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輪を作って話しあっていたレイジェスの後ろには、魔導剣士のラクエル・エンリケスがいつの間にか立っていた。
腕を組んでじっとレイチェルを見つめるその目には、なにか迷いのようなものが見えた。
仲間達の輪から一歩出たレイチェルは、ラクエルの前に立つ。
なぜか口を開かないラクエルに、その金茶色の瞳を見つめながらもう一度言葉をかけた。
「・・・ラクエル、ここに来たという事は、一緒に戦ってくれると思ったんだが違うのか?」
「・・・よく考えたんだけどさ、アタシが戦うのは別にいいんだけどね、リリアやエマがどうなるのかなって思ってさ。フランクは男だし体力型でしっかりしてるから、何とでもなると思うんだよね?でも、村で助けたシェリーとリズもなんかアタシに懐いてさ、助けといて今更見捨てられないって言うかさ」
そう言ってラクエルが顔半分を後ろに向けると、少し離れた場所でリリア達五人が集まっていた。
シェリーとリズは一度蔦に捕まって地面に引きずり込まれかけた事もあり、ある程度落ち着いては来たが、まだショックを引きずっている。そんな二人にリリア達三人が優しく声をかけて慰めているのだ。
それを見たレイチェルは、ラクエルを安心させるように柔らかい口調で話した。
「ああ、それなら心配ないと思うぞ、彼女達は軍が保護してくれるだろう。私から話しを通してもいい」
「・・・そうなんだろうけどさ・・・」
レイチェルの説明を聞いても、ラクエルはまだ何かを迷っているようだった。
ハッキリしないラクエルに、レイチェルも首を傾げる。
「どうした?なにか心配な事があるのか?」
「・・・あのさ、できればあんたらと一緒にいられないかな?面倒かけるかもだけど、軍よりあんたらの方が信用できるんだよね」
思い切ったように話すラクエルに、レイチェルは目を瞬かせた。予想外の言葉だった。
「ん?彼女達を私達と一緒にか?・・・いや、それはかまわないが、なぜだ?私達は軍と一緒に行動はしているが、あくまで独立部隊だ。軍の方が手厚い保護は受けれると思うぞ」
「いやぁ~、だってさっきのオッサンめっちゃ失礼だったじゃん?エマの前であんな無神経な事言ってっさぁ、ぶっちゃけ超ムカついてんだよね。リリア達だって気分悪かったと思うよ?それにあんたらの方が気を使わなくて仲良くできそうじゃん?そういうわけだからさ、頼むよ!」
顔の前で両手を合わせて片目をつむるラクエル。あまりに正直な物言いに、レイチェルはつい笑ってしまった。
「ぷっ!・・・あはははは!超ムカツクって、ラクエルお前・・・うん、分かったよ。ラクエル、キミ達全員レイジェスで受け入れよう」
レイチェルが声を出して笑うので、ラクエルも肩の力が抜けたのか表情がほぐれて笑顔になり、いつもの軽い調子に戻った。
「マジ!?良かったー、いやぁ断られたらどうしようかなって思ったよ。解決解決!じゃあ、ちょっとみんなに言ってくるから待っててよ!」
そしてラクエルは笑顔のまま手を振りながら、リリア達の元へ走っていった。
「なんか元気いっぱいって感じの人だね?レイチェルさ、本当にあの人と戦ったの?なんか普通に友達って感じで話してたし、全然そんなふうには見えないよ?」
レイチェルとラクエルの話しが終わると、ケイトが不思議そうに聞いて来る。
「ん、ああ、戦ったのは本当だ。だけど、あの通りの性格だからな。終わった事をいつまでも引きずらないようだ。見ての通り人から好かれる性格なんだ、ロンズデールでも人気者だったよ」
「ふーん・・・あの人、ラクエルだっけ?輪の中心って感じだよね」
リリア達の元に戻ったラクエルを見ると、和気あいあいとした雰囲気で話している。さっきまであまり元気のなかったシェリーとリズも、ラクエルが戻ると少しだが笑顔が戻っている。
「ああ、今日から彼女達もレイジェスで受け入れる。私の独断で勝手に決めて悪いが、みんな、仲良くしてくれ」
レイジェスのメンバーに顔を向けてそう話すと、話しを聞いていた全員が笑顔で頷いた。
その日は一緒になったラクエル達を含め、明日のセドコン村奪還について話し合った。
ラクエルを除くリリア達5人は戦闘には参加しないため、居残り組のジャレット達と今後について話し合い、ある程度打ち解けて来たところで、その日は就寝をする事になった。
そして迎えた翌日。
準備を終えたレイチェル達が、いざ村へ向かおうとしたその時、青いローブを纏った長いブラウンの髪の女性が、レイチェル達の前に立った。
「・・・何か用かい?私達はこれから、セドコン村へ行かなければならないんだが」
「お願い!私も連れて行って!」
セドコン村奪還部隊、唯一の生き残りであるニーディア・エスパーザが、エリクスの残した伝授の杖を握り締めながら声を上げた。
腕を組んでじっとレイチェルを見つめるその目には、なにか迷いのようなものが見えた。
仲間達の輪から一歩出たレイチェルは、ラクエルの前に立つ。
なぜか口を開かないラクエルに、その金茶色の瞳を見つめながらもう一度言葉をかけた。
「・・・ラクエル、ここに来たという事は、一緒に戦ってくれると思ったんだが違うのか?」
「・・・よく考えたんだけどさ、アタシが戦うのは別にいいんだけどね、リリアやエマがどうなるのかなって思ってさ。フランクは男だし体力型でしっかりしてるから、何とでもなると思うんだよね?でも、村で助けたシェリーとリズもなんかアタシに懐いてさ、助けといて今更見捨てられないって言うかさ」
そう言ってラクエルが顔半分を後ろに向けると、少し離れた場所でリリア達五人が集まっていた。
シェリーとリズは一度蔦に捕まって地面に引きずり込まれかけた事もあり、ある程度落ち着いては来たが、まだショックを引きずっている。そんな二人にリリア達三人が優しく声をかけて慰めているのだ。
それを見たレイチェルは、ラクエルを安心させるように柔らかい口調で話した。
「ああ、それなら心配ないと思うぞ、彼女達は軍が保護してくれるだろう。私から話しを通してもいい」
「・・・そうなんだろうけどさ・・・」
レイチェルの説明を聞いても、ラクエルはまだ何かを迷っているようだった。
ハッキリしないラクエルに、レイチェルも首を傾げる。
「どうした?なにか心配な事があるのか?」
「・・・あのさ、できればあんたらと一緒にいられないかな?面倒かけるかもだけど、軍よりあんたらの方が信用できるんだよね」
思い切ったように話すラクエルに、レイチェルは目を瞬かせた。予想外の言葉だった。
「ん?彼女達を私達と一緒にか?・・・いや、それはかまわないが、なぜだ?私達は軍と一緒に行動はしているが、あくまで独立部隊だ。軍の方が手厚い保護は受けれると思うぞ」
「いやぁ~、だってさっきのオッサンめっちゃ失礼だったじゃん?エマの前であんな無神経な事言ってっさぁ、ぶっちゃけ超ムカついてんだよね。リリア達だって気分悪かったと思うよ?それにあんたらの方が気を使わなくて仲良くできそうじゃん?そういうわけだからさ、頼むよ!」
顔の前で両手を合わせて片目をつむるラクエル。あまりに正直な物言いに、レイチェルはつい笑ってしまった。
「ぷっ!・・・あはははは!超ムカツクって、ラクエルお前・・・うん、分かったよ。ラクエル、キミ達全員レイジェスで受け入れよう」
レイチェルが声を出して笑うので、ラクエルも肩の力が抜けたのか表情がほぐれて笑顔になり、いつもの軽い調子に戻った。
「マジ!?良かったー、いやぁ断られたらどうしようかなって思ったよ。解決解決!じゃあ、ちょっとみんなに言ってくるから待っててよ!」
そしてラクエルは笑顔のまま手を振りながら、リリア達の元へ走っていった。
「なんか元気いっぱいって感じの人だね?レイチェルさ、本当にあの人と戦ったの?なんか普通に友達って感じで話してたし、全然そんなふうには見えないよ?」
レイチェルとラクエルの話しが終わると、ケイトが不思議そうに聞いて来る。
「ん、ああ、戦ったのは本当だ。だけど、あの通りの性格だからな。終わった事をいつまでも引きずらないようだ。見ての通り人から好かれる性格なんだ、ロンズデールでも人気者だったよ」
「ふーん・・・あの人、ラクエルだっけ?輪の中心って感じだよね」
リリア達の元に戻ったラクエルを見ると、和気あいあいとした雰囲気で話している。さっきまであまり元気のなかったシェリーとリズも、ラクエルが戻ると少しだが笑顔が戻っている。
「ああ、今日から彼女達もレイジェスで受け入れる。私の独断で勝手に決めて悪いが、みんな、仲良くしてくれ」
レイジェスのメンバーに顔を向けてそう話すと、話しを聞いていた全員が笑顔で頷いた。
その日は一緒になったラクエル達を含め、明日のセドコン村奪還について話し合った。
ラクエルを除くリリア達5人は戦闘には参加しないため、居残り組のジャレット達と今後について話し合い、ある程度打ち解けて来たところで、その日は就寝をする事になった。
そして迎えた翌日。
準備を終えたレイチェル達が、いざ村へ向かおうとしたその時、青いローブを纏った長いブラウンの髪の女性が、レイチェル達の前に立った。
「・・・何か用かい?私達はこれから、セドコン村へ行かなければならないんだが」
「お願い!私も連れて行って!」
セドコン村奪還部隊、唯一の生き残りであるニーディア・エスパーザが、エリクスの残した伝授の杖を握り締めながら声を上げた。
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