気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件~恋人ルート~

白井のわ

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マッチョな先輩と恋人同士になった件(サルファールート)

★ 君の好みが知りたいんだ……もっと、君に喜んでもらいたいから

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「……嫌か?」

「……え?」

 先輩が腰を撫でてくれていた手を止め、尋ねる。繋いだままの手が、太い指先が、俺の手の甲を優しく撫でてくれる。

「こういう触り方……君は、あまり好きじゃなかったか?」

 高い鼻先を俺の鼻に擦り寄せながら、先輩は心配そうに黄色の瞳を細めた。さっき、直に触れてもらえた時、変な声を上げちゃったからかな。

「いえ、イヤじゃないですよ……」

 ところどころに剣ダコのついた手を握り返し、大丈夫だと微笑みかけてみる。それで安心してくれると、納得してくれると思っていた。

 俺の予想通り、先輩は安心したように微笑んでくれた。でも、まさか、そこから先に踏み込んでくるなんて。

「じゃあ、どう感じている?」

「へ?」

「教えてくれないか? 君の好みが知りたいんだ……もっと、君に喜んでもらいたいから……」

「っ……」

 ズルい。そんな風にお願いされたら、そんな切なそうな瞳で見つめられたら、何でも教えたくなっちゃうじゃないか。

 恥ずかしいことでも、サルファー先輩にならって……言ってしまうじゃないか。

「シュン……」

 潤んだ瞳が俺を見つめる。お強請りをする大型犬のような可愛らしい眼差しに、俺は白旗を上げた。

「その……多分、ですよ? 多分ですからね?」

「ああっ、構わない」

 先輩が、あんまりにも眩しい笑顔を浮かべるもんだから、一瞬見えてしまった。犬の耳とブンブン揺れる尻尾が。生えてる訳がないのに。

 じっと待てをしたまま、俺を見つめている先輩。期待に輝く瞳から、つい逃げるように目を逸らしてしまっていた。

「先輩に……き、キスマーク付けてもらった時と、同じ感じが……します……」

 静かになった空気に不思議に思い、視線を戻すと、きょとんと見つめる黄色の瞳とかち合った。

 あ、これ、伝わってないな。ちゃんと、ハッキリ言わなきゃいけない感じだ。

 それでも、俺は気恥ずかしさから悪足掻きをしようとした。

「だからっ……その時、俺、感じちゃってたから……その……」

 ほとんど言ってるようなもんなのに、それでも直接的なことを言うまいとしていたんだ。

「ああ、気持ちがいいんだな?」

 結局、ようやく伝わった先輩から、嬉しそうに確認されてしまったんだけれど。

「う……そう、です……」

「そうか、良かった……」

 渋々認めた俺に、先輩が口元を綻ばせる。そして今度は首の方へと、後ろ髪の生え際辺りを撫で始める。

「じゃあ、ここは? どう感じる?」

 少し固いけれども、しっとりとした指先が首筋を撫でる。

 上から下へゆったりなぞったかと思えば、また上へ。ゆるゆると繰り返される度に、俺の背筋に淡い感覚が走っていく。また、俺……感じて……

「ひ、ぁ……お、同じ……です……」

「そうか……首も気持ちがいいんだな……」

 満足そうに笑みを深めて、頷いて。今度は首の前を、浮き出た鎖骨をなぞるように撫で始める。

「なぁ、シュン……もう一つ、聞いてもいいか?」

 俺に尋ねている間も、指の動きは止まらない。だから、あの感覚も止むことなく、俺の身体に波紋のようにじわじわ広がり続けている。

 お陰で、ますます疼いてしまう……さっきよりも、勃っちゃってるかも。

 俺は、先輩に悟られぬように、必死に太ももを閉じながら頷いた。

「ん……ふ、いい、ですよ……何個でも……」

「腰と首、どっちが好きなんだ?」

「あっ……どっちも、同じくらい……です」

「そうか……他に、俺に触って欲しいところはあるか?」

「先輩に……」

 無意識だった。触って欲しいところを聞かれて、俺は無意識に見てしまってんだ。ずっと熱を持ち続けている部分を。

 視線を向けてしまえば、バレない訳がなくて。先輩は、どこか妖しげに瞳を細めると、震える俺の太ももへ手を伸ばした。

「あ、ん……ぅ……」

 まだアソコには触ってもらってもいないのに。俺は期待するような声を、歓喜に近い声を上げてしまっていた。

「ふふ……ここか?」

 あからさまな俺の反応に、先輩は気を良くしたんだろう。その声色には、喜びが滲んでいた。

 焦らすように太ももを撫でてから、ようやく指を伸ばしてくれた。ズボン越しでも分かるくらいに、膨らんでしまっているアソコへと。
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