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1013 蛇使い
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一般的な蛇の大きさは、50センチから120センチ程度だろう。
種類によってもっと大きいものもいるだろが、せいぜい2メートル。
俺達が知っている蛇とは、それくらいの大きさでしかない。
もちろん探せばそれ以上の個体もいるだろう。狩人や木こりから、3メートルの蛇を見たという話し程度なら聞いた事はある。だが自分の目で見た事は無い。山や森を生業にしていなければ、それだけ目にする機会も少ないのだ。
だから俺は今、自分の目に前に姿を現したこの生物が蛇だとは、すぐには認識できなかった。
自分の知っている蛇とはあまりにも違うから。
蛇と呼ぶにはあまりにも大き過ぎたからだ。
その大きさは、7・・・8・・・いや、まだ全長が見えないから正確には分からないが、頭と体半分だけ見ても、この蛇が10メートルはあろう事は推測できる。
体は黒い斑模様だった。だが顎の下だけが少し白い。
大きく長い三角形の頭には、巨大な体に不釣り合いな小さな目が二つ。
漆黒の闇を思わせるようなその黒く丸い目は、不気味なほどに静かで、どこを見ているのか全く分からない。顔が俺達の方を向いてるから、俺達を見ているのかもしれないが、蛇の目とは何を考えているのか全く分からない。得体の知れない恐怖を肌で感じさせられてしまう。
そしてこの巨大な蛇の体からは、おぞましさを感じる黒い瘴気が滲みだしていた。
俺はこれを知っている。クインズベリーで戦った偽国王、ヤツの闇と同じだ。
つまりこの蛇は、闇の力を持っているという事になる。
蛇に睨まれた蛙とは、今の俺達の状態を表す言葉だろう。
一歩も動く事ができず、眼前の蛇から目を離す事ができない。ただ武器を持ち、立ち尽くしているだけだ。
この時の俺達は、初めて見る巨大な蛇と、蛇の体から滲む闇の圧力に飲まれかけていたと思う。
俺もエクトールも、後方のフィルもエミリーもロゼも、誰一人として声すら発せず、ただ己の目に映る巨大な蛇の動向を見ている事しかできなかった。
蛇は巨大な鎌首を持ち上げると、先が二つに分かれた黒い舌を伸ばし、チロチロと舐めるように動かした。俺達を餌と見たのかもしれない。
ズルリと体を動かして前に這い出てくる。
「サローン、待て」
金縛りのような状態を解いたのは、蛇の後ろから聞こえた男の声だった。
そして俺達に向かって前に這い出た大蛇が、ピタリと歩みを止めたのだ。
「パウンド・フォーへようこそ、クインズベリーの皆さん。戦争に備えて帝国を監視していたのかな?」
枝葉を踏む音と共に、黒い大蛇の後ろから、顔色の悪い痩せた男が姿を現した。
40代半ば、50歳手前くらいだろうか。
白いものが混じった黒く癖のある髪は、まとまりがなく肩の下まで伸ばしたまま。
長身で180センチ以上はあるように見えるが、標準よりも随分痩せている体は、少し押しただけでも簡単に倒れそうな印象だ。
頬はコケており、日に三度の食事をしているのか疑わしいくらいである。
体格的には全く脅威ではなく、むしろひ弱に見える。
だが一点だけ・・・レイマート達に向ける目が、異様な程ギラギラとしていた。
まともな目ではない。ある種の興奮状態にも見える。それがこの男の異常性を露わにしていた。
「・・・なるほど、お前がこの化け物蛇の主人か」
剣の切っ先を蛇へ向けたまま、視線は男へ移して問いかけた。
待て、という命令に大蛇が一回で従った事。そして闇の力を持たない蛇共が、大蛇とこの男のために道を空けた事。
これらの事から、この男が主人である事は明白だった。
「化け物蛇だって?失礼だな?この子はサローン、この私、バドゥ・バックの息子なんだよ。ちゃんと名前があるんだ。化け物なんて呼ばないでくれたまえ!」
「・・・なるほど、イカれてやがる」
危ない目つきだと思ったが、見た目通り、思考回路も危ない男だ。
血相変えて、唾を飛ばしながら蛇を庇ってやがる。蛇に対してずいぶん気持ちが強いな。
「サローンはね、産まれた時から私がずっと育ててきたんだ。とても良い子なんだよ。すくすく育ってこの通り立派な体になって、親の気持ちに応えて闇の力も使えるようになったんだ」
バドゥ・バックと名乗った男は大蛇の体を優しく撫でながら、いかにこの大蛇が素晴らしいかを説く。だが俺は聞いていられず、大きな溜息を返した。
「はぁ~、そうかいそうかい、そんでその馬鹿みてぇにでかくなった蛇を、お前は戦争に利用してるって事だな?」
「・・・おい、お前・・・今なんて言った?・・・馬鹿?そう聞こえたが、サローンを馬鹿と言ったのか?」
突然バドゥ・バックの雰囲気が変わった。
うっとりとした顔で蛇の体を撫でていたはずが、両目をカッと見開いて俺に向き直った。
氷のように冷たい声で、俺に言葉を聞き返してくる。
「・・・おいおい、マジかよ?そこだけ拾ってキレんのかよ?」
この目、マジだ・・・マジで切れてやがる。
この野郎、蛇に関しての悪口は絶対に許さねぇのか?どんだけ蛇が好きなんだよ?
「・・・レイマート様」
隣に立つエクトールが、前を向いたまま小声でささやいた。
剣を持つ手に力が入り、いつでも飛び出せるように、重心が前に傾いている。
「ああ、来るぞ」
後方の三人も、場の緊張感、ヒリついた空気を感じ取って身構えた。
「サローン!いけ!こいつらを丸呑みにしろ!」
バドゥ・バックが右手を前に突き出して命令を発すると、黒い大蛇は体をバネのようにしならせ、一直線に突進してきた!
種類によってもっと大きいものもいるだろが、せいぜい2メートル。
俺達が知っている蛇とは、それくらいの大きさでしかない。
もちろん探せばそれ以上の個体もいるだろう。狩人や木こりから、3メートルの蛇を見たという話し程度なら聞いた事はある。だが自分の目で見た事は無い。山や森を生業にしていなければ、それだけ目にする機会も少ないのだ。
だから俺は今、自分の目に前に姿を現したこの生物が蛇だとは、すぐには認識できなかった。
自分の知っている蛇とはあまりにも違うから。
蛇と呼ぶにはあまりにも大き過ぎたからだ。
その大きさは、7・・・8・・・いや、まだ全長が見えないから正確には分からないが、頭と体半分だけ見ても、この蛇が10メートルはあろう事は推測できる。
体は黒い斑模様だった。だが顎の下だけが少し白い。
大きく長い三角形の頭には、巨大な体に不釣り合いな小さな目が二つ。
漆黒の闇を思わせるようなその黒く丸い目は、不気味なほどに静かで、どこを見ているのか全く分からない。顔が俺達の方を向いてるから、俺達を見ているのかもしれないが、蛇の目とは何を考えているのか全く分からない。得体の知れない恐怖を肌で感じさせられてしまう。
そしてこの巨大な蛇の体からは、おぞましさを感じる黒い瘴気が滲みだしていた。
俺はこれを知っている。クインズベリーで戦った偽国王、ヤツの闇と同じだ。
つまりこの蛇は、闇の力を持っているという事になる。
蛇に睨まれた蛙とは、今の俺達の状態を表す言葉だろう。
一歩も動く事ができず、眼前の蛇から目を離す事ができない。ただ武器を持ち、立ち尽くしているだけだ。
この時の俺達は、初めて見る巨大な蛇と、蛇の体から滲む闇の圧力に飲まれかけていたと思う。
俺もエクトールも、後方のフィルもエミリーもロゼも、誰一人として声すら発せず、ただ己の目に映る巨大な蛇の動向を見ている事しかできなかった。
蛇は巨大な鎌首を持ち上げると、先が二つに分かれた黒い舌を伸ばし、チロチロと舐めるように動かした。俺達を餌と見たのかもしれない。
ズルリと体を動かして前に這い出てくる。
「サローン、待て」
金縛りのような状態を解いたのは、蛇の後ろから聞こえた男の声だった。
そして俺達に向かって前に這い出た大蛇が、ピタリと歩みを止めたのだ。
「パウンド・フォーへようこそ、クインズベリーの皆さん。戦争に備えて帝国を監視していたのかな?」
枝葉を踏む音と共に、黒い大蛇の後ろから、顔色の悪い痩せた男が姿を現した。
40代半ば、50歳手前くらいだろうか。
白いものが混じった黒く癖のある髪は、まとまりがなく肩の下まで伸ばしたまま。
長身で180センチ以上はあるように見えるが、標準よりも随分痩せている体は、少し押しただけでも簡単に倒れそうな印象だ。
頬はコケており、日に三度の食事をしているのか疑わしいくらいである。
体格的には全く脅威ではなく、むしろひ弱に見える。
だが一点だけ・・・レイマート達に向ける目が、異様な程ギラギラとしていた。
まともな目ではない。ある種の興奮状態にも見える。それがこの男の異常性を露わにしていた。
「・・・なるほど、お前がこの化け物蛇の主人か」
剣の切っ先を蛇へ向けたまま、視線は男へ移して問いかけた。
待て、という命令に大蛇が一回で従った事。そして闇の力を持たない蛇共が、大蛇とこの男のために道を空けた事。
これらの事から、この男が主人である事は明白だった。
「化け物蛇だって?失礼だな?この子はサローン、この私、バドゥ・バックの息子なんだよ。ちゃんと名前があるんだ。化け物なんて呼ばないでくれたまえ!」
「・・・なるほど、イカれてやがる」
危ない目つきだと思ったが、見た目通り、思考回路も危ない男だ。
血相変えて、唾を飛ばしながら蛇を庇ってやがる。蛇に対してずいぶん気持ちが強いな。
「サローンはね、産まれた時から私がずっと育ててきたんだ。とても良い子なんだよ。すくすく育ってこの通り立派な体になって、親の気持ちに応えて闇の力も使えるようになったんだ」
バドゥ・バックと名乗った男は大蛇の体を優しく撫でながら、いかにこの大蛇が素晴らしいかを説く。だが俺は聞いていられず、大きな溜息を返した。
「はぁ~、そうかいそうかい、そんでその馬鹿みてぇにでかくなった蛇を、お前は戦争に利用してるって事だな?」
「・・・おい、お前・・・今なんて言った?・・・馬鹿?そう聞こえたが、サローンを馬鹿と言ったのか?」
突然バドゥ・バックの雰囲気が変わった。
うっとりとした顔で蛇の体を撫でていたはずが、両目をカッと見開いて俺に向き直った。
氷のように冷たい声で、俺に言葉を聞き返してくる。
「・・・おいおい、マジかよ?そこだけ拾ってキレんのかよ?」
この目、マジだ・・・マジで切れてやがる。
この野郎、蛇に関しての悪口は絶対に許さねぇのか?どんだけ蛇が好きなんだよ?
「・・・レイマート様」
隣に立つエクトールが、前を向いたまま小声でささやいた。
剣を持つ手に力が入り、いつでも飛び出せるように、重心が前に傾いている。
「ああ、来るぞ」
後方の三人も、場の緊張感、ヒリついた空気を感じ取って身構えた。
「サローン!いけ!こいつらを丸呑みにしろ!」
バドゥ・バックが右手を前に突き出して命令を発すると、黒い大蛇は体をバネのようにしならせ、一直線に突進してきた!
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