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マッチョな幼なじみと恋人同士になった件(ダンルート)

★ 優し過ぎて、そわそわしてしまう

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 大きな手が、バスタオルで身体を優しく拭ってくれる。

 ふわふわした布地で素肌を撫でられる、その心地よい感覚ですら、今の俺にとっては毒らしい。

 火照ったままの身体は、僅かな刺激でも勝手にピクピク震えてしまう。気持ちよさに変換してしまう。そのせいだ。俺の口からは絶えず熱い吐息が漏れてしまっていた。

 ……浅ましくて、恥ずかしい。

 すぐに気持ちよくなってしまう、はしたない俺の姿を見てもダンは何も言わないでいてくれた。むしろ、ことさら気遣ってくれていた。声にならない声を俺が漏らしてしまう度に、優しく頭を撫でてくれたんだ。

 上手く身体に力の入らない俺をずっと支えてくれてたから、拭きにくかったんだろう。鍛え上げられた筋肉により、クッキリとした陰影のついた肌は、しっとり濡れたままだ。

 分厚い胸板に頬を寄せ、しなだれかかってしまっていた俺を、軽々と抱えてダンは寝室へと歩みを進める。

 静かに仰向けに下ろしてくれたシーツ。素肌に触れるサラサラとした布地が、ひんやり冷たくて心地がいい。

 不意に顔の横に置かれた手が、ギシリとベッドを軋ませた。真っ直ぐに俺を見下ろす、燃えるような赤。俺に影を落とす、彫刻みたいな肉体美。ダンが俺の上に覆い被さってきた。

「……ダン」

「……シュン……優しく、するから……」

「……うん」

 擦り寄せられた額が熱い。重ねてもらえた唇も。

 触れるだけのキスを送ってくれながら、頭を撫でてくれる大きな手。髪を梳くような優しい手つきにそわそわしてしまう。

 いっそのこと、いつもみたく、わしゃわしゃ撫で回してくれた方が……

 ダンは、安心させようとしてくれているんだと思う。でも、俺にとっては逆効果らしい。特別な扱いに、余計に鼓動が騒がしくなってしまっていたんだ。

 彼も薄々感じたのか、別のやり方を試み始めた。

「ん……ふ、ぁ……」

 緊張を気持ちよさで塗り潰そうとしてきたのだ。

 優しい口づけはそのまま。けれども少し固い指先が、俺の弱い部分を刺激している。周りをなぞって焦らしたりせず、まだ柔らかい乳首を優しく揉むように摘んでいる。

「っ……ぅ……ん、ん、あっ……は……っ……あ、ぁ……」

 触れ合っている温度が、くつくつ震える。

 ……嬉しいんだろう。それもそうか。ちょっと触ってもらえただけで、ピンっと固くしてしまったんだから。

 目論見通り、俺は彼がくれる気持ちよさに溺れかけているんだから。
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