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マッチョな先輩と恋人同士になった件(サルファールート)
何やってんの? ヘタレ過ぎて引くんだけど
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「……はぁ? 何やってんの? ヘタレ過ぎて引くんだけど」
「っ……」
ソルの辛辣な言葉が、俺の胸に深々と突き刺さった。
だが、親友は止まらない。自分の前に置かれた缶ジュースを煽り、空になった缶を握り潰すと一気に捲し立て始めた。
「シュンちゃんが、滅茶苦茶勇気出して頑張ってくれたってのに、何でサルフは応えてあげない訳? キスだってさ、もう少しして欲しかったと思うよ?」
「ぐっ……」
「食事に誘ったのは良かったと思うよ? でもさぁ、今度はサルフの番だったんじゃないの? 手を離したくなかったくせに……何で、俺の部屋に来ないか? って誘えないのさ?」
「ぐぅ……だが、もしシュンに嫌がられてしまったら……」
「そん時はそん時で、ごめんねって謝って、すぐに引けば良いでしょ? 砕ける前からビビってんじゃねぇよ。盛大にブチ当たってから砕けろ」
「ぐぬぅ……」
テーブルに肘をつき、長い溜め息をした後にソルは、新しい缶に手を伸ばした。
そちらも、ひと息で飲み終わり、彼の手の中でメコッと悲鳴を上げる。そして、また次の缶へ。
テーブルの真ん中に置かれた缶ジュース達が、次々にリサイクルゴミへと変わっていく。
今日の相談料として買ったものの、多すぎたかと思ったが……丁度良かったというか、むしろ足りなさそうだ。
新たな缶を飲み終えた後、再びソルが俺に向かって言葉の刃を放ち始める。
「……ていうかさ、付き合う前は一晩同じベットで過ごしたこともあるくせに、何今さら純情ぶってるわけ? ブッ飛ばすよ?」
「あ、あの時は必死だったんだ! なりふりかまっていられなかったんだよ!」
いくら彼の幼なじみであるダンに嫉妬したとはいえ、大胆な行動を取ったなと改めて思う。
今そんな事をしようもんなら、確実に理性がもたない自信があるからな。
「オレに言い訳してる暇あったら、今すぐシュンちゃんをデートに誘いなよ。休日だよ?」
「うぐぅっ……しかし何処に行って、何をしたらいいのか……」
今まで俺は、剣術ばかりに時間を注いでいた。剣術中心の生活をしていた。
故に、こっち方面の経験値は無いに等しい。初めて出来た可愛い恋人に、どう接していいか分からない。
変なことをして、また悲しませてしまったらと思うと、つい二の足を踏んでしまう。
「一緒に過ごすことに意味があるんだから、何処でもいいでしょ? 何なら今からでもシュンちゃんの部屋に行ったら? つーか行け」
「しかし、いくら恋人になったからといって、突然部屋を訪れるのは……」
言い訳ばかりの俺に対して、ソルは苛立ったらしかった。打ち合いで対峙している時のごとく細い眉を釣り上げ、オレンジ色の瞳を鋭く細めている。
そして、何やら思いついたらしかった。
一瞬、僅かに口の端を上げて笑ったかと思えば、再び口を真一文字に引き結ぶ。握っている缶を置いてから、向かいの俺へと手を伸ばしてきた。
「サルフ、端末貸して」
「いきなりどうしたんだ?」
「いいから。さっさと貸せよ、ホラ」
どんどん語気が荒くなってくる親友に焦ってポケットから端末を取り出すと、あっという間に引ったくられた。ソルは黙々と長い指を忙しなく動かしている。
「……ほいっ、送信と」
頭に疑問符を浮かべながらソルの様子を見つめていると、間抜けな音が俺の端末から鳴った。
「っ……」
ソルの辛辣な言葉が、俺の胸に深々と突き刺さった。
だが、親友は止まらない。自分の前に置かれた缶ジュースを煽り、空になった缶を握り潰すと一気に捲し立て始めた。
「シュンちゃんが、滅茶苦茶勇気出して頑張ってくれたってのに、何でサルフは応えてあげない訳? キスだってさ、もう少しして欲しかったと思うよ?」
「ぐっ……」
「食事に誘ったのは良かったと思うよ? でもさぁ、今度はサルフの番だったんじゃないの? 手を離したくなかったくせに……何で、俺の部屋に来ないか? って誘えないのさ?」
「ぐぅ……だが、もしシュンに嫌がられてしまったら……」
「そん時はそん時で、ごめんねって謝って、すぐに引けば良いでしょ? 砕ける前からビビってんじゃねぇよ。盛大にブチ当たってから砕けろ」
「ぐぬぅ……」
テーブルに肘をつき、長い溜め息をした後にソルは、新しい缶に手を伸ばした。
そちらも、ひと息で飲み終わり、彼の手の中でメコッと悲鳴を上げる。そして、また次の缶へ。
テーブルの真ん中に置かれた缶ジュース達が、次々にリサイクルゴミへと変わっていく。
今日の相談料として買ったものの、多すぎたかと思ったが……丁度良かったというか、むしろ足りなさそうだ。
新たな缶を飲み終えた後、再びソルが俺に向かって言葉の刃を放ち始める。
「……ていうかさ、付き合う前は一晩同じベットで過ごしたこともあるくせに、何今さら純情ぶってるわけ? ブッ飛ばすよ?」
「あ、あの時は必死だったんだ! なりふりかまっていられなかったんだよ!」
いくら彼の幼なじみであるダンに嫉妬したとはいえ、大胆な行動を取ったなと改めて思う。
今そんな事をしようもんなら、確実に理性がもたない自信があるからな。
「オレに言い訳してる暇あったら、今すぐシュンちゃんをデートに誘いなよ。休日だよ?」
「うぐぅっ……しかし何処に行って、何をしたらいいのか……」
今まで俺は、剣術ばかりに時間を注いでいた。剣術中心の生活をしていた。
故に、こっち方面の経験値は無いに等しい。初めて出来た可愛い恋人に、どう接していいか分からない。
変なことをして、また悲しませてしまったらと思うと、つい二の足を踏んでしまう。
「一緒に過ごすことに意味があるんだから、何処でもいいでしょ? 何なら今からでもシュンちゃんの部屋に行ったら? つーか行け」
「しかし、いくら恋人になったからといって、突然部屋を訪れるのは……」
言い訳ばかりの俺に対して、ソルは苛立ったらしかった。打ち合いで対峙している時のごとく細い眉を釣り上げ、オレンジ色の瞳を鋭く細めている。
そして、何やら思いついたらしかった。
一瞬、僅かに口の端を上げて笑ったかと思えば、再び口を真一文字に引き結ぶ。握っている缶を置いてから、向かいの俺へと手を伸ばしてきた。
「サルフ、端末貸して」
「いきなりどうしたんだ?」
「いいから。さっさと貸せよ、ホラ」
どんどん語気が荒くなってくる親友に焦ってポケットから端末を取り出すと、あっという間に引ったくられた。ソルは黙々と長い指を忙しなく動かしている。
「……ほいっ、送信と」
頭に疑問符を浮かべながらソルの様子を見つめていると、間抜けな音が俺の端末から鳴った。
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