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マッチョな先生と恋人同士になった件(グレイルート)
寝顔を見れるのは、やっぱり恋人特権だよな?
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重たい瞼をのろのろ開けると目の前には、視界いっぱいに穏やかな微笑みが。グレイ先生が、すうすうと寝息を立てている。あともう少し近づけば鼻先が、なんなら唇が重なっちゃいそうだ。
無防備なその姿に、なんとも言えない喜びと愛しさが込み上げてくる。知らず知らずの内に頬が緩んでしまう。
このまま先生が起きるまで、こうして眺めていようかな? だって俺、先生の恋人なんだし。それくらいはいいだろう。恋人特権ってヤツだ。うん。
胸を高鳴らせ、先生の寝顔を堪能としていた矢先だった。自分の身体に起きている違和感に気づいたのは。
それにしても何だか今朝は、スゴく身体が気怠いな。おまけに妙に下半身がスースーするし。
我慢しようと思った。万が一にも先生を起こしてしまったら悪いからな。こんなに気持ちよさそうに寝ているんだし。昨日は、急なお仕事だったから疲れてるだろうし。
でも、一度気がつくと気になって仕方がない。見に覚えのないかすり傷と一緒だ。気がついた途端にスゴい痛くなるヤツ。そんな感じで下半身の心地が悪くて仕方がなかったんだ。
……ちょっと見るだけなら、と慎重に音を立てないよう身体を起こす。ゆっくり布団を捲れば剥き出しの下肢が現れた。え、何で俺……パンツ穿いてないんだ?
まだまだぼんやりな頭をフル稼働して、記憶を掘り起こす。昨日は、先生を見送って、セレストさんと留守番して……それで、セレストさんが。
『それを使って、彼が寝てる前で準備したまえ』
「あ」
そうだ。そうだった。俺、先生に据え膳を食わせようとして、先生に襲ってもらおうとして。
それで、俺……先生の前で……
昨晩の痴態を思い出して顔が、全身が一気にカッと熱くなった。先生に触ってもらっているのを想像しながら、前と後ろを弄って気持ちよくなってしまった……という黒歴史確定な件を。
……全部、見られちゃったんだよな。いや、そもそもそれが作戦だったんだけど! 無事に大成功を収めましたけど!!
なんせ、バッチリ据え膳食べてもらえたし、抱いてくれるって約束してもらえたしさ。
でも、やっぱり……もっと別な方法が、もっといい作戦があったんじゃないだろうか。
冷静になればなるほど、早まったんじゃないかと胸の辺りが重くなってしまう。セレストさんには大感謝だが。
過ぎたことを、うんうん考えている俺は気がつかない。いつの間にか、寝息が聞こえなくなっていたことも。今まさに俺の頬に向かって、温かい手のひらが迫っていたことも。
そっと触れられ、よしよし撫でられてようやくだった。
「ほわっ!?」
反射的に顔を向ければ、目をぱちくりさせているグレイ先生が、上体を起こしたまま固まっていた。
青い睫毛が、数回瞬く。丸みがかった眉を申し訳無さそうに下げながら、再び俺の頬を撫でた。
「おはよう、シュン君。ごめんね、びっくりさせちゃって」
「おはようございます、グレイ先生……俺の方こそすみません。大きな声、上げちゃって」
無防備なその姿に、なんとも言えない喜びと愛しさが込み上げてくる。知らず知らずの内に頬が緩んでしまう。
このまま先生が起きるまで、こうして眺めていようかな? だって俺、先生の恋人なんだし。それくらいはいいだろう。恋人特権ってヤツだ。うん。
胸を高鳴らせ、先生の寝顔を堪能としていた矢先だった。自分の身体に起きている違和感に気づいたのは。
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「あ」
そうだ。そうだった。俺、先生に据え膳を食わせようとして、先生に襲ってもらおうとして。
それで、俺……先生の前で……
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青い睫毛が、数回瞬く。丸みがかった眉を申し訳無さそうに下げながら、再び俺の頬を撫でた。
「おはよう、シュン君。ごめんね、びっくりさせちゃって」
「おはようございます、グレイ先生……俺の方こそすみません。大きな声、上げちゃって」
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