418 / 1,298
417 クリスの宿屋で ②
しおりを挟む
「へぇ、ここが噂のクリスさんの宿屋か」
木造三階建ての大きな宿屋だった。レイジェスより大きい。
居酒屋も兼営しているからか、日が暮れかかったこの時間でも次々に人が入って行く。
「アラタは初めてだったよな?今日は難しい事忘れて、楽しく飲もうぜ」
宿を見上げていると、ミゼルさんが俺の肩に手を置いて中に入ろうぜと促してきた。
「大きいですね。ここがミゼルさんの恋人が働いている宿なんですね?」
俺としては特に他意の無い言葉だったのだが、ミゼルさんにとっては違ったらしい。
なんだか決まりが悪そうに、視線を逸らして意味も無く頬を搔きだした。
「あ~、まぁ、そんな感じかなぁ~、ほら、早く入ろうぜ」
「え?あ、はい・・・」
歯切れが悪く、これ以上その話題はしたくないというオーラを出しているので、俺は空気を読んでそこで話しを終わらせたが、女性陣にそれは通用しなかった。
「いらっしゃいませー、ご予約ですか?」
「あぁ、予約しているレイジェスだ。クリスさんはいるかな?挨拶がしたくてね」
玄関に入ると店員の女性が出迎えてくれたのだが、開口一番レイチェルはクリスさんを指名した。
「お、おいおい、レイチェル、後で合流するんだろ?何も今呼ばなくても・・・」
ミゼルが非難じみた言葉をむけると、レイチェルはジロリとミゼルを睨みつけた。
「何を言ってるんだ?今日の昼に急な予約をお願いしたにもかかわらず、快く対応してくれたんだぞ?まずは挨拶をすべきだろう?」
「うっ・・・」
ミゼルさんが言い返せずに言葉を詰まらせると、シルヴィアさんも口を挟んできた。
「そうそう、それにミゼルの恋人じゃない?恋人に会いたくないのかしら?」
「い、いや・・・そういうわけじゃ・・・」
歯切れの悪いミゼルさんを、ユーリが下から見上げる感じで睨みつけた。
「まさか・・・またクリスさんに迷惑かけた?お酒?それともギャンブル?」
「い、いやいやいやいやいやいや!そ、そんなこたぁしてねぇですよ!」
女性三人に囲まれてタジタジになっているミゼルさんを、一歩後ろでカチュアとケイトが呆れた様子で眺めている。
「あらら、全くミゼルはこれだから・・・ありゃ、また酒かギャンブルでクリスさんに迷惑かけたな」
「う~ん、ミゼルさん良い人なんだけどね。お酒とギャンブルがねぇ・・・」
いつまでも玄関で立っているのも邪魔になるだろうと、俺達はとりあえず玄関から上がる。
奥の方からワインレッドのバンダナを巻いて、白いシャツに黒い前掛けを付けた女性が小走りに駆けてきた。
「あ!レイチェルさん、みなさんこんばんはー!」
「やぁ、クリスさん、今日はお世話になります」
レイチェルが軽い会釈をすると、みんなも挨拶しながら会釈をするので、俺もそれに倣った。
バンダナの下からは、フワっとした金色の髪が肩まで伸びている。
思っていた以上に背は高かった。なんとなく小柄なイメージを持っていたが、175cmの俺とあまり変わらない。2~3cm俺の方が高いだろうけど、意外と長身だった。
180cmのミゼルさんとは背丈のバランスは良いと思う。
ニコニコしていてとても愛想が良く、初対面でも話し安そうな雰囲気があった。なんとなく猫っぽい感じだ。
「クリスさん、紹介しよう。うちの新入りでサカキ・アラタだ。防具を担当している。昼にも少し話したが、今日は彼の祝勝会や歓迎会、婚約おめでとうパーティとか色々なんだ」
レイチェルが俺の背中を軽く押して前に出させる。
クリスさんは俺に目を止めると、両手をパン!と打ち合わせて、少し高い声を出した。
「あなたがあのサカキ・アラタ君ね!すごいなー、マルゴンをやっつけたんでしょ?うちの店でもいまだに話題なのよ!私も仕事が終わったら合流するから、その時色々教えてね!」
好奇心ありありの眼差しを俺に向ける。やはり、まだまだこの話題は引っ張られるようだ。
それからクリスさんはミゼルさんに顔を向けると、やや大股で近づいた。
「ミゼル君!約束守ってる?」
「あ、あぁ・・・もちろんだよ。飲んでない飲んでない!」
「・・・・・嘘。ミゼル君は嘘つくと目が泳ぐから分かる」
「ぐっ・・・いや、ほんのワンカップだぜ!ワンカップ!」
「・・・・・嘘。ミゼル君はバレても少なめに言うの知ってるから」
「ぐぬっ・・・いや、だってよ、付き合いってもんが・・・」
「もぉー!今日みたいな日はいいけど、毎日毎日飲んでたら体壊しちゃうよ!心配だから言ってるの!反省して!」
「・・・・・ごめんさい」
ミゼルさんは頭の後ろを掻きながら、首だけ曲げる形で頭を下げた。
「ごめん・・・さい?」
ふざけた態度に、クリスさんが少しだけピリっとした声を出す。
「すみませんでした!」
腰を90度曲げた見事な謝罪に、クリスさんは腕を組んで溜め息をついた。
「・・・本当にミゼル君は心配でしかたないなぁ。あ、みんなごめんね!つい話しこんじゃった!お部屋に案内するから着いてきて。あ、それとラムナリンさんってご家族が先に入って待ってるよ」
都合の良い時にレイジェスに手伝いに来てくれている女の子、エル・ラムナリン。
以前、ディーロ兄弟がレイジェスを襲って来た時に、ユーリが助けた事をきっかけにした縁だ。
エルちゃんも立派なレイジェスのメンバーなので、レイチェルが誘ったのだ。
クリスさんの後に続いて俺達は部屋に案内された。
クリスさんを先頭に女性陣が前を歩く。
俺は最近ちょっと感じていた事を、隣のジャレットさんに聞いてみた。
「・・・ジャレットさん、この世界って女の人が強いんですかね?」
「・・・アラやんも気が付いたか。ニホンはどうだか知らないが、うちの店の女見てれば分かるだろ?あぁ、でもカッちゃんは別だな。カッちゃんは控えめだし尽くすタイプだから貴重だぞ。アラやん大事にするんだぞ?って言われるまでもねぇか?」
ジャレットさんは小声で俺に耳打ちしてきた。
さっきのクリスさんを見ても、ミゼルさんが尻に敷かれているのは明白だ。
ユーリは俺達男性陣に遠慮なくパンチしてくるし、ジャレットさんもシルヴィアさんには手玉に取られていた。
ケイトとジーンも主導権はケイトにあるようだし、店のリーダーはレイチェルだ。
最近ちょっとイジられるけど、カチュアは基本的に俺を立ててくれてる気がするし、食事の時も俺には座って待っててと言ってくれる。マルゴンの戦いの後はずっと看病して、朝昼晩と食事を作りに通ってくれた。
「・・・ジャレットさん、俺カチュアの事本当に大事にします」
「お、おぉ、いい心がけだ」
あらためてカチュアがどれだけ俺の事を想ってくれてるのか感じて、俺はジャレットさんの目を見て力強く答えた。そんな本気の言葉が返ってくると思わなかったのか、ジャレットさんは一瞬たじろいだ。
木造三階建ての大きな宿屋だった。レイジェスより大きい。
居酒屋も兼営しているからか、日が暮れかかったこの時間でも次々に人が入って行く。
「アラタは初めてだったよな?今日は難しい事忘れて、楽しく飲もうぜ」
宿を見上げていると、ミゼルさんが俺の肩に手を置いて中に入ろうぜと促してきた。
「大きいですね。ここがミゼルさんの恋人が働いている宿なんですね?」
俺としては特に他意の無い言葉だったのだが、ミゼルさんにとっては違ったらしい。
なんだか決まりが悪そうに、視線を逸らして意味も無く頬を搔きだした。
「あ~、まぁ、そんな感じかなぁ~、ほら、早く入ろうぜ」
「え?あ、はい・・・」
歯切れが悪く、これ以上その話題はしたくないというオーラを出しているので、俺は空気を読んでそこで話しを終わらせたが、女性陣にそれは通用しなかった。
「いらっしゃいませー、ご予約ですか?」
「あぁ、予約しているレイジェスだ。クリスさんはいるかな?挨拶がしたくてね」
玄関に入ると店員の女性が出迎えてくれたのだが、開口一番レイチェルはクリスさんを指名した。
「お、おいおい、レイチェル、後で合流するんだろ?何も今呼ばなくても・・・」
ミゼルが非難じみた言葉をむけると、レイチェルはジロリとミゼルを睨みつけた。
「何を言ってるんだ?今日の昼に急な予約をお願いしたにもかかわらず、快く対応してくれたんだぞ?まずは挨拶をすべきだろう?」
「うっ・・・」
ミゼルさんが言い返せずに言葉を詰まらせると、シルヴィアさんも口を挟んできた。
「そうそう、それにミゼルの恋人じゃない?恋人に会いたくないのかしら?」
「い、いや・・・そういうわけじゃ・・・」
歯切れの悪いミゼルさんを、ユーリが下から見上げる感じで睨みつけた。
「まさか・・・またクリスさんに迷惑かけた?お酒?それともギャンブル?」
「い、いやいやいやいやいやいや!そ、そんなこたぁしてねぇですよ!」
女性三人に囲まれてタジタジになっているミゼルさんを、一歩後ろでカチュアとケイトが呆れた様子で眺めている。
「あらら、全くミゼルはこれだから・・・ありゃ、また酒かギャンブルでクリスさんに迷惑かけたな」
「う~ん、ミゼルさん良い人なんだけどね。お酒とギャンブルがねぇ・・・」
いつまでも玄関で立っているのも邪魔になるだろうと、俺達はとりあえず玄関から上がる。
奥の方からワインレッドのバンダナを巻いて、白いシャツに黒い前掛けを付けた女性が小走りに駆けてきた。
「あ!レイチェルさん、みなさんこんばんはー!」
「やぁ、クリスさん、今日はお世話になります」
レイチェルが軽い会釈をすると、みんなも挨拶しながら会釈をするので、俺もそれに倣った。
バンダナの下からは、フワっとした金色の髪が肩まで伸びている。
思っていた以上に背は高かった。なんとなく小柄なイメージを持っていたが、175cmの俺とあまり変わらない。2~3cm俺の方が高いだろうけど、意外と長身だった。
180cmのミゼルさんとは背丈のバランスは良いと思う。
ニコニコしていてとても愛想が良く、初対面でも話し安そうな雰囲気があった。なんとなく猫っぽい感じだ。
「クリスさん、紹介しよう。うちの新入りでサカキ・アラタだ。防具を担当している。昼にも少し話したが、今日は彼の祝勝会や歓迎会、婚約おめでとうパーティとか色々なんだ」
レイチェルが俺の背中を軽く押して前に出させる。
クリスさんは俺に目を止めると、両手をパン!と打ち合わせて、少し高い声を出した。
「あなたがあのサカキ・アラタ君ね!すごいなー、マルゴンをやっつけたんでしょ?うちの店でもいまだに話題なのよ!私も仕事が終わったら合流するから、その時色々教えてね!」
好奇心ありありの眼差しを俺に向ける。やはり、まだまだこの話題は引っ張られるようだ。
それからクリスさんはミゼルさんに顔を向けると、やや大股で近づいた。
「ミゼル君!約束守ってる?」
「あ、あぁ・・・もちろんだよ。飲んでない飲んでない!」
「・・・・・嘘。ミゼル君は嘘つくと目が泳ぐから分かる」
「ぐっ・・・いや、ほんのワンカップだぜ!ワンカップ!」
「・・・・・嘘。ミゼル君はバレても少なめに言うの知ってるから」
「ぐぬっ・・・いや、だってよ、付き合いってもんが・・・」
「もぉー!今日みたいな日はいいけど、毎日毎日飲んでたら体壊しちゃうよ!心配だから言ってるの!反省して!」
「・・・・・ごめんさい」
ミゼルさんは頭の後ろを掻きながら、首だけ曲げる形で頭を下げた。
「ごめん・・・さい?」
ふざけた態度に、クリスさんが少しだけピリっとした声を出す。
「すみませんでした!」
腰を90度曲げた見事な謝罪に、クリスさんは腕を組んで溜め息をついた。
「・・・本当にミゼル君は心配でしかたないなぁ。あ、みんなごめんね!つい話しこんじゃった!お部屋に案内するから着いてきて。あ、それとラムナリンさんってご家族が先に入って待ってるよ」
都合の良い時にレイジェスに手伝いに来てくれている女の子、エル・ラムナリン。
以前、ディーロ兄弟がレイジェスを襲って来た時に、ユーリが助けた事をきっかけにした縁だ。
エルちゃんも立派なレイジェスのメンバーなので、レイチェルが誘ったのだ。
クリスさんの後に続いて俺達は部屋に案内された。
クリスさんを先頭に女性陣が前を歩く。
俺は最近ちょっと感じていた事を、隣のジャレットさんに聞いてみた。
「・・・ジャレットさん、この世界って女の人が強いんですかね?」
「・・・アラやんも気が付いたか。ニホンはどうだか知らないが、うちの店の女見てれば分かるだろ?あぁ、でもカッちゃんは別だな。カッちゃんは控えめだし尽くすタイプだから貴重だぞ。アラやん大事にするんだぞ?って言われるまでもねぇか?」
ジャレットさんは小声で俺に耳打ちしてきた。
さっきのクリスさんを見ても、ミゼルさんが尻に敷かれているのは明白だ。
ユーリは俺達男性陣に遠慮なくパンチしてくるし、ジャレットさんもシルヴィアさんには手玉に取られていた。
ケイトとジーンも主導権はケイトにあるようだし、店のリーダーはレイチェルだ。
最近ちょっとイジられるけど、カチュアは基本的に俺を立ててくれてる気がするし、食事の時も俺には座って待っててと言ってくれる。マルゴンの戦いの後はずっと看病して、朝昼晩と食事を作りに通ってくれた。
「・・・ジャレットさん、俺カチュアの事本当に大事にします」
「お、おぉ、いい心がけだ」
あらためてカチュアがどれだけ俺の事を想ってくれてるのか感じて、俺はジャレットさんの目を見て力強く答えた。そんな本気の言葉が返ってくると思わなかったのか、ジャレットさんは一瞬たじろいだ。
0
お気に入りに追加
152
あなたにおすすめの小説
元34才独身営業マンの転生日記 〜もらい物のチートスキルと鍛え抜いた処世術が大いに役立ちそうです〜
ちゃぶ台
ファンタジー
彼女いない歴=年齢=34年の近藤涼介は、プライベートでは超奥手だが、ビジネスの世界では無類の強さを発揮するスーパーセールスマンだった。
社内の人間からも取引先の人間からも一目置かれる彼だったが、不運な事故に巻き込まれあっけなく死亡してしまう。
せめて「男」になって死にたかった……
そんなあまりに不憫な近藤に神様らしき男が手を差し伸べ、近藤は異世界にて人生をやり直すことになった!
もらい物のチートスキルと持ち前のビジネスセンスで仲間を増やし、今度こそ彼女を作って幸せな人生を送ることを目指した一人の男の挑戦の日々を綴ったお話です!
箱庭から始まる俺の地獄(ヘル) ~今日から地獄生物の飼育員ってマジっすか!?~
白那 又太
ファンタジー
とあるアパートの一室に住む安楽 喜一郎は仕事に忙殺されるあまり、癒しを求めてペットを購入した。ところがそのペットの様子がどうもおかしい。
日々成長していくペットに少し違和感を感じながらも(比較的)平和な毎日を過ごしていた喜一郎。
ところがある日その平和は地獄からの使者、魔王デボラ様によって粉々に打ち砕かれるのであった。
目指すは地獄の楽園ってなんじゃそりゃ!
大したスキルも無い! チートも無い! あるのは理不尽と不条理だけ!
箱庭から始まる俺の地獄(ヘル)どうぞお楽しみください。
【本作は小説家になろう様、カクヨム様でも同時更新中です】
異世界で『魔法使い』になった私は一人自由気ままに生きていきたい
哀村圭一
ファンタジー
人や社会のしがらみが嫌になって命を絶ったOL、天音美亜(25歳)。薄れゆく意識の中で、謎の声の問いかけに答える。
「魔法使いになりたい」と。
そして目を覚ますと、そこは異世界。美亜は、13歳くらいの少女になっていた。
魔法があれば、なんでもできる! だから、今度の人生は誰にもかかわらず一人で生きていく!!
異世界で一人自由気ままに生きていくことを決意する美亜。だけど、そんな美亜をこの世界はなかなか一人にしてくれない。そして、美亜の魔法はこの世界にあるまじき、とんでもなく無茶苦茶なものであった。
幼い公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~
朱色の谷
ファンタジー
公爵家の末娘として生まれた6歳のティアナ
お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。
お父様やお兄様は私に関心がないみたい。愛されたいと願い、愛想よく振る舞っていたが一向に興味を示してくれない…
そんな中、夢の中の本を読むと、、、
少年神官系勇者―異世界から帰還する―
mono-zo
ファンタジー
幼くして異世界に消えた主人公、帰ってきたがそこは日本、家なし・金なし・免許なし・職歴なし・常識なし・そもそも未成年、無い無い尽くしでどう生きる?
別サイトにて無名から投稿開始して100日以内に100万PV達成感謝✨
この作品は「カクヨム」にも掲載しています。(先行)
この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。
この作品は「ノベルアップ+」にも掲載しています。
この作品は「エブリスタ」にも掲載しています。
この作品は「pixiv」にも掲載しています。
Sランク冒険者の受付嬢
おすし
ファンタジー
王都の中心街にある冒険者ギルド《ラウト・ハーヴ》は、王国最大のギルドで登録冒険者数も依頼数もNo.1と実績のあるギルドだ。
だがそんなギルドには1つの噂があった。それは、『あのギルドにはとてつもなく強い受付嬢』がいる、と。
そんな噂を耳にしてギルドに行けば、受付には1人の綺麗な銀髪をもつ受付嬢がいてー。
「こんにちは、ご用件は何でしょうか?」
その受付嬢は、今日もギルドで静かに仕事をこなしているようです。
これは、最強冒険者でもあるギルドの受付嬢の物語。
※ほのぼので、日常:バトル=2:1くらいにするつもりです。
※前のやつの改訂版です
※一章あたり約10話です。文字数は1話につき1500〜2500くらい。
この争いの絶えない世界で ~魔王になって平和の為に戦いますR
ばたっちゅ
ファンタジー
相和義輝(あいわよしき)は新たな魔王として現代から召喚される。
だがその世界は、世界の殆どを支配した人類が、僅かに残る魔族を滅ぼす戦いを始めていた。
無為に死に逝く人間達、荒廃する自然……こんな無駄な争いは止めなければいけない。だが人類にもまた、戦うべき理由と、戦いを止められない事情があった。
人類を会話のテーブルまで引っ張り出すには、結局戦争に勝利するしかない。
だが魔王として用意された力は、死を予感する力と全ての文字と言葉を理解する力のみ。
自分一人の力で戦う事は出来ないが、強力な魔人や個性豊かな魔族たちの力を借りて戦う事を決意する。
殺戮の果てに、互いが共存する未来があると信じて。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる