772 / 1,263
771 名前
しおりを挟む
「・・・・・う・・・ん・・・・・・・・」
微かに耳に届く音に、意識が呼び起こされる。
ゆっくりと目を開けると、石造りの天井が目に入った。等間隔で置かれた発光石が目に入り、この明るさが魔道具による物だと理解する。
上半身を起こす。胸からズレ落ちた薄いブランケットを見て、どうやら自分がマットに寝かされていたと分かったところで、前から声がかけられた。
「あ、気が付いたんですね!良かったー」
サックスブルーのワンピースを着た、オレンジ色の髪をした女性だった。
椅子から立ち、人なつっこい笑顔で私の隣に座ると、手にしていた水差しからコップに水を注ぎ、私に手渡してくる。
「はい、お水です。飲んでください。お腹の怪我は治せましたけど、出血がひどかったからしばらく休んでください。あ、私はカチュアと言います。カチュア・サカキです」
普段の私なら、見も知らぬ相手から渡された物など口にしない。
だが、私にコップを差し出すこのカチュアという女性の微笑みを見ると、不思議と警戒心が湧かなかった。
「・・・・・ありがとう・・・いただくよ」
コップを受け取り一口含むと、自分がどれだけ乾いていたのか分かる。
冷たい水を喉に流した瞬間、二口三口と続けて流し込み、そのまま飲み干してしまった。
がっつくようなみっともない姿を晒してしまったが、カチュアはそんな私を笑いもせず、やさしそうな目で私を見つめていた。
「お腹も空いてませんか?もう夜の七時ですし、実は私もまだなんです。簡単なものですけど、一緒に食べましょう」
そう言ってカチュアは椅子から腰を上げると、脇のテーブルに置いてあるトレーを持ってきた。
「自宅だともう少しちゃんとした料理ができるんですが、お店だと簡単な物しか作れなくて。サンドイッチですが、良かったら食べてください」
「お店?」
トレーに並べられた、ハムやトマトのサンドイッチを私に勧めるカチュアに聞き返すと、カチュアは説明不足だったと言うように言葉を付け加えた。
「あ、ごめんなさい。最初に話しておく事でしたね。ここはレイジェスって言うリサイクルショップです。あなたはお店の前で帝国の軍人と戦って倒れたんです。お腹が抉られてて危険な状態でした。私とユーリ、あ、ユーリも白魔法使いなんですが、その子と二人でヒールをかけて、お腹の怪我は治したんです。でもすぐには意識が戻らなかったので、ここまで運んで寝かせていたんです」
そう説明を受けて、あらためて辺りを見回してみる。
ここが店の中のどの辺りかは分からないが、辺りには木製の平台や、縦長のガラスケースなどが沢山並んでいて、透明の液体の入ったビンや、何かの魔道具らしい石など、様々な物が置かれていた。
そして私が寝かされている周りだけ、綺麗に何も置かれていない事から、このスペースは私のために作られたのだと分かった。
「・・・どうやら私は、大変な迷惑をかけてしまったようだな。本当にすまない。そして助けてくれた事に心から感謝する。ありがとう」
感謝と謝罪の気持ちを告げて頭を下げると、カチュアは優しく言葉をかけてくれた。
「私達は大丈夫ですよ。気にしないでください。その時一緒に戦ったアラタ君も、なにか事情があったんだろうって言ってましたから。えっと・・・」
そこでカチュアが少し困ったように口よどんだので、私は自分が名前も告げていない事に気が付いた。
「ああ、すまない。アゲハだ・・・・・私の事はアゲハと呼んでくれ」
レイジェスの事務所では、夕食を終えたアラタ達が今日起こった事に対しての話し合いを行っていた。
「・・・ふむ、なるほど、おおよそは分かった」
シャクール・バルデスは食後のコーヒーを飲みながら、状況を理解したと頷いた。
隣に座るサリーも話しを聞きながら、そんな事が、と呟いた。
レイジェスの前で帝国軍と戦闘になった事は、アラタが説明をした。
巨躯の男アルバレスは初めて会ったため、アラタがその男を師団長とは認識できなかったが、もう一人の霧の魔道具使いミリアムとは、ロンズデールでも一度戦闘をしたため覚えていた。
「ああ、アルバレスって呼ばれたでかい男は、ロンズデールで戦ったダリル・パープルズみたいな硬いヤツだった。生身じゃダメージを与えられないと思う。あそこで追う事もできたけど、深追いする事は危険だって感じて・・・そのまま逃がしてしまった」
理由はどうあれ、追えるものを逃がした点はバツが悪く、アラタがすこし言葉を濁すと、一緒に戦ったリカルドは大きな声で口を挟んだ。
「兄ちゃん兄ちゃん、あれはしかたねぇって!あいつ絶対やべぇよ!死にかけかと思ったら、なんだよあのヤベェ気はよ!?あいつなんか奥の手隠してるって、あそこはあれでいいんだよ。手負いの獣を深追いするのは危険なんだぞ」
「リカルド・・・」
「兄ちゃんはいっつも考え過ぎなんだよ。なんでも完璧にできると思ってんのか?あの女もとりあえず助けられたんだから、そんでよくね?」
「そうだな、リカルドの言う通りだ。私も今回はそれでいいと思うぞ。全員が無事である事が第一だ。アラタ、別に気にする事ではない」
リカルドに同意して、レイチェルもアラタに言葉をかけた。
レイジェスの情報を持って行かれた事は気にかかる。ミリアムはアラタと二度戦闘した事で、アラタの戦闘力も十分に把握しただろう。これで帝国に目を付けられる事になるはずだ。
新婚のアラタとカチュアの生活は壊されてはだめだ。
「・・・まぁ、私が護ってやるさ」
「ん、レイチェル、何か言ったか?」
「いや、なんでもない。それより、あの女の事だが・・・」
レイチェルの呟きにアラタが反応すると、レイチェルは首を横に振って、黒マントの女を話題に出すと、事務所のドアがノックされて開いた。
「お、カッちゃん、ご苦労様。起きたのか?」
顔を見せたカチュアに、ジャレットが声をかける。
黒マントの女、アゲハが意識を失っている間、カチュアが傍で様子を見る事になった。
目が覚めた時、あまり大人数で見ているのも驚かせるだろうし、同性の方が安心するだろうという事だった。
「はい、食事もできましたし、もう大丈夫ですよ」
事務所の全員に伝えるように話すと、カチュアは後ろに立つ黒髪の女性に、中に入るように言葉をかけた。
「・・・・・」
事務所に足を入れた女性から、アラタは目を離す事ができなかった。
腰まで伸びたサラリとした長く黒い髪。
確かな意志の強さを持った切れ長の瞳。
凛とした、という言葉がぴったり当てはまる佇まい。
店に運んだ時にも思ったが、こうして顔を見てあらためて思った。
やはり新庄弥生にそっくりだと・・・・・
「倒れている私を助けてくれたと聞いた。世話になった・・・・・私の名はアゲハ、元帝国軍第二師団長だ」
黒髪の女性アゲハは、静かに口を開いた。
微かに耳に届く音に、意識が呼び起こされる。
ゆっくりと目を開けると、石造りの天井が目に入った。等間隔で置かれた発光石が目に入り、この明るさが魔道具による物だと理解する。
上半身を起こす。胸からズレ落ちた薄いブランケットを見て、どうやら自分がマットに寝かされていたと分かったところで、前から声がかけられた。
「あ、気が付いたんですね!良かったー」
サックスブルーのワンピースを着た、オレンジ色の髪をした女性だった。
椅子から立ち、人なつっこい笑顔で私の隣に座ると、手にしていた水差しからコップに水を注ぎ、私に手渡してくる。
「はい、お水です。飲んでください。お腹の怪我は治せましたけど、出血がひどかったからしばらく休んでください。あ、私はカチュアと言います。カチュア・サカキです」
普段の私なら、見も知らぬ相手から渡された物など口にしない。
だが、私にコップを差し出すこのカチュアという女性の微笑みを見ると、不思議と警戒心が湧かなかった。
「・・・・・ありがとう・・・いただくよ」
コップを受け取り一口含むと、自分がどれだけ乾いていたのか分かる。
冷たい水を喉に流した瞬間、二口三口と続けて流し込み、そのまま飲み干してしまった。
がっつくようなみっともない姿を晒してしまったが、カチュアはそんな私を笑いもせず、やさしそうな目で私を見つめていた。
「お腹も空いてませんか?もう夜の七時ですし、実は私もまだなんです。簡単なものですけど、一緒に食べましょう」
そう言ってカチュアは椅子から腰を上げると、脇のテーブルに置いてあるトレーを持ってきた。
「自宅だともう少しちゃんとした料理ができるんですが、お店だと簡単な物しか作れなくて。サンドイッチですが、良かったら食べてください」
「お店?」
トレーに並べられた、ハムやトマトのサンドイッチを私に勧めるカチュアに聞き返すと、カチュアは説明不足だったと言うように言葉を付け加えた。
「あ、ごめんなさい。最初に話しておく事でしたね。ここはレイジェスって言うリサイクルショップです。あなたはお店の前で帝国の軍人と戦って倒れたんです。お腹が抉られてて危険な状態でした。私とユーリ、あ、ユーリも白魔法使いなんですが、その子と二人でヒールをかけて、お腹の怪我は治したんです。でもすぐには意識が戻らなかったので、ここまで運んで寝かせていたんです」
そう説明を受けて、あらためて辺りを見回してみる。
ここが店の中のどの辺りかは分からないが、辺りには木製の平台や、縦長のガラスケースなどが沢山並んでいて、透明の液体の入ったビンや、何かの魔道具らしい石など、様々な物が置かれていた。
そして私が寝かされている周りだけ、綺麗に何も置かれていない事から、このスペースは私のために作られたのだと分かった。
「・・・どうやら私は、大変な迷惑をかけてしまったようだな。本当にすまない。そして助けてくれた事に心から感謝する。ありがとう」
感謝と謝罪の気持ちを告げて頭を下げると、カチュアは優しく言葉をかけてくれた。
「私達は大丈夫ですよ。気にしないでください。その時一緒に戦ったアラタ君も、なにか事情があったんだろうって言ってましたから。えっと・・・」
そこでカチュアが少し困ったように口よどんだので、私は自分が名前も告げていない事に気が付いた。
「ああ、すまない。アゲハだ・・・・・私の事はアゲハと呼んでくれ」
レイジェスの事務所では、夕食を終えたアラタ達が今日起こった事に対しての話し合いを行っていた。
「・・・ふむ、なるほど、おおよそは分かった」
シャクール・バルデスは食後のコーヒーを飲みながら、状況を理解したと頷いた。
隣に座るサリーも話しを聞きながら、そんな事が、と呟いた。
レイジェスの前で帝国軍と戦闘になった事は、アラタが説明をした。
巨躯の男アルバレスは初めて会ったため、アラタがその男を師団長とは認識できなかったが、もう一人の霧の魔道具使いミリアムとは、ロンズデールでも一度戦闘をしたため覚えていた。
「ああ、アルバレスって呼ばれたでかい男は、ロンズデールで戦ったダリル・パープルズみたいな硬いヤツだった。生身じゃダメージを与えられないと思う。あそこで追う事もできたけど、深追いする事は危険だって感じて・・・そのまま逃がしてしまった」
理由はどうあれ、追えるものを逃がした点はバツが悪く、アラタがすこし言葉を濁すと、一緒に戦ったリカルドは大きな声で口を挟んだ。
「兄ちゃん兄ちゃん、あれはしかたねぇって!あいつ絶対やべぇよ!死にかけかと思ったら、なんだよあのヤベェ気はよ!?あいつなんか奥の手隠してるって、あそこはあれでいいんだよ。手負いの獣を深追いするのは危険なんだぞ」
「リカルド・・・」
「兄ちゃんはいっつも考え過ぎなんだよ。なんでも完璧にできると思ってんのか?あの女もとりあえず助けられたんだから、そんでよくね?」
「そうだな、リカルドの言う通りだ。私も今回はそれでいいと思うぞ。全員が無事である事が第一だ。アラタ、別に気にする事ではない」
リカルドに同意して、レイチェルもアラタに言葉をかけた。
レイジェスの情報を持って行かれた事は気にかかる。ミリアムはアラタと二度戦闘した事で、アラタの戦闘力も十分に把握しただろう。これで帝国に目を付けられる事になるはずだ。
新婚のアラタとカチュアの生活は壊されてはだめだ。
「・・・まぁ、私が護ってやるさ」
「ん、レイチェル、何か言ったか?」
「いや、なんでもない。それより、あの女の事だが・・・」
レイチェルの呟きにアラタが反応すると、レイチェルは首を横に振って、黒マントの女を話題に出すと、事務所のドアがノックされて開いた。
「お、カッちゃん、ご苦労様。起きたのか?」
顔を見せたカチュアに、ジャレットが声をかける。
黒マントの女、アゲハが意識を失っている間、カチュアが傍で様子を見る事になった。
目が覚めた時、あまり大人数で見ているのも驚かせるだろうし、同性の方が安心するだろうという事だった。
「はい、食事もできましたし、もう大丈夫ですよ」
事務所の全員に伝えるように話すと、カチュアは後ろに立つ黒髪の女性に、中に入るように言葉をかけた。
「・・・・・」
事務所に足を入れた女性から、アラタは目を離す事ができなかった。
腰まで伸びたサラリとした長く黒い髪。
確かな意志の強さを持った切れ長の瞳。
凛とした、という言葉がぴったり当てはまる佇まい。
店に運んだ時にも思ったが、こうして顔を見てあらためて思った。
やはり新庄弥生にそっくりだと・・・・・
「倒れている私を助けてくれたと聞いた。世話になった・・・・・私の名はアゲハ、元帝国軍第二師団長だ」
黒髪の女性アゲハは、静かに口を開いた。
0
お気に入りに追加
142
あなたにおすすめの小説
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
幼少期に溜め込んだ魔力で、一生のんびり暮らしたいと思います。~こう見えて、迷宮育ちの村人です~
月並 瑠花
ファンタジー
※ファンタジー大賞に微力ながら参加させていただいております。応援のほど、よろしくお願いします。
「出て行けっ! この家にお前の居場所はない!」――父にそう告げられ、家を追い出された澪は、一人途方に暮れていた。
そんな時、幻聴が頭の中に聞こえてくる。
『秋篠澪。お前は人生をリセットしたいか?』。澪は迷いを一切見せることなく、答えてしまった――「やり直したい」と。
その瞬間、トラックに引かれた澪は異世界へと飛ばされることになった。
スキル『倉庫(アイテムボックス)』を与えられた澪は、一人でのんびり二度目の人生を過ごすことにした。だが転生直後、レイは騎士によって迷宮へ落とされる。
※2018.10.31 hotランキング一位をいただきました。(11/1と11/2、続けて一位でした。ありがとうございます。)
※2018.11.12 ブクマ3800達成。ありがとうございます。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
憧れのスローライフを異世界で?
さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。
日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
お前じゃないと、追い出されたが最強に成りました。ざまぁ~見ろ(笑)
いくみ
ファンタジー
お前じゃないと、追い出されたので楽しく復讐させて貰いますね。実は転生者で今世紀では貴族出身、前世の記憶が在る、今まで能力を隠して居たがもう我慢しなくて良いな、開き直った男が楽しくパーティーメンバーに復讐していく物語。
---------
掲載は不定期になります。
追記
「ざまぁ」までがかなり時間が掛かります。
お知らせ
カクヨム様でも掲載中です。
異世界のんびりワークライフ ~生産チートを貰ったので好き勝手生きることにします~
樋川カイト
ファンタジー
友人の借金を押し付けられて馬車馬のように働いていた青年、三上彰。
無理がたたって過労死してしまった彼は、神を自称する男から自分の不幸の理由を知らされる。
そのお詫びにとチートスキルとともに異世界へと転生させられた彰は、そこで出会った人々と交流しながら日々を過ごすこととなる。
そんな彼に訪れるのは平和な未来か、はたまた更なる困難か。
色々と吹っ切れてしまった彼にとってその全てはただ人生の彩りになる、のかも知れない……。
※この作品はカクヨム様でも掲載しています。
異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!
夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。
ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。
そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。
視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。
二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。
*カクヨムでも先行更新しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる