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【309 追う者と追われる者】
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「・・・そうか、ビボルは魔毒の水を使ったか」
兵士からの伝令を聞いたロビンは、目を閉じ分かり切っていたと言うように、抑揚の無い声で呟いた。
ロビンが拠点として構えるこの場所は、セインソルボ山の山裾。
ビボルの部隊から数キロ後方に離れたこの場所は、街からの距離を見ると、補給物資を受け取るには最適と言える場所だった。
そして見晴らしがよく待ちに適しており、どの方向から攻められてもすぐに対処できる利点があった。
万一ビボルが敗れた場合、ロビンはここで帝国軍を止めねばならなかった。
「爆裂弾の連射を破り、近接戦闘に持ち込み、ビボルに魔毒の水まで使わせるとはな。帝国の指揮官、ジャキル・ミラーも流石というところか・・・・・よし、ここの兵を半数送ろう。毒を受けて帝国兵もうかつに近づけなくなっているだろう。増援が来れば我が軍の士気も上がる。畳みかけてケリをつけろ」
その場にいた高官の一人は、ロビンの指示を受けると伝令に来た兵士を従え行動に移った。
「・・・地面を抉る衝撃波か・・・魔法ではないな、魔道具だろう。相手の隠し玉もなかなかだな」
伝令から、これまでの帝国の戦闘方法を聞き、ロビンは帝国の土竜に警戒を持った。
ビボルが天衣結界まで張って防いだという攻撃、そう何度も防げるものではないだろう。
「ビボル、何をしてもいい・・・ここで決めろよ」
そう口にするロビン。
それは勝つためならば手段を選ばない。そう覚悟を決めた者の冷酷無比の表情だった。
「・・・これは・・・毒、だな」
兵士の死体を目にし、ミラーは眉間にシワを寄せ、険しい表情で吐き捨てるように言葉を発した。
「結界を張れば吹雪・・・黒い雪は通しません。それで突破できると思ったのですが、地面に降り積もった雪も黒く変色しており、それを踏むと毒のガスが発生するのです。とてもうかつに近寄れません」
兵士の報告を受け、ミラーの表情がますます険しくなっていく。
「・・・だが、条件は同じだな?足場が毒に侵されている以上、カエストゥスもこちらに攻め込めない」
「いえ、恐れながらミラー様。形勢はこちらが不利です。なぜなら、相手は魔法大国カエストゥス・・・」
隣に立つ副団長のフルトンがそこまで口にすると、ミラーも考えが至ったように舌打ちをし、忌々し気に前方のカエストゥス陣営を睨み付けた。
「・・・遠距離攻撃ならば、向こうに分があるな」
「・・・少しは回復しましたが、私の魔力は今、4割程度しかありませんので、土竜は最初のような威力は出せません。ですが、突破口くらいは作れると思います」
フルトンの提案に、ミラーは少しの考慮の後、前方のカエストゥス軍よりさらに後方。
まだ多少の距離はあるが、この戦場に向かってくる何かに気付き首を横に振った。
「チッ、援軍だ。しかたねぇ撤退だ!全軍撤退せよ!フルトン、二割の魔力でいい、前にでて土竜をぶっ放せ!さっきの威力を見てんだ、二割でも土竜を目にすれば警戒するはずだ。カエストゥスが攻撃に出る前に急げ!」
ミラーの指示でフルトンは前線に走り出た。
前線では、帝国兵が黒く積もった雪を前に足を止められているが、カエストゥス兵もまた前へ出る事ができず、睨み合いとなっていた。
だが、カエストゥスの黒魔法使いが体勢を整え魔法攻撃に入ろうとしたところで、帝国に撤退の合図がでる。
それと同時にフルトンの土竜が発動した。
「くそがっ、またアレか!だが、やはり最初と同じ威力は出せねぇみたいだな」
面倒なものを見るように顔をしかめるビボルだが、当然対策はとってあった。
「きたぞぉぉぉッツ!」
ビボルの叫びと同時に、青魔法使いが一斉に両手を前に出し結界を張り巡らせた。
大地を抉り岩を噴き上げて向かってくる破壊の衝撃。
だが、その威力はビボルが最初に受けたものより大きく威力を落としていた。
ぶつかり合う結界と土竜、地面を割き飛び散らす岩が宙から降り注ぐ。
「チッ!面倒くせぇ技だな。衝撃波より、こっちの方が厄介なくらいだ」
衝撃波そのものは威力を落としていても、空中に噴き上げられた岩は変わらず落ちて来る。
最初の一発目と比べれば確かに高さは低く、数も減ってはいるが、それでも生身で岩を受ければ命を落としかねない。
そのため全ての青魔法使いがカエストゥス陣営全てを包み込む結界を作り、降り注ぐ岩が無くなるまでやり過ごすしかない。
稼げる時間は一分にも満たないが、それでも前線の帝国兵が踵を返し撤退するには十分だった。
「ビボル様!援軍です!先程伝令に出した者が援軍を連れて戻ってまいりました!数はおよそ五千です!」
ロビンの出した援軍が合流すると、兵の一人がビボルに報告と指示を仰いで来た。
「五千か・・・ロビンの野郎、ここで叩けって事だな・・・・・いいだろう」
ビボルは負傷した兵、魔力が枯渇した兵は下がらせた。
合流した五千の兵のうち体力型を前に置き、中衛を黒と青魔法使い、後衛を白魔法使いで構成すると、追撃の指示を出した。
「いいか!今の戦闘で帝国の方が消耗は大きい!だが、ヤツらも俺達の追撃に当然備えはしているだろう、青魔法使いはサーチを怠るな!」
追撃に加わらず残った兵達には、後方のロビンと合流するよう指示を出し、ビボル達は撤退する帝国軍を追った。
追撃までに多少の時間を食ってしまったが、全軍で撤退をする帝国に対し、ビボルはまず体力型を先行させた。追う側のカエストゥスの方がスピードは出せる。
そして帝国も体力型と魔法使いでは、当然脚力が違う。いずれ追いつける事は明白だった。
「逃げ切れると思うなよ。ここをてめぇの墓場にしてやるぜ!」
「・・・なんて事を思ってんじゃねぇのか?カエストゥスの指揮官さんはよぉ?」
セインソルボ山の周辺は、この時期は雪で辺り一面が真っ白に染まっている。
そして今は強い吹雪により、視界も悪く数メートル先も見通せない程だった。
後ろを振り返っても追いかけて来る姿は視認できない。
だが、ミラーは確信していた。絶対に追撃は来ると・・・そして嬉しそうに笑った。
「ミラー様、そろそろあの場所です。追って来るでしょうか?」
隣を走るフルトンが少しだけ視線をよこす。
「あぁ、絶対に追いかけて来る。交戦して分かった。今指揮をとっているヤツは目的のためには手段をえらばねぇ残酷なヤツだ。そして俺達が勝ち目を無くして逃げたと思っているはずだ。だったら止めを刺しに絶対に追って来る」
絶対とまで言い切るミラーに、フルトンは少しだけ疑問を持った目を向けてしまった。
「・・・フルトン、なぜここまで言い切れるか疑問か?」
「あ、い、いえ・・・決してそのような事は」
慌てて取り繕うフルトンに、ミラーは顔を向ける。
「俺がそうだからだよ。俺も勝てばそれでいいと思っている。勝つためなら毒だって俺は立派な戦略だとう思うぜ!あっちの指揮官は俺と同じ思考をしてやがる。だから分かるんだよ。俺なら絶対に追撃するからなぁ・・・そこを逆手にとれば勝ち筋は見えんだろ?分かるか?フルトン」
帝国はただ逃げているわけではない。
ミラーの最後の策が用意してある地点まで誘導していたのだ。
「・・・はい!私はミラー様を信じております!勝ち筋が見えたのでしたら、ミラー様の勝ちは揺るぎません」
「へっ、お前の良いところは俺を疑わねぇところだ。フルトン、俺を信じここまでついてきたお前には、俺の隣でこの戦争の最初の勝利を見せてやるぜ!」
ミラーは笑った。勝利を確信しているその表情には、追われる者の焦燥は一切見えなかった。
フルトンもまた、そのミラーの表情に勝利を確信した。
そしてその場所へたどり着いた
兵士からの伝令を聞いたロビンは、目を閉じ分かり切っていたと言うように、抑揚の無い声で呟いた。
ロビンが拠点として構えるこの場所は、セインソルボ山の山裾。
ビボルの部隊から数キロ後方に離れたこの場所は、街からの距離を見ると、補給物資を受け取るには最適と言える場所だった。
そして見晴らしがよく待ちに適しており、どの方向から攻められてもすぐに対処できる利点があった。
万一ビボルが敗れた場合、ロビンはここで帝国軍を止めねばならなかった。
「爆裂弾の連射を破り、近接戦闘に持ち込み、ビボルに魔毒の水まで使わせるとはな。帝国の指揮官、ジャキル・ミラーも流石というところか・・・・・よし、ここの兵を半数送ろう。毒を受けて帝国兵もうかつに近づけなくなっているだろう。増援が来れば我が軍の士気も上がる。畳みかけてケリをつけろ」
その場にいた高官の一人は、ロビンの指示を受けると伝令に来た兵士を従え行動に移った。
「・・・地面を抉る衝撃波か・・・魔法ではないな、魔道具だろう。相手の隠し玉もなかなかだな」
伝令から、これまでの帝国の戦闘方法を聞き、ロビンは帝国の土竜に警戒を持った。
ビボルが天衣結界まで張って防いだという攻撃、そう何度も防げるものではないだろう。
「ビボル、何をしてもいい・・・ここで決めろよ」
そう口にするロビン。
それは勝つためならば手段を選ばない。そう覚悟を決めた者の冷酷無比の表情だった。
「・・・これは・・・毒、だな」
兵士の死体を目にし、ミラーは眉間にシワを寄せ、険しい表情で吐き捨てるように言葉を発した。
「結界を張れば吹雪・・・黒い雪は通しません。それで突破できると思ったのですが、地面に降り積もった雪も黒く変色しており、それを踏むと毒のガスが発生するのです。とてもうかつに近寄れません」
兵士の報告を受け、ミラーの表情がますます険しくなっていく。
「・・・だが、条件は同じだな?足場が毒に侵されている以上、カエストゥスもこちらに攻め込めない」
「いえ、恐れながらミラー様。形勢はこちらが不利です。なぜなら、相手は魔法大国カエストゥス・・・」
隣に立つ副団長のフルトンがそこまで口にすると、ミラーも考えが至ったように舌打ちをし、忌々し気に前方のカエストゥス陣営を睨み付けた。
「・・・遠距離攻撃ならば、向こうに分があるな」
「・・・少しは回復しましたが、私の魔力は今、4割程度しかありませんので、土竜は最初のような威力は出せません。ですが、突破口くらいは作れると思います」
フルトンの提案に、ミラーは少しの考慮の後、前方のカエストゥス軍よりさらに後方。
まだ多少の距離はあるが、この戦場に向かってくる何かに気付き首を横に振った。
「チッ、援軍だ。しかたねぇ撤退だ!全軍撤退せよ!フルトン、二割の魔力でいい、前にでて土竜をぶっ放せ!さっきの威力を見てんだ、二割でも土竜を目にすれば警戒するはずだ。カエストゥスが攻撃に出る前に急げ!」
ミラーの指示でフルトンは前線に走り出た。
前線では、帝国兵が黒く積もった雪を前に足を止められているが、カエストゥス兵もまた前へ出る事ができず、睨み合いとなっていた。
だが、カエストゥスの黒魔法使いが体勢を整え魔法攻撃に入ろうとしたところで、帝国に撤退の合図がでる。
それと同時にフルトンの土竜が発動した。
「くそがっ、またアレか!だが、やはり最初と同じ威力は出せねぇみたいだな」
面倒なものを見るように顔をしかめるビボルだが、当然対策はとってあった。
「きたぞぉぉぉッツ!」
ビボルの叫びと同時に、青魔法使いが一斉に両手を前に出し結界を張り巡らせた。
大地を抉り岩を噴き上げて向かってくる破壊の衝撃。
だが、その威力はビボルが最初に受けたものより大きく威力を落としていた。
ぶつかり合う結界と土竜、地面を割き飛び散らす岩が宙から降り注ぐ。
「チッ!面倒くせぇ技だな。衝撃波より、こっちの方が厄介なくらいだ」
衝撃波そのものは威力を落としていても、空中に噴き上げられた岩は変わらず落ちて来る。
最初の一発目と比べれば確かに高さは低く、数も減ってはいるが、それでも生身で岩を受ければ命を落としかねない。
そのため全ての青魔法使いがカエストゥス陣営全てを包み込む結界を作り、降り注ぐ岩が無くなるまでやり過ごすしかない。
稼げる時間は一分にも満たないが、それでも前線の帝国兵が踵を返し撤退するには十分だった。
「ビボル様!援軍です!先程伝令に出した者が援軍を連れて戻ってまいりました!数はおよそ五千です!」
ロビンの出した援軍が合流すると、兵の一人がビボルに報告と指示を仰いで来た。
「五千か・・・ロビンの野郎、ここで叩けって事だな・・・・・いいだろう」
ビボルは負傷した兵、魔力が枯渇した兵は下がらせた。
合流した五千の兵のうち体力型を前に置き、中衛を黒と青魔法使い、後衛を白魔法使いで構成すると、追撃の指示を出した。
「いいか!今の戦闘で帝国の方が消耗は大きい!だが、ヤツらも俺達の追撃に当然備えはしているだろう、青魔法使いはサーチを怠るな!」
追撃に加わらず残った兵達には、後方のロビンと合流するよう指示を出し、ビボル達は撤退する帝国軍を追った。
追撃までに多少の時間を食ってしまったが、全軍で撤退をする帝国に対し、ビボルはまず体力型を先行させた。追う側のカエストゥスの方がスピードは出せる。
そして帝国も体力型と魔法使いでは、当然脚力が違う。いずれ追いつける事は明白だった。
「逃げ切れると思うなよ。ここをてめぇの墓場にしてやるぜ!」
「・・・なんて事を思ってんじゃねぇのか?カエストゥスの指揮官さんはよぉ?」
セインソルボ山の周辺は、この時期は雪で辺り一面が真っ白に染まっている。
そして今は強い吹雪により、視界も悪く数メートル先も見通せない程だった。
後ろを振り返っても追いかけて来る姿は視認できない。
だが、ミラーは確信していた。絶対に追撃は来ると・・・そして嬉しそうに笑った。
「ミラー様、そろそろあの場所です。追って来るでしょうか?」
隣を走るフルトンが少しだけ視線をよこす。
「あぁ、絶対に追いかけて来る。交戦して分かった。今指揮をとっているヤツは目的のためには手段をえらばねぇ残酷なヤツだ。そして俺達が勝ち目を無くして逃げたと思っているはずだ。だったら止めを刺しに絶対に追って来る」
絶対とまで言い切るミラーに、フルトンは少しだけ疑問を持った目を向けてしまった。
「・・・フルトン、なぜここまで言い切れるか疑問か?」
「あ、い、いえ・・・決してそのような事は」
慌てて取り繕うフルトンに、ミラーは顔を向ける。
「俺がそうだからだよ。俺も勝てばそれでいいと思っている。勝つためなら毒だって俺は立派な戦略だとう思うぜ!あっちの指揮官は俺と同じ思考をしてやがる。だから分かるんだよ。俺なら絶対に追撃するからなぁ・・・そこを逆手にとれば勝ち筋は見えんだろ?分かるか?フルトン」
帝国はただ逃げているわけではない。
ミラーの最後の策が用意してある地点まで誘導していたのだ。
「・・・はい!私はミラー様を信じております!勝ち筋が見えたのでしたら、ミラー様の勝ちは揺るぎません」
「へっ、お前の良いところは俺を疑わねぇところだ。フルトン、俺を信じここまでついてきたお前には、俺の隣でこの戦争の最初の勝利を見せてやるぜ!」
ミラーは笑った。勝利を確信しているその表情には、追われる者の焦燥は一切見えなかった。
フルトンもまた、そのミラーの表情に勝利を確信した。
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