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マッチョな先輩と恋人同士になった件(サルファールート)
★ 良かったら……付けてみます? キスマーク……
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何度か交わしてくれた後、先輩は離れていってしまった。けれども、俺を見つめる眼差しは、まだ熱を帯びていた。
「あの、先輩……」
その焦がれるような熱に、俺は舞い上がってしまったんだと思う。先輩が、俺のことを求めてくれているんだって。
だから俺は、俺にしては、大胆な行動に出ようとしていた。
「良かったら……付けてみます? キスマーク……」
先輩が見つめる前でTシャツの襟に指を引っ掛け、下げてみせたのだ。鎖骨をさらけ出すように。
「っ…………」
先輩の驚きが、戸惑いが伝わってくる。俺を包み込むように抱く腕から、俺の背に添えられている手から。
俺は優越感に近いものを感じていた。
だって、それでも先輩の視線は動かなかったのだから。釘付けになったかのように、俺が晒した首周りに熱い視線を注いでいるのだから。
だから、思っても見なかったのだ。まさか今度は、俺の方が驚かされることになるとは。
「おわっ」
勢いよく肩を掴まれたかと思えば、鎖骨の下辺りに熱くて柔らかいものが触れた。
「あ、っ……?」
最初は、口や頬の時と同じで押しつけるように触れたり、甘く食まれるだけ。
けれども、すぐに変わっていく。熱く濡れた何かが、肌をなぞるように這っていく。
もしかして……舌? 先輩の? 俺、先輩に舐められて……
「ぅ、ん……っ……せんぱ、ぁ、んん……」
自覚した途端、襲われた。全身の産毛が逆立つような、腰の辺りから背筋に沿って、何か柔らかいもので撫で上げられているような。
不思議な、未体験の感覚だった。けれども、相手が先輩だからだろうか。喜びが勝っていく。それどころか、ちょっぴり気持ちよさまで。
「……シュン、可愛いな……」
久しぶに聞いた気がする先輩の声は、いつもより低かった。
「俺が舐める度に、ずっとびくびく体を震わせて、甘い声を上げて……本当に堪らない……」
「ひ、ぅ……ん、ぁ……」
声色に色気があるせいか、敏感になっている首元に熱い吐息が触れるせいか、その両方か。先輩が囁くだけで、あの感覚が全身に広がってしまう。
熱くなった視界が滲んで、上手く力が入らない。先輩に抱きつきたいのに。
「気持ちよく……なってくれてるのか? 感じて、くれてるのか? だったら、俺は嬉しい……」
尋ねる声は喜びに満ちていた。言いたいことだけを言って、先輩はまた俺の首元に口づけてくる。
しかも、今度は舐めるだけじゃない。唇で俺の皮膚を甘く食んでから、吸い始めたんだ。
「っ、あ……」
気持ちがいいんだと思う。多分、俺は先輩の指摘通り、感じているんだろう。
でも、少しだけ怖かった。感じたことのない感覚に、自分の身体が侵食されていくような気がして。
「う、あ、さるふぁ……さるふぁ……」
名前を呼んだだけ。それでも先輩は、俺の不安を分かってくれたらしかった。
すぐに唇を離して、目を合わせてくれる。額を寄せて、微笑みかけてくれて、頭を撫でてくれる。
「……大丈夫だぞ、俺はここに居るからな……ほら、手を繋ごう」
重ねられた、ひと回り大きな手のひら。その温かさに、あっという間に胸の内の不安が溶けていく。
太い指が絡んで繋がれて、優しいキスをもらえて、気がつけば俺も笑っていた。
「……ありがとうございます……もう、大丈夫ですから……」
「……いいのか?」
「……はい、続き……して欲しいです……先輩にキスマーク、付けて欲しい……」
心配そうに見つめていた瞳が微笑む。先輩は「何かあったら、またすぐに呼んでくれ」と俺の額に口づけてくれてから、首元に顔を寄せた。
「あぁっ……」
一気に付けてしまうつもりなんだろうか。さっきよりも、強い。先輩に食まれているところから、電流が流れているような気がして、握った手に力を込めてしまう。
吸われている部分が熱く疼く。けれども、不思議と痛みは感じなかった。先輩が、ゆっくり時間をかけて気持ちよくしてくれていたからだろうか。
しばらくしてから、リップ音と共に先輩が離れていく。俺の目元にキスを送ってくれてから、柔らかく微笑んだ。
「よく頑張ったな……ほら、付いたぞ……見えるか?」
「あ……」
先輩の指差す場所、鎖骨の下辺りにソレはあった。赤く色づいている、先輩が付けてくれたキスマーク。
嬉しいのに言葉が出ない。何度も首元と先輩とを見比べていた俺を見て、先輩が笑みをこぼす。
「本当に、可愛いな……俺のシュンは」
愛しさがあふれている声に、俺を撫でてくれる手つきの優しさに、俺はまた声を詰まらせてしまったんだ。
「あの、先輩……」
その焦がれるような熱に、俺は舞い上がってしまったんだと思う。先輩が、俺のことを求めてくれているんだって。
だから俺は、俺にしては、大胆な行動に出ようとしていた。
「良かったら……付けてみます? キスマーク……」
先輩が見つめる前でTシャツの襟に指を引っ掛け、下げてみせたのだ。鎖骨をさらけ出すように。
「っ…………」
先輩の驚きが、戸惑いが伝わってくる。俺を包み込むように抱く腕から、俺の背に添えられている手から。
俺は優越感に近いものを感じていた。
だって、それでも先輩の視線は動かなかったのだから。釘付けになったかのように、俺が晒した首周りに熱い視線を注いでいるのだから。
だから、思っても見なかったのだ。まさか今度は、俺の方が驚かされることになるとは。
「おわっ」
勢いよく肩を掴まれたかと思えば、鎖骨の下辺りに熱くて柔らかいものが触れた。
「あ、っ……?」
最初は、口や頬の時と同じで押しつけるように触れたり、甘く食まれるだけ。
けれども、すぐに変わっていく。熱く濡れた何かが、肌をなぞるように這っていく。
もしかして……舌? 先輩の? 俺、先輩に舐められて……
「ぅ、ん……っ……せんぱ、ぁ、んん……」
自覚した途端、襲われた。全身の産毛が逆立つような、腰の辺りから背筋に沿って、何か柔らかいもので撫で上げられているような。
不思議な、未体験の感覚だった。けれども、相手が先輩だからだろうか。喜びが勝っていく。それどころか、ちょっぴり気持ちよさまで。
「……シュン、可愛いな……」
久しぶに聞いた気がする先輩の声は、いつもより低かった。
「俺が舐める度に、ずっとびくびく体を震わせて、甘い声を上げて……本当に堪らない……」
「ひ、ぅ……ん、ぁ……」
声色に色気があるせいか、敏感になっている首元に熱い吐息が触れるせいか、その両方か。先輩が囁くだけで、あの感覚が全身に広がってしまう。
熱くなった視界が滲んで、上手く力が入らない。先輩に抱きつきたいのに。
「気持ちよく……なってくれてるのか? 感じて、くれてるのか? だったら、俺は嬉しい……」
尋ねる声は喜びに満ちていた。言いたいことだけを言って、先輩はまた俺の首元に口づけてくる。
しかも、今度は舐めるだけじゃない。唇で俺の皮膚を甘く食んでから、吸い始めたんだ。
「っ、あ……」
気持ちがいいんだと思う。多分、俺は先輩の指摘通り、感じているんだろう。
でも、少しだけ怖かった。感じたことのない感覚に、自分の身体が侵食されていくような気がして。
「う、あ、さるふぁ……さるふぁ……」
名前を呼んだだけ。それでも先輩は、俺の不安を分かってくれたらしかった。
すぐに唇を離して、目を合わせてくれる。額を寄せて、微笑みかけてくれて、頭を撫でてくれる。
「……大丈夫だぞ、俺はここに居るからな……ほら、手を繋ごう」
重ねられた、ひと回り大きな手のひら。その温かさに、あっという間に胸の内の不安が溶けていく。
太い指が絡んで繋がれて、優しいキスをもらえて、気がつけば俺も笑っていた。
「……ありがとうございます……もう、大丈夫ですから……」
「……いいのか?」
「……はい、続き……して欲しいです……先輩にキスマーク、付けて欲しい……」
心配そうに見つめていた瞳が微笑む。先輩は「何かあったら、またすぐに呼んでくれ」と俺の額に口づけてくれてから、首元に顔を寄せた。
「あぁっ……」
一気に付けてしまうつもりなんだろうか。さっきよりも、強い。先輩に食まれているところから、電流が流れているような気がして、握った手に力を込めてしまう。
吸われている部分が熱く疼く。けれども、不思議と痛みは感じなかった。先輩が、ゆっくり時間をかけて気持ちよくしてくれていたからだろうか。
しばらくしてから、リップ音と共に先輩が離れていく。俺の目元にキスを送ってくれてから、柔らかく微笑んだ。
「よく頑張ったな……ほら、付いたぞ……見えるか?」
「あ……」
先輩の指差す場所、鎖骨の下辺りにソレはあった。赤く色づいている、先輩が付けてくれたキスマーク。
嬉しいのに言葉が出ない。何度も首元と先輩とを見比べていた俺を見て、先輩が笑みをこぼす。
「本当に、可愛いな……俺のシュンは」
愛しさがあふれている声に、俺を撫でてくれる手つきの優しさに、俺はまた声を詰まらせてしまったんだ。
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