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706 アンリエールの褒美 ②
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「さて、次はアラタさんですね。なにかご希望はありますか?なんでもいいですよ」
レイチェルとディリアンの褒美の話しがすむと、アンリエールは次にアラタへ問いかけた。
しかし、面と向かってなんでもいいと言われても、日本人特有の謙虚さと、事前にレイチェルがディリアンのために頭を下げた姿を見てしまったため、あれが欲しい、これが欲しいなど、とても口にする事はできなかった。
「えっと、私も特に・・・」
「聞くところによると、アラタさんはもうすぐカチュアと結婚式を挙げるそうですね?」
「え、あ・・・はい、具体的な日はまだ決めてませんが、早めにとは考えてます」
ふいに予想もしていない質問を受けて、アラタが言葉に詰まると、アンリエールは優しい笑みを浮かべて、手の平を差し向けた。
「では、その時にお祝いと合わせて、王家から贈り物をさせていただきますね」
「あ、はい!ありがとうございます」
アラタが自分から言い出せない事、そして欲しい物と言われても何も思いついていない事を察したアンリエールの心遣いに、アラタは感謝の意を表して頭を下げた。
「さて、次にバルデスとサリー、あなた方は何を望みますか?」
アンリエールが言葉を向けると、バルデスは顎に手を当て何かを考えるように視線を天井に向けた。
「う~ん、そうですな・・・私は金に困っていないし、前回の陛下とお話しさせていただいた時に、条件付きですが自由を手に入れました。後は・・・我がバルデス家に、サリーを認めさせる事だけですね」
「バルデス、以前から感じていた事ではありますが、あなたは侍女であるサリーと添い遂げたいとお考えですか?」
アンリエールはバルデスとサリーの距離感に、もしやと考えていた。
そしてこのバルデスの答えに、ほぼ確信を持って問いかけた。
「はい。私にはサリーしかおりません」
「バルデス様・・・」
迷いなく真っすぐにアンリエールの目を見て答えるバルデスと、そんなバルデスに信頼と愛情の目を向けるサリーを姿を見て、アンリエールは驚くと同時に嬉しそうに笑った。
「シャクール・バルデスは伯爵家の長男にして四勇士。そしてサリーはディルトン男爵家の三女でしたね。確かに身分で見れば、バルデス家の当主があまり良い顔をしない事は理解できます」
アンリエールの指摘は決して間違ったものではなかった。伯爵家の長男、そして国の守護神とも言える四勇士の一人シャクールは、侯爵家の娘さえ望める立場なのだ。家の繁栄を考えれば、当主の気持ちは理解できる。
アンリエールから現実的な言葉を聞かせられたサリーは、悲しそうに視線を落とした。
自分がバルデスから特別な好意を寄せられている事は気付いている。
気付いているが、身分を考えれば夢見てはいけない事と理解もしている。
だが、バルデスがいつでも、どこに行くのでもサリーを必要としてくれるのが嬉しくて、今回のロンズデールにも付いて来た。
楽しかった。絆が深まった事も感じられて、本当に嬉しかった。
だが、女王陛下の言葉に現実を見せられて、やはり自分では駄目なのだと思い知らされた気持ちになった。
「女王陛下、私は家を捨てても構わないが、それでもサリーを認めてくれませんか?」
「え、バ、バルデス様!いけません!私などのためにそのような・・・」
「サリー、私の気持ちは何度も伝えただろう?バルデス家がどうでもいいとは言わん。四勇士の誇りもある。だが、それ以上に私にはサリーが必要なんだ」
バルデスの揺るぎのない気持ちを聞いて、アラタもレイチェルも、誰もが心を動かされた。
ここまで想い合っている二人ならば、結ばれるべきだろうと。
「サリー・ディルトン、私の養子になりませんか?」
あまりに突然の言葉だった。
玉座の間が一瞬、水を打ったように静まり返ったが、その直後ざわめきが沸き起こった。
「じょ、女王陛下!な、なにを突然!?」
傍で控えていた老齢の大臣が慌てて近づくと、アンリエールは静止させるように片手を上げた。
「これが一番いい方法でしょう。今回の褒美として、ディルトン家を陞爵(しょうしゃく)する事もできますが、やはり子爵までです。伯爵家にはできませんし、三女という立場は変えられません。それに仮に伯爵家まで上げたとしても、バルデス家を納得はさせられないでしょう。なにせシャクールは四勇士ですからね。ですが、女王の養子ならばどうでしょう?王家とも結びつきは強くなりますし、サリーの後ろ盾は私になるのですからね。バルデス家当主も反対はしないでしょう」
「陛下、ほ、本当に、私が・・・」
突然の女王からの提案に、サリーは胸に手を当てて期待と不安の混じった目を向けた。
「えぇ、本当ですよ。あなたさえ望めば私の養子として受け入れましょう」
「ですが・・・私のような者が、よろしいのでしょうか?」
男爵家の三女という立場を自覚しているがゆえに、厚遇を提案されるほどに、サリーは不安な気持ちが大きくなった。
「・・・サリー、これは国にとってもい良い事なのです。あなたが私の養子になれば、バルデスはクインズベリー国を離れるわけにはいかないでしょう?最近の彼は旅に出たがっているようなので、そのうちフラっといなくなるのではと心配していたんです。四勇士シャクール・バルデスの戦闘力は、そうしてでも欲しいという事です。ディルトン男爵には私からお話ししましょう」
ただの親切心ではない。
バルデスを繋ぎとめるための提案でもある。
女王の本心を知り、サリーは得心がいった。
「サリー、そういう理由もありますが、あなたの人柄、侍女として、そして魔法使いとしての優秀さを知っているからこそですよ?サリー、エリザの良き姉になってくださいませんか?」
利を考えての提案である事は当然である。
だが、そこにある確かな優しさと、サリーという人間を見てくれている事が嬉しくて、サリーは胸に手を当てながら頭を下げた。
「はい。つつしんでお受け致します。女王陛下」
少し涙ぐんだ声に、バルデスはサリーの背中をそっと擦った。
「陛下、私からも感謝申し上げます。当主もきっと納得するでしょう。これでサリーとの将来に不安が無くなりました。できれば歓迎してもらいたいですからね」
サリーの隣でバルデスが頭を下げると、アンリエールは笑顔で頷いた。
「よいのです。今話した通り、あなたを逃がさないためでもあるのですからね。これからの活躍に期待してますよ?」
「かしこまりました。この四勇士シャクール・バルデス。受けた恩義はきちんとお返しします。この国のために、持てる力を惜しみません」
バルデスの返事に、アンリエールは満足して頷くと、最後にビリージョーに顔を向けた。
「では、最後にビリージョー。あなたはなにか欲しいものはありますか?」
その質問にビリージョーは、どこか覚悟を決めたような、真剣な面持ちで言葉を発した。
「恐れながら申し上げます。私は爵位を希望します」
レイチェルとディリアンの褒美の話しがすむと、アンリエールは次にアラタへ問いかけた。
しかし、面と向かってなんでもいいと言われても、日本人特有の謙虚さと、事前にレイチェルがディリアンのために頭を下げた姿を見てしまったため、あれが欲しい、これが欲しいなど、とても口にする事はできなかった。
「えっと、私も特に・・・」
「聞くところによると、アラタさんはもうすぐカチュアと結婚式を挙げるそうですね?」
「え、あ・・・はい、具体的な日はまだ決めてませんが、早めにとは考えてます」
ふいに予想もしていない質問を受けて、アラタが言葉に詰まると、アンリエールは優しい笑みを浮かべて、手の平を差し向けた。
「では、その時にお祝いと合わせて、王家から贈り物をさせていただきますね」
「あ、はい!ありがとうございます」
アラタが自分から言い出せない事、そして欲しい物と言われても何も思いついていない事を察したアンリエールの心遣いに、アラタは感謝の意を表して頭を下げた。
「さて、次にバルデスとサリー、あなた方は何を望みますか?」
アンリエールが言葉を向けると、バルデスは顎に手を当て何かを考えるように視線を天井に向けた。
「う~ん、そうですな・・・私は金に困っていないし、前回の陛下とお話しさせていただいた時に、条件付きですが自由を手に入れました。後は・・・我がバルデス家に、サリーを認めさせる事だけですね」
「バルデス、以前から感じていた事ではありますが、あなたは侍女であるサリーと添い遂げたいとお考えですか?」
アンリエールはバルデスとサリーの距離感に、もしやと考えていた。
そしてこのバルデスの答えに、ほぼ確信を持って問いかけた。
「はい。私にはサリーしかおりません」
「バルデス様・・・」
迷いなく真っすぐにアンリエールの目を見て答えるバルデスと、そんなバルデスに信頼と愛情の目を向けるサリーを姿を見て、アンリエールは驚くと同時に嬉しそうに笑った。
「シャクール・バルデスは伯爵家の長男にして四勇士。そしてサリーはディルトン男爵家の三女でしたね。確かに身分で見れば、バルデス家の当主があまり良い顔をしない事は理解できます」
アンリエールの指摘は決して間違ったものではなかった。伯爵家の長男、そして国の守護神とも言える四勇士の一人シャクールは、侯爵家の娘さえ望める立場なのだ。家の繁栄を考えれば、当主の気持ちは理解できる。
アンリエールから現実的な言葉を聞かせられたサリーは、悲しそうに視線を落とした。
自分がバルデスから特別な好意を寄せられている事は気付いている。
気付いているが、身分を考えれば夢見てはいけない事と理解もしている。
だが、バルデスがいつでも、どこに行くのでもサリーを必要としてくれるのが嬉しくて、今回のロンズデールにも付いて来た。
楽しかった。絆が深まった事も感じられて、本当に嬉しかった。
だが、女王陛下の言葉に現実を見せられて、やはり自分では駄目なのだと思い知らされた気持ちになった。
「女王陛下、私は家を捨てても構わないが、それでもサリーを認めてくれませんか?」
「え、バ、バルデス様!いけません!私などのためにそのような・・・」
「サリー、私の気持ちは何度も伝えただろう?バルデス家がどうでもいいとは言わん。四勇士の誇りもある。だが、それ以上に私にはサリーが必要なんだ」
バルデスの揺るぎのない気持ちを聞いて、アラタもレイチェルも、誰もが心を動かされた。
ここまで想い合っている二人ならば、結ばれるべきだろうと。
「サリー・ディルトン、私の養子になりませんか?」
あまりに突然の言葉だった。
玉座の間が一瞬、水を打ったように静まり返ったが、その直後ざわめきが沸き起こった。
「じょ、女王陛下!な、なにを突然!?」
傍で控えていた老齢の大臣が慌てて近づくと、アンリエールは静止させるように片手を上げた。
「これが一番いい方法でしょう。今回の褒美として、ディルトン家を陞爵(しょうしゃく)する事もできますが、やはり子爵までです。伯爵家にはできませんし、三女という立場は変えられません。それに仮に伯爵家まで上げたとしても、バルデス家を納得はさせられないでしょう。なにせシャクールは四勇士ですからね。ですが、女王の養子ならばどうでしょう?王家とも結びつきは強くなりますし、サリーの後ろ盾は私になるのですからね。バルデス家当主も反対はしないでしょう」
「陛下、ほ、本当に、私が・・・」
突然の女王からの提案に、サリーは胸に手を当てて期待と不安の混じった目を向けた。
「えぇ、本当ですよ。あなたさえ望めば私の養子として受け入れましょう」
「ですが・・・私のような者が、よろしいのでしょうか?」
男爵家の三女という立場を自覚しているがゆえに、厚遇を提案されるほどに、サリーは不安な気持ちが大きくなった。
「・・・サリー、これは国にとってもい良い事なのです。あなたが私の養子になれば、バルデスはクインズベリー国を離れるわけにはいかないでしょう?最近の彼は旅に出たがっているようなので、そのうちフラっといなくなるのではと心配していたんです。四勇士シャクール・バルデスの戦闘力は、そうしてでも欲しいという事です。ディルトン男爵には私からお話ししましょう」
ただの親切心ではない。
バルデスを繋ぎとめるための提案でもある。
女王の本心を知り、サリーは得心がいった。
「サリー、そういう理由もありますが、あなたの人柄、侍女として、そして魔法使いとしての優秀さを知っているからこそですよ?サリー、エリザの良き姉になってくださいませんか?」
利を考えての提案である事は当然である。
だが、そこにある確かな優しさと、サリーという人間を見てくれている事が嬉しくて、サリーは胸に手を当てながら頭を下げた。
「はい。つつしんでお受け致します。女王陛下」
少し涙ぐんだ声に、バルデスはサリーの背中をそっと擦った。
「陛下、私からも感謝申し上げます。当主もきっと納得するでしょう。これでサリーとの将来に不安が無くなりました。できれば歓迎してもらいたいですからね」
サリーの隣でバルデスが頭を下げると、アンリエールは笑顔で頷いた。
「よいのです。今話した通り、あなたを逃がさないためでもあるのですからね。これからの活躍に期待してますよ?」
「かしこまりました。この四勇士シャクール・バルデス。受けた恩義はきちんとお返しします。この国のために、持てる力を惜しみません」
バルデスの返事に、アンリエールは満足して頷くと、最後にビリージョーに顔を向けた。
「では、最後にビリージョー。あなたはなにか欲しいものはありますか?」
その質問にビリージョーは、どこか覚悟を決めたような、真剣な面持ちで言葉を発した。
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