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105 リカルドは飯が食べたい
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店に戻った俺とレイチェルは、とりあえずスーツから着替える事にした。
時刻は午後4時。閉店まで残り30分だ。
今日は騎士団本部でマルゴンに会い、国王陛下へ謁見して、その後王妃様と会って、とにかく気疲れが多かった。
レイチェルは穿きなれないスカートで大分窮屈感を感じていたようで、先に着替えさせてくれと言い、今は事務所で着替えている。
外で待つ間、俺は今日の事を思い出していた。
村戸さんの事は心配だ。なんだか、戦う事を前提とした話になっていたように感じるが、俺にとって村戸さんは恩人だ。
できれば争う事にはなってほしくない。だけど、村戸さんが治安部隊を五名殺害したと言う話だし、今はブロートンにいるとなれば、やはり覚悟はしておかなければならないかもしれない。
そして、国王陛下が偽者かも知れないという事と、王妃様からのご依頼でケイトが持ち帰った真実の花。この件は俺達でなんとかできるのだろうか?
一国の運命を左右しかねない程大きな事だ。近いうちに、王妃様が使いを店に送ると話されていた。
その時にケイトから薬を渡す事になるだろう。今後この事で、なにか指示があるかもしれない。
この件は、王妃様の使いが来るまで待つしかない。
「あ、アラタお兄ちゃん!お帰りなさい。今帰ってきたんですね」
色々考えながら、ぼんやり空を眺めていると、エルちゃんが正面出入口から出て来た。
箒と塵取りを持っており、掃除の途中のようだ。
「あ、エルちゃん、ただいま。今日は何時に来たの?」
「今日はお昼を食べてから来たので、午後1時くらいです。お城はどうでしたか?」
「う~ん、キラキラし過ぎてて、俺には窮屈だったかな。店に帰ってきて、なんだかほっとしたよ。王様と王妃様にお会いしたけど、緊張で正直疲れたね」
自分の肩を揉みながら首を傾げて、溜息交じりに答えると、エルちゃんは面白そうに声を出して笑った。
「あはは!アラタお兄ちゃん、まだ若いんですから、そんな事言ってちゃ駄目ですよ!でも、カチュアお姉ちゃんが言ってた通りです。アラタお兄ちゃんは、きっと疲れた顔して帰ってくるから、夜ご飯は美味しいの沢山作るって言ってましたよ」
仲良しでいいですね!、と言ってエルちゃんは店の中に戻って行った。
「・・・俺も分かりやすいのかな?」
頭を掻いてそう呟くと、事務所のドアが開いてレイチェルが出て来た。
「お待たせしたね。アラタもどうぞ」
レイチェルらしい、見慣れたシャツとパンツ姿に着替えている。肩を回して、動きやすさを確認しているようだ。
「私はやっぱり、こういう格好が一番だよ。じゃあ、先に店に行ってるよ」
そう言って、レイチェルは店内に入って行った。
事務所に入り、スーツを脱いで、用意しておいた長袖Tシャツとジーパンに着替える。
気疲れはあったが、長時間スーツを着ていても肉体的な窮屈感はまるで無かった。
モロニー・スタイルのオーダースーツは素晴らしいと思う。シワにならないよう、ハンガーにかけてきちんと大事に保管しておこう。
着替えを終えて店内に入ると、お客さんも少なく、みんな閉店準備にに入っていた。
やはりこの季節、16時を過ぎると大分陽も傾くし、お客さんも暗くなる前にいなくなってしまうようだ。
とりあえず、各コーナーを回り、みんなに帰ってきたと声をかける。
カチュアは、お腹空いてるでしょ?今日の夜はいっぱい作るから楽しみにしててね!と、話してくれたので、夜ご飯が今から楽しみだ。
お城では、侍女が用意してくれた、紅茶とクッキーなどをつまんだだけで、昼食らしい物は何もとっていないから、実は今けっこうお腹が空いている。
「おう、アラやんお帰り!今日はなかなか良い売り上げだったぞ。鉄の鎧とバックラーのセットが売れてよ、あとあの傷が多い兜あったろ?練習用だから傷があってもいいって言って、買ってった人いるんだよ!まぁ、安くしてたからな。でもよ、棚が一つ空くと嬉しいよな」
防具コーナーへ行くと、ジャレットさんが機嫌良く、今日の成果を話しだした。
利幅の大きいセットと、できれば早く売れて欲しい兜が売れたと聞いて、俺もテンションが上がった。
「本当ですか!?セットも嬉しいですけど、あの兜、俺気になってたんですよ。早く売れてくれないかなって。練習用って事は・・・格上の人に、打ち込まれるのが前提で稽古つけてもらうとかですかね?」
「あ~、多分そんなとこだと思うな。修理すれば使えると思って、ただみたいな値段で買い取ったけど、正直売れるか疑問だったんだよ。やっぱ使い道ってのはあるんだな。練習用か、俺も勉強になったぜ」
ジャレットさんも、腕を組んで納得したように頷いている。
「アラやん、もうすぐ閉店だし今からやる事はないから、今日買い取った商品と売れた商品、台帳にまとめて置いたから目だけ通しておけよ。あと、さっきレイチェルが来て、明日は八時出勤だとさ。
今日の城での事だけど、話長くなるから今日の閉店後じゃなくて、明日の朝話す事にしたってよ」
俺は、分かりました、と返事をして台帳を手に取った。
確かに今日の出来事を話すなら、閉店後では時間が足りないだろう。時間を気にせず話すなら、朝の方がいい。
「兄ちゃーん!」
俺が台帳に目を通していると、リカルドの場所をわきまえない高い声が耳に届いた。
カウンターから出て、声の聞こえた方に顔を向けると、正面で入り口の辺りにいたリカルドが、急ぎ足でやって来た。
なんだか目に力が入っていて、必死な表情だ。
「リカルド、どうしたんだ?なんか急ぎの用事か?」
「兄ちゃん、今日さ、カチュアが兄ちゃん家で飯いっぱい作ってくれんだって?俺も行くぞ!もうパンは見たくない!いいだろ!?」
リカルドは俺の腕を掴むと、早口でまくし立てた。
パンと言うと、シルヴィアさんか?シルヴィアさんはパン作りが趣味で、俺も何回も貰っているが、とても美味しいパンで、パン屋を開いてもいいんじゃないかと思うレベルだ。
お菓子もよく作るようで、今回の祝勝会ではケーキも焼いてくれるらしい。
俺はシルヴィアさんのパンは好きなので、貰える時には喜んで貰っている。
だが、リカルドは違うらしい。
「もうよ!毎日毎日、なんで俺にばっかパン持ってくんだよ!?俺に来る確率高すぎんだろ!?おかしいだろ!?昨日も今日も一昨日も!さっきも夜食べてねってクロワッサン!おかしくね!?」
「わ、分かった!分かったから、手を離せ、痛いって、な、とりあえず手を離せ!」
興奮するリカルドをなだめ、力いっぱい握る手をなんとか離すと、やっと少し落ち着いたようだ。
「おいおい、お前この前まで黙ってシーちゃんのパン食ってたじゃねぇか?急にどうした?」
ジャレットさんが口を挟むと、リカルドはジャレットさんに顔を向け、力いっぱい眉間にシワを寄せ睨みつけた。
「うっせぇよ!ちょっと食ったからって、三食パン持ってこられちゃ嫌になるに決まってんだろ!ジャレットだって、兄ちゃんだって、みんな週に一回くらいだろ?俺はほとんど毎日だぞ!?週に六日は持って来られんだぞ!なんだよ一体!?そんなに俺にパン食わせてどうしたいんだよ!?」
ジャレットさんはリカルドに怒鳴られても、両手の平を胸の辺りで上げて肩をすくめ流している。
「なぁ~!兄ちゃん頼むよ~!俺だってたまにはカチュアの飯が食いてぇんだよ~!!今日いっぱい作ってもらえんなら、俺も仲間に入れてくれよ~!」
リカルドは俺の両肩を掴み、遠慮ない力で、前後にがくがく揺らしてくる。
「わ、分かった!分かったから揺らすな!お前も来ていいから!手を離せ!」
俺が了承すると、リカルドはすぐに手を離し、さすが兄ちゃん!じゃあ帰りにまたな!と言って、足早に自分の武器コーナーの方へ去って行った。
「まったく、リカルドは、すげぇ勢いでくるから・・・」
俺は溜息を付きながら、Tシャツのめくれ上がった袖や、ずれた首元を整えた。
そんな俺を見て、ジャレットさんは背中を軽く叩くと、お前も大変だな、と言ってやたら白い歯を見せながら親指を立てた。
時刻は午後4時。閉店まで残り30分だ。
今日は騎士団本部でマルゴンに会い、国王陛下へ謁見して、その後王妃様と会って、とにかく気疲れが多かった。
レイチェルは穿きなれないスカートで大分窮屈感を感じていたようで、先に着替えさせてくれと言い、今は事務所で着替えている。
外で待つ間、俺は今日の事を思い出していた。
村戸さんの事は心配だ。なんだか、戦う事を前提とした話になっていたように感じるが、俺にとって村戸さんは恩人だ。
できれば争う事にはなってほしくない。だけど、村戸さんが治安部隊を五名殺害したと言う話だし、今はブロートンにいるとなれば、やはり覚悟はしておかなければならないかもしれない。
そして、国王陛下が偽者かも知れないという事と、王妃様からのご依頼でケイトが持ち帰った真実の花。この件は俺達でなんとかできるのだろうか?
一国の運命を左右しかねない程大きな事だ。近いうちに、王妃様が使いを店に送ると話されていた。
その時にケイトから薬を渡す事になるだろう。今後この事で、なにか指示があるかもしれない。
この件は、王妃様の使いが来るまで待つしかない。
「あ、アラタお兄ちゃん!お帰りなさい。今帰ってきたんですね」
色々考えながら、ぼんやり空を眺めていると、エルちゃんが正面出入口から出て来た。
箒と塵取りを持っており、掃除の途中のようだ。
「あ、エルちゃん、ただいま。今日は何時に来たの?」
「今日はお昼を食べてから来たので、午後1時くらいです。お城はどうでしたか?」
「う~ん、キラキラし過ぎてて、俺には窮屈だったかな。店に帰ってきて、なんだかほっとしたよ。王様と王妃様にお会いしたけど、緊張で正直疲れたね」
自分の肩を揉みながら首を傾げて、溜息交じりに答えると、エルちゃんは面白そうに声を出して笑った。
「あはは!アラタお兄ちゃん、まだ若いんですから、そんな事言ってちゃ駄目ですよ!でも、カチュアお姉ちゃんが言ってた通りです。アラタお兄ちゃんは、きっと疲れた顔して帰ってくるから、夜ご飯は美味しいの沢山作るって言ってましたよ」
仲良しでいいですね!、と言ってエルちゃんは店の中に戻って行った。
「・・・俺も分かりやすいのかな?」
頭を掻いてそう呟くと、事務所のドアが開いてレイチェルが出て来た。
「お待たせしたね。アラタもどうぞ」
レイチェルらしい、見慣れたシャツとパンツ姿に着替えている。肩を回して、動きやすさを確認しているようだ。
「私はやっぱり、こういう格好が一番だよ。じゃあ、先に店に行ってるよ」
そう言って、レイチェルは店内に入って行った。
事務所に入り、スーツを脱いで、用意しておいた長袖Tシャツとジーパンに着替える。
気疲れはあったが、長時間スーツを着ていても肉体的な窮屈感はまるで無かった。
モロニー・スタイルのオーダースーツは素晴らしいと思う。シワにならないよう、ハンガーにかけてきちんと大事に保管しておこう。
着替えを終えて店内に入ると、お客さんも少なく、みんな閉店準備にに入っていた。
やはりこの季節、16時を過ぎると大分陽も傾くし、お客さんも暗くなる前にいなくなってしまうようだ。
とりあえず、各コーナーを回り、みんなに帰ってきたと声をかける。
カチュアは、お腹空いてるでしょ?今日の夜はいっぱい作るから楽しみにしててね!と、話してくれたので、夜ご飯が今から楽しみだ。
お城では、侍女が用意してくれた、紅茶とクッキーなどをつまんだだけで、昼食らしい物は何もとっていないから、実は今けっこうお腹が空いている。
「おう、アラやんお帰り!今日はなかなか良い売り上げだったぞ。鉄の鎧とバックラーのセットが売れてよ、あとあの傷が多い兜あったろ?練習用だから傷があってもいいって言って、買ってった人いるんだよ!まぁ、安くしてたからな。でもよ、棚が一つ空くと嬉しいよな」
防具コーナーへ行くと、ジャレットさんが機嫌良く、今日の成果を話しだした。
利幅の大きいセットと、できれば早く売れて欲しい兜が売れたと聞いて、俺もテンションが上がった。
「本当ですか!?セットも嬉しいですけど、あの兜、俺気になってたんですよ。早く売れてくれないかなって。練習用って事は・・・格上の人に、打ち込まれるのが前提で稽古つけてもらうとかですかね?」
「あ~、多分そんなとこだと思うな。修理すれば使えると思って、ただみたいな値段で買い取ったけど、正直売れるか疑問だったんだよ。やっぱ使い道ってのはあるんだな。練習用か、俺も勉強になったぜ」
ジャレットさんも、腕を組んで納得したように頷いている。
「アラやん、もうすぐ閉店だし今からやる事はないから、今日買い取った商品と売れた商品、台帳にまとめて置いたから目だけ通しておけよ。あと、さっきレイチェルが来て、明日は八時出勤だとさ。
今日の城での事だけど、話長くなるから今日の閉店後じゃなくて、明日の朝話す事にしたってよ」
俺は、分かりました、と返事をして台帳を手に取った。
確かに今日の出来事を話すなら、閉店後では時間が足りないだろう。時間を気にせず話すなら、朝の方がいい。
「兄ちゃーん!」
俺が台帳に目を通していると、リカルドの場所をわきまえない高い声が耳に届いた。
カウンターから出て、声の聞こえた方に顔を向けると、正面で入り口の辺りにいたリカルドが、急ぎ足でやって来た。
なんだか目に力が入っていて、必死な表情だ。
「リカルド、どうしたんだ?なんか急ぎの用事か?」
「兄ちゃん、今日さ、カチュアが兄ちゃん家で飯いっぱい作ってくれんだって?俺も行くぞ!もうパンは見たくない!いいだろ!?」
リカルドは俺の腕を掴むと、早口でまくし立てた。
パンと言うと、シルヴィアさんか?シルヴィアさんはパン作りが趣味で、俺も何回も貰っているが、とても美味しいパンで、パン屋を開いてもいいんじゃないかと思うレベルだ。
お菓子もよく作るようで、今回の祝勝会ではケーキも焼いてくれるらしい。
俺はシルヴィアさんのパンは好きなので、貰える時には喜んで貰っている。
だが、リカルドは違うらしい。
「もうよ!毎日毎日、なんで俺にばっかパン持ってくんだよ!?俺に来る確率高すぎんだろ!?おかしいだろ!?昨日も今日も一昨日も!さっきも夜食べてねってクロワッサン!おかしくね!?」
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「おいおい、お前この前まで黙ってシーちゃんのパン食ってたじゃねぇか?急にどうした?」
ジャレットさんが口を挟むと、リカルドはジャレットさんに顔を向け、力いっぱい眉間にシワを寄せ睨みつけた。
「うっせぇよ!ちょっと食ったからって、三食パン持ってこられちゃ嫌になるに決まってんだろ!ジャレットだって、兄ちゃんだって、みんな週に一回くらいだろ?俺はほとんど毎日だぞ!?週に六日は持って来られんだぞ!なんだよ一体!?そんなに俺にパン食わせてどうしたいんだよ!?」
ジャレットさんはリカルドに怒鳴られても、両手の平を胸の辺りで上げて肩をすくめ流している。
「なぁ~!兄ちゃん頼むよ~!俺だってたまにはカチュアの飯が食いてぇんだよ~!!今日いっぱい作ってもらえんなら、俺も仲間に入れてくれよ~!」
リカルドは俺の両肩を掴み、遠慮ない力で、前後にがくがく揺らしてくる。
「わ、分かった!分かったから揺らすな!お前も来ていいから!手を離せ!」
俺が了承すると、リカルドはすぐに手を離し、さすが兄ちゃん!じゃあ帰りにまたな!と言って、足早に自分の武器コーナーの方へ去って行った。
「まったく、リカルドは、すげぇ勢いでくるから・・・」
俺は溜息を付きながら、Tシャツのめくれ上がった袖や、ずれた首元を整えた。
そんな俺を見て、ジャレットさんは背中を軽く叩くと、お前も大変だな、と言ってやたら白い歯を見せながら親指を立てた。
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