128 / 1,253
【128 7日後】 22~26話の続きです。
しおりを挟む
毒を持つバッタから、首都バンテージを護ったあの日から7日が過ぎた。
王子の黒渦がバッタを飲み込んだのを見届けて、俺とジャニス、ブレンダン師匠は力尽きた。
メアリーを始め、あの場にいた全ての魔法使いが、俺達三人に魔力を送ってくれたおかげで、なんとか最後まで灼炎竜結界陣を持たせることができた。
三種合成魔法 灼炎竜結界陣
首都全体を覆う程の規模を、ぶっつけ本番でよく成功できたと思う。
いくら魔力を送ってもらったと言っても、自分の限界を超えて魔力を酷使した事が響いたのだろう。
体力と魔力の消耗は想像を絶する程で、2日間眠り続け、起きた後も数日間、満足に動けない程だった。
力尽きた俺達3人は、あの場にいた魔法使いのみんなが師匠の孤児院まで運んで介抱してくれたらしい。
みんなも俺達に魔力を渡して、相当消耗していただろうに、有難い話しだ。
そして、俺達が眠っている間の孤児院の子供達の面倒は、なんとメアリーが泊まり込みでやってくれていたという。
正確には、一緒に戦った王宮の魔法使いで、消耗が少なかった者が一緒に手伝ってくれたそうなのだが、2日間泊まり込みで面倒を見て、その上、今日までの7日間、毎日通ってくれたのはメアリーだけだった。
「あ、あのさ、メアリー・・・今回は本当にありがとう。こんなに何日も手伝ってくれて、本当に感謝しているよ。子供達もみんなキミにすっかり懐いている。でもさ・・・」
「当たり前の事をしているだけですよ。あ、ウィッカー様、このスープはお野菜がトロトロになるまで煮込んだんです。栄養たっぷりで美味しいですよ。人参から食べますか?はい、あーん」
今、俺は孤児院の木造りのベッドに寝かされている。もう回復したのだが、メアリーはまだ駄目ですと言って、できるだけ休ませようとするのだ。
食事のために上半身は起こしているが、朝食のパンとスープを乗せた木製のトレーは、目の前の丸イスに座るメアリーが手にしていて、スプーンを使い俺の口に運んでくる。
ベッドの後ろの窓は開けており、夏の暑さを和らげるように、時折涼しい風が入ってくる。
元々空き部屋だったところなので、ベッドとテーブルとイスがあるくらいで、他にはなにもない殺風景な部屋だが、風の通りは良く、夏はとても気持ちが良い。
肩口で揃えたメアリーの、細く綺麗な金色の髪が風になびく。
瞳の色と似たスカイブルーの半袖Tシャツと、小さな花柄で、膝丈のスカートが涼し気な印象だ。
「気持ちの良い風ですね。あ、ウィッカー様の病み上がりのお身体には、風が冷たくありませんか?窓閉めましょうか?」
メアリーはベッド脇のテーブルに、トレーを置くと、イスから立ち窓を閉めようと手を伸ばす。
「いや、大丈夫だよ。丁度良くて、気持ちの良い風だから、開けて置いてくれ」
「それなら良かったです」
そう言って微笑むメアリーの青い瞳は、優しく俺を見つめている。
「じゃあ、お食事を続けましょうか。次はお芋食べましょうか?はい、あーん」
再びトレーを持ち、スプーンでジャガイモをすくうと、俺の口元にそのまま持って来る。
「・・・ウィッカー様?」
俺が口を開けずにいると、メアリーが不思議そうに小首を傾げる。
俺は今日こそ言うと決めていた。
メアリーには世話になった。
バッタの時は魔力をもらったし、俺とジャニスと師匠の三人を教会まで運んでもらった。
この孤児院には大勢の孤児が住んでいる。一番年上の子でもまだ10歳だから、俺達3人がいなければ、まだまだ身の回りの事もままならない。
師匠がバッタ殲滅作戦の前に、近所の人に子供達の事を頼んでみたが、みんな自分達の事で手一杯で、良い返事はもらえなかった。
だから、万一の時は子供達だけでなんとかしなければならなかったが、俺達は生きて帰って来れた。
そして、今日までメアリーは孤児院のために一生懸命頑張ってくれた。本当に俺達は助けられた。どれだけ感謝してもしきれない。
しかし、あれから7日立ち、俺ももうすっかり回復している。
そろそろいいだろう。
「あ、あのさ、メアリー、ほら、俺もこの通りもう回復したからさ・・・その、食事はもう、自分で食べられるよ」
「・・・え?」
俺が意を決して告げると、それまで優しく微笑んでいたメアリーの表情が、凍り付いたように固まった。
そう、これまでも、何かと俺の世話を焼きたがるメアリーに、俺はやんわりと断りを入れて来た。
シャツに袖を通すくらいであれば、何も言わない。
でも、それ以上は止めてほしい。ボタンくらい自分で留めれます。
髪の毛を梳かすのも自分でやらせて欲しい。
夜も一人で歩けるから、ランプを持って付いてこなくて大丈夫。
そして今回は食事だ。
メアリーの料理は美味しい。美味しいが、できれば自分のペースで好きなように食べたい。
しかし・・・
「ウィッカー様・・・私、ご迷惑だったでしょうか・・・・・・ウィッカー様に美味しい物を召し上がっていただきたい。ただ、それだけですのに・・・・・・」
この世の終わりのような顔をして、メアリーは肩を落とし俯いてしまった。
これまでもメアリーの世話焼きを断ると、全てこうなった。
メアリーが好意で俺の世話を焼いてくれる事は痛い程理解している。
そして俺はこの数日で、メアリーが俺を好きだという事は十分に理解した。
ここまでされて分からない男はいない。
「あー!ウィッカー兄ちゃんが、またメアリーちゃんをいじめてる!みんな集まれー!」
気落ちするメアリーに、俺の気持ちを分かってもらった上で、なんとか元気になってもらおうと四苦八苦していると、子供達のリーダー、トロワに目撃されてしまった。
この孤児院で養っている子供達は全部で15人。そのうち10歳が2人いて最年長だ。
トロワは身長が150cmもあり、年齢以上に大きな体をしている。少し口が悪く、たまに乱暴なところもあるが、根は優しいので、文句を言いながらも最後は小さい子の面倒を見てくれる。
俺はトロワを弟のように可愛がっていた。
トロワの呼びかけに、大きな足音を立てて、子供たちが集まってきた。
3歳以上はトロワが呼びかけると集まって来る。
この孤児院には1歳の幼児が2人いるが、その子達はジャニスと、もう一人の10歳、キャロルが見ている。
したがって、今俺は12人の子供達に囲まれている事になる。
「ウィッカー兄ちゃん!なんでいっつもメアリーちゃんをいじめんだよ!いい加減にしろよ!許さねぇぞ!」
トロワが力いっぱいに床を踏みつけると、大きな音が鳴り響く。ツンツンとした短い黒髪が、怒りで更に逆立っているようにすら見える。
トロワが踏み鳴らしたせいで、他の子供らも真似をして体重をいっぱいに乗せて、次々に足を踏み鳴らす。物凄い騒音が響き渡り、思わず両手で耳を塞ぐが、あまり効果がない。
足音と共に、子供達の、謝れコールも始まった。
こうなるともう手がつけられない。
「わ!分かった!俺が悪かった!謝るからもうやめてくれー!」
両手で耳を抑えながら声を張り上げると、トロワが両手を左右に広げ、制止の合図を出す。
その途端、子供達は一斉に行動を止めるので、よく統率された軍人のようだと感心してしまう程だ。
トロワが、さっさと謝れとばかりに俺を睨みつけてくる。
元々少し吊り上がった目をしているので、睨まれると迫力が違う。本当にコイツは10歳かと疑いたくなるような眼光だ。
メアリーは腰を低くして、子供達に目線の高さを合わせている。
「みんな、いいんです。私がウィッカー様のお気持ちを考えていなかったのが悪いんです・・・ウィッカー様を責めないであげてください」
そう言って、子供達を両手いっぱいに抱きしめるメアリーに、子供達の俺への怒りが爆発した。
「ウィッカー兄ちゃん最低だー!」
「お兄ちゃんのバカー!メアリーちゃんいじめるなー!」
「夜ご飯抜きだからね!」
「もうここにくんなー!」
それまで黙っていた女の子達からも一斉に俺への容赦無い言葉がぶつけられる。
「メアリー!俺が悪かった!ぜひ、ご飯を食べさせてくれないか!頼む!」
声いっぱいに謝ると、メアリーは驚く程の変わり身の早さで、まるで花が咲きほこるような、とても可愛らしい笑顔を見せた。
「はい!もちろんです!」
メアリーはそう元気良く返事をすると、またイスに腰をかけ、トレーからスープの皿を取り、スプーンにジャガイモを乗せて、俺の口元に運んできた。
王子の黒渦がバッタを飲み込んだのを見届けて、俺とジャニス、ブレンダン師匠は力尽きた。
メアリーを始め、あの場にいた全ての魔法使いが、俺達三人に魔力を送ってくれたおかげで、なんとか最後まで灼炎竜結界陣を持たせることができた。
三種合成魔法 灼炎竜結界陣
首都全体を覆う程の規模を、ぶっつけ本番でよく成功できたと思う。
いくら魔力を送ってもらったと言っても、自分の限界を超えて魔力を酷使した事が響いたのだろう。
体力と魔力の消耗は想像を絶する程で、2日間眠り続け、起きた後も数日間、満足に動けない程だった。
力尽きた俺達3人は、あの場にいた魔法使いのみんなが師匠の孤児院まで運んで介抱してくれたらしい。
みんなも俺達に魔力を渡して、相当消耗していただろうに、有難い話しだ。
そして、俺達が眠っている間の孤児院の子供達の面倒は、なんとメアリーが泊まり込みでやってくれていたという。
正確には、一緒に戦った王宮の魔法使いで、消耗が少なかった者が一緒に手伝ってくれたそうなのだが、2日間泊まり込みで面倒を見て、その上、今日までの7日間、毎日通ってくれたのはメアリーだけだった。
「あ、あのさ、メアリー・・・今回は本当にありがとう。こんなに何日も手伝ってくれて、本当に感謝しているよ。子供達もみんなキミにすっかり懐いている。でもさ・・・」
「当たり前の事をしているだけですよ。あ、ウィッカー様、このスープはお野菜がトロトロになるまで煮込んだんです。栄養たっぷりで美味しいですよ。人参から食べますか?はい、あーん」
今、俺は孤児院の木造りのベッドに寝かされている。もう回復したのだが、メアリーはまだ駄目ですと言って、できるだけ休ませようとするのだ。
食事のために上半身は起こしているが、朝食のパンとスープを乗せた木製のトレーは、目の前の丸イスに座るメアリーが手にしていて、スプーンを使い俺の口に運んでくる。
ベッドの後ろの窓は開けており、夏の暑さを和らげるように、時折涼しい風が入ってくる。
元々空き部屋だったところなので、ベッドとテーブルとイスがあるくらいで、他にはなにもない殺風景な部屋だが、風の通りは良く、夏はとても気持ちが良い。
肩口で揃えたメアリーの、細く綺麗な金色の髪が風になびく。
瞳の色と似たスカイブルーの半袖Tシャツと、小さな花柄で、膝丈のスカートが涼し気な印象だ。
「気持ちの良い風ですね。あ、ウィッカー様の病み上がりのお身体には、風が冷たくありませんか?窓閉めましょうか?」
メアリーはベッド脇のテーブルに、トレーを置くと、イスから立ち窓を閉めようと手を伸ばす。
「いや、大丈夫だよ。丁度良くて、気持ちの良い風だから、開けて置いてくれ」
「それなら良かったです」
そう言って微笑むメアリーの青い瞳は、優しく俺を見つめている。
「じゃあ、お食事を続けましょうか。次はお芋食べましょうか?はい、あーん」
再びトレーを持ち、スプーンでジャガイモをすくうと、俺の口元にそのまま持って来る。
「・・・ウィッカー様?」
俺が口を開けずにいると、メアリーが不思議そうに小首を傾げる。
俺は今日こそ言うと決めていた。
メアリーには世話になった。
バッタの時は魔力をもらったし、俺とジャニスと師匠の三人を教会まで運んでもらった。
この孤児院には大勢の孤児が住んでいる。一番年上の子でもまだ10歳だから、俺達3人がいなければ、まだまだ身の回りの事もままならない。
師匠がバッタ殲滅作戦の前に、近所の人に子供達の事を頼んでみたが、みんな自分達の事で手一杯で、良い返事はもらえなかった。
だから、万一の時は子供達だけでなんとかしなければならなかったが、俺達は生きて帰って来れた。
そして、今日までメアリーは孤児院のために一生懸命頑張ってくれた。本当に俺達は助けられた。どれだけ感謝してもしきれない。
しかし、あれから7日立ち、俺ももうすっかり回復している。
そろそろいいだろう。
「あ、あのさ、メアリー、ほら、俺もこの通りもう回復したからさ・・・その、食事はもう、自分で食べられるよ」
「・・・え?」
俺が意を決して告げると、それまで優しく微笑んでいたメアリーの表情が、凍り付いたように固まった。
そう、これまでも、何かと俺の世話を焼きたがるメアリーに、俺はやんわりと断りを入れて来た。
シャツに袖を通すくらいであれば、何も言わない。
でも、それ以上は止めてほしい。ボタンくらい自分で留めれます。
髪の毛を梳かすのも自分でやらせて欲しい。
夜も一人で歩けるから、ランプを持って付いてこなくて大丈夫。
そして今回は食事だ。
メアリーの料理は美味しい。美味しいが、できれば自分のペースで好きなように食べたい。
しかし・・・
「ウィッカー様・・・私、ご迷惑だったでしょうか・・・・・・ウィッカー様に美味しい物を召し上がっていただきたい。ただ、それだけですのに・・・・・・」
この世の終わりのような顔をして、メアリーは肩を落とし俯いてしまった。
これまでもメアリーの世話焼きを断ると、全てこうなった。
メアリーが好意で俺の世話を焼いてくれる事は痛い程理解している。
そして俺はこの数日で、メアリーが俺を好きだという事は十分に理解した。
ここまでされて分からない男はいない。
「あー!ウィッカー兄ちゃんが、またメアリーちゃんをいじめてる!みんな集まれー!」
気落ちするメアリーに、俺の気持ちを分かってもらった上で、なんとか元気になってもらおうと四苦八苦していると、子供達のリーダー、トロワに目撃されてしまった。
この孤児院で養っている子供達は全部で15人。そのうち10歳が2人いて最年長だ。
トロワは身長が150cmもあり、年齢以上に大きな体をしている。少し口が悪く、たまに乱暴なところもあるが、根は優しいので、文句を言いながらも最後は小さい子の面倒を見てくれる。
俺はトロワを弟のように可愛がっていた。
トロワの呼びかけに、大きな足音を立てて、子供たちが集まってきた。
3歳以上はトロワが呼びかけると集まって来る。
この孤児院には1歳の幼児が2人いるが、その子達はジャニスと、もう一人の10歳、キャロルが見ている。
したがって、今俺は12人の子供達に囲まれている事になる。
「ウィッカー兄ちゃん!なんでいっつもメアリーちゃんをいじめんだよ!いい加減にしろよ!許さねぇぞ!」
トロワが力いっぱいに床を踏みつけると、大きな音が鳴り響く。ツンツンとした短い黒髪が、怒りで更に逆立っているようにすら見える。
トロワが踏み鳴らしたせいで、他の子供らも真似をして体重をいっぱいに乗せて、次々に足を踏み鳴らす。物凄い騒音が響き渡り、思わず両手で耳を塞ぐが、あまり効果がない。
足音と共に、子供達の、謝れコールも始まった。
こうなるともう手がつけられない。
「わ!分かった!俺が悪かった!謝るからもうやめてくれー!」
両手で耳を抑えながら声を張り上げると、トロワが両手を左右に広げ、制止の合図を出す。
その途端、子供達は一斉に行動を止めるので、よく統率された軍人のようだと感心してしまう程だ。
トロワが、さっさと謝れとばかりに俺を睨みつけてくる。
元々少し吊り上がった目をしているので、睨まれると迫力が違う。本当にコイツは10歳かと疑いたくなるような眼光だ。
メアリーは腰を低くして、子供達に目線の高さを合わせている。
「みんな、いいんです。私がウィッカー様のお気持ちを考えていなかったのが悪いんです・・・ウィッカー様を責めないであげてください」
そう言って、子供達を両手いっぱいに抱きしめるメアリーに、子供達の俺への怒りが爆発した。
「ウィッカー兄ちゃん最低だー!」
「お兄ちゃんのバカー!メアリーちゃんいじめるなー!」
「夜ご飯抜きだからね!」
「もうここにくんなー!」
それまで黙っていた女の子達からも一斉に俺への容赦無い言葉がぶつけられる。
「メアリー!俺が悪かった!ぜひ、ご飯を食べさせてくれないか!頼む!」
声いっぱいに謝ると、メアリーは驚く程の変わり身の早さで、まるで花が咲きほこるような、とても可愛らしい笑顔を見せた。
「はい!もちろんです!」
メアリーはそう元気良く返事をすると、またイスに腰をかけ、トレーからスープの皿を取り、スプーンにジャガイモを乗せて、俺の口元に運んできた。
0
お気に入りに追加
141
あなたにおすすめの小説
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
「クズスキルの偽者は必要無い!」と公爵家を追放されたので、かけがえのない仲間と共に最高の国を作ります
古河夜空
ファンタジー
「お前をルートベルク公爵家から追放する――」それはあまりにも突然の出来事だった。
一五歳の誕生日を明日に控えたレオンは、公爵家を追放されてしまう。魔を制する者“神託の御子”と期待されていた、ルートベルク公爵の息子レオンだったが、『継承』という役立たずのスキルしか得ることができず、神託の御子としての片鱗を示すことが出来なかったため追放されてしまう。
一人、逃げる様に王都を出て行くレオンだが、公爵家の汚点たる彼を亡き者にしようとする、ルートベルク公爵の魔の手が迫っていた。「絶対に生き延びてやる……ッ!」レオンは己の力を全て使い、知恵を絞り、公爵の魔の手から逃れんがために走る。生き延びるため、公爵達を見返すため、自分を信じてくれる者のため。
どれだけ窮地に立たされようとも、秘めた想いを曲げない少年の周りには、人、エルフ、ドワーフ、そして魔族、種族の垣根を越えたかけがえの無い仲間達が集い―― これは、追放された少年が最高の国を作りあげる物語。
※他サイト様でも掲載しております。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
あの、神様、普通の家庭に転生させてって言いましたよね?なんか、森にいるんですけど.......。
▽空
ファンタジー
テンプレのトラックバーンで転生したよ......
どうしようΣ( ̄□ ̄;)
とりあえず、今世を楽しんでやる~!!!!!!!!!
R指定は念のためです。
マイペースに更新していきます。
屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。
彩世幻夜
ファンタジー
母が死にました。
父が連れてきた継母と異母弟に家を追い出されました。
わー、凄いテンプレ展開ですね!
ふふふ、私はこの時を待っていた!
いざ行かん、正義の旅へ!
え? 魔王? 知りませんよ、私は勇者でも聖女でも賢者でもありませんから。
でも……美味しいは正義、ですよね?
2021/02/19 第一部完結
2021/02/21 第二部連載開始
2021/05/05 第二部完結
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる