59 / 90
大好きなのは、二人だけ
しおりを挟む
目の前で、男の人が微笑んでいる。夢の最後に必ずこの子から、折り鶴を受け取っている人だ。
ということは、またいつもの夢かな? いや、でもちょっと違うかも。
今日は、隣に女の人もいるや。二人で覗き込むみたいに、こっちを見てる。この人もぼんやりとしか顔が見えないな……それになんだろう?
二人の周りで色んな人達が嬉しそうに笑ってる。賑やかな、温かい響きをもった言葉が聞こえる。
可愛いね、いい子だね、元気で大きくなってね、大好きだよ。
柔らかい声色で紡がれたそれらが、ふわふわと降ってきて。俺に向けられた言葉じゃないはずなのに、泣きたくなるくらいに嬉しくて、幸せで。
目が覚めたら大好きな二人に会えるのに。このまま覚めちゃうのが勿体ないなって、少しだけそう思ったんだ。
◇
「ごめんね……折角、タツミさんに招待してもらったのに……」
久々に、心地よい目覚めを迎えた俺の目に映ったのは、見慣れた部屋の天井と二人の笑顔で。スッキリとした頭ですぐさま理解した。結局、俺はあのままぐーすか寝続けてしまったんだと。
タツミさんお気に入りの、七色の珊瑚礁があるっていうお庭も見れなかったし。俺と同じ人間のお嫁さん達にも会えなかった。
それどころか、二人の大事な友達の前で寝ちゃうだなんて……もしかしなくても俺、お嫁さん失格じゃない? どうしよう……
「大丈夫だよーアイツ、うっきうきでサトルちゃんの寝顔撮りまくってたしさ!」
「君を起こせなかった俺達も悪いからな……ごめんな」
いつでも遊びにおいでって言ってたからさ、また三人で行こうよ! と元気な高めの声が、俺を励ますように背中を撫でて。最近ちゃんと眠れていなかっただろう? 起こしてしまうのが忍びなくてな……と穏やかな低めの声が、申し訳なさそうに俺の頭を撫でる。
やっぱり二人には敵わないな……俺としては隠していたつもりだったのに、すっかりお見通しだったみたいだ。あの不思議な夢のせいで、あまり眠れた感じがしなくてちょっと疲れちゃってたのが。
……あれ? でも、おかしいな。さっきも同じような夢を見た気がするのに、なんでいつもみたいな胸がズンと重たくなる感じも。お腹の中を、ぐちゃぐちゃにかき回されたみたいな気持ち悪い感覚も、ないんだろう?
「良かった! 今日は調子、良さそうだね。なにかいい夢でも見たの?」
「寝ている間も、にこにこしていたからな……とても可愛いらしかったぞ」
ふにゃりと目尻を下げた二人から左右の頬に朝の挨拶をしてもらい、俺も返す。
二人が嬉しそうだと俺まで嬉しくなっちゃって。だから、ついちゃんと考えないで、頭の中に残っていた言葉をそのまま口にしてしまったんだ。
「うーん、あんまり覚えてはいないんだけど……大好きだよ、って色んな人から言われたような……」
「「……大好きだよ? 色んな人から?」」
頭の上で綺麗に重なった二人の言葉に慌てて顔を上げると、切れ長の四つの瞳が大きく見開かれていて。
壁際からきゅう……きゅう……と蜥蜴達のか細い悲鳴が聞こえるほど、部屋の空気がほのぼのとした温かいものから、肌がピリピリするような重苦しいものへと変わってしまっていた。
「あの……セイ? ソウ?」
「やはり、早急に手を打つ必要がありそうだな……」
「サトルちゃんのお休みの時間を邪魔していただけじゃなくて、今度は俺達の目を盗んで口説こうだなんて……いい度胸だよね、ホント」
眉間に深いシワを刻んだセイが、太い指を顎に当ててギリリと鋭く尖った歯を食いしばり。鋭い目をしたソウが唇をわなわな震わせながら、握りこぶしを反対の手で包みこんでポキポキと鳴らしている。
二人とも完全に怒ってる……うっすらとしか覚えていない夢の話で。
「えっと……夢の中のことだしさ。それに俺、口説かれてなんて……」
「口説かれてるよ!」
「口説かれてるぞ!」
再び綺麗に揃った二人の声に言葉を遮られ、目を三角にした二人から感じる圧に、思わず身体が縮こまりそうになる。
「でも、二人が言ってくれる時みたいに、ドキドキして心臓が壊れちゃうような感じはしなかったし……胸の奥から、きゅんっていう音も聞こえなかったし……」
二人から大好きだよって言われた時はいつも身体のどこかが熱くなったり、むずむずしちゃうのに。そんな感じは全然しなかったもんな……胸がぽかぽかはしたけどさ。
「そもそも俺が大好きなのは、セイとソウだけなんだからさ。仮に口説かれていたんだとしても、何とも思わないよ」
なにか息を飲むような、声にならないような短い悲鳴が俺の耳に届いた後に。ぽふんっと勢いよく二人が顔から、身体を起こしていた俺の太ももの辺りに埋まるみたいに倒れこんでくる。
「大丈夫!? セイっ、ソウっ」
掛け布団がクッション代わりになってくれたから良かったけど……いきなりどうしたんだろう? 二人とも耳の先まで真っ赤だし……尻尾は、ご機嫌な時みたいに揺れてるけど。
固まっちゃったみたいに、顔を埋めたまま動かない二人の頭を撫でてみる。いつも俺にしてくれているみたいに、髪をすくように優しく。
サラサラとした感触が心地よくて何度も撫でていると、二色の腕が同時に伸びてきた。赤い腕が俺の腰に、青い腕は俺の胸元にするりと回って、飛びつくように抱きついてきた二人を受け止めきれずに、三人一緒にベッドに倒れこむ。
いつの間にか、笑顔になっていた二人から
「俺達も大好きだよ、サトルちゃん」
「大好きだぞ、サトル」
といつもよりとびきり優しく、甘い声で言われたもんだから。身体中の熱が集まったみたいに、顔が熱くなってしまった。
ということは、またいつもの夢かな? いや、でもちょっと違うかも。
今日は、隣に女の人もいるや。二人で覗き込むみたいに、こっちを見てる。この人もぼんやりとしか顔が見えないな……それになんだろう?
二人の周りで色んな人達が嬉しそうに笑ってる。賑やかな、温かい響きをもった言葉が聞こえる。
可愛いね、いい子だね、元気で大きくなってね、大好きだよ。
柔らかい声色で紡がれたそれらが、ふわふわと降ってきて。俺に向けられた言葉じゃないはずなのに、泣きたくなるくらいに嬉しくて、幸せで。
目が覚めたら大好きな二人に会えるのに。このまま覚めちゃうのが勿体ないなって、少しだけそう思ったんだ。
◇
「ごめんね……折角、タツミさんに招待してもらったのに……」
久々に、心地よい目覚めを迎えた俺の目に映ったのは、見慣れた部屋の天井と二人の笑顔で。スッキリとした頭ですぐさま理解した。結局、俺はあのままぐーすか寝続けてしまったんだと。
タツミさんお気に入りの、七色の珊瑚礁があるっていうお庭も見れなかったし。俺と同じ人間のお嫁さん達にも会えなかった。
それどころか、二人の大事な友達の前で寝ちゃうだなんて……もしかしなくても俺、お嫁さん失格じゃない? どうしよう……
「大丈夫だよーアイツ、うっきうきでサトルちゃんの寝顔撮りまくってたしさ!」
「君を起こせなかった俺達も悪いからな……ごめんな」
いつでも遊びにおいでって言ってたからさ、また三人で行こうよ! と元気な高めの声が、俺を励ますように背中を撫でて。最近ちゃんと眠れていなかっただろう? 起こしてしまうのが忍びなくてな……と穏やかな低めの声が、申し訳なさそうに俺の頭を撫でる。
やっぱり二人には敵わないな……俺としては隠していたつもりだったのに、すっかりお見通しだったみたいだ。あの不思議な夢のせいで、あまり眠れた感じがしなくてちょっと疲れちゃってたのが。
……あれ? でも、おかしいな。さっきも同じような夢を見た気がするのに、なんでいつもみたいな胸がズンと重たくなる感じも。お腹の中を、ぐちゃぐちゃにかき回されたみたいな気持ち悪い感覚も、ないんだろう?
「良かった! 今日は調子、良さそうだね。なにかいい夢でも見たの?」
「寝ている間も、にこにこしていたからな……とても可愛いらしかったぞ」
ふにゃりと目尻を下げた二人から左右の頬に朝の挨拶をしてもらい、俺も返す。
二人が嬉しそうだと俺まで嬉しくなっちゃって。だから、ついちゃんと考えないで、頭の中に残っていた言葉をそのまま口にしてしまったんだ。
「うーん、あんまり覚えてはいないんだけど……大好きだよ、って色んな人から言われたような……」
「「……大好きだよ? 色んな人から?」」
頭の上で綺麗に重なった二人の言葉に慌てて顔を上げると、切れ長の四つの瞳が大きく見開かれていて。
壁際からきゅう……きゅう……と蜥蜴達のか細い悲鳴が聞こえるほど、部屋の空気がほのぼのとした温かいものから、肌がピリピリするような重苦しいものへと変わってしまっていた。
「あの……セイ? ソウ?」
「やはり、早急に手を打つ必要がありそうだな……」
「サトルちゃんのお休みの時間を邪魔していただけじゃなくて、今度は俺達の目を盗んで口説こうだなんて……いい度胸だよね、ホント」
眉間に深いシワを刻んだセイが、太い指を顎に当ててギリリと鋭く尖った歯を食いしばり。鋭い目をしたソウが唇をわなわな震わせながら、握りこぶしを反対の手で包みこんでポキポキと鳴らしている。
二人とも完全に怒ってる……うっすらとしか覚えていない夢の話で。
「えっと……夢の中のことだしさ。それに俺、口説かれてなんて……」
「口説かれてるよ!」
「口説かれてるぞ!」
再び綺麗に揃った二人の声に言葉を遮られ、目を三角にした二人から感じる圧に、思わず身体が縮こまりそうになる。
「でも、二人が言ってくれる時みたいに、ドキドキして心臓が壊れちゃうような感じはしなかったし……胸の奥から、きゅんっていう音も聞こえなかったし……」
二人から大好きだよって言われた時はいつも身体のどこかが熱くなったり、むずむずしちゃうのに。そんな感じは全然しなかったもんな……胸がぽかぽかはしたけどさ。
「そもそも俺が大好きなのは、セイとソウだけなんだからさ。仮に口説かれていたんだとしても、何とも思わないよ」
なにか息を飲むような、声にならないような短い悲鳴が俺の耳に届いた後に。ぽふんっと勢いよく二人が顔から、身体を起こしていた俺の太ももの辺りに埋まるみたいに倒れこんでくる。
「大丈夫!? セイっ、ソウっ」
掛け布団がクッション代わりになってくれたから良かったけど……いきなりどうしたんだろう? 二人とも耳の先まで真っ赤だし……尻尾は、ご機嫌な時みたいに揺れてるけど。
固まっちゃったみたいに、顔を埋めたまま動かない二人の頭を撫でてみる。いつも俺にしてくれているみたいに、髪をすくように優しく。
サラサラとした感触が心地よくて何度も撫でていると、二色の腕が同時に伸びてきた。赤い腕が俺の腰に、青い腕は俺の胸元にするりと回って、飛びつくように抱きついてきた二人を受け止めきれずに、三人一緒にベッドに倒れこむ。
いつの間にか、笑顔になっていた二人から
「俺達も大好きだよ、サトルちゃん」
「大好きだぞ、サトル」
といつもよりとびきり優しく、甘い声で言われたもんだから。身体中の熱が集まったみたいに、顔が熱くなってしまった。
28
お気に入りに追加
267
あなたにおすすめの小説
【奨励賞】恋愛感情抹消魔法で元夫への恋を消去する
SKYTRICK
BL
☆11/28完結しました。
☆第11回BL小説大賞奨励賞受賞しました。ありがとうございます!
冷酷大元帥×元娼夫の忘れられた夫
——「また俺を好きになるって言ったのに、嘘つき」
元娼夫で現魔術師であるエディことサラは五年ぶりに祖国・ファルンに帰国した。しかし暫しの帰郷を味わう間も無く、直後、ファルン王国軍の大元帥であるロイ・オークランスの使者が元帥命令を掲げてサラの元へやってくる。
ロイ・オークランスの名を知らぬ者は世界でもそうそういない。魔族の血を引くロイは人間から畏怖を大いに集めながらも、大将として国防戦争に打ち勝ち、たった二十九歳で大元帥として全軍のトップに立っている。
その元帥命令の内容というのは、五年前に最愛の妻を亡くしたロイを、魔族への本能的な恐怖を感じないサラが慰めろというものだった。
ロイは妻であるリネ・オークランスを亡くし、悲しみに苛まれている。あまりの辛さで『奥様』に関する記憶すら忘却してしまったらしい。半ば強引にロイの元へ連れていかれるサラは、彼に己を『サラ』と名乗る。だが、
——「失せろ。お前のような娼夫など必要としていない」
噂通り冷酷なロイの口からは罵詈雑言が放たれた。ロイは穢らわしい娼夫を睨みつけ去ってしまう。使者らは最愛の妻を亡くしたロイを憐れむばかりで、まるでサラの様子を気にしていない。
誰も、サラこそが五年前に亡くなった『奥様』であり、最愛のその人であるとは気付いていないようだった。
しかし、最大の問題は元夫に存在を忘れられていることではない。
サラが未だにロイを愛しているという事実だ。
仕方なく、『恋愛感情抹消魔法』を己にかけることにするサラだが——……
☆描写はありませんが、受けがモブに抱かれている示唆はあります(男娼なので)
☆お読みくださりありがとうございます。良ければ感想などいただけるとパワーになります!

出戻り勇者は自重しない ~異世界に行ったら帰って来てからが本番だよね~
TB
ファンタジー
中2の夏休み、異世界召喚に巻き込まれた俺は14年の歳月を費やして魔王を倒した。討伐報酬で元の世界に戻った俺は、異世界召喚をされた瞬間に戻れた。28歳の意識と異世界能力で、失われた青春を取り戻すぜ!
東京五輪応援します!
色々な国やスポーツ、競技会など登場しますが、どんなに似てる感じがしても、あくまでも架空の設定でご都合主義の塊です!だってファンタジーですから!!
うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました
akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」
帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。
謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。
しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。
勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!?
転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。
※9月16日
タイトル変更致しました。
前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。
仲間を強くして無双していく話です。
『小説家になろう』様でも公開しています。
虐げられている魔術師少年、悪魔召喚に成功したところ国家転覆にも成功する
あかのゆりこ
BL
主人公のグレン・クランストンは天才魔術師だ。ある日、失われた魔術の復活に成功し、悪魔を召喚する。その悪魔は愛と性の悪魔「ドーヴィ」と名乗り、グレンに契約の代償としてまさかの「口づけ」を提示してきた。
領民を守るため、王家に囚われた姉を救うため、グレンは致し方なく自分の唇(もちろん未使用)を差し出すことになる。
***
王家に虐げられて不遇な立場のトラウマ持ち不幸属性主人公がスパダリ系悪魔に溺愛されて幸せになるコメディの皮を被ったそこそこシリアスなお話です。
・ハピエン
・CP左右固定(リバありません)
・三角関係及び当て馬キャラなし(相手違いありません)
です。
べろちゅーすらないキスだけの健全ピュアピュアなお付き合いをお楽しみください。
***
2024.10.18 第二章開幕にあたり、第一章の2話~3話の間に加筆を行いました。小数点付きの話が追加分ですが、別に読まなくても問題はありません。

マリオネットが、糸を断つ時。
せんぷう
BL
異世界に転生したが、かなり不遇な第二の人生待ったなし。
オレの前世は地球は日本国、先進国の裕福な場所に産まれたおかげで何不自由なく育った。確かその終わりは何かの事故だった気がするが、よく覚えていない。若くして死んだはずが……気付けばそこはビックリ、異世界だった。
第二生は前世とは正反対。魔法というとんでもない歴史によって構築され、貧富の差がアホみたいに激しい世界。オレを産んだせいで母は体調を崩して亡くなったらしくその後は孤児院にいたが、あまりに酷い暮らしに嫌気がさして逃亡。スラムで前世では絶対やらなかったような悪さもしながら、なんとか生きていた。
そんな暮らしの終わりは、とある富裕層らしき連中の騒ぎに関わってしまったこと。不敬罪でとっ捕まらないために背を向けて逃げ出したオレに、彼はこう叫んだ。
『待て、そこの下民っ!! そうだ、そこの少し小綺麗な黒い容姿の、お前だお前!』
金髪縦ロールにド派手な紫色の服。装飾品をジャラジャラと身に付け、靴なんて全然汚れてないし擦り減ってもいない。まさにお貴族様……そう、貴族やら王族がこの世界にも存在した。
『貴様のような虫ケラ、本来なら僕に背を向けるなどと斬首ものだ。しかし、僕は寛大だ!!
許す。喜べ、貴様を今日から王族である僕の傍に置いてやろう!』
そいつはバカだった。しかし、なんと王族でもあった。
王族という権力を振り翳し、盾にするヤバい奴。嫌味ったらしい口調に人をすぐにバカにする。気に入らない奴は全員斬首。
『ぼ、僕に向かってなんたる失礼な態度っ……!! 今すぐ首をっ』
『殿下ったら大変です、向こうで殿下のお好きな竜種が飛んでいた気がします。すぐに外に出て見に行きませんとー』
『なにっ!? 本当か、タタラ! こうしては居られぬ、すぐに連れて行け!』
しかし、オレは彼に拾われた。
どんなに嫌な奴でも、どんなに周りに嫌われていっても、彼はどうしようもない恩人だった。だからせめて多少の恩を返してから逃げ出そうと思っていたのに、事態はどんどん最悪な展開を迎えて行く。
気に入らなければ即断罪。意中の騎士に全く好かれずよく暴走するバカ王子。果ては王都にまで及ぶ危険。命の危機など日常的に!
しかし、一緒にいればいるほど惹かれてしまう気持ちは……ただの忠誠心なのか?
スラム出身、第十一王子の守護魔導師。
これは運命によってもたらされた出会い。唯一の魔法を駆使しながら、タタラは今日も今日とてワガママ王子の手綱を引きながら平凡な生活に焦がれている。
※BL作品
恋愛要素は前半皆無。戦闘描写等多数。健全すぎる、健全すぎて怪しいけどこれはBLです。
.

魔法学園の悪役令息ー替え玉を務めさせていただきます
オカメ颯記
BL
田舎の王国出身のランドルフ・コンラートは、小さいころに自分を養子に出した実家に呼び戻される。行方不明になった兄弟の身代わりとなって、魔道学園に通ってほしいというのだ。
魔法なんて全く使えない抗議したものの、丸め込まれたランドルフはデリン大公家の公子ローレンスとして学園に復学することになる。無口でおとなしいという触れ込みの兄弟は、学園では悪役令息としてわがままにふるまっていた。顔も名前も知らない知人たちに囲まれて、因縁をつけられたり、王族を殴り倒したり。同室の相棒には偽物であることをすぐに看破されてしまうし、どうやって学園生活をおくればいいのか。混乱の中で、何の情報もないまま、王子たちの勢力争いに巻き込まれていく。

僕の王子様
くるむ
BL
鹿倉歩(かぐらあゆむ)は、クリスマスイブに出合った礼人のことが忘れられずに彼と同じ高校を受けることを決意。
無事に受かり礼人と同じ高校に通うことが出来たのだが、校内での礼人の人気があまりにもすさまじいことを知り、自分から近づけずにいた。
そんな中、やたらイケメンばかりがそろっている『読書同好会』の存在を知り、そこに礼人が在籍していることを聞きつけて……。
見た目が派手で性格も明るく、反面人の心の機微にも敏感で一目置かれる存在でもあるくせに、実は騒がれることが嫌いで他人が傍にいるだけで眠ることも出来ない神経質な礼人と、大人しくて素直なワンコのお話。
元々は、神経質なイケメンがただ一人のワンコに甘える話が書きたくて考えたお話です。
※『近くにいるのに君が遠い』のスピンオフになっています。未読の方は読んでいただけたらより礼人のことが分かるかと思います。

あと一度だけでもいいから君に会いたい
藤雪たすく
BL
異世界に転生し、冒険者ギルドの雑用係として働き始めてかれこれ10年ほど経つけれど……この世界のご飯は素材を生かしすぎている。
いまだ食事に馴染めず米が恋しすぎてしまった為、とある冒険者さんの事が気になって仕方がなくなってしまった。
もう一度あの人に会いたい。あと一度でもあの人と会いたい。
※他サイト投稿済み作品を改題、修正したものになります
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる