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やっぱり引かれるよな……四人同時に好きになっちゃったなんて
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ピンセットで詰め込んだワタが出てこないように、しっかり絞った糸の始末をして……ようやく完成した青い編みぐるみ。手のひらの上にころんと乗っかる小さな丸が可愛くて仕方がない。
「よく頑張ったね。とても綺麗に編めてるよ」
「ありがとうございます。全部青岩さんのお陰ですけどね」
「僕はただ教えただけだよ。君が頑張ったからその子は形になったんだ」
胸がジンと熱くなる。俺よりも嬉しそうに微笑む瞳に、俺の初めての編みぐるみを宝物みたいに愛おしそうに触れてくれるその優しさに。
「やってみてよく分かりました。もっと可愛いのをっていう気持ち……ああ、勿論ちゃんと作れたってだけでも十分嬉しいんですけど」
「まだその子は可愛くなれるよ」
「ホントですか?」
「うん、例えば……」
テーブルの上に置かれたカゴ。そこから同じ青い毛糸玉を取り出し、糸をするりと伸ばしていく。
流石手慣れているな。俺の目では追えないスピードでさかさか動くかぎ針が、あっという間に小さな三角形のパーツを二つ編み上げた。さらには黄色の糸でもっと小さな三角形を。
「青いのは翼。そして黄色は嘴……それから」
そして、ワタの側に置かれていた半透明な小さな薬ケースを開く。
ビーズかな。格子状に仕切られた区画には色とりどりの小さな粒が、室内の明かりを受けて艷やかな光沢を帯びていた。細い指先が黒いビーズを二つ摘む。
「これは目だ」
「ちっちゃいですね……これをくっつけるんですか?」
「ああ、編みぐるみには後からパーツを装飾することが出来るんだ」
再びプロみたいな手つきで小さな小さなパーツ達を丸い編みぐるみに編み込んでいく。
「……こんな風にね」
どこか得意げに瞳を細めた彼の手の上には、青い小鳥の編みぐるみがちょこんと乗っていた。
「わぁっ……可愛い……ありがとうございます!」
差し出され再び俺の手に戻ってきた編みぐるみは、彼の手によって命が吹き込まれたみたいだった。ちょぴっと生えた翼と嘴、まん丸煌めくビーズの瞳が愛らしい。
「どういたしまして。君が喜んでくれて嬉しいよ」
「何処に飾ろうかな……あ、でも一羽だけだと寂しいかも」
もう一羽一緒に……とお願いしようとした矢先、おずおずとした声に先を越された。
「……じゃあ、次はその子の友達を作らないか? また、今日みたいに……一緒に……」
「ふふ……それ、俺もお願いしようと思ってました。今度はパーツの作り方も教えてもらってもいいですか?」
「ああ、喜んで」
ぱぁっと輝いた青空に見惚れている内に、気がつけばまた友達として適切な距離を越えていた。
いや、思い返せばずっと肩を寄せ合ってしまっていた。手取り足取り教えてもらっている時から、ずっと。
気がついた途端、細身の体躯から伝わってくる温もりに心臓が騒がしくなってしまう。
もう、終わったんだから離れなきゃいけないのに……何の理由もなく見つめ続けちゃいけないのに……自分の身体じゃないみたいだ。全然言うことを聞いてくれない。
すっかり釘付けになっていた俺を映す瞳がほんのり色づいていく。
「天音君は……今、恋をしているのかい?」
「ふぇ?」
聞いたことのない声が出ていた。レンズ越しにかち合っていた青が、僅かに伏せられる。
「妹がよく言うんだ。恋をすると……その人を想うだけで嬉しくて温かくて、時々辛くて切ないけれど……同じ時を過ごせるだけで幸せなんだって」
……柔らかい声。やっぱり彼女のことが大切なんだろう。俺の知らない、知る由もない、いつかを思い出しているその横顔はとても優しそうで。何故か胸がちくりと痛んだ。
「ただ、僕にはよく分からなかった。そういう意味で人を好きになれたことがなかったから……でも」
言葉を切った青の瞳が俺を見つめる。空気がぶわりと変わった気がした。
「君と一緒に居ると心が温かくなる……何だかとても満たされるんだ。君が他の誰かの話しをすると寂しくて苦しくなる……僕のことだけを見て欲しいと思ってしまうんだ」
「……え?」
「僕は……君を好き、なんだろうか?」
ポツリとこぼした自問。けれどもそれはすぐに確信へと変わったようだった。
「いや、好きだ……天音君。僕は君に恋をしている」
喜びに満ちた瞳がうっとりと俺を見つめている。
眩しかった。真っ直ぐで純粋で透き通っていて、でもとても熱くて……泣きたくなった。
「……大丈夫、分かっている。いや、今分かったよ。君にはもう好きな人がいるんだろう? だから、せめて好きでいさせてくれないか?」
声も手も震えていた。でも瞳だけは、俺を見つめたまま柔らかく微笑んでいる。
「初めてなんだ……こんなに温かくて嬉しい気持ちは」
気持ちを言葉に乗せるのはスゴく勇気がいることだ。けれども青岩さんは全部俺にぶつけてくれた。なのに俺だけだんまりってのは……ズルいだろう。
「……ごめんなさい」
「それは、嫌だ……ということだろうか……僕が君を好きでいることが」
「いや、それは嬉しいんですけど……」
あんまりにも悲しそうな声で瞳で見つめるもんだから、うっかりこぼしてしまっていた。言わなくていい本音を。
ホントにどうしようもないな……俺は。すでに四人も好きになっているのに、こんなにキレイな想いに応える資格なんてないのにさ。
「ってそうじゃなくて、その……聞いてくれますか? 長いし、多分俺のこと嫌いになると思いますけど……」
「聞かせてくれ、君のことなら何でも知りたい。それから心配しなくていいよ。そう簡単に嫌いになるほどヤワな想いじゃないからね」
いつの間に元気になったんだろうか。力強く明るい声で俺の手を握りながら、前のめりに距離を詰めてくる。鼻先が触れ合ってしまいそうだ。
なのに離れる気もないどころか、またしても嬉しく思ってしまってる自分にうんざりする。
「っ……えっと、ですね……俺も、恋をしたのは、つい最近で……」
「ということは、やはり緑山君のことが?」
ワンヒット。
「……そうなんですけど、そうじゃないというか……」
「では、赤木君か?」
ツーヒット。
「コ、赤木さんも、といいますか……」
「……もしかして、二人とも……いや、黄川君もか?」
スリーヒット。
冷静な瞳からぐさり、ぐさり、ぐさりと的確に言い当てられてしまった。俺はよっぽど分かりやすいんだろうか。
すでに心はボロボロ、なんなら涙もボロボロこぼしてしまいそうだけど、ちゃんと全部話さないと。青岩さんが向けてくれた真っ直ぐな想いに対して誠意を見せる為にも。
「……はい……それだけでも十分最低なんですけど……その、黒野先生も……」
「成る程、四人同時に好きになってしまったと……」
改めて言葉にされるとしんどい。身から出た錆なんだけど。
「はい……俺、惚れっぽいみたいで……ハグしたりキスしてもらうとすぐ嬉しくなっちゃって……先生には大人の対応をしてもらって……ヒスイはそれでもいいって……自分のことを好きでいてくれるなら、他の人のことも好きでいてもいいって……それで、俺、甘えちゃって……ただでさえ、ずっと側に居て欲しいって我儘言って、毎晩部屋に来てもらってるのに……」
「……赤木君と黄川君は?」
「まだ、言えてません……気づいたのも昨日、黒野先生と話した時だったんで……言わなくちゃなとは思ってるんですけど……」
ようやく終えることが出来た最低な告白。
落とした視線の先ではたとかち合ったつぶらなビーズの瞳に、胸がズンと重くなる。何だかとても居たたまれなくて、思わずテーブルの上にそっと手放していた。
「よく頑張ったね。とても綺麗に編めてるよ」
「ありがとうございます。全部青岩さんのお陰ですけどね」
「僕はただ教えただけだよ。君が頑張ったからその子は形になったんだ」
胸がジンと熱くなる。俺よりも嬉しそうに微笑む瞳に、俺の初めての編みぐるみを宝物みたいに愛おしそうに触れてくれるその優しさに。
「やってみてよく分かりました。もっと可愛いのをっていう気持ち……ああ、勿論ちゃんと作れたってだけでも十分嬉しいんですけど」
「まだその子は可愛くなれるよ」
「ホントですか?」
「うん、例えば……」
テーブルの上に置かれたカゴ。そこから同じ青い毛糸玉を取り出し、糸をするりと伸ばしていく。
流石手慣れているな。俺の目では追えないスピードでさかさか動くかぎ針が、あっという間に小さな三角形のパーツを二つ編み上げた。さらには黄色の糸でもっと小さな三角形を。
「青いのは翼。そして黄色は嘴……それから」
そして、ワタの側に置かれていた半透明な小さな薬ケースを開く。
ビーズかな。格子状に仕切られた区画には色とりどりの小さな粒が、室内の明かりを受けて艷やかな光沢を帯びていた。細い指先が黒いビーズを二つ摘む。
「これは目だ」
「ちっちゃいですね……これをくっつけるんですか?」
「ああ、編みぐるみには後からパーツを装飾することが出来るんだ」
再びプロみたいな手つきで小さな小さなパーツ達を丸い編みぐるみに編み込んでいく。
「……こんな風にね」
どこか得意げに瞳を細めた彼の手の上には、青い小鳥の編みぐるみがちょこんと乗っていた。
「わぁっ……可愛い……ありがとうございます!」
差し出され再び俺の手に戻ってきた編みぐるみは、彼の手によって命が吹き込まれたみたいだった。ちょぴっと生えた翼と嘴、まん丸煌めくビーズの瞳が愛らしい。
「どういたしまして。君が喜んでくれて嬉しいよ」
「何処に飾ろうかな……あ、でも一羽だけだと寂しいかも」
もう一羽一緒に……とお願いしようとした矢先、おずおずとした声に先を越された。
「……じゃあ、次はその子の友達を作らないか? また、今日みたいに……一緒に……」
「ふふ……それ、俺もお願いしようと思ってました。今度はパーツの作り方も教えてもらってもいいですか?」
「ああ、喜んで」
ぱぁっと輝いた青空に見惚れている内に、気がつけばまた友達として適切な距離を越えていた。
いや、思い返せばずっと肩を寄せ合ってしまっていた。手取り足取り教えてもらっている時から、ずっと。
気がついた途端、細身の体躯から伝わってくる温もりに心臓が騒がしくなってしまう。
もう、終わったんだから離れなきゃいけないのに……何の理由もなく見つめ続けちゃいけないのに……自分の身体じゃないみたいだ。全然言うことを聞いてくれない。
すっかり釘付けになっていた俺を映す瞳がほんのり色づいていく。
「天音君は……今、恋をしているのかい?」
「ふぇ?」
聞いたことのない声が出ていた。レンズ越しにかち合っていた青が、僅かに伏せられる。
「妹がよく言うんだ。恋をすると……その人を想うだけで嬉しくて温かくて、時々辛くて切ないけれど……同じ時を過ごせるだけで幸せなんだって」
……柔らかい声。やっぱり彼女のことが大切なんだろう。俺の知らない、知る由もない、いつかを思い出しているその横顔はとても優しそうで。何故か胸がちくりと痛んだ。
「ただ、僕にはよく分からなかった。そういう意味で人を好きになれたことがなかったから……でも」
言葉を切った青の瞳が俺を見つめる。空気がぶわりと変わった気がした。
「君と一緒に居ると心が温かくなる……何だかとても満たされるんだ。君が他の誰かの話しをすると寂しくて苦しくなる……僕のことだけを見て欲しいと思ってしまうんだ」
「……え?」
「僕は……君を好き、なんだろうか?」
ポツリとこぼした自問。けれどもそれはすぐに確信へと変わったようだった。
「いや、好きだ……天音君。僕は君に恋をしている」
喜びに満ちた瞳がうっとりと俺を見つめている。
眩しかった。真っ直ぐで純粋で透き通っていて、でもとても熱くて……泣きたくなった。
「……大丈夫、分かっている。いや、今分かったよ。君にはもう好きな人がいるんだろう? だから、せめて好きでいさせてくれないか?」
声も手も震えていた。でも瞳だけは、俺を見つめたまま柔らかく微笑んでいる。
「初めてなんだ……こんなに温かくて嬉しい気持ちは」
気持ちを言葉に乗せるのはスゴく勇気がいることだ。けれども青岩さんは全部俺にぶつけてくれた。なのに俺だけだんまりってのは……ズルいだろう。
「……ごめんなさい」
「それは、嫌だ……ということだろうか……僕が君を好きでいることが」
「いや、それは嬉しいんですけど……」
あんまりにも悲しそうな声で瞳で見つめるもんだから、うっかりこぼしてしまっていた。言わなくていい本音を。
ホントにどうしようもないな……俺は。すでに四人も好きになっているのに、こんなにキレイな想いに応える資格なんてないのにさ。
「ってそうじゃなくて、その……聞いてくれますか? 長いし、多分俺のこと嫌いになると思いますけど……」
「聞かせてくれ、君のことなら何でも知りたい。それから心配しなくていいよ。そう簡単に嫌いになるほどヤワな想いじゃないからね」
いつの間に元気になったんだろうか。力強く明るい声で俺の手を握りながら、前のめりに距離を詰めてくる。鼻先が触れ合ってしまいそうだ。
なのに離れる気もないどころか、またしても嬉しく思ってしまってる自分にうんざりする。
「っ……えっと、ですね……俺も、恋をしたのは、つい最近で……」
「ということは、やはり緑山君のことが?」
ワンヒット。
「……そうなんですけど、そうじゃないというか……」
「では、赤木君か?」
ツーヒット。
「コ、赤木さんも、といいますか……」
「……もしかして、二人とも……いや、黄川君もか?」
スリーヒット。
冷静な瞳からぐさり、ぐさり、ぐさりと的確に言い当てられてしまった。俺はよっぽど分かりやすいんだろうか。
すでに心はボロボロ、なんなら涙もボロボロこぼしてしまいそうだけど、ちゃんと全部話さないと。青岩さんが向けてくれた真っ直ぐな想いに対して誠意を見せる為にも。
「……はい……それだけでも十分最低なんですけど……その、黒野先生も……」
「成る程、四人同時に好きになってしまったと……」
改めて言葉にされるとしんどい。身から出た錆なんだけど。
「はい……俺、惚れっぽいみたいで……ハグしたりキスしてもらうとすぐ嬉しくなっちゃって……先生には大人の対応をしてもらって……ヒスイはそれでもいいって……自分のことを好きでいてくれるなら、他の人のことも好きでいてもいいって……それで、俺、甘えちゃって……ただでさえ、ずっと側に居て欲しいって我儘言って、毎晩部屋に来てもらってるのに……」
「……赤木君と黄川君は?」
「まだ、言えてません……気づいたのも昨日、黒野先生と話した時だったんで……言わなくちゃなとは思ってるんですけど……」
ようやく終えることが出来た最低な告白。
落とした視線の先ではたとかち合ったつぶらなビーズの瞳に、胸がズンと重くなる。何だかとても居たたまれなくて、思わずテーブルの上にそっと手放していた。
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