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足元から撃ち放たれた無数の魔力の塊。
攻撃を予測していたディリアンは、冷静に結界を張り防御に徹する。だが打ちつけて来る魔力の塊は、その一発一発が並外た威力を持っていた。
ほんの数発受けただけで亀裂が入る結界を見て、ディリアンは通常結界では持たない。
そう判断した。
チッ、やはり通常結界では無理か、天衣結界しかねぇ!
「ハァァァァーーーーーーッツ!」
眼の前に張った青く輝く結界に向けて、より強い魔力を込める。
すると結界はこれまで以上に強く大きく輝き出し、魔力の密度が一気に増していった。
そして結界はその最高位である、天衣結界へ切り替わった。
「フッ、天衣結界か・・・確かにそれなら、魔食い鳥の魔力飛ばしにも耐えられるだろうね。だけど忘れてんじゃない?結界は張ってるだけでも魔力を使うし、攻撃を受ければ受けるだけ消耗は早くなる。私の魔力が尽きるのが先だと考えてたかもしれないけど、あいにく私は魔力量には自信があるんだ。この勝負は私の勝ちだよ!」
天衣結界は魔食い鳥から放たれる、魔力の塊を通さず、それどころか弾き返した。
通常結界よりもはるかに高い強度を誇る天衣結界は、その魔力消費の大きさに見合うだけの、圧倒的な防御力を兼ね備えているのだ。
「へっ、よくしゃべりやがるな?そうやって吠えてろ」
青魔法使いであるディリアンにとって、ラニの指摘は言われるまでもない事だった。
実際に天衣結界を張り、魔食い鳥の攻撃を防いでいるディリアンは、あとどれくらい耐えられるのかも感覚で分かっていた。
「余裕のつもりか?お前さっきからうっとおしいんだよ・・・これでどうだ!」
ラニはこれまでよりはるかに大きい魔力を魔食い鳥に流し込んだ。
これで決めるための勝負の一発を撃つためである。
地上に落とされたアレリーを気にかけているラニは、戦いが長引けば長引く程焦りを感じていた。
更にディリアンの態度は一々神経を逆撫でして、ラニを苛立たせていた。
そのためディリアンの謎の余裕を探る事もせず、直情的に攻撃をしかけ、結果大きな隙を見せてしまう事になった。
魔食い鳥から渾身の一発が撃ち放たれようとしたその時、突然の大爆発が起きた。
耳をつんざく轟音が鳴り、大気を強烈に震わせる。
地上からの吹きすさぶ風に打たれた魔食い鳥は、バランスを保つことさえできず、危うく飛ばされそうになった。
轟々と立ち昇る黒煙、そして爆発の凄まじさを物語る巨大なキノコ雲。
それはアレリーが撃った光源爆裂弾によるものだった。
「くッ!こ、この魔力は・・・まさか、アレリー!?」
少しでも力を抜けば吹き飛ばされそうになる強烈な爆風に、ラニは腹ばいになって魔食い鳥の背にしがみついた。
本来のラニであれば、アレリーが光源爆裂弾を撃つ前に気づけていた。
だがディリアンとの戦闘中だった事、そして挑発じみた言葉で煽られていた事が要因となって、高原爆裂弾を撃たれるまで気付く事ができなかった。
アレリー・・・落下しても生きていたのか・・・良かった・・・
だけど下にいるもう一人の敵、あの女と戦闘になったんだな。そして光源爆裂弾を撃つ程追い詰められたというのか。
「早く、行かないと・・・っ!?」
この戦いを終わらせて、早くアレリーの元に向かわなければ!そう考えたラニが、体に力を入れて立ち上がろうとしたその時、目の前に影が下りた。
顔を上げると、白い髪を風になびかせた中性的な顔立ちの少年ディリアンが、ラニを見下ろして立っていた。
「やっぱりな、お前けっこうカリカリしてただろ?注意力が散漫になってると思ったんだよな。俺はちゃんと備えてたから、今こうしてお前を見下ろせんだよ」
ディリアンは両手を広げ、その手の平から青く輝く魔力のロープを伸ばしていた。
そしてそれは魔食い鳥の左右の羽に巻き付いて、ディリアンの体が飛ばされないための支えとなっていた。
「ッ!お、お前っ!」
「ん~・・・見た感じ、お前も魔力を使ってこの鳥に、自分の体を繋ぎ止めてるよな?まぁ当然か、自分の魔力で作った鳥だもんな。吹っ飛ばされねぇように、魔力で繋ぎ留めるくらいできるよな。でもよ、この規模の爆発がいきなりすぐそばで起きたら、そりゃ倒れるよな?」
してやったりと口元に笑みを浮かべるディリアン。その口から出る言葉も変わらず挑発めいたものだったが、ラニはディリアンがここまで計算していた事を察して、熱くなっていた頭が一気に冷えていった。
「まさか・・・これを読んでいたのか?投げ落としてもアレリーが生き残り、もう一人との戦闘で光源爆裂弾を撃つと?・・・そこまで読んでいたと言うのか!?」
「あ~、そんな細かく読んでたわけじゃねぇよ?ざっくりだよ、ざっくり。あの女は黒魔法使いだし、落としても風魔法で飛んで助かりそうじゃん?そんで生き残ったらルーシーが相手になるわけだ。そうなったら大技を使う事になるだろうなってね」
「なっ・・・そんな不確かな考えに身を委ねたと言うのか!?」
ディリアンの考えは、ラニには到底理解できるものではなかった。
描いた筋書は分かった。確かにその通りにいく可能性はある。だがここまで思い通りになる確率など、多く見積もって二割、いや一割もあればいいだろう。
信じられないと言うように自分を見るラニに、ディリアンは笑みを浮かべたまま答えた。
「それで十分だよ。絶対にうまくいく作戦なんてねぇんだ、針の穴程度でも勝利への道が見えれば、俺は乗るぜ」
「・・・イカレた男だな、だがここからどうする?私も青魔法使いだ。貴様が何か武器を持っていたとしても、結界で身を護る事はできる。つまり貴様には私を倒す術がないんだ!」
「いいや、俺がこの状態に持ち込んだ時点で終わりだ」
立ち上がろうとするラニに、ディリアンは絶対の自信がこもった声でそう告げた。
そして全身から魔力を放出させると、両手から伸ばしている魔力のロープが大きく膨れ上がり、魔食い鳥の羽を強く締め上げた!
「なにッ!?」
「ウォォォォォォーーーーーーーッツ!」
魔力のロープは、魔食い鳥の左右の羽に、ガッチリと食い込むように巻き付いた。
寄生型の魔道具魔食い鳥は、魔力で生み出された鳥とはいえ、本物の生きた鳥と同じく、空を飛ぶ際には羽を使う。
その羽を封じられればどうなるか?
「な、なにをしている!やめろ!そんな事をすればどうなるか分かっているのか!?」
「その焦りよう、やっぱりな。どうなるかって何を分かりきった事を聞いてやがる?鳥の羽を縛ってんだから、墜落に決まってんだろ?俺もお前も仲良く落ちんだよ」
魔食い鳥はディリアンの魔力のロープから逃れようともがくが、ディリアンの渾身の魔力を込めた青く輝くロープは、ガッチリと鳥の羽に食い込み、まったくビクともしなかった。
そして羽を封じられた事によって、魔食い鳥は大きくバランス崩して体が傾いた。
「うあぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーッ!」
魔力のロープで体を支えているディリアンは耐えられるが、ラニは体が浮いて鳥の背中から体が放り出されそうになった。辛うじて体を残せているのは、ラニの魔力が魔食い鳥と結び付いているからである。
集中して魔力を操作すれば、例え鳥の体が反転してもラニの体が離れる事はないだろう。
だが予想だにしないディリアンの行動に振り回され、すっかり集中力を欠いた今のラニでは、振り落とされないようにしがみつく事が精いっぱいだった。
そしてディリアンが魔力を強め、鳥の羽をキツく締め上げれば締め上げる程に、青く輝く魔力の鳥は苦しそうにもがき体が大きく揺れる。
「き、貴様!やめろと言っているんだ!落ちれば貴様も死ぬんだぞ!」
大粒の汗を額に浮かべ、悲鳴を上げるラニを見つめながら、ディリアンは努めて冷静に言い放った。
「バカか?やめろと言われてやめるわけねぇだろ?さっきも言った通り、俺もお前も一緒に落ちんだよ。お前さぁ、まさか死ぬ覚悟もねぇのに戦争に来てんのか?」
ディリアンの体から一層強い魔力が発せられると、鳥の羽を縛る魔力のロープが、更に大きくなって深く食い込んだ。もはや魔食い鳥の羽は潰される寸前である。
「やめろォォォォォーーーーーーーーッ!」
「終わりだ!」
ラニの絶叫も意に介さず静かにそう告げると、ディリアンはもう一度強い魔力を発した。
ディリアンの魔力が高まると、それに比例して魔力のロープがより強く大きくなり、魔食い鳥の羽を締め上げる。
魔力で作られた魔食い鳥は、魔道具とはいえ魔力を糧に生きる生命体の一種である。
極限の苦痛を受けた魔食い鳥は、嘴が裂けそうなくらい大きく口を開き、そして声にならない叫びを上げた後、力尽きたように頭から真っ逆さまに地上へと落ちて行った。
攻撃を予測していたディリアンは、冷静に結界を張り防御に徹する。だが打ちつけて来る魔力の塊は、その一発一発が並外た威力を持っていた。
ほんの数発受けただけで亀裂が入る結界を見て、ディリアンは通常結界では持たない。
そう判断した。
チッ、やはり通常結界では無理か、天衣結界しかねぇ!
「ハァァァァーーーーーーッツ!」
眼の前に張った青く輝く結界に向けて、より強い魔力を込める。
すると結界はこれまで以上に強く大きく輝き出し、魔力の密度が一気に増していった。
そして結界はその最高位である、天衣結界へ切り替わった。
「フッ、天衣結界か・・・確かにそれなら、魔食い鳥の魔力飛ばしにも耐えられるだろうね。だけど忘れてんじゃない?結界は張ってるだけでも魔力を使うし、攻撃を受ければ受けるだけ消耗は早くなる。私の魔力が尽きるのが先だと考えてたかもしれないけど、あいにく私は魔力量には自信があるんだ。この勝負は私の勝ちだよ!」
天衣結界は魔食い鳥から放たれる、魔力の塊を通さず、それどころか弾き返した。
通常結界よりもはるかに高い強度を誇る天衣結界は、その魔力消費の大きさに見合うだけの、圧倒的な防御力を兼ね備えているのだ。
「へっ、よくしゃべりやがるな?そうやって吠えてろ」
青魔法使いであるディリアンにとって、ラニの指摘は言われるまでもない事だった。
実際に天衣結界を張り、魔食い鳥の攻撃を防いでいるディリアンは、あとどれくらい耐えられるのかも感覚で分かっていた。
「余裕のつもりか?お前さっきからうっとおしいんだよ・・・これでどうだ!」
ラニはこれまでよりはるかに大きい魔力を魔食い鳥に流し込んだ。
これで決めるための勝負の一発を撃つためである。
地上に落とされたアレリーを気にかけているラニは、戦いが長引けば長引く程焦りを感じていた。
更にディリアンの態度は一々神経を逆撫でして、ラニを苛立たせていた。
そのためディリアンの謎の余裕を探る事もせず、直情的に攻撃をしかけ、結果大きな隙を見せてしまう事になった。
魔食い鳥から渾身の一発が撃ち放たれようとしたその時、突然の大爆発が起きた。
耳をつんざく轟音が鳴り、大気を強烈に震わせる。
地上からの吹きすさぶ風に打たれた魔食い鳥は、バランスを保つことさえできず、危うく飛ばされそうになった。
轟々と立ち昇る黒煙、そして爆発の凄まじさを物語る巨大なキノコ雲。
それはアレリーが撃った光源爆裂弾によるものだった。
「くッ!こ、この魔力は・・・まさか、アレリー!?」
少しでも力を抜けば吹き飛ばされそうになる強烈な爆風に、ラニは腹ばいになって魔食い鳥の背にしがみついた。
本来のラニであれば、アレリーが光源爆裂弾を撃つ前に気づけていた。
だがディリアンとの戦闘中だった事、そして挑発じみた言葉で煽られていた事が要因となって、高原爆裂弾を撃たれるまで気付く事ができなかった。
アレリー・・・落下しても生きていたのか・・・良かった・・・
だけど下にいるもう一人の敵、あの女と戦闘になったんだな。そして光源爆裂弾を撃つ程追い詰められたというのか。
「早く、行かないと・・・っ!?」
この戦いを終わらせて、早くアレリーの元に向かわなければ!そう考えたラニが、体に力を入れて立ち上がろうとしたその時、目の前に影が下りた。
顔を上げると、白い髪を風になびかせた中性的な顔立ちの少年ディリアンが、ラニを見下ろして立っていた。
「やっぱりな、お前けっこうカリカリしてただろ?注意力が散漫になってると思ったんだよな。俺はちゃんと備えてたから、今こうしてお前を見下ろせんだよ」
ディリアンは両手を広げ、その手の平から青く輝く魔力のロープを伸ばしていた。
そしてそれは魔食い鳥の左右の羽に巻き付いて、ディリアンの体が飛ばされないための支えとなっていた。
「ッ!お、お前っ!」
「ん~・・・見た感じ、お前も魔力を使ってこの鳥に、自分の体を繋ぎ止めてるよな?まぁ当然か、自分の魔力で作った鳥だもんな。吹っ飛ばされねぇように、魔力で繋ぎ留めるくらいできるよな。でもよ、この規模の爆発がいきなりすぐそばで起きたら、そりゃ倒れるよな?」
してやったりと口元に笑みを浮かべるディリアン。その口から出る言葉も変わらず挑発めいたものだったが、ラニはディリアンがここまで計算していた事を察して、熱くなっていた頭が一気に冷えていった。
「まさか・・・これを読んでいたのか?投げ落としてもアレリーが生き残り、もう一人との戦闘で光源爆裂弾を撃つと?・・・そこまで読んでいたと言うのか!?」
「あ~、そんな細かく読んでたわけじゃねぇよ?ざっくりだよ、ざっくり。あの女は黒魔法使いだし、落としても風魔法で飛んで助かりそうじゃん?そんで生き残ったらルーシーが相手になるわけだ。そうなったら大技を使う事になるだろうなってね」
「なっ・・・そんな不確かな考えに身を委ねたと言うのか!?」
ディリアンの考えは、ラニには到底理解できるものではなかった。
描いた筋書は分かった。確かにその通りにいく可能性はある。だがここまで思い通りになる確率など、多く見積もって二割、いや一割もあればいいだろう。
信じられないと言うように自分を見るラニに、ディリアンは笑みを浮かべたまま答えた。
「それで十分だよ。絶対にうまくいく作戦なんてねぇんだ、針の穴程度でも勝利への道が見えれば、俺は乗るぜ」
「・・・イカレた男だな、だがここからどうする?私も青魔法使いだ。貴様が何か武器を持っていたとしても、結界で身を護る事はできる。つまり貴様には私を倒す術がないんだ!」
「いいや、俺がこの状態に持ち込んだ時点で終わりだ」
立ち上がろうとするラニに、ディリアンは絶対の自信がこもった声でそう告げた。
そして全身から魔力を放出させると、両手から伸ばしている魔力のロープが大きく膨れ上がり、魔食い鳥の羽を強く締め上げた!
「なにッ!?」
「ウォォォォォォーーーーーーーッツ!」
魔力のロープは、魔食い鳥の左右の羽に、ガッチリと食い込むように巻き付いた。
寄生型の魔道具魔食い鳥は、魔力で生み出された鳥とはいえ、本物の生きた鳥と同じく、空を飛ぶ際には羽を使う。
その羽を封じられればどうなるか?
「な、なにをしている!やめろ!そんな事をすればどうなるか分かっているのか!?」
「その焦りよう、やっぱりな。どうなるかって何を分かりきった事を聞いてやがる?鳥の羽を縛ってんだから、墜落に決まってんだろ?俺もお前も仲良く落ちんだよ」
魔食い鳥はディリアンの魔力のロープから逃れようともがくが、ディリアンの渾身の魔力を込めた青く輝くロープは、ガッチリと鳥の羽に食い込み、まったくビクともしなかった。
そして羽を封じられた事によって、魔食い鳥は大きくバランス崩して体が傾いた。
「うあぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーッ!」
魔力のロープで体を支えているディリアンは耐えられるが、ラニは体が浮いて鳥の背中から体が放り出されそうになった。辛うじて体を残せているのは、ラニの魔力が魔食い鳥と結び付いているからである。
集中して魔力を操作すれば、例え鳥の体が反転してもラニの体が離れる事はないだろう。
だが予想だにしないディリアンの行動に振り回され、すっかり集中力を欠いた今のラニでは、振り落とされないようにしがみつく事が精いっぱいだった。
そしてディリアンが魔力を強め、鳥の羽をキツく締め上げれば締め上げる程に、青く輝く魔力の鳥は苦しそうにもがき体が大きく揺れる。
「き、貴様!やめろと言っているんだ!落ちれば貴様も死ぬんだぞ!」
大粒の汗を額に浮かべ、悲鳴を上げるラニを見つめながら、ディリアンは努めて冷静に言い放った。
「バカか?やめろと言われてやめるわけねぇだろ?さっきも言った通り、俺もお前も一緒に落ちんだよ。お前さぁ、まさか死ぬ覚悟もねぇのに戦争に来てんのか?」
ディリアンの体から一層強い魔力が発せられると、鳥の羽を縛る魔力のロープが、更に大きくなって深く食い込んだ。もはや魔食い鳥の羽は潰される寸前である。
「やめろォォォォォーーーーーーーーッ!」
「終わりだ!」
ラニの絶叫も意に介さず静かにそう告げると、ディリアンはもう一度強い魔力を発した。
ディリアンの魔力が高まると、それに比例して魔力のロープがより強く大きくなり、魔食い鳥の羽を締め上げる。
魔力で作られた魔食い鳥は、魔道具とはいえ魔力を糧に生きる生命体の一種である。
極限の苦痛を受けた魔食い鳥は、嘴が裂けそうなくらい大きく口を開き、そして声にならない叫びを上げた後、力尽きたように頭から真っ逆さまに地上へと落ちて行った。
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