染、片桐優一朗(かたぎり ゆういちろう)に。  それは一方的で、実ることを望んでいないがゆえに、『楽な片恋』のはずだった……  早良と優一朗は、母親同士が親友ということもあり、幼馴染として育った。  ひとつ年上ということは、高校生までならばアドバンテージになる。  平々凡々な自分でも、年上の幼馴染、ということですべてに優秀な優一朗に対して兄貴ぶった優しさで接することができる。  高校三年生になった早良は、今年が最後になる『年上の幼馴染』としての立ち位置をかみしめて、その後は手の届かない存在になるであろう優一朗を、遠くから片恋していくつもりだった。  優一朗のひとことさえなければ…………

【完結】相談する相手を、間違えました

ryon*
BL
長い間片想いしていた幼なじみの結婚を知らされ、30歳の誕生日前日に失恋した大晴。 自棄になり訪れた結婚相談所で、高校時代の同級生にして学内のカースト最上位に君臨していた男、早乙女 遼河と再会して・・・ *** 執着系美形攻めに、あっさりカラダから堕とされる自称平凡地味陰キャ受けを書きたかった。 ただ、それだけです。 *** 他サイトにも、掲載しています。 てんぱる1様の、フリー素材を表紙にお借りしています。 *** エブリスタで2022/5/6~5/11、BLトレンドランキング1位を獲得しました。 ありがとうございました。 *** 閲覧への感謝の気持ちをこめて、5/8 遼河視点のSSを追加しました。 ちょっと闇深い感じですが、楽しんで頂けたら幸いです(*´ω`*) *** 2022/5/14 エブリスタで保存したデータが飛ぶという不具合が出ているみたいで、ちょっとこわいのであちらに置いていたSSを念のためこちらにも転載しておきます。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

鹿水の子

かろ丸
BL
 時代は変わり山の信仰は薄れた。信仰をなくし消える神、山を切り開かれ体をなくし消える神、あまたの髪が消えていく中、山神に使える鹿水(かみ)の子である水月はこのままでは大好きな山神様が消えてしまうと山神様の信仰を取り戻そう!計画を始めた。村人とも仲を深め少しずつ山神への信仰心を取り戻していった水月だったが、村人たちの様子は次第に変わっていき……

王様は知らない

イケのタコ
BL
他のサイトに載せていた、2018年の作品となります 性格悪な男子高生が俺様先輩に振り回される。 裏庭で昼ご飯を食べようとしていた弟切(主人公)は、ベンチで誰かが寝ているのを発見し、気まぐれで近づいてみると学校の有名人、王様に出会ってしまう。 その偶然の出会いが波乱を巻き起こす。

セントアール魔法学院~大好きな義兄との学院生活かと思いきや何故だかイケメンがちょっかいかけてきます~

カニ蒲鉾
BL
『ラウ…かわいい僕のラウル…この身体の事は絶対に知られてはいけない僕とラウル二人だけの秘密』 『は、い…誰にも――』    この国には魔力を持つ男が通うことを義務付けられた全寮制魔法学校が存在する。そこに新入生として入学したラウルは離れ離れになっていた大好きで尊敬する義兄リカルドと再び一緒の空間で生活できることだけを楽しみにドキドキワクワク胸を膨らませていた。そんなラウルに待つ、新たな出会いと自分の身体そして出生の秘密とは――  圧倒的光の元気っ子ラウルに、性格真反対のイケメン二人が溺愛執着する青春魔法学園ファンタジー物語 (受)ラウル・ラポワント《1年生》 リカ様大好き元気っ子、圧倒的光 (攻)リカルド・ラポワント《3年生》 優しいお義兄様、溺愛隠れ執着系、策略家 (攻)アルフレッド・プルースト《3年生》 ツンデレ俺様、素行不良な学年1位 (友)レオンハルト・プルースト《1年生》 爽やかイケメン、ラウルの初友達、アルの従兄弟

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

処理中です...