523 / 1,253
522 追跡 ①
しおりを挟む
「・・・どうやら帰りの馬車の御者は、エルウィンではないようだな。城の兵士だ」
「そうか、まぁエルウィンは治安部隊の仕事もあるし、いつ終わるか分からない謁見を待ってもいられないよな。お、馬車が出るようだぞ」
俺達は一階の窓から、城門に付けていた馬車を見ていた。
リンジーさん達がロンズデールに帰るための馬車だ。
使者が謁見の後、どこに移動するにも待たせる事のないように、ずっと待機していたらしい。
馬車が走り出すと、俺とレイチェルは正門を出て中庭を走り抜け、城門を出た。
リンジーさん達を乗せた馬車は町へは戻らず、反対方向へと進んでいる。
「ほぅ、この方角だとロンズデールだな。このまま真っすぐ帰ってくれると楽なんだがな」
額に手を当て、どんどん小さくなっていく馬車を眺めながら、レイチェルは小さく笑った。
「さて、レイチェル、俺達は走って追いかけるんだろ?行こうぜ」
この状況、俺は走って馬車を追いかけるしかないと悟っていた。
屈伸して膝を伸ばし、両手を組ませ頭の上で伸びをする。
今は11時を回ったところで陽も高い。11月とはいっても日中の日差しは暖かく、体をほぐしやすい。
準備運動をしながらレイチェルに話しかけると、レイチェルは軽く跳躍をしながら俺に顔を向けた。
「話しが早いじゃないか。ロンズデールまでの距離を考えると、今日はナック村で一泊するはずだ。馬車で4~5時間というところかな。アラタ、付いてこれなければおいていくぞ?」
笑っているが、それは俺を試すような挑戦的な笑みだった。
どうやらレイチェルは俺と勝負したいようだ。
「なめんなよ?レイチェルこそ大丈夫なのか?俺、持久力は自信あるんだぜ」
日本にいた時も走り込みは欠かさなかった。
それは、こっちの世界に来てからも変わらない。
更にこの世界で身体能力が大幅に上がっている今、その位の距離なら十分に走れる自信があった。
「考えてみれば、キミとは手合わせもした事がなかったな。まずは体力勝負といこう」
俺は口の端を上げてニヤリと笑って見せ、受けて立つと頷いて見せた。
どちらからという事はなく、自然と二人で呼吸を合わせ、俺達は同時に地を蹴った。
「リンジー、やはりダメだったな。これからどうする?」
イスに深く腰をかけ、膝の上に肘をつき、手の平に顎を乗せながら、ガラハドが向かいのイスに座るリンジーに話しを向けた。
揺れる馬車の振動に体を震わせられながら、リンジーは努めて明るく言葉を返した。
「そうですね・・・今日はナック村で一泊しましょう。ちょっと疲れちゃいましたし、時間を考えれば、そこから先には行けませんしね」
「うむ、まぁそうするしかないか。ファビアナ、どうだ?」
ガラハドはリンジーの隣に座るファビアナを見る。
「え、えっと・・・い、今のところ、だ、誰も付いて来て、な、ないよう、です・・・」
ファビアナは帽子を深くかぶり、顔を隠しながらガラハドの問いに答えた。
「ふむ・・・そうか、十中八九、誰かを追跡させると思ったのだがな。お前の魔蝶(まちょう)は周囲1000メートルは見れるんだったよな?」
顎を撫でながら、ガラハドはファビアナに念を押すように確認してくる。
「は、はい、わ、私の魔蝶の飛行距離に、せ、制限は、あ、ありません。魔蝶の周囲1000メートルは、魔蝶を通して、見れます」
「ファビアナの魔蝶は、視認して確認しなければならないから、青魔法のサーチと比べると察知は苦手よね?でも、それを補ってあまりあるメリットがあるわ」
リンジーが誉め言葉を口にすると、ファビアナは頬を赤く染め両手で帽子を掴み下げ、顔を隠した。
ファビアナの魔道具、魔蝶。
ファビアナが作ったこの魔道具は、魔力を餌に飛び回る、文字通り蝶の形をした探索型の魔道具である。
青魔法のサーチと似ているが、使い手を中心に円状に魔力を飛ばし探るサーチと違い、魔蝶はファビアナの意思で自由に飛び回らせ、その視界は1000メートルまで捉える事ができる。
距離の制限がないため、その気になれば10キロ先まで飛ばし情報を得る事も可能であり、偵察としてこれ程優れた魔道具は無かった。
「で、でも・・・もし、樹の影に隠れてたり、したら・・・魔蝶で調べきれないから・・・」
ファビアナがあえて自らの魔道具の欠点を口にすると、ガラハドが笑い声を上げた。
「ハッハッハ!分かってる分かってる!取りこぼしは気にするな。俺らも警戒を緩めるつもりはない。あんな書状を出したんだ。女王は最後に好意的な言葉をくれたが、クインズベリーからしたら、胸中穏やかではなかろう。これから俺達が帝国と接触すると考えて、追跡者は絶対に出すはずだ。魔蝶に見つからないあたり、隠密行動に長けた者でも出したのだろう。もし見つけたら、その時は俺が叩き潰してやる」
そう言って不敵な笑みを浮かべると、ガラハドは手にしている鉄の棒を、ファビアナに見せつけるように前に出した。
「え、ちょ、や、やめてください・・・」
「ハッハッハ、ファビアナになにかするわけなかろう!お前はオドオドし過ぎだぞ?いい加減に慣れてもらわんとなぁ、俺らと何年の付き合いだ?」
「ガラハド、ファビアナにはファビアナのペースがあるんですよ?最初に比べたら、ずいぶん良くなったじゃないですか?今はこれでいいんです。ファビアナ、気にしないでね」
「・・・は、はい・・・」
リンジーにたしなめられ、ガラハドは頭をボリボリ掻くと、口を曲げ鼻から息を吐いた。
「・・・でも、まぁ、そうだな。ファビアナの事情を知ってるのに、今の言い方は俺が悪かった。すまんな」
「い、いえ、そ、そんな・・・わ、私こそ・・・すみません」
頭を下げるガラハドに、ファビアナも慌ててもっと深く頭を下げる。
そんな二人を見て、リンジーはクスリと笑った。
「あらあら、なんだかんだで、二人は仲良しですね」
リンジーが小さくそう言葉にすると、突然ガラハドが勢いよく顔を上げ、馬車の窓から外を鋭く睨み付けた。右手に握る鉄の棒を今にも振り回しそうに構え、全身から殺気が滲みです。
「・・・ガラハド、いるのですか?」
今さっきまでにこやかに笑っていたガラハドの豹変に、リンジーは追跡者の存在を問いかけた。
「・・・・・一瞬だが、視線を感じた。今はもう分からん。俺が反応した事に気付き気配を消したのなら、相当な使い手だな・・・・・確実な事は言えんが、追跡者はいるものとして行動した方がいい」
「そうですか・・・ガラハドがそう言うのでしたら、そうしましょう。ところで、追跡者はあの二人でしょうか?」
リンジーが口にした二人が、誰を指したのかものなのか、ガラハドはすぐに理解し言葉を返した。
「玉座の間まで案内したレイジェスの二人だな?レイチェルとアラタ、だったか?俺と同じ体力型だったからすぐに分かったぜ。あの二人は強い、十分考えられる。あとは、女王の隣にいた女二人だな。騎士達もなかなかのレベルだったが、俺が脅威に思う程ではない」
ガラハドの説明に、リンジーは得心がいったように、そうですか、と頷いた。
「では、考えなければいけませんね」
「うむ、そこはお前とファビアナに任せる。俺は細かい事は苦手だ」
それきりガラハドとリンジーは口を閉ざし、馬車の中には沈黙が降りた。
「・・・気付かれたな」
「マジか?百メートル以上は離れてんのに・・・化け物だな」
アラタとレイチェルは、リンジー達の乗る馬車をはるか後方から追跡していた。
木陰に身を隠しながら並んで走っていたが、レイチェルが僅かにスピードを緩め、前を向いたまま言葉を発した。
「アラタ、この距離がギリギリだ。これ以上は距離を詰めるな。それと強く意識するな。意識を向けるのもマズイ。異常に感覚の鋭いヤツだ」
「分かった。このまま追跡して大丈夫なのか?」
言葉を返しながらアラタも若干スピードを落とす。
馬車との間には一定の距離が開き、二人はそれ以上の距離を詰めないように、速度を保ちながら追跡を続けた。
「やむをえまい。だが、おそらく何者かが付けてきている、程度の感覚だろう。私達の位置までは特定できていないはずだ。そもそも向こうも追跡者の想定くらいはしているだろうし、今更とも言える。アンリエール様は万一先頭になった場合、生きて帰って来れる者として、私達を指名したんだ。状況によっては撤退する事もあるが、今は進むんだ」
「分かった」
レイチェルの考えに一言だけ同意して返すと、アラタもそれ以降は会話を止め、目の前の任務に集中し足を動かした。
「そうか、まぁエルウィンは治安部隊の仕事もあるし、いつ終わるか分からない謁見を待ってもいられないよな。お、馬車が出るようだぞ」
俺達は一階の窓から、城門に付けていた馬車を見ていた。
リンジーさん達がロンズデールに帰るための馬車だ。
使者が謁見の後、どこに移動するにも待たせる事のないように、ずっと待機していたらしい。
馬車が走り出すと、俺とレイチェルは正門を出て中庭を走り抜け、城門を出た。
リンジーさん達を乗せた馬車は町へは戻らず、反対方向へと進んでいる。
「ほぅ、この方角だとロンズデールだな。このまま真っすぐ帰ってくれると楽なんだがな」
額に手を当て、どんどん小さくなっていく馬車を眺めながら、レイチェルは小さく笑った。
「さて、レイチェル、俺達は走って追いかけるんだろ?行こうぜ」
この状況、俺は走って馬車を追いかけるしかないと悟っていた。
屈伸して膝を伸ばし、両手を組ませ頭の上で伸びをする。
今は11時を回ったところで陽も高い。11月とはいっても日中の日差しは暖かく、体をほぐしやすい。
準備運動をしながらレイチェルに話しかけると、レイチェルは軽く跳躍をしながら俺に顔を向けた。
「話しが早いじゃないか。ロンズデールまでの距離を考えると、今日はナック村で一泊するはずだ。馬車で4~5時間というところかな。アラタ、付いてこれなければおいていくぞ?」
笑っているが、それは俺を試すような挑戦的な笑みだった。
どうやらレイチェルは俺と勝負したいようだ。
「なめんなよ?レイチェルこそ大丈夫なのか?俺、持久力は自信あるんだぜ」
日本にいた時も走り込みは欠かさなかった。
それは、こっちの世界に来てからも変わらない。
更にこの世界で身体能力が大幅に上がっている今、その位の距離なら十分に走れる自信があった。
「考えてみれば、キミとは手合わせもした事がなかったな。まずは体力勝負といこう」
俺は口の端を上げてニヤリと笑って見せ、受けて立つと頷いて見せた。
どちらからという事はなく、自然と二人で呼吸を合わせ、俺達は同時に地を蹴った。
「リンジー、やはりダメだったな。これからどうする?」
イスに深く腰をかけ、膝の上に肘をつき、手の平に顎を乗せながら、ガラハドが向かいのイスに座るリンジーに話しを向けた。
揺れる馬車の振動に体を震わせられながら、リンジーは努めて明るく言葉を返した。
「そうですね・・・今日はナック村で一泊しましょう。ちょっと疲れちゃいましたし、時間を考えれば、そこから先には行けませんしね」
「うむ、まぁそうするしかないか。ファビアナ、どうだ?」
ガラハドはリンジーの隣に座るファビアナを見る。
「え、えっと・・・い、今のところ、だ、誰も付いて来て、な、ないよう、です・・・」
ファビアナは帽子を深くかぶり、顔を隠しながらガラハドの問いに答えた。
「ふむ・・・そうか、十中八九、誰かを追跡させると思ったのだがな。お前の魔蝶(まちょう)は周囲1000メートルは見れるんだったよな?」
顎を撫でながら、ガラハドはファビアナに念を押すように確認してくる。
「は、はい、わ、私の魔蝶の飛行距離に、せ、制限は、あ、ありません。魔蝶の周囲1000メートルは、魔蝶を通して、見れます」
「ファビアナの魔蝶は、視認して確認しなければならないから、青魔法のサーチと比べると察知は苦手よね?でも、それを補ってあまりあるメリットがあるわ」
リンジーが誉め言葉を口にすると、ファビアナは頬を赤く染め両手で帽子を掴み下げ、顔を隠した。
ファビアナの魔道具、魔蝶。
ファビアナが作ったこの魔道具は、魔力を餌に飛び回る、文字通り蝶の形をした探索型の魔道具である。
青魔法のサーチと似ているが、使い手を中心に円状に魔力を飛ばし探るサーチと違い、魔蝶はファビアナの意思で自由に飛び回らせ、その視界は1000メートルまで捉える事ができる。
距離の制限がないため、その気になれば10キロ先まで飛ばし情報を得る事も可能であり、偵察としてこれ程優れた魔道具は無かった。
「で、でも・・・もし、樹の影に隠れてたり、したら・・・魔蝶で調べきれないから・・・」
ファビアナがあえて自らの魔道具の欠点を口にすると、ガラハドが笑い声を上げた。
「ハッハッハ!分かってる分かってる!取りこぼしは気にするな。俺らも警戒を緩めるつもりはない。あんな書状を出したんだ。女王は最後に好意的な言葉をくれたが、クインズベリーからしたら、胸中穏やかではなかろう。これから俺達が帝国と接触すると考えて、追跡者は絶対に出すはずだ。魔蝶に見つからないあたり、隠密行動に長けた者でも出したのだろう。もし見つけたら、その時は俺が叩き潰してやる」
そう言って不敵な笑みを浮かべると、ガラハドは手にしている鉄の棒を、ファビアナに見せつけるように前に出した。
「え、ちょ、や、やめてください・・・」
「ハッハッハ、ファビアナになにかするわけなかろう!お前はオドオドし過ぎだぞ?いい加減に慣れてもらわんとなぁ、俺らと何年の付き合いだ?」
「ガラハド、ファビアナにはファビアナのペースがあるんですよ?最初に比べたら、ずいぶん良くなったじゃないですか?今はこれでいいんです。ファビアナ、気にしないでね」
「・・・は、はい・・・」
リンジーにたしなめられ、ガラハドは頭をボリボリ掻くと、口を曲げ鼻から息を吐いた。
「・・・でも、まぁ、そうだな。ファビアナの事情を知ってるのに、今の言い方は俺が悪かった。すまんな」
「い、いえ、そ、そんな・・・わ、私こそ・・・すみません」
頭を下げるガラハドに、ファビアナも慌ててもっと深く頭を下げる。
そんな二人を見て、リンジーはクスリと笑った。
「あらあら、なんだかんだで、二人は仲良しですね」
リンジーが小さくそう言葉にすると、突然ガラハドが勢いよく顔を上げ、馬車の窓から外を鋭く睨み付けた。右手に握る鉄の棒を今にも振り回しそうに構え、全身から殺気が滲みです。
「・・・ガラハド、いるのですか?」
今さっきまでにこやかに笑っていたガラハドの豹変に、リンジーは追跡者の存在を問いかけた。
「・・・・・一瞬だが、視線を感じた。今はもう分からん。俺が反応した事に気付き気配を消したのなら、相当な使い手だな・・・・・確実な事は言えんが、追跡者はいるものとして行動した方がいい」
「そうですか・・・ガラハドがそう言うのでしたら、そうしましょう。ところで、追跡者はあの二人でしょうか?」
リンジーが口にした二人が、誰を指したのかものなのか、ガラハドはすぐに理解し言葉を返した。
「玉座の間まで案内したレイジェスの二人だな?レイチェルとアラタ、だったか?俺と同じ体力型だったからすぐに分かったぜ。あの二人は強い、十分考えられる。あとは、女王の隣にいた女二人だな。騎士達もなかなかのレベルだったが、俺が脅威に思う程ではない」
ガラハドの説明に、リンジーは得心がいったように、そうですか、と頷いた。
「では、考えなければいけませんね」
「うむ、そこはお前とファビアナに任せる。俺は細かい事は苦手だ」
それきりガラハドとリンジーは口を閉ざし、馬車の中には沈黙が降りた。
「・・・気付かれたな」
「マジか?百メートル以上は離れてんのに・・・化け物だな」
アラタとレイチェルは、リンジー達の乗る馬車をはるか後方から追跡していた。
木陰に身を隠しながら並んで走っていたが、レイチェルが僅かにスピードを緩め、前を向いたまま言葉を発した。
「アラタ、この距離がギリギリだ。これ以上は距離を詰めるな。それと強く意識するな。意識を向けるのもマズイ。異常に感覚の鋭いヤツだ」
「分かった。このまま追跡して大丈夫なのか?」
言葉を返しながらアラタも若干スピードを落とす。
馬車との間には一定の距離が開き、二人はそれ以上の距離を詰めないように、速度を保ちながら追跡を続けた。
「やむをえまい。だが、おそらく何者かが付けてきている、程度の感覚だろう。私達の位置までは特定できていないはずだ。そもそも向こうも追跡者の想定くらいはしているだろうし、今更とも言える。アンリエール様は万一先頭になった場合、生きて帰って来れる者として、私達を指名したんだ。状況によっては撤退する事もあるが、今は進むんだ」
「分かった」
レイチェルの考えに一言だけ同意して返すと、アラタもそれ以降は会話を止め、目の前の任務に集中し足を動かした。
0
お気に入りに追加
141
あなたにおすすめの小説
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
「クズスキルの偽者は必要無い!」と公爵家を追放されたので、かけがえのない仲間と共に最高の国を作ります
古河夜空
ファンタジー
「お前をルートベルク公爵家から追放する――」それはあまりにも突然の出来事だった。
一五歳の誕生日を明日に控えたレオンは、公爵家を追放されてしまう。魔を制する者“神託の御子”と期待されていた、ルートベルク公爵の息子レオンだったが、『継承』という役立たずのスキルしか得ることができず、神託の御子としての片鱗を示すことが出来なかったため追放されてしまう。
一人、逃げる様に王都を出て行くレオンだが、公爵家の汚点たる彼を亡き者にしようとする、ルートベルク公爵の魔の手が迫っていた。「絶対に生き延びてやる……ッ!」レオンは己の力を全て使い、知恵を絞り、公爵の魔の手から逃れんがために走る。生き延びるため、公爵達を見返すため、自分を信じてくれる者のため。
どれだけ窮地に立たされようとも、秘めた想いを曲げない少年の周りには、人、エルフ、ドワーフ、そして魔族、種族の垣根を越えたかけがえの無い仲間達が集い―― これは、追放された少年が最高の国を作りあげる物語。
※他サイト様でも掲載しております。
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
他国から来た王妃ですが、冷遇? 私にとっては厚遇すぎます!
七辻ゆゆ
ファンタジー
人質同然でやってきたというのに、出されるご飯は母国より美味しいし、嫌味な上司もいないから掃除洗濯毎日楽しいのですが!?
屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。
彩世幻夜
ファンタジー
母が死にました。
父が連れてきた継母と異母弟に家を追い出されました。
わー、凄いテンプレ展開ですね!
ふふふ、私はこの時を待っていた!
いざ行かん、正義の旅へ!
え? 魔王? 知りませんよ、私は勇者でも聖女でも賢者でもありませんから。
でも……美味しいは正義、ですよね?
2021/02/19 第一部完結
2021/02/21 第二部連載開始
2021/05/05 第二部完結
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる