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666 察知

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面白い!
攻撃が当たらないというのに、どうやって私を攻略するというのかね?
残り僅かな時間、消えゆく前の最後の灯、そんな小さな輝きでなにができるのか見せて見ろ!

防御に回れば勝てる。アラタの光が消えるまで、残り数十秒。
たったそれだけの時間を、逃げ切る事は難しい事ではない。
だが、ダリルはあえて前に出た。それは大臣である前に自身も体力型の戦士として、目の前の男との戦いに決着をつけたいという思いから。そしてなにより、十秒あれば逆転できるというこの男を、叩き伏せたいという闘争心からでもあった。

ダリルの右の突きは決して遅くはない。
だがそれは、あくまで力まかせにただ拳を振るっているだけであり、アラタには避ける事は容易く、カウンターの餌食にする事も可能だった。


闇の瘴気が触れれば光を削り取られる。
紙一重で躱せばアラタもダメージを覚悟しなければならない。

・・・ここが勝負の際だ!残り時間は僅か!ここに俺の全てを懸ける!

「オラァッ!」

ダリルの右の突きにかぶせて左ストレートを撃ち放つ!
スレスレで躱したダリルの右は、アラタの左頬をかすめ、光を削り取っていった。

「ガファッ・・・!」

アラタの左ストレートがダリルの右の頬にめり込んだ!
奥歯をへし折り、切れた口内から血が飛び散り吐き出される。

「なっ・・・ば、馬鹿な・・・!?」

な、なぜだ!?さっきよりはるかに速い!
これでは、いくら攻撃を察知できても、回避が追いつかない!

「オォォォォォォォォォーーーーーッ!」

左を戻しつつ腰を捻って右フックを繰り出す!

「グゥッ!」

ダリルは左肘を下げてアラタの横殴りの拳を受け切るが、闇の瘴気を軽々と突破してくるアラタの拳は、ガード越しでも体の内部にダメージを通して見せた!
眉間にシワを寄せ、腹部に響く衝撃に顔を歪ませると、続けて繰り出された左フックが、ダリルの胸を撃ち殴り抜く!

「ゴ、ハァッ・・・ぐ、こ、この野郎ォォォーーーッツ!」

反撃に出たダリルの、右の蹴りを腰を落として躱すと、続けて左ストレートでダリルの顔面を撃ち抜いた!足元が揺らめき一歩、二歩と後退するダリルに、アラタは追い打ちをかけて追撃をかける!


ダリル・パープルズ!
おそらくお前はなんらかの方法で俺の攻撃を察知しているんだ。それが俺の攻撃を躱せる理由なんだ!

だが、お前はボクシングを知らない!
間合いを、カウンターの威力を、そして拳の速さを!

お前が何かで俺の攻撃パターンを知るより早く、躱しきれないだけの連打を浴びせてやる!
受けて見ろ!

アラタの右ストレートがダリルの顔面を捉えた!
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