気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件~恋人ルート~

白井のわ

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マッチョな先輩と恋人同士になった件(サルファールート)

★ 君のせいだ

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 さっきは何とか堪えられたけれど、限界が近い。声の方もだ。だんだんと抑えられなくなっている。

 的確な指の動きによって、もたらされる快感。触れてもらえる度に、反射的に身体が跳ねてしまう。

「ふ……っ……ん、くぅ………」

「……声、我慢してるのか?」

 止むことのない甘い痺れに、思わず唇を噛み締めたせいだ。ついに先輩にバレてしまった。

 俺を追い詰める手の動きが、ゆったりとしたものに変わっていく。先輩は、それ以上何も言わなかった。

 けれども、見つめてくる眼差しは寂しそう。どうしてなんだ? と言わんばかりだ。

 そして俺は、その眼差しに弱いらしい。

「……だ、だって……変、だから……」

「……変? そんなこと」

「せ、せっかく、先輩に触ってもらってるのにっ」

 俺が急に声を大にしたからだろう。先輩は、驚いたように目を丸くして、言葉と一緒に手を止めた。

 先輩が言おうとしてくれていることは分かった。その気持ちは嬉しかった。でも、俺は今度こそ、ちゃんと伝えたかったのだ。

「……こんな、ところ……触らせちゃってるのに……なのに、声まで、おかしかったら……先輩から……き、嫌われちゃ」

 しかし、叶わなかった。飲み込まれてしまったのだ。噛みつくような勢いのキスに、少し厚い唇に遮られて。

「ん、んむ……ふ、ん……」

 しっとりとした柔らかさに、下唇を食まれたかと思えば今度は上唇を。繰り返し食まれる度に、熱く疼いてしまう。とっくに手は止まっているのに、腰が勝手に揺れてしまう。

 触れてもらっているのとは、また違う心地よさに俺は、すっかり夢中になっていた。けれども先輩は、擦り寄るように唇を押しつけたのを最後に離れていってしまった。

「は、ぁ……せ、んぱ……」

 名残惜しくて見上げた俺を、黄色の瞳が真っ直ぐに見つめている。

「……君には、もっと伝える必要があるみたいだな……」

「え……?」

「俺が、どれだけ君に惚れているのかを……君に触れさせてもらえて、どれだけ興奮しているのかを……」

「先ぱ……?」

 不意に手を掴まれた。ゴツゴツした先輩の手が、俺の手を導いていく。鍛え抜かれ、丸太のように太い先輩の太ももへと。そして。

「あ、っ……」

 そこは、見るからに膨らんでいた。触らなくても分かった。先輩の伝えたいことが。

 でも、先輩は俺に触らせてくれる。先輩の大事な場所を。ズボンを内側から押し上げて、いきり立っているそこを。

 指先が触れ、手のひらに当たった熱。布越しでも分かる逞しさに、何とも言えない感覚が俺の肌を撫でていく。

 完全に無意識だった。

 喉を鳴らして、ため息を漏らして。俺は、自分から撫でてしまっていた。それの長さを確かめるように。

「……大きい……それに、硬い……ですね……」

「君のせいだ」

「……へ?」

 顔を上げた途端、大きな手のひらが頬に添えられる。その手に力は入ってはいない。だけど、俺は背けられなくなった。だって、俺を見つめる眼差しが、あまりにも。

「君が愛しくて仕方がないから……感じている君の顔が、堪える声が、可愛くて仕方がないから……こうなったんだ」

「っ…………」

「だから、こんなところなんかじゃない。俺が触りたいから触っているんだ。君に愛想を尽かされることはあれど、俺が君のことを嫌いになるなんて有り得ない……分かってくれたか?」

「分かりました……」

「そうか、良かっ」

「でも、先輩だって、分かってないです……」

「え……?」

 安心したように微笑んでいた瞳が瞬く。やっぱり分かっていないのだ。俺が言葉にしないから、伝わっていないのだ。

 震える喉を、身体を叱咤して先輩を見つめる。俺よりもひと回り大きな手を取り、重ねた。

「俺だって……先輩のこと、大好きです……先輩が触ってくれてるから、先輩の手だから、俺……おかしくなるくらい、感じちゃってるのに……」

「っ…………シュン……」

「手だけじゃ、ないです……声でも、俺、気持ちよくなっちゃってて……先輩の声、いつもより色っぽくてカッコいいから……なのに、愛想を尽かすなんて」

 気がつけば、視界が先輩で埋まっていた。触れ合っている唇が熱い。

 擦り寄ってくる温度が嬉しくて、俺からも押しつけていた。互いに夢中で交わし合って、すっかり息が乱れてしまった頃。先輩が名残惜しそうに離れていく。

「は、ふ……さるふぁ……」

「すまない……酷いことを言ってしまった……」

「……いい、ですよ……分かってくれたんだったら……」

 見つめ合う黄色の瞳が、熱を孕んでいる。落ち着きなさそうに左右に泳いでから、再び俺を見つめる。

「……シュン」

「……はい……続き、して欲しいです……もっと、いっぱい先輩に触って欲しい……」

 俺が強請るとは思わなかったのか、先輩は僅かに目を見開いた。けれどもすぐに嬉しそうに微笑んで、口づけてくれる。

「ん……先ぱ……」

 交わしながらも、見つめ合いながらも、先輩の手は俺の股へと伸びていた。硬さをたもったままの俺のものに触れて、握り込む。

 優しいキスを送ってくれていた唇が耳元で囁く。

「……声、聞かせてくれるよな?」

「っ……はい……」

 艶のある声に、俺は身体だけでなくアソコも震わせていたんだろうか。先輩は「本当に、声でも感じてくれてるんだな」と嬉しそうに呟いて、俺のものを扱き始めた。
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