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コウイチさんと、トレーニングルームにて
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本来ならもっと喜ぶべきだと思う。
白銀の鎧を纏い光の翼をたずさえた皆が振るう輝く武器。輝石の力によって瞬く間に影を蹴散らし、テーマパークを覆い隠していた薄闇を打ち払ったんだから。
まさに圧倒的な勝利! ってヤツなのに。
「……何ていうか、肩透かしでしたね」
鍛える筋肉に合わせた様々なマシンが並ぶ、お高いジムよりも広いトレーニングルームの隅っこ。
床一面に広げられたヨガマットの上に、いじめ抜かれて震える足をだらりと伸ばし、流した水分を補給すべくスポーツドリンクをちびちび傾ける。
隣で胡座をかいていたコウイチさん。盛り上がった筋肉に覆われた彼の肩が僅かに揺れる。尖った喉を鳴らしながら、煽っていたペットボトルから口を離した。
「確かにあっさり片付いたな。鎧兜に会わなかったからというのもあるが、皆が守護者としての力を十分に発揮出来たからだろう。キミのお陰でな」
「俺はただ応援してただけで、何も」
ヒスイに抱えてもらいながら合流してきた皆に、次々と現れる影と戦う皆に「頑張って!」と声をかけていただけ。
ホント、皆の役に立てるのは変身する時だけだよな。仕方がないんだけどさ。最終手段はいざって時にしか使えないから。
そっと肩に回った腕。頼もしい腕に抱き寄せられ見上げた俺を、柔らかい笑顔が迎えてくれる。
「……コウイチさん」
「キミの声が力になるんだ。キミが居てくれる……それだけで戦う気力が、立ち向かう勇気が湧き上がってくるんだ。俺も、皆もな」
真っ直ぐな言葉が、頭を撫でてくれる大きな手が拭ってくれた。不甲斐なさも、寂しさも全部。
「……ありがとうございます」
「良かった、笑ってくれて……やっぱりレンは可愛いな。笑っている時が一番」
心臓に悪い。
そんな爽やかに、嬉しそうに微笑まないで欲しい。こんな、鼻先が触れ合ってしまいそうな至近距離で。
鬼のようなトレーニングで上がっていた体温と心拍。落ち着きかけていたそれらが別の要因ではしゃぎ出す。
どうやら俺は顔に出やすいタイプらしい。
「いや……その顔も、良いな。照れているのか? 可愛いぞ……レン……」
健康的な色をした頬をほんのり染め、真っ赤な瞳が妖しく微笑む。
期待するなという方がムリな話だ。太い指で顎を掴まれ持ち上げられて、彫りの深い顔を寄せられたんだから。
「コウイチさ……ふ、ん……ぁ……」
重なった温度に胸の奥がじわりと熱くなる。何度か優しく触れてくれただけなのに、すぐに離れていってしまった。
寂しくて、物足りなくて……もっとして欲しくて太い首に腕を回す。
驚いたみたいだ。夕日よりも赤い瞳が少し見開いて、でもすぐにゆるりと細められる。白い歯を見せながら笑われてしまったけれど、どうってことなかった。
「……本当に可愛いな」
再び触れてもらえた体温に、渦巻いていた寂しさが瞬く間に晴れていく。
ちょっとだけのつもりだったのに、休憩したらまたすぐ再開するつもりだったのに。
結局、彼の腕の中でのんびり過ごさせてもらってしまった。おまけに水分以外のものまで補給させてもらってしまったんだ。
白銀の鎧を纏い光の翼をたずさえた皆が振るう輝く武器。輝石の力によって瞬く間に影を蹴散らし、テーマパークを覆い隠していた薄闇を打ち払ったんだから。
まさに圧倒的な勝利! ってヤツなのに。
「……何ていうか、肩透かしでしたね」
鍛える筋肉に合わせた様々なマシンが並ぶ、お高いジムよりも広いトレーニングルームの隅っこ。
床一面に広げられたヨガマットの上に、いじめ抜かれて震える足をだらりと伸ばし、流した水分を補給すべくスポーツドリンクをちびちび傾ける。
隣で胡座をかいていたコウイチさん。盛り上がった筋肉に覆われた彼の肩が僅かに揺れる。尖った喉を鳴らしながら、煽っていたペットボトルから口を離した。
「確かにあっさり片付いたな。鎧兜に会わなかったからというのもあるが、皆が守護者としての力を十分に発揮出来たからだろう。キミのお陰でな」
「俺はただ応援してただけで、何も」
ヒスイに抱えてもらいながら合流してきた皆に、次々と現れる影と戦う皆に「頑張って!」と声をかけていただけ。
ホント、皆の役に立てるのは変身する時だけだよな。仕方がないんだけどさ。最終手段はいざって時にしか使えないから。
そっと肩に回った腕。頼もしい腕に抱き寄せられ見上げた俺を、柔らかい笑顔が迎えてくれる。
「……コウイチさん」
「キミの声が力になるんだ。キミが居てくれる……それだけで戦う気力が、立ち向かう勇気が湧き上がってくるんだ。俺も、皆もな」
真っ直ぐな言葉が、頭を撫でてくれる大きな手が拭ってくれた。不甲斐なさも、寂しさも全部。
「……ありがとうございます」
「良かった、笑ってくれて……やっぱりレンは可愛いな。笑っている時が一番」
心臓に悪い。
そんな爽やかに、嬉しそうに微笑まないで欲しい。こんな、鼻先が触れ合ってしまいそうな至近距離で。
鬼のようなトレーニングで上がっていた体温と心拍。落ち着きかけていたそれらが別の要因ではしゃぎ出す。
どうやら俺は顔に出やすいタイプらしい。
「いや……その顔も、良いな。照れているのか? 可愛いぞ……レン……」
健康的な色をした頬をほんのり染め、真っ赤な瞳が妖しく微笑む。
期待するなという方がムリな話だ。太い指で顎を掴まれ持ち上げられて、彫りの深い顔を寄せられたんだから。
「コウイチさ……ふ、ん……ぁ……」
重なった温度に胸の奥がじわりと熱くなる。何度か優しく触れてくれただけなのに、すぐに離れていってしまった。
寂しくて、物足りなくて……もっとして欲しくて太い首に腕を回す。
驚いたみたいだ。夕日よりも赤い瞳が少し見開いて、でもすぐにゆるりと細められる。白い歯を見せながら笑われてしまったけれど、どうってことなかった。
「……本当に可愛いな」
再び触れてもらえた体温に、渦巻いていた寂しさが瞬く間に晴れていく。
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結局、彼の腕の中でのんびり過ごさせてもらってしまった。おまけに水分以外のものまで補給させてもらってしまったんだ。
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