気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件～恋人ルート～

マッチョな先輩と恋人同士になった件（サルファールート）

★ 違うのか？ シュンは気持ちいいの、好きだろう？ 俺に触られるの、好きなんだろう？

　すぐに俺は、軽くイってしまっていた。

　大きな手のひらに幹の部分を包みこまれながら、親指の腹で先端をよしよし撫でられて。人差し指の先で、俺好みの力加減で乳首を先に向かって撫で上げられて。

　上からも、下からも押し寄せてくる心地よさに堪えきれず、すぐさま腰をビクビク震わせてしまったのだ。

「う、ぁっ、あっ、ひ、ぁ……」

　先から、ぴゅっ、ぴゅ、と透明な汁を漏らしてしまっても、先輩はお構いなし。むしろ、いい潤滑油代わりになると言わんばかりに指に絡ませている。

　そうして滑りを良くした指の腹で、ゆったりと扱きながら塗り拡げてくるのだ。根元から先端まで満遍なく。

　こんなの、相乗効果どころじゃない。好きな人の手で慰められて、ただでさえ気持ちがよくて仕方がないってのに。

　早くも再び高みに上り詰めようとている俺の耳元で、先輩が囁く。

「可愛いぞ……でも、もっと出せるよな？　シュンは、思いっきり出すの……好きだもんな？」

「ん……ぁ、ふ、は、はっ……」

　脳を焼くような快楽に頭がぼうっと霞んでいて、呼吸すらままならなくて。半開きの口から情け無くよだれを垂らしかけていたら、口づけられた。

「んむ、んぅ……」

　軽く舌を撫でられて、吸われて、ますます頭の中が気持ちいいのでぐちゃぐちゃになってしまう。

　もう、見れば分かるだろうに。俺が先輩がくれる快感のトリコになっていることなんて。恥じらいもなく、ただ気持ちよくなる為だけに、ひたすら腰を振り続けているのだから。

　けれども、先輩は尋ねてくる。触れるだけのキスをくれながら、びくびく震えっぱなしな俺のものを、赤く潤んだ先端を、よしよし撫でてくれながら。

「……違うのか？　シュンは気持ちいいの、好きだろう？　俺に触られるの、好きなんだろう？」

　低く、艶のあるカッコいい声で囁いてくる。

　俺がちゃんと答えられるまで、身体にも尋ねるつもりなんだろうか。すっかり硬くなってしまっている乳首を、指の腹ですりすりと擦ってくる。

「なぁ、シュン……」

「……す、すきれふ……」

　舌足らずになりながらも何とか答えられた俺を見て、先輩が嬉しそうに瞳を細めた。

「……ん？　シュンは、何が好きなんだ？」

　ああ、こんな笑顔をされてしまったら、もう……

「……きもちいの、きもちいいのも……さるふぁに、さわられるのも……すき……すきでふ……」

「……じゃあ、もっとしてあげような」

「は、い……して、してくらさ……っ……あぁっ」

　上と下、俺の好きなところを同時に触ってもらえて、思わず俺は両手でシーツに爪を立てながら、上体を大きく反らさせていた。ベッドが鈍く軋んだ音を立てる。

「あ、あぅ、あ、あっ……」

　もっとと言ってはくれたものの、先輩の手つきは変わらない。特に俺を追い詰めたりはせずに、ひたすらに優しく甘やかしてくれる。

　だから、ずっと気持ちいいのが続くのだ。そして、だんだんと身体の隅々まで広がっていくのだ。

　もう、どこもかしこも気持ちがよくて仕方がない。触られていない部分まで、先輩に甘やかしてもらっているような心地すらしてしまう。

「よしよし、気持ちいいな……」

「……ぁ、んっ、きもち……ひぁ……いいっ、あ、あ、さるふぁ……」

「ふふ、いいぞ……イって……ほら……」

　微笑みかけられながら、変わらず両の指先で撫でられただけだった。

「ひ、ぅ……あ、んぁっ、あ、ッ…………」

　喜色に濡れた声を上げ、俺は放っていた。大きく股を開いたまま、跳ねるように浮かせた腰をカクカク震わせながら。

　俺がイっている間も、先輩はずっと撫で続けていた。完全に出し切るまで、優しく促してくれていた。

「は、はひ……ぁ……ふ…………ん……」

　俺がべっとりと汚してしまった手を、先輩は嬉しそうに、名残惜しそうに眺めながら、ティッシュで拭っていた。

　後始末を終えてから、乱れた俺の髪を整えて、熱い頬を撫でてくれる。

「いっぱい出せて気持ちよかったな……キス、しようか？」

　小さく頷いた俺に、先輩が労るように口づけてくれる。

　身体が頭がふわふわする。でも、少し落ち着いたからだろうか。俺は、とあることを思い出していた。

「……あの……先輩……」

「ん？　どうしたんだ？」

「……さっき、言ってた……準備って……何のですか？」

　途端にだった。蕩けるような笑顔を浮かべていた先輩が、急に顔を赤くしたのは。