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初めてのお出掛け、2人の友達。おしまい
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大通りをそれて、細く暗い道を進んでいく。
しばらくすると煉瓦の壁に、数種類の色の硝子を貼り合わせたような窓のついた家が目に入った。
この家だけ他と雰囲気が違うな。目立っているというか、浮いているというか。
どうやら、ここが目的地…二人のお友達?のお店だったみたいだ。木製の扉を青い手が開く。
来客を知らせているのかな。鈴のような金属を打ち付ける音が、明るい響きで俺達を出迎えたんだ。
部屋の中は、色んな形や色をした物であふれている。ぶつけずに歩くのが難しいくらい、棚やテーブルの上にぎっちり並んでいたんだ。
何だかとっても素敵だ。見たこともない、使い方が分からないものばかりだけど、皆生き生きと輝いているように見えたから。
「…おう、遅かったじゃねぇか。何処で道草食ってやがったんだ?」
地を這うような低い声のする方へ、部屋の奥へと、自然と目が向いていた。
ぼんやりとした明かりが照らす中、背中から二本の腕が生えた四本腕の大柄な男が、鋭い目で俺達を睨み付けている。
鴉みたいに真っ黒な髪に緑色の瞳。左右で髪の長さが異なっていて、右は短く左は肩につくほど長く綺麗に編まれている。
精悍な顔立ちは見る影もなく、不機嫌そうにくしゃりと歪んでいた。
「すまない、その…」
「ちょっとーサトルちゃんが怯えちゃうでしょ!俺達一応客なんだよ?営業スマイルの一つくらいしたらどうなのさ!」
謝罪の言葉を遮って、ソウが効果音がつきそうな勢いで男に向かって指を指す。
つり上がった眉がピクリと震えて、への字に曲がっていた口が大きく開いた。
「時間を守れない奴等にやる笑顔はねぇ!」
「そんなんだから閑古鳥が鳴くんだよ、折角物がいいのに」
「どれもこの世に一つとない名品なのにな」
「うるせぇ!ありがとな!」
怒った顔はそのままに、男が二人に向かって感謝の言葉を叫ぶ。
やっぱり仲良しなんじゃないの?
三人のテンポのいい掛け合いに、肩の力が一気に抜けてしまう。
分厚い胸板に寄りかかっていると、男の蛇のような瞳がギョロリと俺を捉えた。
「そいつが人の子か?御大層に加護までつけやがって…逆に目立っちまうんじゃねぇのか!?」
「そんなに心配しなくても大丈夫だぞ」
「俺達が守ってるんだよ?そんな簡単に手は出せないよ。それより、ほら可愛いでしょー俺達のお嫁さん!」
苛立つようにカウンターから身を乗り出す男を、穏やかな声でセイが宥める。
得意気に笑ったソウが彼に近寄って、見せびらかすみたいに俺を抱えたまま腕を伸ばした。
あー…今の心配してくれてたのか、怒鳴られたんじゃなくて。
見た目は少し怖そうだなって思っちゃったけど、実はスゴくいい人なんじゃ…
つい、まじまじと眺めてしまっていると、三角になった目がじとりと俺をねめつけてくる。
褐色の節くれだった指がぬうっと迫ってきて、俺の頬を恐る恐るつついてきた。
指先が優しく押し当てられてはびくりと震えて離れいき、再びゆっくりと近づいてくる。
「素晴らしい触り心地だろう!これからもっと良くなるぞ!スキンケアをしているからな」
「もっちもちでしょ?つい、ふにふにしたくなっちゃうよね、分かるよ」
自慢気に声を大にするセイと、何度も頷くソウに顔が熱くなってしまう。
男の両手が慎重に俺の頬を包み込んで、背中から生えた二本の手が伸びてきて、俺の頭を優しく撫でた。
「可愛いなぁ…俺みてぇなおっかねぇのに触られても泣いたりしないし、いい子だなぁ…」
ゆるりと目尻を下げた男が、さっきとは打って変わった柔らかい声で噛み締めるように呟く。やっぱり、この人良い人だ。
四つの手からよしよし、わしゃわしゃ撫で回されるがままになっている俺の頭上で、二人の温かい笑い声が響く。
「ふふ、ねぇジン、抱っこしてみる?」
高めの明るい声からの提案に、ジンと呼ばれた男の身体がビクリと跳ねた。
顔を上げれば微笑む二人と、前を向けば戸惑うような瞳とかち合う。
「…ジンさん、抱っこして?」
そっと彼に向かって手を伸ばすと、四本の腕が壊れ物でも扱うかのように優しく俺を抱き上げた。
二本の太い腕の中に収まっている俺を、残りの手が頬や頭をゆるゆる撫で回す。
「サトルは優しい子だなぁ…セイとソウはいい奴等だ。きっとお前を幸せにしてくれるだろうよ、俺が保証するぜ」
「うん!俺、二人のお嫁さんになってから毎日嬉しくて、心がふわふわするんだ」
そりゃあ、保証するまでも無かったなぁ…と俺の頬をひと撫でしてから二色の腕の元へと俺を返す。
俺を抱き締める二人の顔が、いつの間にか尖った耳の先まで真っ赤に染まっていた。
カウンターの後ろの大きな棚から黒い丈夫そうな箱を取り出して、俺達の前でその蓋を開く。
中には大きな指輪が二つと、その真ん中に小さな指輪が一つ仲良く並んでいた。
金色をベースに赤い宝玉と白い宝玉が半分ずつ、混ざるように真ん中にあつらえられていて、輪の部分には波のような模様が幾重にも刻まれている。
「嵌めてみてくれ。万が一合わねぇ場合は、直ぐに整えるからな」
青い指が真ん中にある指輪を慎重に摘まんで、赤い手が俺の左手を取る。
二人の手によって俺の薬指に、小さな指輪が収まった。
ピタリと、まるでそこにあるのが当然だというように綺麗に嵌まってキラキラと輝く。
ぶわりと胸の中に何かが込み上げて、じんと目の奥が熱くなって、勝手に涙がこぼれていた。
「似合ってるぞ…」
「綺麗だよ、サトルちゃん…」
二人へ何か応えたいのに、言葉が出てこない。
二人が何度も拭ってくれているのに、全然涙が止まらない。
それでも二人は俺が泣き止むまでずっと、優しく撫で続けてくれたんだ。
大きな指輪を手に取って、差し出された青い指に嵌める。残ったもう一つも慎重に赤い指に嵌めた。
「どうだろうか?」
「えへへー似合ってる?」
「二人とも格好いいよ!」
指輪の輝きに負けないくらい、彼等の顔がぱあっと輝く。
俺達の指に並んだお揃いの指輪に、頬が緩みっぱなしになってしまう。
「良かった、問題無さそうだな。そのままつけていくんだろう?」
ほっとしたように微笑むジンさんが、ケースを風呂敷に包んでからセイへと手渡す。
腹に響くような低い声は相変わらずだけど、何となく柔らかいような優しい響きがするな。
「ありがとう、ジン」
「今度遊びにおいでよ、サトルちゃんも喜ぶからさ」
「…いい、のか?」
おずおずと、期待に満ちた瞳がちらりと俺を見る。
顔を見合わせたセイとソウが、俺の肩を軽く叩いて目配せした。
「ジンが作った折り紙にサトルちゃん、興味津々だったんだよねーだからさ、折り方教えてあげてよ、ね?」
「俺達じゃあ、命を吹き込むほど綺麗には折れないからな。俺からも頼むぞ」
「俺、ジンさんみたいに折れるようになりたいです」
畳み掛けるように二人が手を合わせる。彼等の意図を察した俺もそれに続いた。
「そこまで言われちゃあ、仕方ねぇな…連絡すっからよ、その…またな!」
腕を組んでふいっと顔を背けたものの、残りの二本の腕がぶんぶんと俺達に向かって手を振っている。
扉が閉まる寸前まで、俺達が見えなくなるまでずっと振り続けてくれていた。
「ありがとね、サトルちゃん。アイツ変に頑固なところがあるからさ」
「合わせてくれて助かったぞ」
「ううん、俺も折り紙教えて欲しかったのは本当だからさ」
ソウの腕に抱えられて、セイと並んで歩く。
ふと左手を見ると、提灯の灯りに照らされて指輪が淡く輝いた。
「ジンが来たらさ、お祝いしようよ!」
「いいな!美味しいものを沢山用意しないと、サトルは何が食べたい?」
「お肉と果物と、野菜も美味しいし…でも魚も食べたいし…」
「全部作っちゃおう!」
「全部作るか!」
同時に響いた弾んだ声に、俺の胸いっぱいにふわふわしたものが広がっていく。
腕をめいいっぱい伸ばして二人に向かって抱きつくと、優しく抱き締め返してくれた。
しばらくすると煉瓦の壁に、数種類の色の硝子を貼り合わせたような窓のついた家が目に入った。
この家だけ他と雰囲気が違うな。目立っているというか、浮いているというか。
どうやら、ここが目的地…二人のお友達?のお店だったみたいだ。木製の扉を青い手が開く。
来客を知らせているのかな。鈴のような金属を打ち付ける音が、明るい響きで俺達を出迎えたんだ。
部屋の中は、色んな形や色をした物であふれている。ぶつけずに歩くのが難しいくらい、棚やテーブルの上にぎっちり並んでいたんだ。
何だかとっても素敵だ。見たこともない、使い方が分からないものばかりだけど、皆生き生きと輝いているように見えたから。
「…おう、遅かったじゃねぇか。何処で道草食ってやがったんだ?」
地を這うような低い声のする方へ、部屋の奥へと、自然と目が向いていた。
ぼんやりとした明かりが照らす中、背中から二本の腕が生えた四本腕の大柄な男が、鋭い目で俺達を睨み付けている。
鴉みたいに真っ黒な髪に緑色の瞳。左右で髪の長さが異なっていて、右は短く左は肩につくほど長く綺麗に編まれている。
精悍な顔立ちは見る影もなく、不機嫌そうにくしゃりと歪んでいた。
「すまない、その…」
「ちょっとーサトルちゃんが怯えちゃうでしょ!俺達一応客なんだよ?営業スマイルの一つくらいしたらどうなのさ!」
謝罪の言葉を遮って、ソウが効果音がつきそうな勢いで男に向かって指を指す。
つり上がった眉がピクリと震えて、への字に曲がっていた口が大きく開いた。
「時間を守れない奴等にやる笑顔はねぇ!」
「そんなんだから閑古鳥が鳴くんだよ、折角物がいいのに」
「どれもこの世に一つとない名品なのにな」
「うるせぇ!ありがとな!」
怒った顔はそのままに、男が二人に向かって感謝の言葉を叫ぶ。
やっぱり仲良しなんじゃないの?
三人のテンポのいい掛け合いに、肩の力が一気に抜けてしまう。
分厚い胸板に寄りかかっていると、男の蛇のような瞳がギョロリと俺を捉えた。
「そいつが人の子か?御大層に加護までつけやがって…逆に目立っちまうんじゃねぇのか!?」
「そんなに心配しなくても大丈夫だぞ」
「俺達が守ってるんだよ?そんな簡単に手は出せないよ。それより、ほら可愛いでしょー俺達のお嫁さん!」
苛立つようにカウンターから身を乗り出す男を、穏やかな声でセイが宥める。
得意気に笑ったソウが彼に近寄って、見せびらかすみたいに俺を抱えたまま腕を伸ばした。
あー…今の心配してくれてたのか、怒鳴られたんじゃなくて。
見た目は少し怖そうだなって思っちゃったけど、実はスゴくいい人なんじゃ…
つい、まじまじと眺めてしまっていると、三角になった目がじとりと俺をねめつけてくる。
褐色の節くれだった指がぬうっと迫ってきて、俺の頬を恐る恐るつついてきた。
指先が優しく押し当てられてはびくりと震えて離れいき、再びゆっくりと近づいてくる。
「素晴らしい触り心地だろう!これからもっと良くなるぞ!スキンケアをしているからな」
「もっちもちでしょ?つい、ふにふにしたくなっちゃうよね、分かるよ」
自慢気に声を大にするセイと、何度も頷くソウに顔が熱くなってしまう。
男の両手が慎重に俺の頬を包み込んで、背中から生えた二本の手が伸びてきて、俺の頭を優しく撫でた。
「可愛いなぁ…俺みてぇなおっかねぇのに触られても泣いたりしないし、いい子だなぁ…」
ゆるりと目尻を下げた男が、さっきとは打って変わった柔らかい声で噛み締めるように呟く。やっぱり、この人良い人だ。
四つの手からよしよし、わしゃわしゃ撫で回されるがままになっている俺の頭上で、二人の温かい笑い声が響く。
「ふふ、ねぇジン、抱っこしてみる?」
高めの明るい声からの提案に、ジンと呼ばれた男の身体がビクリと跳ねた。
顔を上げれば微笑む二人と、前を向けば戸惑うような瞳とかち合う。
「…ジンさん、抱っこして?」
そっと彼に向かって手を伸ばすと、四本の腕が壊れ物でも扱うかのように優しく俺を抱き上げた。
二本の太い腕の中に収まっている俺を、残りの手が頬や頭をゆるゆる撫で回す。
「サトルは優しい子だなぁ…セイとソウはいい奴等だ。きっとお前を幸せにしてくれるだろうよ、俺が保証するぜ」
「うん!俺、二人のお嫁さんになってから毎日嬉しくて、心がふわふわするんだ」
そりゃあ、保証するまでも無かったなぁ…と俺の頬をひと撫でしてから二色の腕の元へと俺を返す。
俺を抱き締める二人の顔が、いつの間にか尖った耳の先まで真っ赤に染まっていた。
カウンターの後ろの大きな棚から黒い丈夫そうな箱を取り出して、俺達の前でその蓋を開く。
中には大きな指輪が二つと、その真ん中に小さな指輪が一つ仲良く並んでいた。
金色をベースに赤い宝玉と白い宝玉が半分ずつ、混ざるように真ん中にあつらえられていて、輪の部分には波のような模様が幾重にも刻まれている。
「嵌めてみてくれ。万が一合わねぇ場合は、直ぐに整えるからな」
青い指が真ん中にある指輪を慎重に摘まんで、赤い手が俺の左手を取る。
二人の手によって俺の薬指に、小さな指輪が収まった。
ピタリと、まるでそこにあるのが当然だというように綺麗に嵌まってキラキラと輝く。
ぶわりと胸の中に何かが込み上げて、じんと目の奥が熱くなって、勝手に涙がこぼれていた。
「似合ってるぞ…」
「綺麗だよ、サトルちゃん…」
二人へ何か応えたいのに、言葉が出てこない。
二人が何度も拭ってくれているのに、全然涙が止まらない。
それでも二人は俺が泣き止むまでずっと、優しく撫で続けてくれたんだ。
大きな指輪を手に取って、差し出された青い指に嵌める。残ったもう一つも慎重に赤い指に嵌めた。
「どうだろうか?」
「えへへー似合ってる?」
「二人とも格好いいよ!」
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俺達の指に並んだお揃いの指輪に、頬が緩みっぱなしになってしまう。
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ほっとしたように微笑むジンさんが、ケースを風呂敷に包んでからセイへと手渡す。
腹に響くような低い声は相変わらずだけど、何となく柔らかいような優しい響きがするな。
「ありがとう、ジン」
「今度遊びにおいでよ、サトルちゃんも喜ぶからさ」
「…いい、のか?」
おずおずと、期待に満ちた瞳がちらりと俺を見る。
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「ジンが作った折り紙にサトルちゃん、興味津々だったんだよねーだからさ、折り方教えてあげてよ、ね?」
「俺達じゃあ、命を吹き込むほど綺麗には折れないからな。俺からも頼むぞ」
「俺、ジンさんみたいに折れるようになりたいです」
畳み掛けるように二人が手を合わせる。彼等の意図を察した俺もそれに続いた。
「そこまで言われちゃあ、仕方ねぇな…連絡すっからよ、その…またな!」
腕を組んでふいっと顔を背けたものの、残りの二本の腕がぶんぶんと俺達に向かって手を振っている。
扉が閉まる寸前まで、俺達が見えなくなるまでずっと振り続けてくれていた。
「ありがとね、サトルちゃん。アイツ変に頑固なところがあるからさ」
「合わせてくれて助かったぞ」
「ううん、俺も折り紙教えて欲しかったのは本当だからさ」
ソウの腕に抱えられて、セイと並んで歩く。
ふと左手を見ると、提灯の灯りに照らされて指輪が淡く輝いた。
「ジンが来たらさ、お祝いしようよ!」
「いいな!美味しいものを沢山用意しないと、サトルは何が食べたい?」
「お肉と果物と、野菜も美味しいし…でも魚も食べたいし…」
「全部作っちゃおう!」
「全部作るか!」
同時に響いた弾んだ声に、俺の胸いっぱいにふわふわしたものが広がっていく。
腕をめいいっぱい伸ばして二人に向かって抱きつくと、優しく抱き締め返してくれた。
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