気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件～恋人ルート～

マッチョな先生と恋人同士になった件（グレイルート）

★ 見えるかい？ 私と君が深く繋がっているところが

　熱い何かが一気に頭の天辺まで突き抜けていったような。眼の前で星が舞っているような。

　経験したことのない感覚に、身体が勝手にびくびくとシーツの上をのた打ち回る。繋いだ手を握り締めてしまう。悲鳴に近い声を上げてしまう。

「っっ……ひぁっ……あぁっ」

　でも、その声色は歓喜に満ちていた。

　それもそうだ。気持ちよかったのだ。とてつもなく。訳が分からなくなるくらい、気持ちよくしてもらった時よりも。遥かに。

「あ、ふ………ん、ぁ………ぁ……？」

　暴力的な快感に飲まれたからだろう。脳の処理が追いついていない。自分の身に何が起きたのか理解出来ていない。

　気持ちよかったってことしか……いや、まだ少し気持ちいいのが続いてるってことしか……

　ボヤけた天井ばかりを映していた視界に、柔らかい笑顔が映る。グレイ先生だ。細められた瞳からは、愛があふれてしまいそう。

　……スゴく喜んでくれてる……分からないけど……嬉しいな……

「……嬉しいよ、シュン」

　俺のセリフですよ……

　そう返そうとしたけれど、ムリだった。開いた口から出てくるのは、乱れた息と言葉になっていない上擦った音だけ。

　それでも必死に動かそうとしていた唇に、先生が口づけてくれる。何度も交わしてくれながら「頑張ったね」と「イイ子だね」と「可愛いよ」と褒めてくれる。

　太い指先が、額に張りついてしまっていた髪を優しく払ってくれる。頬を撫でてくれながら、先生が呟いた言葉。

「……挿れただけで、達してくれるなんて……」

　噛み締めるように告げられた事柄。あまりの衝撃に、ぼんやりとしていた頭がクリアになっていく。目が覚めたみたいだ。

「え……お、れ……？」

　上体を起こそうとしたけれど、上手く力が入らない。仕方なく、目線だけを自分の身体へと走らせる。

　腹の周りに飛び散っている飛沫。先を濡らし、硬くしたまま震え続けている俺のもの。

　あ……ホントだ……俺、イっちゃったんだ……

　恥ずかしさは、あった。堪え性がない気がして。けれども、喜びの方が勝っていた。後ろだけで、先生のものだけでイけたから。

「ところで……私のが入っているのは、分かるかい？」

「……はい」

　俺の中に、お腹の中にある確かな熱。改めて先生に尋ねられると、より一層その存在を強く感じる。

　無意識に力を込めてしまったんだろうか。

　緩やかな笑みを形作っていた唇が、僅かに歪む。先生が艶のある吐息を漏らしながら、ガッシリとした肩を震わせている。気持ちよくなってくれてるのかな、俺で。

「……全部、入ってるんですか？」

「うん……ほら、見えるかい？」

　頷く先生は、もう柔らかい笑顔を浮かべていた。俺の片足を持ち上げ、肩に担ぐように踵を乗せる。

　続いて俺の腰を掴んだかと思えば、膝の上に乗せるように軽く持ち上げる。大きな手のひらが、俺の背を支えるように添えられた。

「私と君が深く繋がっているところ……」

「……あ」

　ピッタリとくっついていた。俺と先生が隙間なく。見えているのは、大人の男を感じる青い茂みだけ。

　ホントに俺、先生と……