婚約破棄をされた悪役令嬢は、すべてを見捨てることにした

アルト

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1巻

1-1

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 1


 夢を、見ていた。
 一人の女性は、夢を見ていた。


       *****


 ────その日は、白銀色しろがねいろに染まる雪の日だった。しかしその日、私の心に刻み込まれたのは、決して、詩人が言葉を尽くして賛美したであろう風景ではない。
 目に映る光景は、腐敗した貴族道化の笑顔。偽善者の笑い声。さげすむ、視線。そんな、酷いものばかりであった。

「──はっ、はっ……、はっ……」

 走って、走って、走って。
 日が暮れても、夜がけても、朝を迎えても私は走り続けていた。
 思い返すたびに私の脳内で何度となく木霊こだまする忌々いまいましい笑い声。
 たった一つ。
 ある貴族の殺人に関与したという偽りの事実一つで、私の人生は百八十度変わった。家からは追い出され、人里に向かえば罵倒ばとうが飛んでくる。
 私は必死に弁明した。それは嘘であると。決して私はそんな事はしていないと。なのに誰も信じてくれない。
 家族ですら、一人も信じてくれなかった。
 それどころか、一族の恥さらしなどと怒声どせいを浴びせられ、思い切り殴られた。
 そしてれた私の顔を見た連中から、笑い声が上がった。その記憶だけは忘れたくても忘れられない。

「も、う、誰の顔も見たくない……ッ」

 みんな敵だ。
 誰も彼も、例外なく人間は私の敵だ。
 何処どこにもどころなどない。こんな生から逃げてしまいたい。そう思ったけれど、私が死んだところで世界は何も変わらない。
 何処かで笑い声が一つ増えるだけだ。
 だから私は、どんなにみにくくても無様でもいいから生き延びてみせようと思い直した。それだけが、今の私にとっての生きる理由だった。

「だ、から──っ!」

 こんな私は人里には住めない。
 ならばおのずと私が向かえる場所は限られてくる。
 例えば、魔物が数多く棲みついた魔窟まくつ──『魔の森』など。そんな誰も向かおうとはしない場所。だから私はそこへ向かう事にした。
 幸い私は、貴族令嬢として高名な魔法師より教えを受けた身。多少の魔物なら対処が出来る。
 そう思い、私──ツェレア・ベイセストが『魔の森』へ向かったのが、丁度今から七年前の話であった。


 2


 コンコンとノックの音が鳴る。
 ドア越しに、音が響いていた。

「…………」

 部屋に木霊こだまする音を無視しつつ、夢から覚めた私は無言で上体を起こし、己の右腕がある筈であった場所に目を向ける。今は空虚くうきょそでが垂れ下がるだけの場所へ。
 おもむろに視線を向けた理由は、うずくからだった。
 既に失ったはずの右腕がいやに疼く。
 ずきん、ずきんと、一定間隔で脳に痛みを伝えてくる。忘れるな。決して忘れるな。と私に言い聞かせるように──。

「……忘れないよ。忘れる筈が、ないでしょ」

 ギシギシと音が鳴る。
 全身の筋肉が、密集する刃のようにギシギシときしむ。緊張でもしてしまっているのか、私の身体はりきんでいた。
 ドアをノックするだなんて慣習は『人間』特有のものだ。
 私──ツェレア・ベイセストにとって『人間』とは敵。私を見捨てた奴らだ。嘲笑あざわらった奴らだ。おとしめた奴らだ。
 心の中でうごめくその想いだけで私は生きていた。
 その憎悪ぞうおだけが私を突き動かし続けた。腕を失おうとも、居場所を追われようとも、生き続けてきた理由。だから、私は敵視する。
 何が起ころうとすぐさま対応出来るように、臨戦態勢を整えた。

「大丈夫……大丈夫だから」

 己に言い聞かせるように呟く。
 もし扉の向こうの存在が真に人間であるならば、私は約七年ぶりに人間と出会う事となる。
 どんな用件なのか、見当はついている。
 追われ、しいたげられ、嘲笑われ──。
 そんな負の記憶が去来きょらいし、口の端がぐにゃりとゆがむ。そして、

「うん。何も問題ない」

 私は顔から感情を、まるで能面に近づけるかのように消し去った。
 たとえ追手が来たのだとしても、私はこの七年間、遊んでいたわけではない。
 初めこそ、慢心はあった。けれど、その慢心のせいで右腕を失い、それからというもの、日々を生き延びる事にのみ力を注ぎ延命を続けた。
 その事実こそが私の唯一の拠り所。
 そんな事を考えていると、ずっと鳴り響いていたノックの音がピタリと止まる。
 今は無人であると判断して帰るのかと思いきや、ギィッと音を立ててドアノブがひねられていく。
 ──随分と行儀ぎょうぎの悪いやからだ。
 無人であるからとドアを押し開けようとするなど、マナーの欠片かけらもない。ドアの向こうの存在に対して侮蔑ぶべつの感情を向けると同時、「おい、開いてるぞ」だなんて驚いた声が上がった。
 そして、数秒を経て訪問者の姿があらわになる。

「……つか、こんな森の奥に一軒家いっけんやとは……随分と変わった人もいるんだな」
「本当にね。というか、神託しんたくとはいえ何で私達がこんな場所まで迎えに来なきゃいけないのよ……しんど」
「…………」

 相貌そうぼうに幼さを残した少年が一人。
 何処か気怠けだるげな印象を受ける少女が一人。
 黙り込んだまま気まずそうに目を伏せる、彼らの使用人らしき人物が一人。その後ろに、ずらりと二十人ほどの騎士が控えていた。
 その現実を目にした私は、側に置いてあった無骨ぶこつな剣を無造作に掴み取る。

「わっ、待って待って! 俺達はあんたの敵じゃないんだよ‼ 神託を受けてあんたを訪ねただけなんだ‼」

 このかろうじて一軒家と呼べる拠点を捨ててしまうか、それとも守り抜くか。
 そんな取捨選択を始めていた私に向けて、少年は慌てた様子でそう言った。

「……神託ねえ」

 ここで初めて私は口を開いた。
 どうして居留守を使ったんだとか、彼らには言いたい事がいっぱいあっただろう。
 しかし、姿を見せるやいなや敵意をしにした私に向かって、それを指摘するほど肝っ玉は太くなかったのか、私が興味を見せた「神託」について説明を始める。

「そ、そう! 神託! あんたも知ってるだろ? 魔王の悪逆非道あくぎゃくひどうさは。その魔王を討伐とうばつする為に神託が降りたんだよ。そしてその討伐パーティにあんたが選ばれた。だから俺達と共に──」

 成る程。俺達と共に、という事は、この少年もその神託とやらで選ばれた人間なのだろう。女神から選ばれた人間。さしずめ勇者とでも言ったところか。

「それは私の知った事じゃない」

 私はばっさりと切り捨てる。

「神託とか、魔王とか。私はどうでもいい。そもそも私は人間が大嫌いだしね。私としては滅べばいいと思ってるくらいだし」
「……何言ってるの貴女あなた?」

 気怠げにしていた少女が話に割り込んでくる。この子も勇者だろうか。
 頭がおかしいんじゃないのと言わんばかりに、彼女は視線に侮蔑を込めていた。
 嗚呼ああ、その視線だよ。
 その視線が、たまらないくらいに腹が立つ。心の奥底でふたをしていた筈の黒い感情が湧き上がってくる。剣を握る手に、自然と力がこもる。

「……今日は何もなかった。そういう事にしてあげるから、早く私の前から消えて貰えないかな。そろそろ抑えが利かなくなるんだけど」

 人間とは、私にとっての敵。
 害悪であり、害意を向けるべき対象。
 己の中に刻まれたその感情だけはくつがえしようがなかった。だから、そう忠告したのに、

「……ツェレア・ベイセスト殿」

 黙り込んでいた使用人らしき男が、一枚の書状をふところから取り出しながら私の名を呼ぶ。
 しかも、七年前に追い出された筈の生家の家名付きで。

「召集命令がかかっております。ご同行頂けますでしょうか」
「ふ、ふふっ、ふふふふはっ」

 その言葉を耳にした時、私の中の何かが弾けた。

「私、勘当かんどうされてると思うんだけど?」

 可笑おかしくて仕方がないとばかりに笑い、私は言う。

「……ベイセストきょうは貴女を勘当した覚えはないと言っておられました」
「ふぅん、だから貴族として国からの召集命令に従えと? こばめば後ろで控える騎士達で取り押さえる。そんなところ? ふ、ふふっ、ふふふふふっ」

 身体を震わせながら私は笑い続ける。
 貴族としての地位を追われ、笑い者にされ、相手の都合だけで虐げられた挙句、爪弾きにされた私が、どうして神託などという人間の都合に従うと思うのだろうか。
 ……いや、思わないからこその後ろの騎士達、か。

「ふざけるなよお前ら」

 とつとして、私は腹の底から冷えた声を上げた。

「……何が、でしょうか」

 冷たい視線を向け続ける私に対し、印が押された召集令状とやらをこれ見よがしに掲げる男は、眉をひそめて疑問符を浮かべる。
 私が従わない事が、そんなに不思議なのだろうか。それとも目の前の男は、私が受けた仕打ちの事を知らないのだろうか。

「何がじゃない。貴方の発言全てがふざけてるって言ってんの。召集命令? 貴族? 神託? そんなものごときで、なんで私が協力しなきゃいけないの?」
「……陛下の命にそむくと言うならば、此方こちらも相応の対応をしなければなりません」

 そう言って男は、隣にいる少年少女と、背後で控えている騎士達に視線をやる。腰に下げた剣のつかを少し持ち上げて刃を覗かせたのは、冗談ではないという表明か。
 これは彼なりの脅しなのだろう。
 しかし、しかしだ。

「それ、本気で言ってる?」

 目一杯の嘲笑を込めた私の返事に、相手の表情が不快そうに歪むがそんな事は関係ない。

「……此処、『魔の森』じゃ、欲しいものは奪う。それが唯一とも言えるルール」

 人という存在が私以外いないからこそ、本来の自然界のルールがそのまま在り続ける場所。
 それが『魔の森』。
 私自身もえさとして認識された事は数知れず、そのせいで右腕を失っている。そして私も、生き延びる為に何度も殺しをして、今の今まで命を永らえてきた。

「だから、どうしても私を連れて行きたいのなら、手足を斬り落として連れて行けばいい……って本当は言いたいところだけどね。ある条件を呑んでくれるのなら協力してもいいよ」
「条件、ですか」
「そう、条件。別に無理難題を押し付けるわけじゃない」

 どろりと腹の奥で渦巻く感情を引き上げながら、私は酷く歪んだ笑みを浮かべる。

「七年前に私を貶めた、私の血族含む貴族連中約五十名。加えて王族五名。そいつらの右腕を斬り落として私の前に持って来てくれれば、協力しない事もないかな。どう? 簡単でしょ?」
「……っ」

 息を呑む音の重奏。

「そん、な、事ッ、出来る筈が……ッ‼」
「これでも譲歩した方なんだけど?」
「貴様、何様のつもりだ……‼」

 化けの皮ががれたのか、男の口調が乱雑なものに変わる。

「私は誠意を見せて欲しいだけだよ。あれだけの事をしておいて協力しろと言うなら、相応の誠意を見せて貰わないと納得出来ない」

 散々な事をしてきたにもかかわらず、召集命令? ふざけるのも大概にしろよと、本音を言えば今すぐにでも殴り込みに向かいたかった。

「神託で私が指名されたんでしょ? たった数十人の右腕で世界が救えちゃうかもしれない。安いと思わない?」
「己の立場をわきまえろッ!!!」
「己の立場、ね。婚約者から裏切られ、家族や他の貴族にも、更には関係のないそこらの住人にまで虐げられた人間。それが私。立場を弁えなきゃいけないのなら……私は恨みを向けるべき人間を殺し回ればいいのかな」

 少しだけ、聞き役に徹していた少年少女が驚いていた。恐らく、私のちについては何も聞かされていなかったのだろう。しかし、私の話し相手の男に驚愕の様子は見受けられない。彼には既知の事実だったと考えるべき。

「……後悔するぞ」

 話し合いによる解決は不可能と悟ったのか。
 殺気のこもった視線が私に向けられる。
 だけど、『魔の森』で過ごす私にとってそんなものは日常茶飯事にちじょうさはんじ暖簾のれん腕押うでおしだ。

「後悔? 私が? ふ、ふふふは、あははははっ」

 喜悦きえつに口角を歪ませる。
 そして、ぴたりと笑い声を止め、

「そんな事はあり得ないから」

 圧を込めてそう言う。

「私を脅すのは自由。話しかけるのも自由。意味をなさない印を見せるのも、偉ぶるのも自由。だけどね」

 私への苛立ちを抑えられなかったのか剣の切っ先をこちらに向ける男に、言い放つ。

「お前ら知らないでしょ。私がどんな思いで生きてきたか。どれだけ人間に恨みを抱いているか」

 当人でないから分からない。
 分かろうともしないし、理解する気もない。
 にもかかわらず、全てを知った気で話を進めていく。嗚呼、嗚呼、腹が立つ。
 ぐちゃぐちゃにして殺してやりたいという衝動が鎌首かまくびをもたげる。

「お前らがここに来た経緯いきさつは、大方分かるよ」

 貴族がどれだけ腐敗した、救いようのない生き物であるかなぞ、私が誰よりも理解している。だから実際に目で見て、耳で聞いていなくても、私は彼らが何を言われて此処へおもむいたのかが分かってしまう。

「どうせお前らは、貴族に戻せば私が言う事を聞くとか言われてきたんじゃないの? それとも、逃げるように生きてきた奴に、逆らう度胸どきょうはないとでも言われた? 騎士を引き連れて威圧しておけば問題ないって? ……ふざけるな」

 響く怒号どごう
 出来る限り己を抑えよう、抑えようと試みていた筈なのに、いざ人間を前にするとそんな自制は利かなかった。
 まるで身体に熱湯でも注がれたかのように、沸き立つ血潮ちしおが私の理性を溶かしていく。

「お前らのせいで私がどれだけ苦しんで、悲しんで生きてきたと思ってんの? それとも、私のそんな感情は瑣末さまつな事だと? ……ああ、そうだった。貴族のお偉方はそんなクソ野郎ばっかりだった。あーあ。私ってば何を期待してたんだろ。人間は全員救いようのない禽獣きんじゅうでしかないのにさ」

 そう言って、私は天井を仰いだ。

「後ろに控えてる騎士も含めて、さっさと帰りなよ。これ以上、私がお前らに話す事なんて何も無い」

 力を込めた事で、左手に握っていた剣の柄が、みしりと悲鳴を上げた。
 斬り殺したい。
 抑え付けていた殺人衝動のたがが外れかかっている事を感じながら、私は目を閉じる。これ以上見つめていると、本当に斬りかかってしまいそうだった。
 人間とは、私を苦しめた連中であり、私の敵。
 斬り殺す? いや、何年も背負ってきた私の苦しみを一瞬で終わらせるなんて耐えられない。
 お前らは精々苦しめばいい。ううん、苦しんでくれないと不公平だ。最後の最後まで苦しんで、己の愚かさを噛み締めながら死んで、ようやく私と対等なんだから。

「……あんた、神託の意味を分かってそんな事言ってるのかよ」

 言葉を荒らげて反論していた男ではなく、静観を決めていた少年が言った。

「知らないけど? というより、知る必要がないと思うけど?」
「なっ……」

 驚いた声が上がるけど、私にとっては至極当たり前の事で、少年の反応こそが驚きであった。どこにそんな驚愕きょうがくする要素があったのか、と尋ねたいくらいだ。

「ほら、さっさと出て行ってよ。目障めざわりなんだよ」

 そう告げてもやはり、小屋の中に入ってきた三人とも動く気配がない。
 ──物分かりの悪い奴ら。
 などと思っていた折、少しだけ意外な言葉が私の鼓膜こまくを揺らした。

「……欲しいものは、奪う。どうしても連れて行きたいなら手足を斬り落としてでも。そう言っていたな?」

 それは、散々みっともなくわめき散らしていた男の声。

「ふ、ふふ、ふふはっ」

 楽しげに私は唇を歪ませる。
 彼の言葉に対しての私の答えは、嘲笑であった。

「そう、だね。うん。そうだよ。『魔の森ここ』では、欲しいものは奪って手に入れる。それがとされる場所」

 私は強者だけが得をするその理不尽なルールを、誰より理解していた。
 故に、そこには一片の容赦ようしゃも入り込まない。

「そういう事なら……じゃあ、そうだね。私は──右腕を貰おうかな」

 とんっ、と私の足下でかろやかな音が鳴る。
 緊迫したこの状況に似つかわしくない音色。しかし、その音色が何よりも残酷な事実を彼らに伝えていた。

「きえ、た……?」

 彼らの視界から、私の姿が一瞬でかき消える。
 そして、

「七年間。こっちは死に物狂いで生きてきたんだ」

 音すらも置き去りにして、私は平坦な声音で言葉を紡ぐ。
 男はこの発言を耳にして漸く背後に回られたのだと知覚し、慌てて向き直ろうとするが、もう遅い。
 私は手にしていた剣を後ろへ投げ捨て、男の後頭部を無手むてになった左手で掴み、そのまま床に思い切り叩きつける。

「趣味程度で剣振ってる奴なんかに負けるわけがないじゃん」

 強引にうつ伏せにされた男は苦悶くもんの声を上げていたが、それに構わず私は自分の右足を彼の右腕の付け根へゆっくりと移動させた。


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