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マッチョな先輩と恋人同士になった件(サルファールート)
ソルが怒っている原因は分かった、しかし
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再び、勢いをつけて飛び上がり、俺の頭部目掛けて剣を降り下ろしてくる。今度は、受け止める間が。
「くっ……」
咄嗟に横に飛ぶことで、渾身の一撃を躱した。やられてばかりでは。
全体重をかけて着地したソルの、無防備な胴体を狙って薙ぎ払う。確実に捉えたハズだった。
「なっ」
これもまた読まれていたらしい。あっさりめ受け止められてしまった。剣を縦にし、俺の一撃を軽くいなす。
しまったと思う時には、もう別の一撃が。長い足が俺の鳩尾に、強烈な打撃を食らわせた後だった。
見事に蹴っ飛ばされた俺は、身体をくの字に折りながら、後退る。ブーツの底が石畳を擦る音が、大きく聞こえた。
「ぐぅっ……いつも以上に、容赦が……無いな」
胸が重たい。息が詰まる。今ので肋骨が何本か、もっていかれたかもしれない。
片手で庇うように鳩尾を押さえる俺に、ソルは呆れたような声で告げてきた。
「へたれた根性叩き直すのに、手加減なんかしてどーすんのよ」
「……さっきから意気地無しだの、ヘタレだの、一体何の話だ?」
ソルが怒っている原因は分かった。
……シュンだ。俺が、彼を傷つけてしまったから。俺を殺したいほど怒る気持ちも分かる。
何故なら、シュンはソルを慕っている。それに、ソル自身も、きっとシュンのことを……
だから、余計に分からない。何故、そこで俺が出てくるんだ? どうして、俺との喧嘩を彼に見せる必要がある?
俺に怒っているのならば、俺を殴ればいいだけだろう。
「はぁ? それ、マジで言ってんの? 引くんだけどっ!!」
答えが返ってくることはなかった。ただ、彼の怒りを増長させてしまっただけに終わった。
……言葉で駄目ならば、剣で語るしか。
大きく息を吐いて剣を構えた俺に向かって、一足飛びにソルが突っ込んでくる。
また頭か。即頭部を目掛けて横に振るってきた剣筋を、上体を反らすことで辛くも避けた。
しかし、すぐさま次の一撃が。畳み掛けるように、俺の頭上に向かって剣を振り下ろしてくる。
間一髪のところで、横に構えた剣で再びそれを防いだものの、体勢が悪いせいだろう。押し負けそうになってしまう。
「分からない、からっ……聞いたんだがなっ」
俺の鼻先で交差している剣が、耳障りの悪い音を立てて震える。手のひらに広がる熱い痺れが、じくじくと全身に広がっていく。
瞳孔が開かんばかりに、俺を鋭く睨めつけてくるソル。食いしばった歯の隙間から、獣地味た吐息を漏らすばかりだったが、不意に口角を持ち上げ笑った。
「じゃあ、望み通りハッキリ言ってやるよ……」
思わせ振りに言葉を切り、息を大きく、ありったけ吸い込む。そして。
「ウジウジしてる暇があったら、シュンちゃんにさっさと告白しろよ! この剣術馬鹿!!」
思いがけない言葉と共に吐き出した。
「くっ……」
咄嗟に横に飛ぶことで、渾身の一撃を躱した。やられてばかりでは。
全体重をかけて着地したソルの、無防備な胴体を狙って薙ぎ払う。確実に捉えたハズだった。
「なっ」
これもまた読まれていたらしい。あっさりめ受け止められてしまった。剣を縦にし、俺の一撃を軽くいなす。
しまったと思う時には、もう別の一撃が。長い足が俺の鳩尾に、強烈な打撃を食らわせた後だった。
見事に蹴っ飛ばされた俺は、身体をくの字に折りながら、後退る。ブーツの底が石畳を擦る音が、大きく聞こえた。
「ぐぅっ……いつも以上に、容赦が……無いな」
胸が重たい。息が詰まる。今ので肋骨が何本か、もっていかれたかもしれない。
片手で庇うように鳩尾を押さえる俺に、ソルは呆れたような声で告げてきた。
「へたれた根性叩き直すのに、手加減なんかしてどーすんのよ」
「……さっきから意気地無しだの、ヘタレだの、一体何の話だ?」
ソルが怒っている原因は分かった。
……シュンだ。俺が、彼を傷つけてしまったから。俺を殺したいほど怒る気持ちも分かる。
何故なら、シュンはソルを慕っている。それに、ソル自身も、きっとシュンのことを……
だから、余計に分からない。何故、そこで俺が出てくるんだ? どうして、俺との喧嘩を彼に見せる必要がある?
俺に怒っているのならば、俺を殴ればいいだけだろう。
「はぁ? それ、マジで言ってんの? 引くんだけどっ!!」
答えが返ってくることはなかった。ただ、彼の怒りを増長させてしまっただけに終わった。
……言葉で駄目ならば、剣で語るしか。
大きく息を吐いて剣を構えた俺に向かって、一足飛びにソルが突っ込んでくる。
また頭か。即頭部を目掛けて横に振るってきた剣筋を、上体を反らすことで辛くも避けた。
しかし、すぐさま次の一撃が。畳み掛けるように、俺の頭上に向かって剣を振り下ろしてくる。
間一髪のところで、横に構えた剣で再びそれを防いだものの、体勢が悪いせいだろう。押し負けそうになってしまう。
「分からない、からっ……聞いたんだがなっ」
俺の鼻先で交差している剣が、耳障りの悪い音を立てて震える。手のひらに広がる熱い痺れが、じくじくと全身に広がっていく。
瞳孔が開かんばかりに、俺を鋭く睨めつけてくるソル。食いしばった歯の隙間から、獣地味た吐息を漏らすばかりだったが、不意に口角を持ち上げ笑った。
「じゃあ、望み通りハッキリ言ってやるよ……」
思わせ振りに言葉を切り、息を大きく、ありったけ吸い込む。そして。
「ウジウジしてる暇があったら、シュンちゃんにさっさと告白しろよ! この剣術馬鹿!!」
思いがけない言葉と共に吐き出した。
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