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マッチョな先生と恋人同士になった件(グレイルート)
★ だったら、いいじゃないか、離れなくても
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柔らかく微笑む唇が、何度も口づけてくれている。小さなリップ音を鳴らす合間に「大丈夫?」と、「痛いところはない?」と尋ねながら。
何度も頷いても、「大丈夫ですよ」と微笑んでも。乱れきっていたお互いの息が、鼓動が、落ち着いてきても。先生からの甘い気遣いが終わる気配はない。
シワだらけで、少し湿ったシーツの上に、四肢を投げ出している俺を腕の中に収めたまま、厚みのある手のひらで、腰を労るように撫でてくれている。
「ごめんね……もっと優しくするつもりだったのに」
「気にしないで下さい……先生は、十分優しくしてくれてましたよ? そもそも……俺が、先生の好きにしてって言ったんですし……それに……」
優しい手の動きが止まる。少し見開いた青の瞳に俺が映っている。多分、真っ赤になってるんだろうな。
「それに俺、先生に抱いてもらっている間、ずっと嬉しくて、幸せで……スゴく……気持ちよかったから……」
すでに高鳴り始めていた心音が、また大きく跳ねることになるとは。
「…………」
尖った喉が上下に動いたかと思えば、あそこも動いた。いまだに、俺の奥まで届いている先生のものが、トクンと脈打つ。
……あ、少しだけ……大きくなったような……
「ご、ごめん……今、抜くね……」
白い頬を赤く染めながら、焦りながらも、ゆっくり俺の中から出ようとする先生。途端に、寂しくなってしまっていた。晴れ渡っていたハズの心が曇っていく。
離れていってしまった頼もしい腕、俺の中から離れていこうとしている熱。それらが、スゴく名残惜しくて。
「先生は、どう……だったんですか?」
気がつけば、分厚い胸板に抱きついてしまっていた。
「シュン、君?」
「……気持ちよかった、ですか?」
見上げた先で、戸惑っていた青い瞳。少し瞬いて、すぐにゆるりと微笑んでくれる。太い腕が、俺の背を包み込んでくれる。
「……うん、とても気持ちよかったよ……私も、幸せだった。嬉しかったよ、君に受け入れてもらえて……」
だったら、いいじゃないか。離れなくても。もっと、深く抱き締めてくれたって。
「でも、足りてない……ですよね?」
「っ……それは……」
目を丸くした先生の唇は震えていた。何か言おうとして、でも堪えなければと思っているんだろう。先生らしいな。引くつもりはないけれど。
「俺も、です……まだ、先生と繋がっていたい……先生を感じていたいんです……」
先生からもらえた言葉に、すっかり俺は強気になっていた。
このまま押せばイケる。だって、俺を見つめる眼差しには、あの時の熱が。俺を求めてくれた時の光が、宿っているんだから。
「シュン……」
「お願いします、グレイさん……もう一度、俺を抱いてくれませんか?」
名前を呼ばれるのは、さすがに想定外だったんだろう。先生の顔が、ますます真っ赤に染まっていく。面白いくらいに。
よっぽど喜んでもらえたんだろうか。あっちも反応してくれた。俺の中にある熱が、大きく震えている。もう、硬さを取り戻してくれたかも。
「……シュン」
「……はい」
「……もう一回、呼んで……くれないかい?」
「……はい、グレイさん」
ゆっくり大事に彼の名前を紡いでいく。ありったけの想いと愛を込めて。
勢いよく抱き締められる。嬉しい。ほんの少しの息苦しささえ、喜びに変わっていく。強く彼に求められているんだと、実感できる。
「……本当に……君は、私をたぶらかす天才だね……」
震えた声で囁くグレイさんが、腕の力を緩め、俺と目線を合わせてくれるように逞しい背を曲げた。
擦り寄ってきた額が、鼻の先が熱い。また映れた、透き通った青。晴れ渡る空のように澄んだ瞳は、煌めいていた。薄っすら張られた、透明な涙の膜によって。
「たった一言だけで……こんなにも私の心は、かき乱されてしまう……もう、君なしでは生きていけないよ」
俺だって。俺だって、もうグレイさんなしじゃ。グレイさんのいない日々なんて。
「……大丈夫ですよ、ずっとグレイさんの側にいますから。この指輪に誓って」
「……シュン」
彼の前に左手を差し出す。薬指の根本で輝く彼との証。ペアリングが見えるように。
大きな手が、俺の手を取り重ねてくれた。俺の方から指を絡めれば、強く握り返してくれた。離さないって言ってくれているみたいに。
「愛してます、グレイさん」
微笑みかけて、重ねた唇は震えていた。「私も」だと、「愛してるよ」と返してくれた声も。抱き締めてくれた腕も。
何度も頷いても、「大丈夫ですよ」と微笑んでも。乱れきっていたお互いの息が、鼓動が、落ち着いてきても。先生からの甘い気遣いが終わる気配はない。
シワだらけで、少し湿ったシーツの上に、四肢を投げ出している俺を腕の中に収めたまま、厚みのある手のひらで、腰を労るように撫でてくれている。
「ごめんね……もっと優しくするつもりだったのに」
「気にしないで下さい……先生は、十分優しくしてくれてましたよ? そもそも……俺が、先生の好きにしてって言ったんですし……それに……」
優しい手の動きが止まる。少し見開いた青の瞳に俺が映っている。多分、真っ赤になってるんだろうな。
「それに俺、先生に抱いてもらっている間、ずっと嬉しくて、幸せで……スゴく……気持ちよかったから……」
すでに高鳴り始めていた心音が、また大きく跳ねることになるとは。
「…………」
尖った喉が上下に動いたかと思えば、あそこも動いた。いまだに、俺の奥まで届いている先生のものが、トクンと脈打つ。
……あ、少しだけ……大きくなったような……
「ご、ごめん……今、抜くね……」
白い頬を赤く染めながら、焦りながらも、ゆっくり俺の中から出ようとする先生。途端に、寂しくなってしまっていた。晴れ渡っていたハズの心が曇っていく。
離れていってしまった頼もしい腕、俺の中から離れていこうとしている熱。それらが、スゴく名残惜しくて。
「先生は、どう……だったんですか?」
気がつけば、分厚い胸板に抱きついてしまっていた。
「シュン、君?」
「……気持ちよかった、ですか?」
見上げた先で、戸惑っていた青い瞳。少し瞬いて、すぐにゆるりと微笑んでくれる。太い腕が、俺の背を包み込んでくれる。
「……うん、とても気持ちよかったよ……私も、幸せだった。嬉しかったよ、君に受け入れてもらえて……」
だったら、いいじゃないか。離れなくても。もっと、深く抱き締めてくれたって。
「でも、足りてない……ですよね?」
「っ……それは……」
目を丸くした先生の唇は震えていた。何か言おうとして、でも堪えなければと思っているんだろう。先生らしいな。引くつもりはないけれど。
「俺も、です……まだ、先生と繋がっていたい……先生を感じていたいんです……」
先生からもらえた言葉に、すっかり俺は強気になっていた。
このまま押せばイケる。だって、俺を見つめる眼差しには、あの時の熱が。俺を求めてくれた時の光が、宿っているんだから。
「シュン……」
「お願いします、グレイさん……もう一度、俺を抱いてくれませんか?」
名前を呼ばれるのは、さすがに想定外だったんだろう。先生の顔が、ますます真っ赤に染まっていく。面白いくらいに。
よっぽど喜んでもらえたんだろうか。あっちも反応してくれた。俺の中にある熱が、大きく震えている。もう、硬さを取り戻してくれたかも。
「……シュン」
「……はい」
「……もう一回、呼んで……くれないかい?」
「……はい、グレイさん」
ゆっくり大事に彼の名前を紡いでいく。ありったけの想いと愛を込めて。
勢いよく抱き締められる。嬉しい。ほんの少しの息苦しささえ、喜びに変わっていく。強く彼に求められているんだと、実感できる。
「……本当に……君は、私をたぶらかす天才だね……」
震えた声で囁くグレイさんが、腕の力を緩め、俺と目線を合わせてくれるように逞しい背を曲げた。
擦り寄ってきた額が、鼻の先が熱い。また映れた、透き通った青。晴れ渡る空のように澄んだ瞳は、煌めいていた。薄っすら張られた、透明な涙の膜によって。
「たった一言だけで……こんなにも私の心は、かき乱されてしまう……もう、君なしでは生きていけないよ」
俺だって。俺だって、もうグレイさんなしじゃ。グレイさんのいない日々なんて。
「……大丈夫ですよ、ずっとグレイさんの側にいますから。この指輪に誓って」
「……シュン」
彼の前に左手を差し出す。薬指の根本で輝く彼との証。ペアリングが見えるように。
大きな手が、俺の手を取り重ねてくれた。俺の方から指を絡めれば、強く握り返してくれた。離さないって言ってくれているみたいに。
「愛してます、グレイさん」
微笑みかけて、重ねた唇は震えていた。「私も」だと、「愛してるよ」と返してくれた声も。抱き締めてくれた腕も。
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