76 / 90
紫光すら飲み込む漆黒の先で
しおりを挟む
真っ黒な絨毯みたいに広がっている四つ葉の草っ原を踏みしめ歩く。
間近に迫ったお屋敷からは、肌がピリピリとひりつくような空気が漂っていて。繋いでいた左右の二色の手を、思わず強く握りしめてしまった。
「大丈夫だよ。俺達がついてるからね」
「君には、髪の一本も触れさせないから安心してくれ」
「……ありがとう」
ゆるりと微笑みかけてくれる二人の言葉に、胸の中がふわふわしたもので満たされる。
俺の気持ちが落ち着くまで、タイミングを見計らってくれていたんだと思う。柔らかい声で、いいかい? とタツミさんが短く尋ねてきた。
頷くと、カミナが幅広の肩をぐるりと回す。俺達の前にそそり立つ大きな扉は、とても頑丈そうなのに、いくつもついている錠前ごと片手だけで押し開けてしまった。
錠前だったもののくだけ散った欠片が落ちて鳴る甲高い音。同時に重たい金属がぶつかる低い音が重なって、不自然なほどに静まり返った周囲に響き渡る。
「スゴいっカミナ!」
堂々とした大きな背中は、まるで物語に出てくるヒーローみたいだ。そのカッコよさに、つい大きな声で声援を送ってしまった俺に、カミナが紫色に瞬く髪をなびかせ振り返る。得意げに大きく開いた口からは、鋭く白い歯が覗いていた。
「へへっ。まぁ、俺様にかかればざっとこんなもんよ」
「おいおい、いいのか? 随分、ハデな訪問になっちまったぜ?」
「こうなる気はしてたけど……本当に昔から品ってものがないよね、君は」
「まぁ、カミナだし」
「カミナだからな」
ジンさんの疑問は、まぁ、もっともなんだけど。相変わらずというかなんというか、基本的には優しいタツミさんからも雑に扱われるなんて、ホント、カミナは何をしたんだろう?
でも、セイとソウの言う通り「カミナだから」って一言で納得してしまっている俺も、言える立場じゃないんだけどさ。
「おめぇらなぁ……ちっとはサトルを見習って、素直に俺様のことを労えよな」
わしわしと俺の頭を撫で回しながらぼやくカミナの肩を、わざとらしく咳払いをしたタツミさんがぽんっと叩く。
「いやー君が居てくれると実に心強いよ。その調子で先陣を切ってくれないかい? 後方は、僕とジンが受け持つからさ」
「最初っからそういやぁいいんだよ。おし、任せとけ。俺様についてきなっ」
ぱぁっと満面の笑みを浮かべ、上機嫌に肩で風を切っていくカミナの後ろ姿に向かってぽつりと、
「常にポジティブというか、切り替えが早いというか……あの性格に関しては、実に好感が持てるんだけどね」
タツミさんが呟いた言葉に、困ったような笑顔で頷く三人の姿がなんだかおかしくて、うっかり吹き出してしまった。
「ごきげんな腑抜けた面は、もうちっと後にとっときな」
太い声と一緒に伸びてきた太い指が、俺の頬をむにっと摘む。いつの間にか戻ってきていたカミナが、ニカッと笑った。
◇
奥に行けば行くほど、たき火の煙を吸い続けているみたいな息苦しさに頭がくらくらして、俺の足がちゃんと床を踏んでくれているのか、分からなくなってきてしまう。俺の手を引いてくれている赤と青の手のお陰でなんとか、ふらつかずに真っ直ぐ進めている始末だ。
終わりの見えない木製の廊下が、俺達の重みを受け軋む音に混じって誰かの声が聞こえる。
先頭のカミナが照らす、紫色の光すら飲み込んでしまっている暗闇から。左右の、本来の役割を果たしていないボロボロの障子に空いたいくつもの穴から。苦しい……助けて……と訴えてくるいくつもの悲痛な叫びが、俺の鼓膜を揺らし、頭の中をぐちゃぐちゃに引っ掻き回してくる。
聞きたくないのに、無理矢理ねじ込まれているみたいに入ってくるそれらに。温かかったはずの指先が徐々に冷たくなってきて、目の前がどんどん薄暗くなってきて。
……だんだん、分からなくなってくる。
ここは一体何処なんだろう? どうして俺はここに居るんだ?
そもそも、俺って……誰、だっけ?
「サトルちゃん。気をしっかり持って、僕達の声にだけ耳を傾けるんだ。いいね?」
透き通った川のせせらぎのように澄んだ声が、四方八方から聞こえる不快な雑音を遮って耳に届く。
途端に手足の感覚が戻り、明るくなった俺の視界に、
「ちょっとー俺達のサトルちゃんに近寄って来ないでよねっ」
引き締まった腕や尻尾をぶんぶん振り回し、俺の周りに漂っている黒いモヤを払おうとしてくれているソウの勇ましい姿が、
「よしよし、大丈夫だぞ。もう少しの辛抱だからな」
膝をついていた俺の目線に合わせてしゃがみこみ、全身を撫で擦ってくれているセイの優しい眼差しが映る。
「おっし、前のはあらかた蹴散らしたぜ」
「こっちもだ。数が多いのは厄介だが、大したことはねぇなぁ」
前後から聞こえてきた、頼もしいカミナとジンさんの声に、ざわついていた気持ちがようやく落ち着きを取り戻し、口から自然と息が漏れていた。
「よく頑張ったね」
セイとソウに支えられ、立ち上がった俺の頭を細長い指先がそっと撫でる。
「どうやら、彼らは人神に殺された時に魂を取り込まれ、力の一部にされてしまったようだ。最期の最期まで本当に哀れな連中だよ」
大げさな素振りで腕を広げ、肩をすくめてみせたタツミさんを皮切りに、
「自業自得じゃんっ哀れむのも勿体ないよっ」
「全くだ、ソウの言う通りだぞ」
「んじゃあ、もう一発、雷落としとくか?」
「いいんじゃねぇか? 本体も弱らせられるし、一石二鳥だろ」
わいわいと盛り上がっていくみんなの様子が、あまりにもいつも通り過ぎて……少し前も、ついさっきも怖い目にあったっていうのに、またうっかり笑っちゃいそうだ。
「……水を差すようで悪いけど……その一発は、この後に取っておいた方がいいみたいだね」
青白い指が指し示す先に俺とみんなの視線が注がれ、少し戻りかけていたいつもの和やかな空気が、みんなの表情と連動するみたいに引き締まり、変な汗が背中を伝う。
壊れて半開きになっている大きな扉の隙間からは、今までとは比べ物にならないくらい、不気味な気配が漏れ出ていた。
間近に迫ったお屋敷からは、肌がピリピリとひりつくような空気が漂っていて。繋いでいた左右の二色の手を、思わず強く握りしめてしまった。
「大丈夫だよ。俺達がついてるからね」
「君には、髪の一本も触れさせないから安心してくれ」
「……ありがとう」
ゆるりと微笑みかけてくれる二人の言葉に、胸の中がふわふわしたもので満たされる。
俺の気持ちが落ち着くまで、タイミングを見計らってくれていたんだと思う。柔らかい声で、いいかい? とタツミさんが短く尋ねてきた。
頷くと、カミナが幅広の肩をぐるりと回す。俺達の前にそそり立つ大きな扉は、とても頑丈そうなのに、いくつもついている錠前ごと片手だけで押し開けてしまった。
錠前だったもののくだけ散った欠片が落ちて鳴る甲高い音。同時に重たい金属がぶつかる低い音が重なって、不自然なほどに静まり返った周囲に響き渡る。
「スゴいっカミナ!」
堂々とした大きな背中は、まるで物語に出てくるヒーローみたいだ。そのカッコよさに、つい大きな声で声援を送ってしまった俺に、カミナが紫色に瞬く髪をなびかせ振り返る。得意げに大きく開いた口からは、鋭く白い歯が覗いていた。
「へへっ。まぁ、俺様にかかればざっとこんなもんよ」
「おいおい、いいのか? 随分、ハデな訪問になっちまったぜ?」
「こうなる気はしてたけど……本当に昔から品ってものがないよね、君は」
「まぁ、カミナだし」
「カミナだからな」
ジンさんの疑問は、まぁ、もっともなんだけど。相変わらずというかなんというか、基本的には優しいタツミさんからも雑に扱われるなんて、ホント、カミナは何をしたんだろう?
でも、セイとソウの言う通り「カミナだから」って一言で納得してしまっている俺も、言える立場じゃないんだけどさ。
「おめぇらなぁ……ちっとはサトルを見習って、素直に俺様のことを労えよな」
わしわしと俺の頭を撫で回しながらぼやくカミナの肩を、わざとらしく咳払いをしたタツミさんがぽんっと叩く。
「いやー君が居てくれると実に心強いよ。その調子で先陣を切ってくれないかい? 後方は、僕とジンが受け持つからさ」
「最初っからそういやぁいいんだよ。おし、任せとけ。俺様についてきなっ」
ぱぁっと満面の笑みを浮かべ、上機嫌に肩で風を切っていくカミナの後ろ姿に向かってぽつりと、
「常にポジティブというか、切り替えが早いというか……あの性格に関しては、実に好感が持てるんだけどね」
タツミさんが呟いた言葉に、困ったような笑顔で頷く三人の姿がなんだかおかしくて、うっかり吹き出してしまった。
「ごきげんな腑抜けた面は、もうちっと後にとっときな」
太い声と一緒に伸びてきた太い指が、俺の頬をむにっと摘む。いつの間にか戻ってきていたカミナが、ニカッと笑った。
◇
奥に行けば行くほど、たき火の煙を吸い続けているみたいな息苦しさに頭がくらくらして、俺の足がちゃんと床を踏んでくれているのか、分からなくなってきてしまう。俺の手を引いてくれている赤と青の手のお陰でなんとか、ふらつかずに真っ直ぐ進めている始末だ。
終わりの見えない木製の廊下が、俺達の重みを受け軋む音に混じって誰かの声が聞こえる。
先頭のカミナが照らす、紫色の光すら飲み込んでしまっている暗闇から。左右の、本来の役割を果たしていないボロボロの障子に空いたいくつもの穴から。苦しい……助けて……と訴えてくるいくつもの悲痛な叫びが、俺の鼓膜を揺らし、頭の中をぐちゃぐちゃに引っ掻き回してくる。
聞きたくないのに、無理矢理ねじ込まれているみたいに入ってくるそれらに。温かかったはずの指先が徐々に冷たくなってきて、目の前がどんどん薄暗くなってきて。
……だんだん、分からなくなってくる。
ここは一体何処なんだろう? どうして俺はここに居るんだ?
そもそも、俺って……誰、だっけ?
「サトルちゃん。気をしっかり持って、僕達の声にだけ耳を傾けるんだ。いいね?」
透き通った川のせせらぎのように澄んだ声が、四方八方から聞こえる不快な雑音を遮って耳に届く。
途端に手足の感覚が戻り、明るくなった俺の視界に、
「ちょっとー俺達のサトルちゃんに近寄って来ないでよねっ」
引き締まった腕や尻尾をぶんぶん振り回し、俺の周りに漂っている黒いモヤを払おうとしてくれているソウの勇ましい姿が、
「よしよし、大丈夫だぞ。もう少しの辛抱だからな」
膝をついていた俺の目線に合わせてしゃがみこみ、全身を撫で擦ってくれているセイの優しい眼差しが映る。
「おっし、前のはあらかた蹴散らしたぜ」
「こっちもだ。数が多いのは厄介だが、大したことはねぇなぁ」
前後から聞こえてきた、頼もしいカミナとジンさんの声に、ざわついていた気持ちがようやく落ち着きを取り戻し、口から自然と息が漏れていた。
「よく頑張ったね」
セイとソウに支えられ、立ち上がった俺の頭を細長い指先がそっと撫でる。
「どうやら、彼らは人神に殺された時に魂を取り込まれ、力の一部にされてしまったようだ。最期の最期まで本当に哀れな連中だよ」
大げさな素振りで腕を広げ、肩をすくめてみせたタツミさんを皮切りに、
「自業自得じゃんっ哀れむのも勿体ないよっ」
「全くだ、ソウの言う通りだぞ」
「んじゃあ、もう一発、雷落としとくか?」
「いいんじゃねぇか? 本体も弱らせられるし、一石二鳥だろ」
わいわいと盛り上がっていくみんなの様子が、あまりにもいつも通り過ぎて……少し前も、ついさっきも怖い目にあったっていうのに、またうっかり笑っちゃいそうだ。
「……水を差すようで悪いけど……その一発は、この後に取っておいた方がいいみたいだね」
青白い指が指し示す先に俺とみんなの視線が注がれ、少し戻りかけていたいつもの和やかな空気が、みんなの表情と連動するみたいに引き締まり、変な汗が背中を伝う。
壊れて半開きになっている大きな扉の隙間からは、今までとは比べ物にならないくらい、不気味な気配が漏れ出ていた。
26
お気に入りに追加
267
あなたにおすすめの小説
【奨励賞】恋愛感情抹消魔法で元夫への恋を消去する
SKYTRICK
BL
☆11/28完結しました。
☆第11回BL小説大賞奨励賞受賞しました。ありがとうございます!
冷酷大元帥×元娼夫の忘れられた夫
——「また俺を好きになるって言ったのに、嘘つき」
元娼夫で現魔術師であるエディことサラは五年ぶりに祖国・ファルンに帰国した。しかし暫しの帰郷を味わう間も無く、直後、ファルン王国軍の大元帥であるロイ・オークランスの使者が元帥命令を掲げてサラの元へやってくる。
ロイ・オークランスの名を知らぬ者は世界でもそうそういない。魔族の血を引くロイは人間から畏怖を大いに集めながらも、大将として国防戦争に打ち勝ち、たった二十九歳で大元帥として全軍のトップに立っている。
その元帥命令の内容というのは、五年前に最愛の妻を亡くしたロイを、魔族への本能的な恐怖を感じないサラが慰めろというものだった。
ロイは妻であるリネ・オークランスを亡くし、悲しみに苛まれている。あまりの辛さで『奥様』に関する記憶すら忘却してしまったらしい。半ば強引にロイの元へ連れていかれるサラは、彼に己を『サラ』と名乗る。だが、
——「失せろ。お前のような娼夫など必要としていない」
噂通り冷酷なロイの口からは罵詈雑言が放たれた。ロイは穢らわしい娼夫を睨みつけ去ってしまう。使者らは最愛の妻を亡くしたロイを憐れむばかりで、まるでサラの様子を気にしていない。
誰も、サラこそが五年前に亡くなった『奥様』であり、最愛のその人であるとは気付いていないようだった。
しかし、最大の問題は元夫に存在を忘れられていることではない。
サラが未だにロイを愛しているという事実だ。
仕方なく、『恋愛感情抹消魔法』を己にかけることにするサラだが——……
☆描写はありませんが、受けがモブに抱かれている示唆はあります(男娼なので)
☆お読みくださりありがとうございます。良ければ感想などいただけるとパワーになります!
新訳 美女と野獣 〜獣人と少年の物語〜
若目
BL
いまはすっかり財政難となった商家マルシャン家は父シャルル、長兄ジャンティー、長女アヴァール、次女リュゼの4人家族。
妹たちが経済状況を顧みずに贅沢三昧するなか、一家はジャンティーの頑張りによってなんとか暮らしていた。
ある日、父が商用で出かける際に、何か欲しいものはないかと聞かれて、ジャンティーは一輪の薔薇をねだる。
しかし、帰る途中で父は道に迷ってしまう。
父があてもなく歩いていると、偶然、美しく奇妙な古城に辿り着く。
父はそこで、庭に薔薇の木で作られた生垣を見つけた。
ジャンティーとの約束を思い出した父が薔薇を一輪摘むと、彼の前に怒り狂った様子の野獣が現れ、「親切にしてやったのに、厚かましくも薔薇まで盗むとは」と吠えかかる。
野獣は父に死をもって償うように迫るが、薔薇が土産であったことを知ると、代わりに子どもを差し出すように要求してきて…
そこから、ジャンティーの運命が大きく変わり出す。
童話の「美女と野獣」パロのBLです
今世はメシウマ召喚獣
片里 狛
BL
オーバーワークが原因でうっかり命を落としたはずの最上春伊25歳。召喚獣として呼び出された世界で、娼館の料理人として働くことになって!?的なBL小説です。
最終的に溺愛系娼館主人様×全般的にふつーの日本人青年。
※女の子もゴリゴリ出てきます。
※設定ふんわりとしか考えてないので穴があってもスルーしてください。お約束等には疎いので優しい気持ちで読んでくださると幸い。
※誤字脱字の報告は不要です。いつか直したい。
※なるべくさくさく更新したい。
【完結】泡の消えゆく、その先に。〜人魚の恋のはなし〜
N2O
BL
人間×人魚の、恋の話。
表紙絵
⇨ 元素🪦 様 X(@10loveeeyy)
※独自設定です
※◎は視点が変わります(俯瞰、攻め視点etc)
【完結】元魔王、今世では想い人を愛で倒したい!
N2O
BL
元魔王×元勇者一行の魔法使い
拗らせてる人と、猫かぶってる人のはなし。
Special thanks
illustration by ろ(x(旧Twitter) @OwfSHqfs9P56560)
※独自設定です。
※視点が変わる場合には、タイトルに◎を付けます。
【完結】『ルカ』
瀬川香夜子
BL
―――目が覚めた時、自分の中は空っぽだった。
倒れていたところを一人の老人に拾われ、目覚めた時には記憶を無くしていた。
クロと名付けられ、親切な老人―ソニーの家に置いて貰うことに。しかし、記憶は一向に戻る気配を見せない。
そんなある日、クロを知る青年が現れ……?
貴族の青年×記憶喪失の青年です。
※自サイトでも掲載しています。
2021年6月28日 本編完結
虐げられている魔術師少年、悪魔召喚に成功したところ国家転覆にも成功する
あかのゆりこ
BL
主人公のグレン・クランストンは天才魔術師だ。ある日、失われた魔術の復活に成功し、悪魔を召喚する。その悪魔は愛と性の悪魔「ドーヴィ」と名乗り、グレンに契約の代償としてまさかの「口づけ」を提示してきた。
領民を守るため、王家に囚われた姉を救うため、グレンは致し方なく自分の唇(もちろん未使用)を差し出すことになる。
***
王家に虐げられて不遇な立場のトラウマ持ち不幸属性主人公がスパダリ系悪魔に溺愛されて幸せになるコメディの皮を被ったそこそこシリアスなお話です。
・ハピエン
・CP左右固定(リバありません)
・三角関係及び当て馬キャラなし(相手違いありません)
です。
べろちゅーすらないキスだけの健全ピュアピュアなお付き合いをお楽しみください。
***
2024.10.18 第二章開幕にあたり、第一章の2話~3話の間に加筆を行いました。小数点付きの話が追加分ですが、別に読まなくても問題はありません。
死に戻り騎士は、今こそ駆け落ち王子を護ります!
時雨
BL
「駆け落ちの供をしてほしい」
すべては真面目な王子エリアスの、この一言から始まった。
王子に”国を捨てても一緒になりたい人がいる”と打ち明けられた、護衛騎士ランベルト。
発表されたばかりの公爵家令嬢との婚約はなんだったのか!?混乱する騎士の気持ちなど関係ない。
国境へ向かう二人を追う影……騎士ランベルトは追手の剣に倒れた。
後悔と共に途切れた騎士の意識は、死亡した時から三年も前の騎士団の寮で目覚める。
――二人に追手を放った犯人は、一体誰だったのか?
容疑者が浮かんでは消える。そもそも犯人が三年先まで何もしてこない保証はない。
怪しいのは、王位を争う第一王子?裏切られた公爵令嬢?…正体不明の駆け落ち相手?
今度こそ王子エリアスを護るため、過去の記憶よりも積極的に王子に関わるランベルト。
急に距離を縮める騎士を、はじめは警戒するエリアス。ランベルトの昔と変わらぬ態度に、徐々にその警戒も解けていって…?
過去にない行動で変わっていく事象。動き出す影。
ランベルトは今度こそエリアスを護りきれるのか!?
負けず嫌いで頑固で堅実、第二王子(年下) × 面倒見の良い、気の長い一途騎士(年上)のお話です。
-------------------------------------------------------------------
主人公は頑な、王子も頑固なので、ゆるい気持ちで見守っていただけると幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる