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「騎士団からは、俺とレミューが行く」
話しに区切りがつくとアルベルトが席を立ち、自分に親指を向けて救出メンバーとして名乗りを上げた。
その銀色の瞳からは、仲間の救出に向かう強い意思が見える。
「お前と、ラヴァル・レミューか・・・」
テーブルに手を着きながら、レイチェルも腰を上げると、確認するようにアルベルトに顔を向ける。
ラヴァル・レミューは現在、シルバー騎士序列一位の実力者である。
偽国王と戦った時には、トレバー率いる騎士団に反旗を翻し、女王のために剣を振るった正義感の強い男だった。
「フェリックスはどうするんだ?」
アルベルトとレイチェルに続く形で、フェリックスとルナも席を立っていた。
レイチェルが顔を向けて問いかけると、フェリックスはすまなそうに眉を下げて、口を開いた。
「悪いが僕は行けないんだ。ルナの護衛という役目もあるけど、アルベルトにレミューも抜けると、騎士団をまとめる人間が誰もいなくなるだろ?」
「ああ・・・なるほどな、言われてみれば確かにそうだ」
確かに騎士団のまとめ役として、ゴールド騎士が一人は残らなければならないだろう。
ならばルナの護衛をしているフェリックスが残るのは、当然だと言える。
レイチェルは納得したように腕を組み、二度三度と軽く頷いた。
「そういうわけなんだ。協力してもらう立場で悪いけど、騎士団からはこの二人しか出せないんだ」
「いや、アルベルトにレミューなら申し分ない。お前を除けば最大戦力の二人だろ?それに少数精鋭が望ましいんだから十分だよ。レイジェスからはまず私、あとは店で相談して決めておくよ。ところで急ぎなのは分かるが、今日出発するわけではないんだろ?」
レイチェルの質問にはアルベルトが答えた。
「ああ、俺達はこれから女王陛下に報告と許可をもらってくる。それにお互い準備があるだろ?出発は明朝だ。食料くらいはこっちで用意しておくから気にしないでいいぞ」
「それは助かる。ああ、その食料なんだがな、多分うちの大食いを連れて行く事になる。想定の倍くらい用意しておいてもらった方がいいかもな」
レイチェルはすでに、誰をパウンド・フォーに連れて行くかを考えていた。
そして山岳地帯で相手が蛇という事を踏まえると、少々素行に問題はあるが、ハンターとして自然に強い、一人の適任者が頭に浮かんでいた。
「ん、大食い?ははは、そりゃ面白いな。携帯食で味気はないんだが、腹持ちの良いのをたっぷり用意しておくよ」
「真面目な話しだ。あいつはバカみたいに食うからな。あまく見てると自分達の食料まで食われる事になる。遠征だから食費が心配だったのだが、騎士団で負担してもらえるのは正直ありがたい。もう一度言うが、あいつはとにかくバカみたいに食うからな。そこはお言葉にあまえさせてもらうぞ?」
「お、おう・・・いや、そりゃ力を借りるんだから食費くらい持つが・・・え?そんなになのか?」
「そんなにだ。いいか、そこだけはくれぐれも頼んだぞ?」
アルベルトは冗談半分に聞いて笑っていたが、レイチェルが真顔で念押しをするので、最後には少し顔を引きつらせていた。
「・・・さて、とりあえずシャノンのところに行かないとな」
フェリックス達との話しを終えた頃には、すでに12時半を回っていた。
本当であれば、午前11時には城を出ている予定だったが、予期せぬ話しで一時間以上時間をくってしまった。
アラルコン商会に付いても、ゆっくり店内を見て回る時間は無さそうだ。
外部役員として、たまに顔をだした時くらい、なにか店のためになる話しでもできればと考えていたが、時間が足りない。
レイチェルは溜息をつきながら、空腹を感じ始めたお腹に手を当てた。
「レイチェル、まだ城にいたのか?」
通路を進み、中庭に出ようとしたところで、後ろからかけられた声に振り返った。
そこには黒いローブをまとった長い金髪の男、レイジェスの店長ウィッカー・バリオスが立っていた。
話しに区切りがつくとアルベルトが席を立ち、自分に親指を向けて救出メンバーとして名乗りを上げた。
その銀色の瞳からは、仲間の救出に向かう強い意思が見える。
「お前と、ラヴァル・レミューか・・・」
テーブルに手を着きながら、レイチェルも腰を上げると、確認するようにアルベルトに顔を向ける。
ラヴァル・レミューは現在、シルバー騎士序列一位の実力者である。
偽国王と戦った時には、トレバー率いる騎士団に反旗を翻し、女王のために剣を振るった正義感の強い男だった。
「フェリックスはどうするんだ?」
アルベルトとレイチェルに続く形で、フェリックスとルナも席を立っていた。
レイチェルが顔を向けて問いかけると、フェリックスはすまなそうに眉を下げて、口を開いた。
「悪いが僕は行けないんだ。ルナの護衛という役目もあるけど、アルベルトにレミューも抜けると、騎士団をまとめる人間が誰もいなくなるだろ?」
「ああ・・・なるほどな、言われてみれば確かにそうだ」
確かに騎士団のまとめ役として、ゴールド騎士が一人は残らなければならないだろう。
ならばルナの護衛をしているフェリックスが残るのは、当然だと言える。
レイチェルは納得したように腕を組み、二度三度と軽く頷いた。
「そういうわけなんだ。協力してもらう立場で悪いけど、騎士団からはこの二人しか出せないんだ」
「いや、アルベルトにレミューなら申し分ない。お前を除けば最大戦力の二人だろ?それに少数精鋭が望ましいんだから十分だよ。レイジェスからはまず私、あとは店で相談して決めておくよ。ところで急ぎなのは分かるが、今日出発するわけではないんだろ?」
レイチェルの質問にはアルベルトが答えた。
「ああ、俺達はこれから女王陛下に報告と許可をもらってくる。それにお互い準備があるだろ?出発は明朝だ。食料くらいはこっちで用意しておくから気にしないでいいぞ」
「それは助かる。ああ、その食料なんだがな、多分うちの大食いを連れて行く事になる。想定の倍くらい用意しておいてもらった方がいいかもな」
レイチェルはすでに、誰をパウンド・フォーに連れて行くかを考えていた。
そして山岳地帯で相手が蛇という事を踏まえると、少々素行に問題はあるが、ハンターとして自然に強い、一人の適任者が頭に浮かんでいた。
「ん、大食い?ははは、そりゃ面白いな。携帯食で味気はないんだが、腹持ちの良いのをたっぷり用意しておくよ」
「真面目な話しだ。あいつはバカみたいに食うからな。あまく見てると自分達の食料まで食われる事になる。遠征だから食費が心配だったのだが、騎士団で負担してもらえるのは正直ありがたい。もう一度言うが、あいつはとにかくバカみたいに食うからな。そこはお言葉にあまえさせてもらうぞ?」
「お、おう・・・いや、そりゃ力を借りるんだから食費くらい持つが・・・え?そんなになのか?」
「そんなにだ。いいか、そこだけはくれぐれも頼んだぞ?」
アルベルトは冗談半分に聞いて笑っていたが、レイチェルが真顔で念押しをするので、最後には少し顔を引きつらせていた。
「・・・さて、とりあえずシャノンのところに行かないとな」
フェリックス達との話しを終えた頃には、すでに12時半を回っていた。
本当であれば、午前11時には城を出ている予定だったが、予期せぬ話しで一時間以上時間をくってしまった。
アラルコン商会に付いても、ゆっくり店内を見て回る時間は無さそうだ。
外部役員として、たまに顔をだした時くらい、なにか店のためになる話しでもできればと考えていたが、時間が足りない。
レイチェルは溜息をつきながら、空腹を感じ始めたお腹に手を当てた。
「レイチェル、まだ城にいたのか?」
通路を進み、中庭に出ようとしたところで、後ろからかけられた声に振り返った。
そこには黒いローブをまとった長い金髪の男、レイジェスの店長ウィッカー・バリオスが立っていた。
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