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マッチョな先輩と恋人同士になった件(サルファールート)
★ 何を考えていたんだ? 今は、俺との時間だろう?
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覆い被さってきた先輩が、俺の首元に顔を埋めてくる。先輩の柔らかい髪が俺の頬を、首を擽った。
何度か軽く唇で食んで、舌先で丁寧に滑られて。淡い感覚が生まれ始めた肌に吸い付いてくる。新しい証を刻んでくれる。
なんだか、これが俺達にとっての始まりの合図みたい。まだ二回目……いや、今朝のをいれたとしても三回目なんだけどさ。
ふと浮かんだ自分の考えに対して、悦に浸っていたせいだ。気がつくのが遅れてしまった。
いつの間にか先輩は俺の首から離れていた。寂しそうな色を宿した黄色の瞳が、俺を咎めるように見つめていた。浮かれていた頭の中が、スッと波が引くように冷えていく。
「先ぱ……ひぁっ、あ……」
構って欲しいと言われたみたいだった。
やや性急な手つきで肌着ごと服を胸元まで捲り上げられ、何の前触れもなく左右の乳首を同時に摘まれたのだ。
俺のせいで先輩の機嫌を損ねてしまったのは明らかだ。
けれども俺はもたらされた刺激に、喜びが滲んだ声を上げてしまっていた。咄嗟に回した彼の広い背中にしがみついて、しわくちゃになるまで服を握りしめながら、腰をびくんっと浮かせてしまっていた。
いかにもな俺の反応に、少しは持ち直してくれたんだろうか。眉間に刻まれていたシワが緩んでいく。拗ねたように尖っていた唇が、困ったような微笑に変わっていく。
先輩は、指の腹で挟んだ俺の乳首を優しく転がすように弄りながら尋ねてきた。
「……嬉しそうに可愛く微笑んで……何を考えていたんだ? 今は、俺との時間だろう?」
その声色は怒っていなかった。それどころか、泣いている子供に話しかけるように優しかった。
だからだろう。ことさら素直に伝えることが出来たんだ。
「ん、あっ……ごめんなさ……先輩が俺の首、吸ってくれるの……は、ぅ……嬉しくて……今から先輩に触ってもらえるんだなって……」
触れてくれていた手が止まる。精悍な瞳を縁取る長い睫毛がぱちぱちと瞬く。
「……俺のことを……考えてくれていたのか?」
「……いつだって、俺は先輩のことしか考えてませんよ……」
煌めいたように見えた。見開かれた蜂蜜色の瞳にいくつもの星々が。
でもすぐに見えなくなってしまう。照れくさそうに伏せられた睫毛の影に隠れてしまう。
「……すまない……その……自分でも分からないんだが……多分俺は、ちょっとおかしくなっているんだと思う……君が……ナンパされてしまってから……」
もしかして、さっきの態度もそれが原因で? デートの時は、何ともなさそうだったんだけど……いや、初デートだからって我慢してくれていたのかな。
ようやく腑に落ちた俺は、先輩の手を握った。不思議そうな瞳が俺を見つめてくる。
「あー……でも、気持ち分かりますよ。俺だって、先輩が可愛い人とかカッコいい人に声掛けられたら……おかしくなっちゃいますもん」
分かってるけど嫉妬して、信じているけど寂しくなって。
……堪らなくなる。ちゃんとした証拠が、言葉が欲しくて堪らなくなる。
「っ……俺だって君一筋だ……! 君のことしか考えられな…………あ……」
先輩は俺の言わんとしていることに気がついたようだった。もしもの話だけれど、今日の俺と同じ立場になって気がついてくれたらしかった。
「その……シュン……」
「好きですよ」
「え……?」
「サルファー先輩のことが大好きです。先輩なしじゃあ、生きていけません。ずっと俺の側に居て欲しいです」
「……俺もだ……俺も、君なしじゃ……」
言葉を詰まらせている唇にそっと押しつければ、安堵したように先輩の瞳が細められる。
何度か交わした頃には消えていた。整った顔に暗い影を落としていた寂しさが、跡形もなく。
何度か軽く唇で食んで、舌先で丁寧に滑られて。淡い感覚が生まれ始めた肌に吸い付いてくる。新しい証を刻んでくれる。
なんだか、これが俺達にとっての始まりの合図みたい。まだ二回目……いや、今朝のをいれたとしても三回目なんだけどさ。
ふと浮かんだ自分の考えに対して、悦に浸っていたせいだ。気がつくのが遅れてしまった。
いつの間にか先輩は俺の首から離れていた。寂しそうな色を宿した黄色の瞳が、俺を咎めるように見つめていた。浮かれていた頭の中が、スッと波が引くように冷えていく。
「先ぱ……ひぁっ、あ……」
構って欲しいと言われたみたいだった。
やや性急な手つきで肌着ごと服を胸元まで捲り上げられ、何の前触れもなく左右の乳首を同時に摘まれたのだ。
俺のせいで先輩の機嫌を損ねてしまったのは明らかだ。
けれども俺はもたらされた刺激に、喜びが滲んだ声を上げてしまっていた。咄嗟に回した彼の広い背中にしがみついて、しわくちゃになるまで服を握りしめながら、腰をびくんっと浮かせてしまっていた。
いかにもな俺の反応に、少しは持ち直してくれたんだろうか。眉間に刻まれていたシワが緩んでいく。拗ねたように尖っていた唇が、困ったような微笑に変わっていく。
先輩は、指の腹で挟んだ俺の乳首を優しく転がすように弄りながら尋ねてきた。
「……嬉しそうに可愛く微笑んで……何を考えていたんだ? 今は、俺との時間だろう?」
その声色は怒っていなかった。それどころか、泣いている子供に話しかけるように優しかった。
だからだろう。ことさら素直に伝えることが出来たんだ。
「ん、あっ……ごめんなさ……先輩が俺の首、吸ってくれるの……は、ぅ……嬉しくて……今から先輩に触ってもらえるんだなって……」
触れてくれていた手が止まる。精悍な瞳を縁取る長い睫毛がぱちぱちと瞬く。
「……俺のことを……考えてくれていたのか?」
「……いつだって、俺は先輩のことしか考えてませんよ……」
煌めいたように見えた。見開かれた蜂蜜色の瞳にいくつもの星々が。
でもすぐに見えなくなってしまう。照れくさそうに伏せられた睫毛の影に隠れてしまう。
「……すまない……その……自分でも分からないんだが……多分俺は、ちょっとおかしくなっているんだと思う……君が……ナンパされてしまってから……」
もしかして、さっきの態度もそれが原因で? デートの時は、何ともなさそうだったんだけど……いや、初デートだからって我慢してくれていたのかな。
ようやく腑に落ちた俺は、先輩の手を握った。不思議そうな瞳が俺を見つめてくる。
「あー……でも、気持ち分かりますよ。俺だって、先輩が可愛い人とかカッコいい人に声掛けられたら……おかしくなっちゃいますもん」
分かってるけど嫉妬して、信じているけど寂しくなって。
……堪らなくなる。ちゃんとした証拠が、言葉が欲しくて堪らなくなる。
「っ……俺だって君一筋だ……! 君のことしか考えられな…………あ……」
先輩は俺の言わんとしていることに気がついたようだった。もしもの話だけれど、今日の俺と同じ立場になって気がついてくれたらしかった。
「その……シュン……」
「好きですよ」
「え……?」
「サルファー先輩のことが大好きです。先輩なしじゃあ、生きていけません。ずっと俺の側に居て欲しいです」
「……俺もだ……俺も、君なしじゃ……」
言葉を詰まらせている唇にそっと押しつければ、安堵したように先輩の瞳が細められる。
何度か交わした頃には消えていた。整った顔に暗い影を落としていた寂しさが、跡形もなく。
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