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マッチョな先生と恋人同士になった件(グレイルート)
★ 自分の指だと思うな、グレイのものだと思え
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いざ、作戦実行。バクバクと音を立て始めた胸に手を当てながら呼吸を整える。
先生に据え膳を食わせる為だ。覚悟を決めろ、恥を捨てろ。ポケットから取り出したチューブを固く握り締める。瞳を閉じて、もう一度深呼吸。ひと息にズボンを下着ごと脱ぎ捨てた。
分かっていたけどスースーするし、心もとない。恥ずかしい。室内の明かりは消えているとはいえ。
……もう、心が折れてしまいそうだ。
……先生……グレイ先生……
心の中で名前を呼ぶ。目が慣れたからか、静かに寝息を立てている横顔が、ハッキリと見えた。
ベッドを軋ませないように、そっと顔を寄せる。
閉じられているから見ることは出来ない、優しい青の眼差しは。でも、柔らかく綻んだ口元は、その寝顔はとても穏やかで。
……自惚れそうになってしまう。俺に気を許してくれているのかなって。
どれだけの間、眺めてしまっていたんだろうか。気がつけば、落ち着いていた。気持ちも、鼓動も。
今なら、出来るかも……いや、やるんだ。やり遂げなければ、先生に抱いてもらう為に。
軽く深呼吸。先生の側で膝立ちになり、チューブから多めに軟膏を人差し指の上に絞り出す。
おそるおそる後ろに持っていく。手探りで穴の周りに塗り込むと、ますますひんやりした。
多分、十分に塗り込めたと思う。なんか、ぬちゃぬちゃしてるし。試しにと、ほんの少し指の先を入れてみることにした。
「いっ……っ……ぅ……」
ムリ……ではないけど……異物感がスゴい。ってか気持ち悪い。怖い。
全身から込み上げてくるイヤな感覚に、俺は思わず手を退けた。指の先すら、いれられずに。
漏れそうになっていた呻きを慌てて噛み締め、反対の手で口を塞ぐ。今ので、先生……起きてないかな?
恐る恐る確認すると、相変わらず身動き一つすることなく目を閉じていた。暗い室内に、静かな息づかいだけが聞こえる。
良かった……一旦、落ち着こう。何とかなるだろ。冷静に、ゆっくりやれば。多分、きっと。
目を閉じて、セレストさんから教わったことを思い出す。
『自分の指だと思うな、グレイのものだと思え。そうすれば、少しは抵抗感が薄れるだろう』
……この指は、俺のじゃない。先生のだ。先生が、俺に触れてくれているんだ。
そう強く自分に言い聞かせながら、離していた指を再び後ろへ。俺を可愛がってくれるあの太い指を、少し固い指先を思い浮かべて再度試みる。
すると、どうしたことだろう。先程の圧迫感が嘘のように感じない。押し込めば押し込んだ分だけ、するすると指が奥へと入っていくじゃないか。第一……いや第二関節くらいまで、いけたかも。
先生に据え膳を食わせる為だ。覚悟を決めろ、恥を捨てろ。ポケットから取り出したチューブを固く握り締める。瞳を閉じて、もう一度深呼吸。ひと息にズボンを下着ごと脱ぎ捨てた。
分かっていたけどスースーするし、心もとない。恥ずかしい。室内の明かりは消えているとはいえ。
……もう、心が折れてしまいそうだ。
……先生……グレイ先生……
心の中で名前を呼ぶ。目が慣れたからか、静かに寝息を立てている横顔が、ハッキリと見えた。
ベッドを軋ませないように、そっと顔を寄せる。
閉じられているから見ることは出来ない、優しい青の眼差しは。でも、柔らかく綻んだ口元は、その寝顔はとても穏やかで。
……自惚れそうになってしまう。俺に気を許してくれているのかなって。
どれだけの間、眺めてしまっていたんだろうか。気がつけば、落ち着いていた。気持ちも、鼓動も。
今なら、出来るかも……いや、やるんだ。やり遂げなければ、先生に抱いてもらう為に。
軽く深呼吸。先生の側で膝立ちになり、チューブから多めに軟膏を人差し指の上に絞り出す。
おそるおそる後ろに持っていく。手探りで穴の周りに塗り込むと、ますますひんやりした。
多分、十分に塗り込めたと思う。なんか、ぬちゃぬちゃしてるし。試しにと、ほんの少し指の先を入れてみることにした。
「いっ……っ……ぅ……」
ムリ……ではないけど……異物感がスゴい。ってか気持ち悪い。怖い。
全身から込み上げてくるイヤな感覚に、俺は思わず手を退けた。指の先すら、いれられずに。
漏れそうになっていた呻きを慌てて噛み締め、反対の手で口を塞ぐ。今ので、先生……起きてないかな?
恐る恐る確認すると、相変わらず身動き一つすることなく目を閉じていた。暗い室内に、静かな息づかいだけが聞こえる。
良かった……一旦、落ち着こう。何とかなるだろ。冷静に、ゆっくりやれば。多分、きっと。
目を閉じて、セレストさんから教わったことを思い出す。
『自分の指だと思うな、グレイのものだと思え。そうすれば、少しは抵抗感が薄れるだろう』
……この指は、俺のじゃない。先生のだ。先生が、俺に触れてくれているんだ。
そう強く自分に言い聞かせながら、離していた指を再び後ろへ。俺を可愛がってくれるあの太い指を、少し固い指先を思い浮かべて再度試みる。
すると、どうしたことだろう。先程の圧迫感が嘘のように感じない。押し込めば押し込んだ分だけ、するすると指が奥へと入っていくじゃないか。第一……いや第二関節くらいまで、いけたかも。
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