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1214 虚勢ではない確かな自信
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ハビエルの双炎砲が目の前まで迫った時、レイジェスの青魔法使いジーンには、躱すか結界で防ぐか、どちらかの選択があった。
ジーンの目にも分かった。この双炎砲は上級魔法を上回る程の威力があり、これまで様々な黒魔法使いの双炎砲を見て来たが、それらとはまるで質が異なっている。
炎とは気体が燃焼するときに見られるものであり、感覚的なもので言えば熱を持った光のようなものだろう。だがハビエルの双炎砲には質感のようなものが感じられた。
炎がボコボコと弾ける様子は、まるで沸騰しているようだ。こんなものに触れれば、燃えカスさえ残らないだろう。
ハビエルの双炎砲を見てジーンが持ったイメージは、焼けるではなく溶かされる。
かする事さえ許されないと感じたが、ここで引いてはジリジリと追い詰められるだけだとも思った。
そこでジーンが選んだ選択は、かわすでも防ぐでもなく、迫り来るマグマの如き炎に正面から突っ込む事だった。
・・・残り少ない魔力で僕にできる事は、反撃の足掛かりをつくる事だ!
ハビエルの双炎砲の威力を見れば、誰もが慎重になるだろう。しかし消極的な戦い方では、遠からずやられる事は想像に難くない。
攻撃の手を緩めてはいけない。誰か一人でも立ち向かう姿を見せれば、きっと仲間達はそれに続いてくれるはずだ。
だが現実問題として、正面からつっこんで行ったとして、どうやってハビエルの炎を防ぐのか?
残り少ないジーンの魔力では、おそらくこの炎は防ぎ切れない。仮に炎を防ぎ切ったとしても、反撃に転じる事ができなければ何の意味もない。
炎を防ぎつつ反撃に転じる方法、それは・・・・・
「なにっ!?」
ハビエル・フェルトゥザは、驚きを隠しきれず声を上げた。
「結界にはこういう使い方もあるんだッツ!」
青く輝く半透明の結界を蹴って、ジーンは飛び上がった。
円状で40~50センチ程度の結界をいくつも作り出し、段差として前方に設置する。
まるで階段のようなソレを足場にして、ジーンはハビエルに向かいながら双炎砲を躱しきった。
魔法の可能性は無限である。確かに結界は飛ばす事ができるが、まさかこの局面で足場にするとは思いもしなかった。なにより自分の双炎砲を見て、正面から向かって来る度胸は敵ながら感心するしかない。
頭上を取られたハビエルは、上空から迫り来る青い髪の魔法使いに目を向け、称賛の言葉を口にした。
「大したものだ、魔法使いとしては一流と認めよう。だが・・・・・」
レイジェスの青魔法使いが、上空から右腕を振るう。
それが何の動作なのかは分からない。肉眼では捉えられないものなのだろう。
だがハビエル・フェルトゥザはすでに、自分の周囲に風の鎧を作り出していた。
そして敵が振るった何かで風が切られた事を感知すると、右手に作り出した風の刃で、見えないソレを受け止めた。
「な、なんだとッ!?」
驚愕に目を見開く青い髪の魔法使いに、ハビエルは冷たく言い放った。
「戦いの駆け引きは素人もいいところだな」
ハビエルは右手を引き下げると、そのまま右手に集めていた風の魔力を、そのままジーンに叩きつけた!
全身に強烈な風の塊を浴びたジーンはそのまま上空に吹き飛ばされると、数十メートル程先で落下し、受け身すら取る事ができずに地面に体を叩きつけられた。
「思い切りは良い、意外性もあった。だが俺を仕留めるための攻撃を、正面から馬鹿正直に仕掛けるだけでは三流だ。貴様の武器、どうやら不可視に近い程の細い糸のようだが、見えないという事を過信した結果がソレだ」
「ふふふ、いやねハビエル、こんなに離れているのに聞こえるわけないじゃない?」
抑揚の無い声で話すハビエルに、ノエルが口元を抑えて楽しそうに笑う。
ジーンの落下した場所を指さし、あなたが飛ばしたのよ?と言ってその腕に触れる。
「ふふふ・・・さて、他の皆さんはどうするの?力の差は十分に分かったんじゃないかしら?」
チラリと目を向けるノエルに、レイジェスのメンバー達は誰も動く事ができなかった。
・・・・・・・ただ一人を除いて
「・・・私は間違っていたようだ・・・」
赤い髪の女戦士が前に進み出る。他の仲間達は驚きの混じった声で止めようとするが、聞こえていないかのようにスタスタと足を進めると、ハビエルとノエル、二人の敵から十歩分程距離を空けて足を止めた。
「・・・貴様、分かっているのか?無防備に俺の前に立つ、それがどういう事か?」
一度自分の力で圧し潰されておきながら、なぜまた正面に立つのか?ただ潰されるだけだと、それが理解できない愚かな人間には見えない。
赤い髪の女戦士レイチェルの行動が理解できず、ハビエルが怪訝な顔をして見せると、レイチェルは口の端を持ち上げてニッと笑って見せた。
「ああ、よく分かってるよ。お前はどうやら視線だけで人を潰せるらしいな?確かに凄まじい力だった。けどね、私も本気じゃなかったんだよ。この意味が分かるかい?」
更に足を前に進め、ハビエルの目の前に立ったレイチェルは、目線鋭くハビエルをじっと見据える。
その目には虚勢ではない確かな自信があった。とても一度潰された者の目ではない。その自信の裏にあるものはなんなのか?
レイチェルの挑発はハビエルの興味を引いた。
「・・・面白い女だ・・・」
感情の見えない男は、本人に自覚はないが笑っていた。
当然自分が勝つ。一瞬の後にこの女は再び重圧によって地面に圧し潰される。
しかしどんな形であれ、自分に真っ向から挑んでくる相手は、好ましいものだった。
そんな相手はいったいいつ以来だろうか?せめてもの敬意をもって、一思いに楽にしてやろう。
そうしてハビエルの黒い目がギラリと光ったその時・・・・・
「・・・な、に?」
ハビエルは目を見開き言葉を失った。魔法とは違うその力を、ハビエルは知らない。
レイチェルの赤い髪が逆立ち、全身からは光り輝くオーラが発せられる。
それは帝国との戦争、ひいては闇と戦うためにレイチェルが身に着けた新たなる力・・・闘気。
「貴様、それはなん・・・ッ!」
「フッ!」
言い終わらないうちに、レイチェルの右の拳がハビエルの腹にめり込んだ。
「ぐぅッ・・・が、はぁッ!」
体をくの字に折り、腹部を抑えて呻くハビエルを見下ろし、レイチェルは冷ややかに呟いた。
「戦争中だぞ?話し終えるまで敵が待ってくれると思ったのかい?」
ジーンの目にも分かった。この双炎砲は上級魔法を上回る程の威力があり、これまで様々な黒魔法使いの双炎砲を見て来たが、それらとはまるで質が異なっている。
炎とは気体が燃焼するときに見られるものであり、感覚的なもので言えば熱を持った光のようなものだろう。だがハビエルの双炎砲には質感のようなものが感じられた。
炎がボコボコと弾ける様子は、まるで沸騰しているようだ。こんなものに触れれば、燃えカスさえ残らないだろう。
ハビエルの双炎砲を見てジーンが持ったイメージは、焼けるではなく溶かされる。
かする事さえ許されないと感じたが、ここで引いてはジリジリと追い詰められるだけだとも思った。
そこでジーンが選んだ選択は、かわすでも防ぐでもなく、迫り来るマグマの如き炎に正面から突っ込む事だった。
・・・残り少ない魔力で僕にできる事は、反撃の足掛かりをつくる事だ!
ハビエルの双炎砲の威力を見れば、誰もが慎重になるだろう。しかし消極的な戦い方では、遠からずやられる事は想像に難くない。
攻撃の手を緩めてはいけない。誰か一人でも立ち向かう姿を見せれば、きっと仲間達はそれに続いてくれるはずだ。
だが現実問題として、正面からつっこんで行ったとして、どうやってハビエルの炎を防ぐのか?
残り少ないジーンの魔力では、おそらくこの炎は防ぎ切れない。仮に炎を防ぎ切ったとしても、反撃に転じる事ができなければ何の意味もない。
炎を防ぎつつ反撃に転じる方法、それは・・・・・
「なにっ!?」
ハビエル・フェルトゥザは、驚きを隠しきれず声を上げた。
「結界にはこういう使い方もあるんだッツ!」
青く輝く半透明の結界を蹴って、ジーンは飛び上がった。
円状で40~50センチ程度の結界をいくつも作り出し、段差として前方に設置する。
まるで階段のようなソレを足場にして、ジーンはハビエルに向かいながら双炎砲を躱しきった。
魔法の可能性は無限である。確かに結界は飛ばす事ができるが、まさかこの局面で足場にするとは思いもしなかった。なにより自分の双炎砲を見て、正面から向かって来る度胸は敵ながら感心するしかない。
頭上を取られたハビエルは、上空から迫り来る青い髪の魔法使いに目を向け、称賛の言葉を口にした。
「大したものだ、魔法使いとしては一流と認めよう。だが・・・・・」
レイジェスの青魔法使いが、上空から右腕を振るう。
それが何の動作なのかは分からない。肉眼では捉えられないものなのだろう。
だがハビエル・フェルトゥザはすでに、自分の周囲に風の鎧を作り出していた。
そして敵が振るった何かで風が切られた事を感知すると、右手に作り出した風の刃で、見えないソレを受け止めた。
「な、なんだとッ!?」
驚愕に目を見開く青い髪の魔法使いに、ハビエルは冷たく言い放った。
「戦いの駆け引きは素人もいいところだな」
ハビエルは右手を引き下げると、そのまま右手に集めていた風の魔力を、そのままジーンに叩きつけた!
全身に強烈な風の塊を浴びたジーンはそのまま上空に吹き飛ばされると、数十メートル程先で落下し、受け身すら取る事ができずに地面に体を叩きつけられた。
「思い切りは良い、意外性もあった。だが俺を仕留めるための攻撃を、正面から馬鹿正直に仕掛けるだけでは三流だ。貴様の武器、どうやら不可視に近い程の細い糸のようだが、見えないという事を過信した結果がソレだ」
「ふふふ、いやねハビエル、こんなに離れているのに聞こえるわけないじゃない?」
抑揚の無い声で話すハビエルに、ノエルが口元を抑えて楽しそうに笑う。
ジーンの落下した場所を指さし、あなたが飛ばしたのよ?と言ってその腕に触れる。
「ふふふ・・・さて、他の皆さんはどうするの?力の差は十分に分かったんじゃないかしら?」
チラリと目を向けるノエルに、レイジェスのメンバー達は誰も動く事ができなかった。
・・・・・・・ただ一人を除いて
「・・・私は間違っていたようだ・・・」
赤い髪の女戦士が前に進み出る。他の仲間達は驚きの混じった声で止めようとするが、聞こえていないかのようにスタスタと足を進めると、ハビエルとノエル、二人の敵から十歩分程距離を空けて足を止めた。
「・・・貴様、分かっているのか?無防備に俺の前に立つ、それがどういう事か?」
一度自分の力で圧し潰されておきながら、なぜまた正面に立つのか?ただ潰されるだけだと、それが理解できない愚かな人間には見えない。
赤い髪の女戦士レイチェルの行動が理解できず、ハビエルが怪訝な顔をして見せると、レイチェルは口の端を持ち上げてニッと笑って見せた。
「ああ、よく分かってるよ。お前はどうやら視線だけで人を潰せるらしいな?確かに凄まじい力だった。けどね、私も本気じゃなかったんだよ。この意味が分かるかい?」
更に足を前に進め、ハビエルの目の前に立ったレイチェルは、目線鋭くハビエルをじっと見据える。
その目には虚勢ではない確かな自信があった。とても一度潰された者の目ではない。その自信の裏にあるものはなんなのか?
レイチェルの挑発はハビエルの興味を引いた。
「・・・面白い女だ・・・」
感情の見えない男は、本人に自覚はないが笑っていた。
当然自分が勝つ。一瞬の後にこの女は再び重圧によって地面に圧し潰される。
しかしどんな形であれ、自分に真っ向から挑んでくる相手は、好ましいものだった。
そんな相手はいったいいつ以来だろうか?せめてもの敬意をもって、一思いに楽にしてやろう。
そうしてハビエルの黒い目がギラリと光ったその時・・・・・
「・・・な、に?」
ハビエルは目を見開き言葉を失った。魔法とは違うその力を、ハビエルは知らない。
レイチェルの赤い髪が逆立ち、全身からは光り輝くオーラが発せられる。
それは帝国との戦争、ひいては闇と戦うためにレイチェルが身に着けた新たなる力・・・闘気。
「貴様、それはなん・・・ッ!」
「フッ!」
言い終わらないうちに、レイチェルの右の拳がハビエルの腹にめり込んだ。
「ぐぅッ・・・が、はぁッ!」
体をくの字に折り、腹部を抑えて呻くハビエルを見下ろし、レイチェルは冷ややかに呟いた。
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