543 / 1,253
542 海に囲まれた城
しおりを挟む
「ここがサンドリーニ城よ」
アラルコン商会を出てから、俺達はリンジーさんに付いてロンズデールの城へと向かった。
歩きでは距離があったので、途中で馬車を拾い20分程走り着いたのが、このサンドリーニ城だった。
海と共に生きるロンズデールらしく、青い屋根に石造りの白い外壁が、見る物に海を連想させる。
中央の本丸には4つの巨大な塔。これはクインズベリー城を知っているアラタやレイチェルには、四勇士のいた見張りの塔を思い出させた。
そして本丸は大きな塔2基と共に巨大な前壁を作っていて、後部にはさらに大きな塔2基がある。
水辺に囲まれていて、城に入るためには幅広く長い橋を渡らなければならないのだが、これが馬車で渡り切るにも2~3分はかかった事から、想像以上にかなりの距離があると分かった。
「・・・けっこう長いんですね」
さながら海に浮かず孤島の城だ。いざという時でも、逃げ道は城の正面のこの橋を渡るしかない。
いつ、誰がこの城を造ったのか分からないが、もし城に攻め込まれたらと考えなかったのだろうか?
「何百年も前、この城が建てられた時は、ここまで長くはなかったみたいよ。でも、長い年月をかけて波が土を削っていって、それに合わせてちょっとづつ橋を補強しては、長く伸ばしていったらしいの。自然の力ってすごいわね」
リンジーさんは、今渡った橋を振り返り、遠くを見るように目を細めながら説明してくれた。
とても綺麗な景色だった。
橋を中心に、左右に分かれた海が空の青を吸収し、目の覚めるような美しい青に染まっている。
太陽の光を浴びて眩い輝きを放つ青い海に、俺はすっかり目を奪われてしまった。
「アラタ、今度はカチュアを連れてきてやるんだぞ」
「うおっ!」
いきなり耳元でささやかれ、驚きに体をよじり声を上げると、なにやら意味深な目で俺を見ているレイチェルがいた。
「び、びっくりしたー・・・驚かすなよ」
「あははは、いや、なに、この美しい景色を見ながら、隣にカチュアがいない寂しさに暮れているんだろうなと思ってね」
軽く睨みながら、一つ文句を言ってやるが、レイチェルはケラケラ笑って右から左に聞き流している。
「・・・それ、服も売ってて良かったな」
「ん、あぁ、言ってみるものだよな。さすがにあのボロボロのシャツを着て、城に来るわけにはいかないからな。まぁ、正装でない時点で大差ないかもしれないが」
レイチェルの着ている黄色のジッパー式のパーカーを指すと、レイチェルは服を見せるように右腕を上げて、左手で裾を摘まんで見せた。
「黄色なんて普段着ないから、なんだか新鮮だよ。どうだ?似合ってるかい?」
「うん、いいと思うよ。似合ってる。しかし、それも魔道具ってのは驚いたよ。普通のパーカーにしか見えないけどね」
「うん、これは私も驚いたよ。まさか魔道具だとは思わなかった。着ている者の体温と、周囲の気温に合わせて快適な暖かさになる。というのは嬉しいね。コートもボロボロで捨ててしまったから、本当に助かるよ」
アラルコン商会で買った黄色のパーカーの、お腹のポケットに両手を入れると、そろそろ行こうか、と言ってレイチェルは顔を城に向けた。
「よぉ、来たか。どうだ?旅の疲れはとれたか?」
城に入ると、入り口近くで待っていたガラハドさんがすぐに近寄って来た。
「ガラハド、時間は大丈夫ですか?」
「あぁ、いつ来るか分からんかったから、大臣の都合に合わせる事にした。お前達が来たら取りついでもらう事になっている。大臣の手があくまで待つ事になるが、そこは我慢してくれ」
「大丈夫ですよ。お忙しい大臣の時間をあまり拘束できませんしね。ではガラハド、私達はどこで待っていればいいですか?」
「あぁ、二階の応接室をとって置いた。執務室の隣だ。先に行っててくれ。俺はお前達が来た事を伝えて来る。まぁ、今からなら昼を過ぎるのは確定だぞ」
一歩前に出たリンジーさんが、これからの調整をつける。
昨日はあまり時間もなかったし、どの宿に泊まるかも分からなかったから、事前に面会の時間を決められなかった事はしかたないだろう。
「さて、どんなに早くても午後になるのは間違いないみたいね。みんな、せっかくだから二階に行く前に少し城を見て行かない?案内するわ」
ガラハドさんがいなくなると、リンジーさんの案内で城内を見て回る事になった。
リンジーさんはよほどこの城が好きなようで、いかにこの城が素晴らしいかを、熱の入った調子で語りながら歩く。
クインズベリー城は豪華絢爛、それは城らしい城で、映画に出てくる中世の城そのものだった。
しかし、このロンズデールのサンドリーニ城は、アニメに出て来るファンタジーな城という印象だ。
内装は白を基調とし、広間や通路には煌びやかな調度品は見当たらない。
シャンデリアも無く、その代わりに太陽光パネルのような、いくつものガラスを張り合わせた物が天井に取り付けられていて、それが広間や通路を明るく照らしている。
リンジーさんに聞いてみると、これも魔道具であり、発光石と原理は同じらしい。
絨毯は海をイメージした青らしく、外観もそうだったが、この城に使われている色はほぼ青と白のみである。
冬場には寒々しい印象を受けそうなものだが、天井から照らされる明かりは、良く見ないと分からないが淡い黄色で、これのおかげで暖かく優しい印象になる。
「よく計算されてますね」
「そうなの、すごいでしょ!この城には余計な飾り付けは必要ないの。どこからでも見える海と、そして海を象徴するこの色だけで十分なのよ」
そう話すリンジーさんの笑顔からは、心からこの城が好きなんだと伝わって来る。
色々見て周り、俺もこの城はこのままが一番だと思った。どれだけ見ても飽きないし、観光地として開放してもいいのではないかと思うくらいだ。
「さて、こんなところかな。じゃあ、そろそろ・・・」
「リンジー・・・戻ってきていたのか」
たっぷり一時間は歩いただろう。
それでもまだ城を全部見て回れたわけではないが、11時近くなりだんだん応接室に行こうかというところで、ふいにリンジーさんに声がかけられる。
30代くらいだろうか。
黒に近いダークグレーの髪は、トップを残しサイドを刈り上げている。
やや色黒で、鼻の下には丁寧に切りそろえられた髭、顎の回りにも同様に揃えられた髭が、耳に向かって伸びていた。
身長はリンジーさんより若干高いくらいで、180㎝あるかないかくらいだろう。
装備は全て銀製だった。丸みのある肩当て、肘から手首にかけてのアームガード。胸当て。腰から下にもしっかりと防具は付けられている。
そして左腰には大降りの剣が下げられていた。
確認するまでもなく、完全に体力型だと分かる装備だ。
「・・・カーン」
あまり会いたくなかった人物なのかもしれない。
リンジーさんは沈んだ声でその名を呟いた。
アラルコン商会を出てから、俺達はリンジーさんに付いてロンズデールの城へと向かった。
歩きでは距離があったので、途中で馬車を拾い20分程走り着いたのが、このサンドリーニ城だった。
海と共に生きるロンズデールらしく、青い屋根に石造りの白い外壁が、見る物に海を連想させる。
中央の本丸には4つの巨大な塔。これはクインズベリー城を知っているアラタやレイチェルには、四勇士のいた見張りの塔を思い出させた。
そして本丸は大きな塔2基と共に巨大な前壁を作っていて、後部にはさらに大きな塔2基がある。
水辺に囲まれていて、城に入るためには幅広く長い橋を渡らなければならないのだが、これが馬車で渡り切るにも2~3分はかかった事から、想像以上にかなりの距離があると分かった。
「・・・けっこう長いんですね」
さながら海に浮かず孤島の城だ。いざという時でも、逃げ道は城の正面のこの橋を渡るしかない。
いつ、誰がこの城を造ったのか分からないが、もし城に攻め込まれたらと考えなかったのだろうか?
「何百年も前、この城が建てられた時は、ここまで長くはなかったみたいよ。でも、長い年月をかけて波が土を削っていって、それに合わせてちょっとづつ橋を補強しては、長く伸ばしていったらしいの。自然の力ってすごいわね」
リンジーさんは、今渡った橋を振り返り、遠くを見るように目を細めながら説明してくれた。
とても綺麗な景色だった。
橋を中心に、左右に分かれた海が空の青を吸収し、目の覚めるような美しい青に染まっている。
太陽の光を浴びて眩い輝きを放つ青い海に、俺はすっかり目を奪われてしまった。
「アラタ、今度はカチュアを連れてきてやるんだぞ」
「うおっ!」
いきなり耳元でささやかれ、驚きに体をよじり声を上げると、なにやら意味深な目で俺を見ているレイチェルがいた。
「び、びっくりしたー・・・驚かすなよ」
「あははは、いや、なに、この美しい景色を見ながら、隣にカチュアがいない寂しさに暮れているんだろうなと思ってね」
軽く睨みながら、一つ文句を言ってやるが、レイチェルはケラケラ笑って右から左に聞き流している。
「・・・それ、服も売ってて良かったな」
「ん、あぁ、言ってみるものだよな。さすがにあのボロボロのシャツを着て、城に来るわけにはいかないからな。まぁ、正装でない時点で大差ないかもしれないが」
レイチェルの着ている黄色のジッパー式のパーカーを指すと、レイチェルは服を見せるように右腕を上げて、左手で裾を摘まんで見せた。
「黄色なんて普段着ないから、なんだか新鮮だよ。どうだ?似合ってるかい?」
「うん、いいと思うよ。似合ってる。しかし、それも魔道具ってのは驚いたよ。普通のパーカーにしか見えないけどね」
「うん、これは私も驚いたよ。まさか魔道具だとは思わなかった。着ている者の体温と、周囲の気温に合わせて快適な暖かさになる。というのは嬉しいね。コートもボロボロで捨ててしまったから、本当に助かるよ」
アラルコン商会で買った黄色のパーカーの、お腹のポケットに両手を入れると、そろそろ行こうか、と言ってレイチェルは顔を城に向けた。
「よぉ、来たか。どうだ?旅の疲れはとれたか?」
城に入ると、入り口近くで待っていたガラハドさんがすぐに近寄って来た。
「ガラハド、時間は大丈夫ですか?」
「あぁ、いつ来るか分からんかったから、大臣の都合に合わせる事にした。お前達が来たら取りついでもらう事になっている。大臣の手があくまで待つ事になるが、そこは我慢してくれ」
「大丈夫ですよ。お忙しい大臣の時間をあまり拘束できませんしね。ではガラハド、私達はどこで待っていればいいですか?」
「あぁ、二階の応接室をとって置いた。執務室の隣だ。先に行っててくれ。俺はお前達が来た事を伝えて来る。まぁ、今からなら昼を過ぎるのは確定だぞ」
一歩前に出たリンジーさんが、これからの調整をつける。
昨日はあまり時間もなかったし、どの宿に泊まるかも分からなかったから、事前に面会の時間を決められなかった事はしかたないだろう。
「さて、どんなに早くても午後になるのは間違いないみたいね。みんな、せっかくだから二階に行く前に少し城を見て行かない?案内するわ」
ガラハドさんがいなくなると、リンジーさんの案内で城内を見て回る事になった。
リンジーさんはよほどこの城が好きなようで、いかにこの城が素晴らしいかを、熱の入った調子で語りながら歩く。
クインズベリー城は豪華絢爛、それは城らしい城で、映画に出てくる中世の城そのものだった。
しかし、このロンズデールのサンドリーニ城は、アニメに出て来るファンタジーな城という印象だ。
内装は白を基調とし、広間や通路には煌びやかな調度品は見当たらない。
シャンデリアも無く、その代わりに太陽光パネルのような、いくつものガラスを張り合わせた物が天井に取り付けられていて、それが広間や通路を明るく照らしている。
リンジーさんに聞いてみると、これも魔道具であり、発光石と原理は同じらしい。
絨毯は海をイメージした青らしく、外観もそうだったが、この城に使われている色はほぼ青と白のみである。
冬場には寒々しい印象を受けそうなものだが、天井から照らされる明かりは、良く見ないと分からないが淡い黄色で、これのおかげで暖かく優しい印象になる。
「よく計算されてますね」
「そうなの、すごいでしょ!この城には余計な飾り付けは必要ないの。どこからでも見える海と、そして海を象徴するこの色だけで十分なのよ」
そう話すリンジーさんの笑顔からは、心からこの城が好きなんだと伝わって来る。
色々見て周り、俺もこの城はこのままが一番だと思った。どれだけ見ても飽きないし、観光地として開放してもいいのではないかと思うくらいだ。
「さて、こんなところかな。じゃあ、そろそろ・・・」
「リンジー・・・戻ってきていたのか」
たっぷり一時間は歩いただろう。
それでもまだ城を全部見て回れたわけではないが、11時近くなりだんだん応接室に行こうかというところで、ふいにリンジーさんに声がかけられる。
30代くらいだろうか。
黒に近いダークグレーの髪は、トップを残しサイドを刈り上げている。
やや色黒で、鼻の下には丁寧に切りそろえられた髭、顎の回りにも同様に揃えられた髭が、耳に向かって伸びていた。
身長はリンジーさんより若干高いくらいで、180㎝あるかないかくらいだろう。
装備は全て銀製だった。丸みのある肩当て、肘から手首にかけてのアームガード。胸当て。腰から下にもしっかりと防具は付けられている。
そして左腰には大降りの剣が下げられていた。
確認するまでもなく、完全に体力型だと分かる装備だ。
「・・・カーン」
あまり会いたくなかった人物なのかもしれない。
リンジーさんは沈んだ声でその名を呟いた。
0
お気に入りに追加
141
あなたにおすすめの小説
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
「クズスキルの偽者は必要無い!」と公爵家を追放されたので、かけがえのない仲間と共に最高の国を作ります
古河夜空
ファンタジー
「お前をルートベルク公爵家から追放する――」それはあまりにも突然の出来事だった。
一五歳の誕生日を明日に控えたレオンは、公爵家を追放されてしまう。魔を制する者“神託の御子”と期待されていた、ルートベルク公爵の息子レオンだったが、『継承』という役立たずのスキルしか得ることができず、神託の御子としての片鱗を示すことが出来なかったため追放されてしまう。
一人、逃げる様に王都を出て行くレオンだが、公爵家の汚点たる彼を亡き者にしようとする、ルートベルク公爵の魔の手が迫っていた。「絶対に生き延びてやる……ッ!」レオンは己の力を全て使い、知恵を絞り、公爵の魔の手から逃れんがために走る。生き延びるため、公爵達を見返すため、自分を信じてくれる者のため。
どれだけ窮地に立たされようとも、秘めた想いを曲げない少年の周りには、人、エルフ、ドワーフ、そして魔族、種族の垣根を越えたかけがえの無い仲間達が集い―― これは、追放された少年が最高の国を作りあげる物語。
※他サイト様でも掲載しております。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
他国から来た王妃ですが、冷遇? 私にとっては厚遇すぎます!
七辻ゆゆ
ファンタジー
人質同然でやってきたというのに、出されるご飯は母国より美味しいし、嫌味な上司もいないから掃除洗濯毎日楽しいのですが!?
あの、神様、普通の家庭に転生させてって言いましたよね?なんか、森にいるんですけど.......。
▽空
ファンタジー
テンプレのトラックバーンで転生したよ......
どうしようΣ( ̄□ ̄;)
とりあえず、今世を楽しんでやる~!!!!!!!!!
R指定は念のためです。
マイペースに更新していきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる