上 下
34 / 462
マッチョな幼なじみと恋人同士になった件(ダンルート)

★ 嬉しいに決まってるだろ

しおりを挟む
 いくら何でも、ちょろ過ぎやしないか……でも……

「……シュン、気持ちいいか?」

 ひと度、優しく細められた赤い眼差しに尋ねられてしまえば。ひと度、男らしい指に甘やかされてしまえば。

「あ…………ん、気持ちい……もっと、もっと俺に触って……」
 
 応えずにはいられなくなってしまう。求めずにはいられなくなってしまうんだ。

 見下ろす瞳が熱を帯び、尖った喉仏がゴクリと上下に動く。

「……分かった、任せろ……俺がいっぱい気持ちよくしてやるからな……」

 頬にそっと口づけてくれてから、再びダンの指が動き始める。

「ひぅ……あっ、あ……」

 さっきと全然違う。さっきみたいに、触れるか触れないかの優しいものとは。

 少し固い指の腹が、芯を持った俺の乳首を摘んだまま、くにくに転がすように擦っている。

 もう片方もだ。時々爪先で優しく引っ掻くように弄ってみたり、急に全体を摘んでみたり、押しつぶすように撫で回してみたり。

 力の加減や、手法を出鱈目に変えてくるもんだから困ってしまう。下半身を、脳の芯を震わせる、予測不可能な甘い刺激に、あっという間に上り詰めてしまう。

「ふぁ……ダン、俺……」

「……分かった」

 何を? とか、分かったって? とか、尋ねる前に塞がれていた。

 半開きになっていた俺の口に、ぬるりと入ってきた熱い体温。大きな舌に絡め取られて、擦り合わされて。深く、深く、二人で溶け合うような口づけが、引き金になった。

「ん、ん、ふ……んんぅっ」

 一人でしていた時じゃ、到底味わえなかった重い快感。込み上げ、全身に広がっていった感覚に、堪らず俺は頼もしい背中にしがみついていた。

「っは、ふ……ぁ、ぁ……」

 勢いよく放ってしまった後も、びくびく震えている俺の腰を、温かい手が優しく撫でてくれる。こぼれ落ちてしまいそうなくらい、俺の視界を滲ませていたしずくも、そっと拭ってくれた。

 肩で息をしている俺の手を取りながら、真っ赤な瞳がうっとり微笑む。

「可愛いな……イっちまうくらい嬉しかったのか? 俺とのキスが」

「うっ……」

 どうやら想定外だったらしい。俺にとっては十分過ぎるトドメだったんだが。

「ばか…………嬉しいに決まってんだろ……好きなんだからさ……」

「ッ……」

 今度はダンが息を呑む番だった。ほんのりと染まっていた健康的な肌が、ますます赤く色づいていく。カッコイイ顔や、引き締まった首だけじゃない、綺麗に浮き出た鎖骨の辺りまで。

 素直に認めたのが功を奏したみたいだ。ちょっとだけお返しを、ドキドキさせることが出来たらしい。

 成る程、これは中々気分がいいな。ちょっとダンの気持ちが分かったな。言葉で指摘したり、わざわざ俺の口から言わせたり、どうにかこうにか俺をドキドキさせようとしていた気持ちが。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集

あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。 こちらの短編集は 絶対支配な攻めが、 快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす 1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。 不定期更新ですが、 1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 書きかけの長編が止まってますが、 短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。 よろしくお願いします!

悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!

梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!? 【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】 ▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。 ▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。 ▼毎日18時投稿予定

平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです

おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの) BDSM要素はほぼ無し。 甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。 順次スケベパートも追加していきます

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

【完結】別れ……ますよね?

325号室の住人
BL
☆全3話、完結済 僕の恋人は、テレビドラマに数多く出演する俳優を生業としている。 ある朝、テレビから流れてきたニュースに、僕は恋人との別れを決意した。

隠れSubは大好きなDomに跪きたい

みー
BL
⚠️Dom/Subユニバース 一部オリジナル表現があります。 ハイランクDom×ハイランクSub

スライムパンツとスライムスーツで、イチャイチャしよう!

ミクリ21
BL
とある変態の話。

双葉病院小児病棟

moa
キャラ文芸
ここは双葉病院小児病棟。 病気と闘う子供たち、その病気を治すお医者さんたちの物語。 この双葉病院小児病棟には重い病気から身近な病気、たくさんの幅広い病気の子供たちが入院してきます。 すぐに治って退院していく子もいればそうでない子もいる。 メンタル面のケアも大事になってくる。 当病院は親の付き添いありでの入院は禁止とされています。 親がいると子供たちは甘えてしまうため、あえて離して治療するという方針。 【集中して治療をして早く治す】 それがこの病院のモットーです。 ※この物語はフィクションです。 実際の病院、治療とは異なることもあると思いますが暖かい目で見ていただけると幸いです。

処理中です...