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475 切り札
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左から右へ体を捻り、私の首を狙う一太刀を、右手のナイフを立てて防ぐ。
躱すと言う選択肢は無かった。
この距離で頭を下げれば、アルベルトの次の攻撃を確認できず防げない。
後ろに引いて躱そうにも、左肩の重みのせいで重心が崩れていて、やはり追撃をまともに受けてしまうだろう。
私は左半身を後ろに引いて、右半身を前に構え、右一本でアルベルトと戦う覚悟を固めた。
「面白い!片腕でこの俺とやり合うつもりか!?どこまで防げるか見せて見ろ!」
刀身の黒く染まった片手剣を掲げると、アルベルトは私の頭を目掛けて剣を振り下ろした。
これも私は右のナイフを頭上に立てて受け止めたが、思わずナイフを叩き落とされそうになった。
「なっ、んだ、と!?」
こ・・・この重さはなんだ!?
ただの打ち込みならば、男が相手でも私は片腕で十分受け太刀できる。
だが、この重さは、この重さは普通じゃない!
歯を食いしばり持ちこたえる私を上から見下ろし、アルベルトがニヤリと笑った。
「ほぅ、よく持ちこたえたな?だが、片腕でいつまで持つかな?」
アルベルトが剣を押し込むように左腕も添えると、私の体にかかる重圧が更に増した。
「ぐッツ!こ、これは・・・この重さは!?」
これほどの重圧は普通じゃない!
剣でこれほどの圧力を出せるのか?まるで大木でも受け止めているかのようだ・・・まさか!?
「その表情、気付いたようだな?そうだ、グラビティソードは剣そのものを重くできる。これがこの剣の本領だ!」
アルベルトは声を張り上ると共に、渾身の力を剣に込めた。
ダメだ!もう持たない!
【柔の技はもう教えているよ。俺との組手の中でね。それを生かす戦い方を見つけてごらん。大丈夫、レイチェルならきっとできるよ。レイチェルならだれにも負けない。いつか俺の事だって超えていけるさ】
店長・・・・・
私は跳ね返そうと堪えていた右腕から力を抜いて、ナイフを手放した
抵抗が無くなったアルベルトの剣は、そのまま私の頭めがけて真っ直ぐに振り下ろされる。
「諦めたか!?死ね!」
目の前に迫る黒い刀身の片手剣。
私は右手でアルベルトの右手首を掴むと、少しだけ力を加えて軌道を逸らした。
「う、おぉぉッツ!?」
アルベルトの剣は私の髪を少しだけ切り裂き、私の左脇の床にその刀身を食い込ませていた。
バランスを崩したアルベルトは、足が浮いて下半身が不安定になる。
この一瞬を私は見逃さなかった。
再び左腕を床について軸にすると、右足で床を蹴って腰を浮かせる。
そのまま右足をアルベルトの頭の上に高く上げると、重力に任せて振り下ろした。
「チッ!さすがゴールド騎士、あの体勢から防ぐか」
「ぐぅぅッツ!く・・・そ!」
アルベルトは、反射的に後頭部を護るように左腕を出した。
それによって私の踵落としは、アルベルトの後頭部ではなく、左腕を直撃する事になる。
狙いは外された。だが、私の蹴りは軽くない。
プレートメイルの鉄の腕当てであろうが、まともに受ければ無傷ではすまない。
アルベルトの左腕の装甲はひび割れ、その蹴りの衝撃は肉体にも伝わっていた。
骨まではいっていないだろうが、痛みに顔をしかめている様子から、しばらくはまともに動かせないだろう。
そうだ。
私の攻撃を千発受けても倒れないマルコスが異常なだけで、本来私の蹴りは一撃必殺と言っていい威力はあるのだ。
「くっ、ウォォォォォーッツ!」
アルベルトの武器は片手剣。右手一本あれば攻撃に支障はない。
怒りの火を目に灯したアルベルトが、矢継ぎ早に攻撃を繰り出す。文句無しの技の数々。
しかし、私は右手一本でそれらをいなした。
上段からの斬り落としを、横薙ぎを、突きを、全てアルベルトの攻撃してくる力に、私自身の力を少しだけ加えて外し続けた。
何度目かのアルベルトの剣をいなし、手首を捻り投げ飛ばすと、アルベルトは受け身すらとれずに背中から床に落下した。
「・・・店長、分かりました。これが柔の戦い方ですね」
私の最大の武器はスピードだ。そしてそのスピードを生かす目の良さもある。
これまではそれを頼りに打撃だけで戦ってきた。
けれどこうして足が使えなくなった時にどう戦うか、今それが分かった。
「・・・ふっ・・・ははははは・・・」
突然聞こえる笑い声、それは後ろで倒れているアルベルトが発したものだった。
私はアルベルトに体を向けて、右手を前に構える。
最後まで油断してはだめだ。
優勢に戦えているが、私はまだあの歩方を攻略できていないし、ゴールド騎士に上り詰めたこの男が、このまま終わるとも思えない。
アルベルトはまるで、朝ベットから起き上がるようにゆっくりと、リラックスした様子で体を起こした。
そして振り返った顔を見て、私の背筋に冷たいものが走った。
「・・・グラビティソード・・・フルパワーだ」
目が座るという言葉は、こういう顔を言うのだろう。
口は笑っているがその銀色の瞳には、静かだが目の前の敵を絶対に仕留めると言う、強く確かな殺意が宿っている。
アルベルトの黒い刀身の片手剣が小刻みに震え出し、それに伴い剣から強いプレッシャーが放たれる。
それは荒れ狂う風のように、レイチェルの体を強く叩きつけた。
「・・・すごいね」
レイチェルは唾を飲んだ。アルベルトの片手剣に集まるエネルギー、それが計り知れない程の強力なものだという事は、こうして向かい合っているだけで十分に分かった。
これがゴールド騎士アルベルト・ジョシュアの切り札だと理解する。
アルベルトから発せられる強烈なプレッシャー。
それはかつてマルコス・ゴンサレスと戦った時に感じたものとよく似ていた。
あの時は、マルコスを追い詰める程に戦えたが、結局敗れてしまった。
しかし今回は・・・・・
レイチェルは落としたナイフを拾い、右手で持ち構えた。
アルベルトは腰を低く落とし、左半身を前にし体を右に捻って剣を構えた。
そこから振るわれる右の一撃・・・・・それで全てが決まる。
レイチェル・エリオット・・・
恐ろしい程の戦いのセンスだ。
この戦いの中であれほどの進化を見せるとは・・・
最初は打撃のみだった。
だが、途中から見せた受け流し、そしてあの投げ技・・・
レイチェル・エリオットは打撃を主体とした戦い方だったはずが、まるで真逆の戦い方を見せてきた。
アルベルトはレイチェルが、体術では自分の上をいく事を認めざるをえなかった。
ゴールド騎士として、フェリックスと並びこの国のトップに立った自尊心から、それは大変な屈辱だったが、現実から目をそむける程器量が狭い男ではない。
しかし、勝敗は別である。
グラビティソードは重力を操る剣である。
人を斬れば斬った箇所を重くし、剣その物を重くする事もできる。
しかしそれが全てではない。
グラビティソードの真の力は・・・・・
「ぶっ潰れろォォォォォォーーーッツ!」
左足を一歩大きく前に踏み出し、体を左に捻り、右手に握る片手剣を全力で振るった。
グラビティバースト。
剣に集めた重力を、波動として撃ち放つ。
それは広範囲に渡る見えざる衝撃波である。ゆえに躱す事は不可能。
耐えられるものなら耐えてみろ!
勝負を賭けたアルベルト渾身の一撃がレイチェルを襲った。
躱すと言う選択肢は無かった。
この距離で頭を下げれば、アルベルトの次の攻撃を確認できず防げない。
後ろに引いて躱そうにも、左肩の重みのせいで重心が崩れていて、やはり追撃をまともに受けてしまうだろう。
私は左半身を後ろに引いて、右半身を前に構え、右一本でアルベルトと戦う覚悟を固めた。
「面白い!片腕でこの俺とやり合うつもりか!?どこまで防げるか見せて見ろ!」
刀身の黒く染まった片手剣を掲げると、アルベルトは私の頭を目掛けて剣を振り下ろした。
これも私は右のナイフを頭上に立てて受け止めたが、思わずナイフを叩き落とされそうになった。
「なっ、んだ、と!?」
こ・・・この重さはなんだ!?
ただの打ち込みならば、男が相手でも私は片腕で十分受け太刀できる。
だが、この重さは、この重さは普通じゃない!
歯を食いしばり持ちこたえる私を上から見下ろし、アルベルトがニヤリと笑った。
「ほぅ、よく持ちこたえたな?だが、片腕でいつまで持つかな?」
アルベルトが剣を押し込むように左腕も添えると、私の体にかかる重圧が更に増した。
「ぐッツ!こ、これは・・・この重さは!?」
これほどの重圧は普通じゃない!
剣でこれほどの圧力を出せるのか?まるで大木でも受け止めているかのようだ・・・まさか!?
「その表情、気付いたようだな?そうだ、グラビティソードは剣そのものを重くできる。これがこの剣の本領だ!」
アルベルトは声を張り上ると共に、渾身の力を剣に込めた。
ダメだ!もう持たない!
【柔の技はもう教えているよ。俺との組手の中でね。それを生かす戦い方を見つけてごらん。大丈夫、レイチェルならきっとできるよ。レイチェルならだれにも負けない。いつか俺の事だって超えていけるさ】
店長・・・・・
私は跳ね返そうと堪えていた右腕から力を抜いて、ナイフを手放した
抵抗が無くなったアルベルトの剣は、そのまま私の頭めがけて真っ直ぐに振り下ろされる。
「諦めたか!?死ね!」
目の前に迫る黒い刀身の片手剣。
私は右手でアルベルトの右手首を掴むと、少しだけ力を加えて軌道を逸らした。
「う、おぉぉッツ!?」
アルベルトの剣は私の髪を少しだけ切り裂き、私の左脇の床にその刀身を食い込ませていた。
バランスを崩したアルベルトは、足が浮いて下半身が不安定になる。
この一瞬を私は見逃さなかった。
再び左腕を床について軸にすると、右足で床を蹴って腰を浮かせる。
そのまま右足をアルベルトの頭の上に高く上げると、重力に任せて振り下ろした。
「チッ!さすがゴールド騎士、あの体勢から防ぐか」
「ぐぅぅッツ!く・・・そ!」
アルベルトは、反射的に後頭部を護るように左腕を出した。
それによって私の踵落としは、アルベルトの後頭部ではなく、左腕を直撃する事になる。
狙いは外された。だが、私の蹴りは軽くない。
プレートメイルの鉄の腕当てであろうが、まともに受ければ無傷ではすまない。
アルベルトの左腕の装甲はひび割れ、その蹴りの衝撃は肉体にも伝わっていた。
骨まではいっていないだろうが、痛みに顔をしかめている様子から、しばらくはまともに動かせないだろう。
そうだ。
私の攻撃を千発受けても倒れないマルコスが異常なだけで、本来私の蹴りは一撃必殺と言っていい威力はあるのだ。
「くっ、ウォォォォォーッツ!」
アルベルトの武器は片手剣。右手一本あれば攻撃に支障はない。
怒りの火を目に灯したアルベルトが、矢継ぎ早に攻撃を繰り出す。文句無しの技の数々。
しかし、私は右手一本でそれらをいなした。
上段からの斬り落としを、横薙ぎを、突きを、全てアルベルトの攻撃してくる力に、私自身の力を少しだけ加えて外し続けた。
何度目かのアルベルトの剣をいなし、手首を捻り投げ飛ばすと、アルベルトは受け身すらとれずに背中から床に落下した。
「・・・店長、分かりました。これが柔の戦い方ですね」
私の最大の武器はスピードだ。そしてそのスピードを生かす目の良さもある。
これまではそれを頼りに打撃だけで戦ってきた。
けれどこうして足が使えなくなった時にどう戦うか、今それが分かった。
「・・・ふっ・・・ははははは・・・」
突然聞こえる笑い声、それは後ろで倒れているアルベルトが発したものだった。
私はアルベルトに体を向けて、右手を前に構える。
最後まで油断してはだめだ。
優勢に戦えているが、私はまだあの歩方を攻略できていないし、ゴールド騎士に上り詰めたこの男が、このまま終わるとも思えない。
アルベルトはまるで、朝ベットから起き上がるようにゆっくりと、リラックスした様子で体を起こした。
そして振り返った顔を見て、私の背筋に冷たいものが走った。
「・・・グラビティソード・・・フルパワーだ」
目が座るという言葉は、こういう顔を言うのだろう。
口は笑っているがその銀色の瞳には、静かだが目の前の敵を絶対に仕留めると言う、強く確かな殺意が宿っている。
アルベルトの黒い刀身の片手剣が小刻みに震え出し、それに伴い剣から強いプレッシャーが放たれる。
それは荒れ狂う風のように、レイチェルの体を強く叩きつけた。
「・・・すごいね」
レイチェルは唾を飲んだ。アルベルトの片手剣に集まるエネルギー、それが計り知れない程の強力なものだという事は、こうして向かい合っているだけで十分に分かった。
これがゴールド騎士アルベルト・ジョシュアの切り札だと理解する。
アルベルトから発せられる強烈なプレッシャー。
それはかつてマルコス・ゴンサレスと戦った時に感じたものとよく似ていた。
あの時は、マルコスを追い詰める程に戦えたが、結局敗れてしまった。
しかし今回は・・・・・
レイチェルは落としたナイフを拾い、右手で持ち構えた。
アルベルトは腰を低く落とし、左半身を前にし体を右に捻って剣を構えた。
そこから振るわれる右の一撃・・・・・それで全てが決まる。
レイチェル・エリオット・・・
恐ろしい程の戦いのセンスだ。
この戦いの中であれほどの進化を見せるとは・・・
最初は打撃のみだった。
だが、途中から見せた受け流し、そしてあの投げ技・・・
レイチェル・エリオットは打撃を主体とした戦い方だったはずが、まるで真逆の戦い方を見せてきた。
アルベルトはレイチェルが、体術では自分の上をいく事を認めざるをえなかった。
ゴールド騎士として、フェリックスと並びこの国のトップに立った自尊心から、それは大変な屈辱だったが、現実から目をそむける程器量が狭い男ではない。
しかし、勝敗は別である。
グラビティソードは重力を操る剣である。
人を斬れば斬った箇所を重くし、剣その物を重くする事もできる。
しかしそれが全てではない。
グラビティソードの真の力は・・・・・
「ぶっ潰れろォォォォォォーーーッツ!」
左足を一歩大きく前に踏み出し、体を左に捻り、右手に握る片手剣を全力で振るった。
グラビティバースト。
剣に集めた重力を、波動として撃ち放つ。
それは広範囲に渡る見えざる衝撃波である。ゆえに躱す事は不可能。
耐えられるものなら耐えてみろ!
勝負を賭けたアルベルト渾身の一撃がレイチェルを襲った。
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